海軍は陸軍の外局ですか?   作:かがたにつよし

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ようやく開戦です(が特に何も変わらない...


対レガドニア協商連合戦
第12話:協商連合海上封鎖


 

 

 

 ブランデンベルガー中尉を起用した広報活動は当たり、通年募集している水兵の他、幼年学校及び士官学校の魔導師においても海軍志望者が増えている。

 これに気を良くした海軍は、中尉を起用した活動写真やポスターを次々と作製した。それどころか、各地の募兵所を回らせて握手会やサイン会を行っている。

 

 艦隊付の海兵魔導師からは中尉の非常識な訓練が減ってやや好評なものの、水兵からは眼福の機会が減ったと大いに不評である。

 もっとも、自分の様な元々中尉との接触が多い人間にとっては、別な問題が生じているのだが。

 

 中尉はその美貌にも関わらず、仕草が比較的()()であった。

 人を試すように流し目を送ったり胸を寄せて上げたりと、自身の女性としての価値を異性への揶揄いに用いているところがあった。

 

 これに堂々と苦言を呈したのが海軍の広報活動を一手に引き受けているケットナー氏であった。

 

 ケットナー氏は中尉を海兵魔導師の広告塔として用いるにあたり、中尉に礼節や作法が必要だと主張。油断すると素の出るようなメッキの仕草ではケットナー氏は満足していないようで、実際何度も取り直しを要求する場面があった。

 中尉は「私は貴族ではない」と抵抗していたものの、中尉の言動に危ういものを感じていた私や提督の後押しもあり、渋々ケットナー氏に従った。

 

 これで心理的負担も減るだろう。そう思っていた時期が自分にもあった。

 

 ケットナー氏のマナー講座から返ってきた中尉は、前にもまして厄介な存在になっていた。

 見た目相応の清楚さを備えながら、異性への揶揄いが治っていなかったのだ。

 

 こんな対野郎特効兵器が男所帯の軍艦内を闊歩していて問題が発生しない訳が無い。

 我々は頭を抱えながら、軍艦内の動線を変更する羽目になった。

 

 

 

 艦が中尉やその流れ弾を受けるであろう他の女性士官・下士官の対応で改修を迫られている間、邪魔な魔導師はキィエールへ陸揚げされてしまった。

 そんな我々の気も知らない中尉は、今日も優雅に大量の砂糖を入れた珈琲を飲んでいる。

 

「コンラッド軍曹、私が広報活動で不在の間の訓練の進捗を教えて欲しい」

 

「新兵が8名入りましたので、彼らを既存隊員の水準に引き上げる訓練を行っておりました。リードはともかく、ウイングマンであれば務まるかと」

 

 中尉の広報の甲斐あって第二偵察艦隊付海兵魔導師は、遂に定数の半分を越えることが出来た。新兵の質も、提督が産廃から厳選していた頃と同等かそれ以上であり、この短期間で既存の隊員に追いつくことが出来ている。

 だが、その程度では中尉は満足していないようであった。

 

「遅い。偵察艦隊の任務遂行を行うためには、今の水準ですら不足していると私は考えている」

 

「お言葉ですが中尉、長距離作戦行動訓練は魔力切れ又は疲労に伴う墜落や機位の喪失に伴う遭難の危険がある過酷な訓練です。今以上の水準、すなわち中尉以外不可能な水準の訓練を中尉抜きで行うことは、兵を失う危険があります」

 

 それに、長距離作戦行動訓練は兵士からも評判が良くない。

 イエローの所でやったように、各地で旅行を楽しめるのであれば多少気は紛れたかも知れない。しかし、帝国の様な立地ではそういうわけにもいかず、巡洋艦で北海や大西洋へ繰り出してただ海の上を飛び回るだけになる。へとへとになって艦に帰ってきたところで娯楽はない。

 

 訓練中の兵士達のストレスは極めて高い状態に置かれており、そのストレス発散方法は中尉という"眼福"な存在に依存している。我々先任下士官が「他の女で満足できなくなるからやめておけ」と注意しても治らない。

 だからといって、中尉が居たところで、訓練で使用している巡洋艦の士官から「魔導師隊が使用している部屋が()()()()()()()臭いので止めてくれ」と苦言を呈される始末。

