なんでフェストゥムはテラにいるんですか?   作:野菜大好き丸

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またしばらく構想練るのに時間とられそうな作者です。

危機契約ももうすぐ終わりへと近づきましたね。

ちな作者は16級で止まってます。何と言うか大型の方は初めから契約全て選べないのが、時間の無い社会人にとってきついです。かと言ってβも#0の方もキャラが育っていないのもあって全然行けてなかったんですけどね。今もピンポイントに役立つ育てたいキャラが育ってないんすけど。

とりまデイリー契約は攻略動画見ながらきちんと取れているので、残りの分も無事に取っていきたいです。


2章
第11話 過去 ~おもいで~


 住宅街にある一軒家の玄関先にて、二十代成り立てであろう青年は、彼を見送ろうする50代くらいの二人の男女と、女性が抱えている猫に向けてお辞儀をする。

 

 

「宗おじさん、千夜おばさん、そしてアズキ。長い間お世話になりました」

 

「気づけば君ももう大人か……。時の流れは早いな……」

 

「そうね兄さん、ウチの陽介と同じくこんなに立派に育って……。この子の境遇から最初はどうなるかと思っていたけど……」

 

 

 ピシッと決めたスーツを着こなす青年を見て男性_宗おじさんは時の流れをしみじみと感じ取り、女性_千夜おばさんは自身の息子と同い年である青年が立派に成長したことを感涙にむせている。

 

 

「ああ、事故で亡くなったあいつから君を託された時、君はとても荒れていたからな。あの痛々しい君の姿を見て、自分達は君を助けてやれないのかと諦めかけていた時もあった。けれどこうして君が立派に育ってくれた。本当に、ありがとう……」

 

「お礼を言うのはこっちの方です。事故で身寄りの無い俺を引き取って、あなた方に散々酷いことを言ったにも関わらず、見捨てずに育ててくれましたから」

 

「……あんな悲劇が自分の身に起きれば誰でもそうなるさ。君がそう責任を負う必要は無い」

 

 

 男の気遣いにやっぱりこの人達には敵わないやと青年は思う。彼らは疫病神だと思われても仕方の無い自分をここまで育ててくれた。青年の目から自然と溢れた涙が頬を伝うのを感じ、彼らに心配させないようにと咄嗟に涙を拭う。 

 

 

「……なぁ~ご」

 

「……ん、アズキ? しばしのお別れだけど、落ち着いたらまた会えるからな。お~よしよし」

 

「ゴロゴロゴロ……♪」

 

 

 おばさんの腕に抱きかかえられていた黒猫_アズキが撫でろと言わんばかりに可愛らしい声で鳴きながら頭を俺の方へと差し出して催促をする。自由気ままな彼らのマスコットの変わらぬ態度に苦笑しながらも、青年は彼女の首元を丹寧に撫でる。撫でられている個所が気持ちいいのか、目を細めて首を伸ばしながら上機嫌に喉を鳴らす。

 

 

「それにしても陽介と言い、うちの旦那のと言い……、この子の門出に居合わせないなんて。まったくもう!」

 

「それはしょうがないよ。勝おじさんと陽ちゃんはこの日は大事なレースに出てるから。元はと言えば俺の引越しがそんな日と重なったのが悪い。もし俺のことで二人のレースを潰したら、俺の方が申し訳ないよ」

 

 

 千夜おばさんはこの場に居ない二人、彼女の夫である勝おじさんと、二人の息子で俺の親友でもある陽ちゃんこと陽介が居ないことに腹を立てていた。彼女の気持ちは分からなくないけど、あまり二人を責めないで欲しいと青年は彼女を宥める。

 

 この場に居ない二人は現在バイクレースの大会に出場しており、陽ちゃんこと陽介は、今若手の注目株のバイクレーサーであり、彼の父親である勝おじさんはかつてその道のプロレーサーであったことから、引退後は彼の専属コーチを務めている。

 

 

「だからって……、二人もあなたの門出を祝いたかったのは事実よ」

 

