一周年終わったと思ったら今度は復刻燃ゆる心さんとか、たまげたなぁ…。しかもしっぽ姉貴の水着が来るとかお財布壊れちゃぁ^~ぅ。来世はしっぽ姉貴の水着コーデにいる
満月が輝く闇夜、リターニアの人里から離れごつごつとした岩が広がる荒野。
そこにせわしなく動く人の姿と声や作業音によるざわめきが生まれていた。荒野にはいくつかの車両が止められており、車両から何か重々しい機械が人の手によって運び出され、設置されていた。荒野で作業をしている人たちが行き交う中で、他の人達とは一際身なりの良い太った男が執事のような男に対し怒号を上げていた。
「……おい、今回の実験に使う
「それが旦那様、捕獲に成功した報告が来てからこの三日間、連絡がさっぱりと……」
「チッ、あのゴロツキ共め。何処をほっつき歩いているのだ! 何としても実験のために捕獲しなければならないから支援してやったと言うのに……」
彼に仕えている執事の発言が気に障ったのか、貴金属や高級な礼服を身に纏った中年程の貴族の男、もといデブ貴族が癇癪を起こす。その体にはでっぷりと肥えた贅肉を腹と顎に蓄えられ、まるで醜い豚のように肥えていた。怒りのあまり体中についている脂肪をプルプルと震わせながら激昂するその姿に、執事は「またか……」と言いたげな目で呆れてうんざりしていた。彼にとってこのようなことは日常茶飯事なのだろう。
ここはデブ貴族が自身のアーツ実験のために拵えた野外研究場だ。建物はせいぜいプレハブ小屋のようなものしかないがこれには理由があり、もし建物とかで実験をする際にアーツで内部や機材が一々破壊されては規模のデカい研究は出来ず、修理なんかのコストがかかる。それと人の目が多い移動都市内なんかではそういった研究するには情報漏洩や人道による問題からの摘発といったリスクがある。
そこで自然発生の天災というリスクもあるが、資源や設備も実験の際だけ必要最低限に用意し、かつ天災が来て破壊されても低コストで済むものを用いりながら野外で実験を行えば上記の手間はかからず、思う存分に実験が出来るとデブ貴族は考えた。幸いにもこの荒野は人里離れているために人目に付かず、研究で発生する音や光もアーツで出来る限り隠蔽しているため何の噂にはなっていない。天災も専属の
たまに旅人等がここに迷い込んでやってくることもあるが、そう言った人物は口封じも兼て研究材料にしてしまえばどうということは無い。実際に今までも迷い込んだ遊牧民族や別の天災トランスポーターもこういった手段で始末してきたし、今も捕まえた奴らを
それにこの前も珍しいことにドゥリン族の旅人がこの地に紛れ込み、しかも感染者なので丁度良く、今回の実験の材料としてそいつも捕えていた。後は巷で有名なあのサルカズの傭兵団、それも土と岩に関係するアーツの使い手だという奴らも良い実験素材になると考えていた。今回実験で発生させる天災は地割れや地震といった物のため、何としても欲しい物であった。
だが来てないのなら仕方あるまい。無い物をねだる暇があるのなら代案を考えたり、今回使う装置の調整をしていた方がよっぽど有意義だとデブ貴族は切り替えた。
「……まぁいい、少なくても今日来ても良いように、とにかく実験の準備を進めろ! 儂は今回のために用意したあの機材の調整をしなければならないのだからな」
そう吐き捨てたデブ貴族は大きな体を揺らしながら、静かに設置された一際目立つ巨大な機械の方へと向かっていく。
――あの機械はデブ貴族が今回の実験で用意したとっておき、一言で簡単に言えばアーツのエネルギー炉だ。内部に人を繋ぎ留めることで、人を電池のようなエネルギー源としてアーツのエネルギーを増幅させて、放出が出来る代物であった。
感染者は体内にある源石を利用してアーツを放つ。この方法を利用して作られたのがこの炉であり、彼の研究の集大成。もし今回の実験が成功すれば、デブ貴族はこの技術をリターニア貴族の裏社会に売って権力を拡大しようとしていた。全ては自身のアーツに対する欲求を満たすために、富と権力を持って研究のための
表向きは感染者に優しくしているが、それはあくまで
性根の腐った彼の元で動く執事や仕入れを担当する輸送商団、彼に就き従う部下達も彼と同様の屑な人間達であった。デブ貴族と彼らの関係は、彼の命令には従うが、彼に対し忠誠の欠片すらも持たないドライな繋がりで成り立っていた。
彼はそれを知ってか知らずかは分からないが、ただ研究の邪魔さえしなければ他はどうでも良かった。彼らもまた、彼に付き従う理由は大したものではなく、彼と共にいれば甘い汁が吸えると知って、彼が行う非人道な実験を見て見ぬふりをしていた。そのためならたとえ実験中に材料である女子供が泣き叫び、彼らに助けを請うたとしても、彼らは自身の欲のためならば良心の叱責も無く、平然とその懇願を切り捨てた。
炉の調整に集中するデブ貴族を余所に、執事は今回のことで僅かな引っ掛かりを感じていた。
明らかに何かおかしい。執事か考えるには十分すぎる違和感だった。だが問題はどうするべきかだ。あの豚に進言して実験を中断させようとしても、おそらく聞く耳を持たないだろう。それどころか下手に不興を買えば、自分も実験の材料にされかねない。
疑問の渦に囚われながらも、少なくてもこのままではマズイと長年の勘が警報する。目の前にいるデブ貴族はともかく、どうすれば自分だけは助かるのか…。
そう思って執事は上を見上げた瞬間、思わずハッと目を見開く。上空で見たものに焦りを感じながら、すぐさまデブ貴族に忠告を放つ。
「旦那様! そこから離れてください! 上から何か迫ってきております!」
「なんだと……? ぬぅっ!?」
執事の言葉に誘導されてデブ貴族も上空を見上げると、月明かりだけの闇夜に紛れて何かが自分の所に目掛けて降ってくるのが目に映った。執事の忠告と、意地汚い生存本能から何かが墜ちてくる前にすぐさまデブ貴族はその場から離れた。
――ズシィィィン!!!