 一体どうしろと言うのだ。

 

「私抜きでは怖くてできないと?」

 

 中尉は多少の呆れと共にまんざらでもないような表情でわざとらしいため息を吐いた。

 なんとなく腹が立ったので、冷や水を浴びせておく。

 

「中尉が居てもやりたくないというのが本音です」

 

 

 

 流石に言葉が過ぎただろうか。

 たが、それは咎められることはなかった。中尉がその細い眉をしかめて何か言葉を発そうとしたものの、それは鳴り響いた電話の呼び出し音に遮られた。

 

 中尉の表情の変化と、その短い受け答え。

 もし、神様が居るのならば、人の願いを叶える時は半分だけで、もう半分は人が最も避けたい事を起こすのではないだろうか。

 

「喜べコンラッド軍曹。訓練は当分中止だ」

 

「おおよそ想像はつきますが、理由を伺っても?」

 

「上陸中のやつらを呼び戻せ、実戦だ」

 

 

 

***

 

 

 

 統一歴1923年。協商連合から帝国に対して「係争地ノルデンから24時間以内に撤兵せよ」との最後通牒が在帝国大使より手交された。どう考えても無謀な行動に世界中の軍事関係者は自らの耳を疑ったが、キッカリ24時間後に自分が難聴ではなかった事を理解する。

 師団規模の協商連合軍が、帝国が主張する国境線を越えたのだ。

 

 もっとも、この時代軍隊が国境――それも係争地の――を越えることは珍しい事ではなかった。帝国は四方に係争地を抱えるが故、常にいつもどこかがボヤを起こしている。多少のドンパチは別に珍しい事ではない。

 今回の協商連合の侵攻も、師団規模の地上軍に加えて砲兵や魔導師を伴うものであるが、あくまでも紛争の域を出ていなかった。規模で言えば、先日マンチュリアで軍団規模の勢力圏紛争をやった連邦と皇国の方が大きいだろう。彼らは中小国間であれば十分戦争になるような兵力を動かしておきながら、外交の場では両国共に「戦争ではない」と言い張っていた。

 

 協商連合の政界に詳しいものであれば、協商連合内におけるナショナリズムの勃興と政権交代を、この軍事侵攻に結び付けることが出来たかもしれない。

 しかし、彼らであっても「協商連合が最後通牒を手交した」ことについては上手く説明できなかった。四方を敵に囲まれた帝国とは言え、帝国に徹底的に防戦に務められれば協商連合では損害多くして得るものが少ない事は、政治を司るものであれば火を見るよりも明らかであった。国内向けのデモンストレーションであれば、連邦や皇国の様に「係争地紛争である」と言い張っていれば良かったのだ。

 

 さらに、世界中の軍事関係者が首を傾げるのは、協商連合が動員を行っていなかったことだ。

 一応、部分的には動員が行われており、例えば開戦当初に国境を越えた数個師団は充足していたものの、それ以外の師団は平時状態に置かれたままであった。そのため、諸外国の諜報機関は「大規模係争地紛争の予兆あり」とは判断していても、まさか戦争になるとは考えていなかった。

 海軍及び海運関係はもっと酷く、戦闘艦艇は協商連合の広大なフィヨルドに散らばっており、統一した艦隊行動がとれるような状況ではなく、大慌てでオースフィヨルドに集合している状況であった。海運に至っては、開戦時帝国の港湾で積み下ろしの最中であったため、拿捕された協商連合船籍の船舶が多数存在するような有様だ。

 

 誰がどう見ても、国家の命運を賭するような状況ではなかった。

 しかし、実際に最後通牒は手渡され、その内容のとおり24時間後には協商連合軍が国境を越えたため、帝国は協商連合に対して宣戦布告することとなった。

 

 

 

***

 

 

 

 あろうことか相手が殴り掛かってきたので、自国から手を出さないよう行動していた私の努力は水泡と化した。神はどうしても大戦をやりたいらしい。

 大戦となれば軍人の職場環境はブラック一直線。全くやる気が出ないが、だからと言って文句とサボりを重ねすぎると軍法会議に連れていかれかねない。

 

 まぁ、ほどほどに働くとしよう。

 