「知ってるさ。だから門出のお祝いにレースの優勝トロフィーを取って来いって二人に言ってやったよ」

 

「ははは、言うようになったじゃないか。千夜、彼がそう言うなら二人をそう責めないなくてもいいんじゃないか?」

 

「兄さんも! ……はぁ、うちの男達はどこかズレているというかなんというか……」

 

「まぁ、それくらいにして……っておっと、もうこんな時間か」

 

 

 お別れの挨拶が思いの外長引いたことで予想よりも時間が過ぎていたらしく、青年がふと腕時計で時間を確認すると、いつの間にか目的の電車が来る時間まで差し迫っていた。

 

 

「それじゃあおじさん、おばさん。二人には伝えといて! 行ってくる!」

 

「ああ、気を付けて行きなさい」

 

「向こうに行っても体を大切にね! 辛くなったらいつでも帰ってきなさい!」

 

「はーい! それじゃ、行ってきまーす!」

 

 

 青年はそう言って慣れ親しんだ家から離れ、ひたすら駅へと向かう。それは社会人として彼が新たな人生を踏み出す始まりの一歩だった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……んん? ああ、夢か)

 

 懐かしい夢を見たなーとしみじみに思いながら寝ぼけている意識を覚醒させる。

 

 

 

 

 スノーデビル小隊と別れた後、テラを駆け回りながら旅をして三ヶ月、俺は旅の途中で睡眠をとっていたことを、未だ本調子に回転していない頭で思い出す。未だに『楽園』はおろか、ドゥリン族の情報すらない。けどこの三ヶ月の旅で、多くの出来事と経験を積んでいった。

 

 深く生い茂る密林地帯や、不気味な雰囲気が漂う海岸。熱砂が吹きすさぶ砂漠、何時の時代にて建てられたのか分からない遺跡やその残骸など、旅を通して多くの光景を目にしてきた。

 

 

 

 また、こういった光景だけではなく、旅をしていく中で人との触れ合いも僅かながらあった。

 

 

 

 辺境の地に集落を作って生活を営む村の人々や、その村で商売をする行商人。

 

 

 厳しい環境で自然の調査をする研究者や、ただ自分の知らない世界を踏破するために歩む探検家。

 

 

 

 地球よりも過酷な自然の中で、目的はそれぞれだがその土地で生き抜いている人達が居る。そんな彼らは明らかに怪しい俺を見て、驚きはしても理不尽に敵意を向ける人はそこまでいなかった。目立つ自身の身体を隠している理由を深く追求せず、むしろ一宿一飯の恩で歌を聞かせたら、ノリノリで合わせてくれてお祭り騒ぎになった。

 

 

 

 もちろんそんな良い人達ばかりと出会ったわけじゃないけどな。そういう人達を襲う野盗とか感染者狩りとかも出会ったし、そんな奴らから彼らを守るために色々と手伝ったりもして、時には血を流す結果になって悲しいこともあった。

 

 その時、成り行きで出会った探検家のアスちゃんからキツイ言葉で叱咤されたけど、その言葉が結果的にこの世界で生きようとする俺の助けにもなった。事態が解決した後、アスちゃんにはお礼として鉱石病を治療した。それを知った彼女は「余計なことをするな!」と毒づいていたけど、あれは彼女なりの感情表現だって今ならわかる。

 

 

 

 そんなこんなで旅の間での大きな出来事はいくつかあったけど、他に印象に残るものだとそうだな……、海岸で大ダコに襲われたり、獣の群れに襲われている天使の人達を助太刀で助けたら、何故かそいつらに攻撃を仕掛けられたことだな。

 

 

 前者は何かクトゥルーな狂気的なものを感じる大物だったけど、脚を二、三本切ったら逃げ出したし、そんなに大したことは無かった。ちなみにタコ足はタコ焼き作るために回収して体内にしまっている。フェストゥムの力を応用して体内に四次元ポケットもどきが作れて助かったよ。

 

 

 