衝突により大地は割れるような轟音を響かせ、衝突地点周囲に周りが見えないほどの土煙を巻き上げる。その異変に遠くにいた作業員の部下達も何事かと、炉の方に視線を向ける。
「ケホッ、ケホッ! 何なのだ、これは!!?」
デブ貴族が口に入った土煙に咳き込みながら怒声を放ち、何かが落ちてきた場所を目を向ける。土煙が立ち昇るその場所には、一つの巨大な影が佇んでいた。
「あれは何だ?」と影を見た全員がそう思ったのもつかの間、突如として影の方から何かが聞こえる。
『ふぃ~、とりあえず侵入成功か? ってか、煙いなおい』
ノイズのかかった緊張感が無い声にデブ貴族や執事、周りにいた部下達は土煙の中にいる存在を訝し気に思いながらも警戒を緩めなかった。彼らにとって誰かがここに迷い込むならともかく、明確な意思を持って此処に侵入してきた輩はこれが初めてだからだ。
彼らはここに侵入した存在が何者かとじっと影を睨みつけていると、煙が晴れていきその姿が露わになっていく。
露わになったその姿を見た彼らは目を見開き、驚愕する。
『……ふむ、周りにはいかにも怪しそうな機械があるし、周りの奴らはそれで何か良からぬことをして、何だかまるで──』
影から現れたその存在は周囲を見渡して独り言つ。その姿は3メートルほどの巨躯を持ち、灰色の汚れた外套を身に纏い、フードで隠されている顔から覗いて見えるのは鈍色に光る表情の無い無機質な仮面だった。仮面と外套のせいで目の前の存在の性別はおろか、何の種族かですらも分からない。唯一分かることは、驚くべきことはあの高さから墜ちてきたにもかかわらず、ピンピンしているタフさを持っていることだ。常人では出来ない真似をする目の前の存在に得体のしれない寒気が彼らに襲い掛かった。
『いかがわしい犯行現場に来たみたいだぜ、テンション上がるな~!(NHRHRS並感)』
「わ、儂の研究場の何処が犯行現場だ!? この不届き者め!」
『おっと、なんだいたのか。というかこ↑こ↓が研究場ってこれマジ? 周りには岩しかねぇし、どっちかと言うと化石とかの発掘現場にしか見えねぇんだけどw。それにさっき着地する時に見てたけどよ、俺から必死こいて避けようとするお前の姿はお笑いだったぜ(PRGS並感)』
「き、貴様~~!! 一体何者で、どうやってここに来れたんだ!?」
仮面の軽口にデブ貴族がムキになり、その反応に仮面は面白半分に彼をからかう。高貴な者に向けるにはあるまじきな暴言にデブ貴族は茹蛸のように顔を真っ赤にして、怒鳴り散らした。
『何者か、ねぇ……。お前達のような感染者の命を持て遊ぶクソ共に名乗る名前は無いな』
「「「!?」」」
「……いや、何を馬鹿なことを言っている! 移動都市で儂が何をやっているのか知らんのか!? 感染者を救うために日々頑張ってる儂が、感染者に対してそんなことを──」
『あーはいはい、しらばっくれなくていいよ。お前らがやってたことは既に知ってるし、実際にその証拠が俺の後ろにある。…………アンタ、
飄々とした口調から一転し、怒気を含ませながら言い放つ。仮面の存在は背後に設置されている炉の方に振り向き、炉を手に当てる。すると彼の手に触れた個所から徐々に緑色の結晶が発生し、炉の表面を覆っていく。結晶の美しさに心奪われそうになるも、デブ貴族は何か良からぬ悪寒を感じ取っていた。
「おい貴様、何を──っ?!」
『こんなもの、世の中にあっちゃいけねぇんだ。……とっとと無に帰りやがれ!』
叫びと共に炉を覆ってた結晶は砕け散る。それと同時に結晶が覆ってた個所は抉り取られたかのように何処か消え失せ、内部の構造が剥き出しになって破壊されていた。
「…………………………」
『よし!(現場猫) 後は彼らの救出とこいつらをコロコロ(意味深)して──「こ、殺せぇ!! この不届き者に天罰を与えろぉ!!!」ファッ!?』