 現在は協商連合との単独戦争状態であり、その場合の作戦計画に基づいて海軍は協商連合の海上封鎖を実施することとなった。

 ――協商連合は連合王国や共和国程ではないとはいえ、多少まともな海軍を有している。封鎖突破のために必ず出撃してくるだろう――そう建軍以来の艦隊決戦を期待して意気揚々とキィエール軍港から出港する帝国艦隊を、思いもよらない敵が足止めした

 

 協商連合商船団である。

 

 協商連合は欧州有数の鉄鉱石産出量を誇り、その鉄鉱石は極めて質が良いことで知られている。鉄鋼業を生業とする帝国は良いお客様だ。鉄鉱石は鉱山から鉄道が繋がっているナルヴィグ港を始めとした協商連合の港湾から搬出され、帝国各地の港湾で積み下ろされるのが日常であり、恐ろしいことに最後通牒が手交されたタイミングでも変わらなかった。

 

 よって、開戦時も膨大な協商連合商船が帝国の港湾や領海にたむろしており、その拿捕に帝国海軍は忙殺されることとなった。

 商船の拿捕に主力艦を用いるのは流石に無駄遣いなので、小回りの利く軽艦艇や海兵魔導師がその任務に当てられた。一方で、護衛や掃海を欠いた状態で主力艦だけを出撃させるわけにもいかず、軍港で石炭を無駄食いしながら時間を潰している。

 

「アイツらも内火艇くらい下ろして手伝ったらどうだ」

 

「あんな玩具じゃ商船相手に返り討ちに遭いかねませんよ」

 

 もう何隻目か分からない協商連合の船舶を拿捕しながらボヤく。

 小人数で自己完結性の高い我が第二偵察艦隊付海兵魔導師はこんなところでも大活躍だ。人員不足故分隊毎に作戦行動が出来るよう訓練したため、他の海兵魔導師の様に非武装の商船相手に小隊や中隊規模の大名行列を作らなくて良い。

 

「しかし、これほど拿捕した船舶が多いと戦後が不安ですな」

 

「そうか?」

 

「どうせ賠償として取得して、民間に二束三文で叩き売られるんでしょう? 私の親戚は商売上がったりですよ」

 

 そういやコンラッド軍曹の親戚は極東で商社を営んでいたんだったか。

 海運業も営んでいたとは聞いていないが、商売の規模からして恐らく付き合いのある個人船主と契約しているのだろう。

 海運は船というイニシャルコストの高さがそのまま参入障壁となっているが、賠償の放出でそれが崩壊すれば、既存の業者――それも小規模な程苦しい立場に置かれることは想像に難しくない。

 

 しかし、軍曹の心配は杞憂に終わるだろう。

 あの偏屈の神々が、この世界にそんな幸せな未来を寄こすとは、とても期待できないからだ。

 

 

 

「北洋艦隊主力の戦艦部隊は、ノルデン半島西岸、キィエール軍港の反対側であるカイザースハーフェン軍港で待機し、オースフィヨルドの協商連合主力艦隊を拘束。

 第一・第二偵察艦隊で協商連合を海上封鎖し、その継戦能力を破壊。これが対協商連合単独戦争時における海軍作戦の骨子である」

 

 第二偵察艦隊旗艦ヒンデンブルク露天艦橋。

 ヒッパー提督以下艦隊幕僚が集うこの末席に、何故か座ることを許されている尉官が居る。どうも、ブランデンベルガー魔導中尉です。第二偵察艦隊の魔導参謀も兼務しております。

 

「協商連合を援助する外国勢力は、その外交的状況から連合王国及び共和国に限定されると考えてよい。流石の協商連合も、唯一陸路で援助可能な連邦とは手を組めないだろう。

 連合王国及び共和国からの援助ルートは3通り。アルビオン島南岸――つまりドードーバード海峡を抜けるルート、アルビオン島東岸から直接北海を横断するルート、アルビオン島を北側に迂回――つまりノース・アルビオンギャップを通過するルートだ。

 我が第二偵察艦隊の任務は最後のルートの封鎖である」

 