 だが、後者に関してはどうも納得できない。良かれと思って腕を銃身に変化させることで銃撃による援護したら、何故か国の機密を持ち出したと容疑にかけられて、有無も言わさずにどっかに連れて行こうとしてきた。流石に旅が出来なくなるから即座に逃げ出したけど、そしたらター○ネーターみたいな天使に追っかけ回されるとかいう訳分からん状況になった。

 

 結構速いスピードで逃げたり、心を読んであいつの裏をかいたりして逃れようとしたけど、普通に追いかけて来るし。先回りされてしかも地雷まで仕掛けてくるわで、地の利はあっちにあるせいで最終的に追い込まれたよ。捕まる寸前にSDPの消失(ロスト)が発現したおかげで何とか切り抜けられたから良かったけど。

 

 その他にも旅していく内に新たな力が目覚めたり、色々な場所に転々してた所、休息のためにどっかの洞窟で眠っていたんだっけな。

 

 

 

 

 

 

 さて、旅のことをしっかり思い出せたので、今度はさっき見た夢の方へと話を戻そう。一応自分が何者だったのか、きちんと覚えているのか確認しないと安心できない。フェストゥムになって自我の消失は起こっていないけど、今後起きないとは限らないからな。

 

 

 あれは確か……俺が警察学校を卒業し、地方の巡査として両親の故郷へと赴任する際、宗おじさん達の元から離れた時だったか? 幼い頃事故で両親を失った俺をおじさん達は快く引き取ってくれたんだよな。一人っ子で、両親ともに親族が居なかったから、あの時おじさんが手を差し伸べてくれなかったらどうなっていたのやら。

 

 そして引き取った俺のことを彼らは実の息子同然に育ててくれたのに、幼い俺は両親を失った悲しみで彼らに当たって傷つけるだけだった。そのことを間違いだと気づいてからは今までの過ちを雪ぐために出来ることは何でもやったが、正直恩は返しきれていないと思っている。

 

 あと千夜おばさんの息子であり、俺にとって一番の親友である陽ちゃんにも色々と世話になった。最初はそりが合わなかったりして色々と喧嘩したりしたけど、なんやかんやお互いに良い所を認めていたし、事故のことで心が空っぽだった俺に趣味の作り方とか教えてくれたからな。おかげでアニメやゲーム、ギターとか趣味が出来たし、世界はこんなに楽しいことがあるって教えてくれたことには感謝している。

 

 ……まぁ、あいつの無鉄砲な行動に付き合うのは骨が折れたけど。サザ○さんのNKZM君みたいなノリで空手や剣道などの武道やバイクなど、色々なことに付き合わされまくった……。

 

 バイクや武道は警察学校で役に立ったからいいけどさ。挙句の果てには淫夢ネタを知ったからって、その元ネタを調べるために、わざわざビデオをレンタルして本編を見るか普通!? 

 

 さすがにその時のあいつの精神状態には疑ったゾ。俺の菊門の貞操がいかん危ない危ない危ない……(レ)。

 

 一応ホモだったからという理由じゃなくて、単純な知的好奇心が理由だったけど、そんなところまで働かせなくていいから……(良心)。

 

 それで色んなものを見た上に、最終的にあの汚いレストランのやつまで見た結果、お互いトイレでリバースする始末だったからな。その日の夕飯がカレーやミートソーススパゲッティじゃなくて助かったよ……(遠い目)。

 

 とりま俺が淫夢ネタを使えるのはあの馬鹿のせいだってことだ。ネタ自体は汎用性があって面白いから、教えてくれたことは許すけど、ビデオのことに関しては絶対許さねぇ。あとこんなことを言ってるけど、俺はれっきとしたノンケです。これだけはハッキリと真実を伝えたかった(TDN並感)。

 

 

 

 

 

 

 

 ……えーっと、何か話が脱線したけど確かあの夢の続きでは、俺は本当の両親の故郷で巡査を務めていたんだよな。

 

 と言ってもやることは交通安全を兼ねた見回りと、見回りついでの美化活動、時折揉め事の対処とか、迷子の子を親の所まで送り届けたりしたくらいだったな。あの町はのどかな田舎で、武道が役に立つことが無い位に平和なんだよなぁ。俺はあののんびりとした空気は好きだけど。