炉を破壊されたことによるショックで言葉を失っていたデブ貴族だったが、すぐさま意識を切り替えて憎しみのまま目の前の存在を抹殺しろと部下に命を出す。上司の命により、この場にいた全員がボウガンとアーツロッドを仮面の存在に照準を合わせ、一斉に矢とアーツ弾を対象に向けて放たれる。
矢とアーツ弾による弾幕は寸分の狂い無く仮面の存在に向かい、彼に襲い掛かる。その威力は防御に自信ある重装兵ですらもまともに受ければひとたまりもない威力だ。
弾幕の衝撃によって地面も抉れて破壊されたため再び土煙が舞い上がるが、デブ貴族にとってそんなことはどうでも良かった。一刻も早くこの憎たらしい存在を跡形も無く消し去りたかったからだ。
存分に弾幕が放たれた後、敵の抹殺確認のために一度攻撃を中断する。もくもくと巻き上がる土煙で姿は見えないが、全員はあの弾幕を受けて生きているはずが無いとそう確信していた。
早すぎる勝利の安堵から全員が緊張の糸を切らしたその瞬間──、
──ヒュン!
「ぐへぇ?!」
土煙の中からこちらに向かって何か飛来し、運悪く射線上にいた狙撃兵にそれが直撃する。小さい何かに当たったにもかかわらず、直撃した彼の体は大きく吹っ飛ばされた。
何が起きたと吹っ飛ばされた狙撃兵を見ると、彼の体に異変が起きていた。何と右半身のほとんどが霜で凍てつき、指一本も動かせない程凍り付いていた。
全員がまさかと思うのも無理は無かった。再び土煙の方を見ると、煙が晴れていきその先が見えるようになっていく。それと同時にあって欲しくない現実もまた、彼らは直視してしまった。
『なんなんだぁ……、いまのはぁ……?(BRL)』
土煙から現れたそれは、まるで超野菜人の悪魔のような威圧感を出しながら、何事も無く平然と佇む仮面の存在が。そして起きてしまった現実により、彼らの心は既に絶望で塗り潰されたのも火を見るよりも明らかだった。不死身と言わんばかりな目の前の存在に対し為す術はあるのかと、彼らの顔はどんどん青ざめていき、士気も格段に下がっていた。
この光景に流石のデブ貴族も自分が今相手にしている存在の恐ろしさを肌で感じ取り、己の愚行を後悔していた。あれは戦ってはいけない。戦えば最後、こちらが死ぬしかないと。
『なんだ、もう終わりか? だらしねぇな♂ ……じゃあ今までのちかえしを、たっぷりとさせてもらおうじゃないか(迫真)』
じりじりとにじり寄ってくる仮面の存在に全員が無意識に後すざる。「やめろ、こっちに近寄るな」と言いたげに。
そんな彼らの意なんか知らずに仮面は惨劇の始まりである合図を口にする。その声はまるで優しく確認を取る様な声色で聞こえるが、何処か恐怖を掻き立てるような嫌悪さも滲み出ていた。
『小便は済ませたか? 神様にお祈りは? 部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?』
『――さぁ、掃除のお時間だ』
Q.何であの弾幕で生きてんの?
A、第9話からボロ布になりながらも修繕したりして着ていたKBSマントで防ぎました。
※9話に出ていた初代は放浪の際にぼろきれになり、この時来ていたのは輸送艦に会った材料で出来た5代目です。初~4代目は描写されていないけど放浪の間で破かれたり修繕したりしていたという裏話。
ゲーム性能で言うなら一部の狙撃オペレーターの攻撃完全シャットアウト(範囲狙撃のような榴弾系等は無理)、術耐性アップと言った感じかね?
なおKBSマント無しで防御もせずにあの弾幕に直撃してたら、いくらフェストゥムの耐久力でも死にます(絶望)。それでも読心で躱せばいいんすけどね、初見さん(無敗)。
続きは書いてるからままそう焦んないで、お待ちください。