 一番しんどい所じゃん。

 ドードーバード海峡は狭い上に本国に居座っている戦艦部隊が抑えられる。アルビオン島東岸にはマトモな港湾が少なく、戦争という大量消費の需要に耐えられそうな港湾の多くはアルビオン島西岸のウエスタンアプローチに位置している。

 つまり、連合王国及び共和国からの援助船団の多くはノース・アルビオンギャップ――所謂GIUKギャップ――を通らざるを得ない。

 

「しかし提督、協商連合海軍が出撃してくるなら、この最も重要なノース・アルビオンギャップを切り開きに来るでしょう。我が艦隊の主力艦は最も艦齢が若い艦でも、このデアフリンガー級です。我が艦隊が協商連合海軍に劣るとは思いませんが、戦争には万が一があります。確実を期するためにも、新鋭艦で揃えた第一偵察艦隊と任を変更すべきでは?」

 

 それっぽい事を言って楽になれないか試してみる。

 金モールをいっぱいぶら下げた偉そうな筆頭参謀が「末席は黙っていろ」と目で訴えてくるが、逆に微笑んだらそっぽを向いた。私の勝ち。

 

「魔導参謀、残念ながらその案は採用できない。3つのルートのうちノース・アルビオンギャップの封鎖は最も広い海域を担当する必要がある。貴官が訓練した我が艦隊の海兵魔導師隊とは異なり、第一偵察艦隊のそれは未だ100kmに満たない作戦行動半径しか有していない。この任が務まるのは貴官が所属している我が艦隊だけというわけだ」

 

 あ、私が原因ですか。

 

 

 

 陸戦から逃れたいという私の願いと、海兵魔導師志望者の上澄みを配属させるという提督の選り好みが悪魔合体し、旧式艦と定員割れの魔導師隊に最も重要な海域が任されてしまった。

 艦齢が若く優秀な艦艇を揃えた最精鋭たる第一偵察艦隊は北海の封鎖しか任されていない。だったらその新鋭の改マッケンゼン級を寄こしたらどうか。

 

「中尉が余計なことをしなければ、今頃ヒッパー提督は第一偵察艦隊どころか戦艦部隊の提督でもおかしくなかったんですよ」

 

 私が悪うございました、とでも言えばいいのだろうか。

 ヒッパー提督が戦艦部隊の提督をしているのであれば、前弩級戦艦群が維持費という予算を食い潰していたり、そもそも水兵が足りていないという問題は未だ解決されていないだろう。陸軍も予算不足で、ノルデンの戦線は押されていたかもしれない。

 軍曹の諫言は仮定の中から都合の良い部分を抜き出しただけだ。

 

「もし提督が戦艦部隊を率いていたら、この状況でも自ら進んで出撃しかねないだろう」

 

 それに、提督は高血圧が心配になる程の熱血漢だ。

 エスカレーション理論を無視して、この時代の戦略兵器である戦艦を気安く出撃させかねない。

 

「それは……否定できませんな」

 

 帝国が"大巡洋艦"と言い張っているこのデアフリンガー級も、30.5cm(12inch)砲とは言え諸外国から見れば立派な巡洋戦艦だ。第一偵察艦隊の改マッケンゼン級に至っては遂に連合王国海軍の巡洋戦艦に追いついた38cm(15inch)砲艦である。

 こんなものが連合王国の庭先である北海やレガドニア海を遊弋していて、彼らを刺激しないわけがない。現に、スカパ・フローでは本国艦隊の巡洋戦艦部隊が臨戦態勢に入ったという。戦艦部隊を出撃させていればどうなっていたことか。

 

「まぁ、程々にやろう。協商連合()()が相手の間は楽な仕事だ」

 

 

 

 協商連合商船団による妨害を排除して、ようやくキィエール軍港を出港した第二偵察艦隊は、道中北海の封鎖に当たる第一偵察艦隊と別れてさらに北上し、レガドニア海へ到着した。

 艦隊に先立って情報収集に当たっていた飛行船隊からの報告では、開戦後急激にノース・アルビオンギャップを通過する船舶が増加したという。

 恐らく、泥縄式に装備や軍需物資を買い入れているのだろう。

 協商連合商船団がその身をもって稼いだ貴重な時間は、意外にも協商連合を延命しているのかもしれない。

 