 

 ただ、いつかの行方不明の事件が起きた時は流石に肝が冷えたな。幸運にも、俺が勘で探していたら捜していた子供が早く見つかったから大事には至らなかったけど。

 

 自分で言うのもなんだが、どうも昔から人との巡り合わせの運に関しては凄く良いんだ。おじさんみたいな良い人と巡り合えたり、迷子になった子供を捜す際、何故か俺が見つけると早く見つかるんだよなぁ。その代わり大なり小なりと不運に見舞われることが多いけど……。

 

 あの事件をきっかけにニュースでも話題になって、地元の人はおろか、警察学校の同僚からも俺のことを「人探しのプロ」って言われたこともあった。ぶっちゃけ運というれっきとした実力で見つけたわけじゃないから、あまり誇れるようなもんじゃないけどな。運も実力の内と言うが、それは運を自在に引き寄せられる奴が言っていいものなんで、俺には不釣り合いだ。悪運も引き寄せちゃってるしな。

 

 そんでそういった功績と普段の行いの結果なのか、地方の警察署長さんから昇任の推薦もあったな。流石に経験が少なくて荷が重いと感じたから正規のルートで目指すと言ったけど、そしたら余計気に入られた。なぜ? 

 

 ……そういや俺がこの世界に来る直前、確か正規の昇任試験で昇任結果が決まって、試験の重圧から解放された自身のご褒美としてアニメ鑑賞会してたんだよなぁ。それで夜更かしをして、寝落ちしたんだっけ? いや、これでホント何で異世界転生したんだ? 

 

 

 あ~……、今まで意識しないように強がっていたけど、夢のせいでなんだか寂しくなってきた。昇任したお祝いにおじさん達の所へ遊びに行こうとしてたけど、もう会えないのかなぁ……。これがホームシックってやつか? 

 

 

 仮に向こうへ帰れたとしても、この見た目をどうにかしないといけないし、そもそも帰れる手段が見つかっていない。それにこの世界でやることもできたから、何も果たせず帰るわけにもいかないしな……。一人でどうしたらいいのやら……。

 

 

 ⦅( ̄・ω・ ̄)⦆

 

 

 あぁ、そういや今はお前も居たな、アルタ。この旅の間でお前も随分と表情が豊かになったよ。最初は三点リーダぐらいで意思を伝えるくらいだったのに。

 

 視聴者兄貴姉貴達にアルタについて簡単に説明すると、こいつは死にかけの時に出会ったもう一人の俺だ。詳しくは第八話を見てくれや。

 

 フェストゥムの俺であるこいつもまた旅の間に成長したのか、時おりこうやって感情を表現できるようになった。それでいつまでも(おれ)なんて言うのもあれだから、もう一人の自分ということでアルタという名前を名付けた。

 

 

 ⦅(・ω・ = ・ω・)⦆

 

 

 ……何? メタ発言よりも周りを見ろって? 一体どういうこ──

 

 

 アルタの一言に周囲を見渡してみると、

 

 

 

 

 俺が居る場所はごつごつとした岩肌のある洞窟ではなく、木箱やコンテナといった荷物が無造作に積まれた、まるで倉庫のような見知らぬ部屋にいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました(RTA並感)

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回予告

 

 

 見知らぬ場所で目覚めたせっくん。調べていくとそこはリターニアへと向かう悪徳商会の小さな輸送艦だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分が運び込まれた経緯を調べていくと、突然鞭を撃った音が響き渡る。何事かとみると、そこには一人の女性が痛めつけられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女を人質に取られ、何もできない女性は男達によって鞭を撃たれ続ける。その光景を見たせっくんは行動を起こす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『皆さん、ご無沙汰しております。悶絶中年専属調教師のせっくんと申します』

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回、なんでフェストゥムはテラにいるんですか? 第12話、悶絶 ~KBTIT~

 

 

 

 

 

 

 あなたは、そこにいますか? 

 

 

 

 

 

 

 




せっくん『卍解~』
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