「総員傾注」

 

 ヒンデンブルクの後部甲板に並んだ部下達を前に、コンラッド軍曹が声を張り上げる。こういう時、声が低く威厳がある方が締まるのでちょっと羨ましい。

 軍曹の前座の後を譲り受けて、私が中央に立つ。

 

「諸君、実戦だ。

 

 協商連合は無謀にも我が国に対して戦争を仕掛けたが、意外なことにノルデンの戦域は拮抗状態であるという。

 陸軍がサボタージュしていることが原因だと思いたいところだが、残念ながらそうではない。準備不足と行き当たりばったりの協商連合が曲がりなりにも我が国と張り合えているのは、第三者の介入があるからに他ならない。

 現在の状態は二国間戦争であり、連合王国や共和国の介入を許してはならない。故に、ノース・アルビオンギャップを通過する船舶を臨検し、装備や軍需物資が協商連合本土に渡ることを阻止せよ。臨検を拒否するようであれば撃沈も許可する。

 

 指揮分隊を除く16名は4分隊で1個中隊を編成。2中隊の交代により24時間の封鎖・哨戒体制を取る。

 哨戒は分隊単位で行え。最大の効率が得られるよう、艦隊と協力し、各分隊に定められた航路を哨戒せよ」

 

 哨戒区域は南北に約1500km。ノース・アルビオンギャップは中央にデカい島があるので、1個分隊当たりの哨戒区域は約300km程度になる。

 魔導師単独では多少無理がある範囲だが、艦隊と協力できるのであれば何とかなるだろう。

 

「中尉殿、万が一接敵した場合はいかがいたしましょうか」

 

 部下も作戦行動範囲についての懸念は無いようであった。

 しかし、彼は"実戦"における我々の最大の懸念点を容赦なく指摘してきた。

 

「……直ちに退却せよ」

 

「は?」

 

「万が一敵魔導師が迎撃に上がってきた場合は直ちに退却せよ」

 

 我ながら酷い回答だ。

 「零戦と積乱雲を見つけたら逃げろ」ならぬ「敵魔導師を見つけたら逃げろ」である。なお、敵魔導師とは一度も刃を交えたことが無い。

 だいたい、限られた時間と部下の意欲を長距離作戦行動訓練に全振りしなければ今日の封鎖自体夢物語だったのだ。土俵に立つための鍛錬は積んできたが、土俵に立った後の勝負の訓練までは間に合っていないことを糾弾されるいわれはない。

 

「指揮分隊は主力艦群と共にノース・アルビオンギャップの中間で待機する。

 任務中は原則無線封鎖だが、敵魔導師との接敵や敵艦の出撃等が見られた場合は無線封鎖を解いて直ちに連絡せよ」

 

 余りにも部下達の表情が硬いので、一応「万が一の時は助けるよ」っぽいことは言っておく。私自身助けられる実力があるか分からないので、明言しないのがポイントだ。

 

「他になければ以上とする。初の実戦とは言え、相手は無抵抗の民間船舶がほとんどだ。気楽にいこう」

 

 

 

 封鎖作戦が開始されて以降、しばらく我々指揮分隊は暇を持て余していた。

 協商連合がマトモな海上護衛を行っていなかったからである。

 

 作戦開始から数日間は入電がある度にソワソワしていたが、敵魔導師戦力と遭遇の報は皆無であった。

 我々に関係する無線で最も多いのは「濃霧で機位を失った」くらいである。

 隣で無線を聞いている艦隊幕僚はギョッとした顔でこっちを見てくるが心配ない。こっちが魔導反応を追って迎えに行くまで生きていてもらうことくらいはできるよう訓練済みだ。

 

 稀に「協商連合の艦隊を発見した」との無線もあったが、その対処は艦隊の仕事だ。

 建艦競争から降りたとはいえ"艦隊決戦は漢の浪漫"という発想は消えていないようで、現にその報を聞いた時の提督を初め艦隊幕僚達は非常に嬉しそうな表情であった。

 なお、後日聞いたところによると、協商連合艦隊は多くとも巡洋艦1隻と駆逐艦数隻しか居らず、不完全燃焼だったようだ。

 

 協商連合が「世界一の海軍力を有する連合王国が帝国海軍を牽制してくれる」と高を括っていたのか、あるいは「オースフィヨルドに集めた艦隊が帝国海軍を拘束してくれる」と淡い期待を抱いていたのかは分からない。

 どちらにせよその願いは儚く散り、ノース・アルビオンギャップには我が帝国海軍が居座り、協商連合商船団は壊滅的打撃を受けつつある。

 

 現に、我々は拿捕した船舶が多すぎて帝国本土への回航が間に合わず、海没処分せざるを得ない状況だ。勿体ない上に後世環境活動家に怒られそうなので、この辺りで協商連合には振り上げた拳を下ろして欲しいところだが。

 

 

 

***

 

 

 

「ええ、連合王国としても可能な限り力になりましょう」

 

「何卒よろしくお願い申し上げます」

 

 連合王国首相は、在連合王国協商連合大使を労いつつも体よく追い払うと、会議室に残った閣僚に愚痴をこぼす。

 

「事前に通告しているならまだしも、勝手に始めた上に旗色が悪くなると泣きついて来るとはな」

 

 世界帝国たる連合王国の抱える問題は多い。

 猛追してくる元植民地人(合衆国)に経済力で肩を並べられ、「有色人種の列強」という同盟国(皇国)が植民地の現地人に要らぬ幻想を与えている。本家本元たる欧州も得体の知れない共産主義者(連邦)に、地域に覇を唱えようとする帝国と火種には事欠かない。

 これ以上余計な問題を起こすなと言いたいのが本音であった。

 

 海洋進出を諦めた帝国には、その伝統に従って共産主義者への防壁をやってもらえば良く、同じく連邦と国境を接する協商連合にもその役割を望んでいた。

 防壁が増長するのは望ましくないが、防壁同士が崩れるまで殴り合われても困るのだ。

 

「とは言え、我が連合王国の庭先で帝国海軍の艦艇が遊弋しているというのは、王立海軍の面子に関わる」

 

「面子で飯が食えるなら宣戦もやぶさかではないが、そうではないだろう海軍卿」

 

 封鎖線を形成している巡洋戦艦を中心とした帝国艦隊に対して、本国艦隊から巡洋戦艦部隊を出撃させ、「演習」という名の脅迫を行った。

 しかし、それは封鎖線を東へと押し下げたものの、協商連合の状況の好転には繋がっていない。故に大使は更なる援助を求めたのだろうが、中立国としては演習だけでも十分過ぎる支援だろう。

 

「我が国の参戦は避けたいが、帝国がこれ以上増長するのは好ましくない」

 

 そのため、先述の艦隊演習の他、装備や物資の提供に加えて義勇兵まで参加させている。 中立違反スレスレの行為に手を染めても、協商連合を戦わせ続けることが必要なのだ。

 

「しかし、同様に協商連合の増長も好ましくない」

 

 欧州列強としては連合王国をはじめとするトップ層と比較するとやや見劣りする協商連合だが、それでも一部比肩する分野がある。

 

 例えばかつての協商連合の海運業は、海洋帝国たる連合王国のそれに並ぶほどであり、両者激しい競争を繰り広げていた。

 ところが、開戦早々協商連合の不手際と帝国の海上封鎖により協商連合商船隊は大打撃を受けた。商売敵としては笑いが止まらない状況である。

 

「とはいえ、適度なところで手打ちにして貰わなければならん」

 

「白紙講和が理想ですが、そのためにはやや協商連合の旗色が悪いかと」

 

「仕方がない、少し梃入れをしてやろう。確か、我が国の演算宝珠を無心しに来ていた協商連合の魔導師が居たな?」

 

 

 

***

 

 

 

「連合王国の船団?」

 

 哨戒中の部下からの無線は、中立国であるはずの連合王国の船団がノース・アルビオンギャップを東進しつつあるとの情報であった。

 

「連邦行きの船団でしょうか?」

 

「賭けてみるか?」

 

「まさか」

 

 コンラッド軍曹も流石に賭けにはならないと踏んだようだ。

 連合王国と連邦は共に自身の経済圏で自給自足が出来る。お互いに欲しい物など無いだろう。強いて言えば、技術力に遅れと偏りがある連邦は手に入れたい物があるかもしれないが、反共を謳う連合王国が堂々と輸出に応えてくれるとは思えない。

 入手できる可能性があるのならば、赤化浸透が進んでいる共和国だろう。

 

「船団には魔導師を貼り付けてますが、万が一を考えて逃がしますか?」

 

 船団ということなので臨検は艦艇にやってもらう手筈だが、見失うわけにはいかないので哨戒役を貼り付け続けなければならない。

 だが、どんなに小さく離れていようとも、海の上を飛び続ける魔導師は魔導反応で容易に検知される。相手がその気なら迎撃は容易だ。

 

「連合王国が宣戦して来るとは思えないが――」

 

 奴らはこんなところでリスクを取るようなことはしない。共に争わせ、漁夫の利を得るタイプだ。

 なのに、これほどあからさまな中立違反を犯すだろうか?

 

 そう疑った結果を軍曹に伝える前に、電信兵が第二報を伝える。

 

「偽装です! 商船旗が協商連合のものに変わりました! 敵魔導師の迎撃を受けているとのことです」

 

「コンラッド!」

 

 遂に恐れていた事態が起こった。

 ぼかしたとは言え救援するといった手前、それっぽい行動をしなければ部下にそっぽを向かれてしまうだろう。開戦早々背中から撃たれるのは御免被りたい。

 直ぐに出撃すべく軍曹に声をかけたところ、彼は既に宝珠を起動していた。流石は最古参である。

 

「第1中隊第3分隊ですな。あの哨戒域なら40分もあればつくかと」

 

 間に合うかなぁ。

 

 

 

***

 

 

 

 強くはない。ただ、厄介な相手だ。

 自分達から逃げ惑う帝国の魔導師分隊を追いながら苦い唾を飲みこむ。こっちは時間が無いというのに。

 

 王立海軍から帝国海軍の封鎖艦艇の配置を教示して貰っているのにもかかわらず、協商連合船舶の封鎖突破率は極めて悪い。あの、外洋のど真ん中まで飛んでくる非常識な敵魔導師のせいだろう。

 お陰で、連合王国の支援を受けて協商連合と他国の中間線まで国籍を偽装し、封鎖を突破するという目論見も露呈した。敵魔導師の通報を受けて帝国海軍の艦隊が駆けつければ、この船団も遠からず拿捕されるだろう。

 船団を解散して独航させる最終手段に出るにせよ、あの張り付いている敵魔導師を排除しなければ未来はない。

 

 幸い、実力には自信があった。協商連合魔導師内では上から数えた方が早いという自負がある。精鋭と名高い帝国陸軍の魔導師にも後れを取るとは思わない。

 2対1かつ高度差があるという条件なら、帝国海軍の魔導師も自分を墜としに来ると考えていた。そこをカウンター機動で返り討ちにしてやろう、その魂胆はもろくも崩れ去ることとなった。

 

 奴らは私を見つけると一目散に逃げだしたからだ。

 

 最新の連合王国製演算宝珠は加速も最高速度も火力も申し分ない。

 しかし、奴らに高度有利を捨ててまで降下・加速を行われると直ちに追いつけるほどではなく、後方に魔力障壁を集中されると遠距離から撃ち抜けるほどではなかった。

 

 だからと言って放置すれば、おっかなびっくり遠くから船団を監視し続ける。

 

『帝国艦隊の来援予想時刻まで時間が無い! 早く魔導師を排除してくれ! このままでは船団を解くことも出来ん!』

 

 このままズルズルとにらみ合いを続けたところで、船団からの悲鳴が途絶える訳でも、事態が解決するわけでもない。

 

「忌々しいが、やるしかない……か」

 

 そう腹をくくったものの、その判断は遅すぎた。

 奴らと不毛な鬼ごっこを再開してしばらく、ようやく有効射程に捉えたところで私の意識は北の海に散ったのだから。

 

 

 

*** 

 

 

 

 海面スレスレをひたすら逃げる部下達を発見し、追いすがる敵魔導師を逆落としからの演算宝珠搭載自動砲で吹き飛ばしたところで、ようやく自分が間に合ったことに気が付いた。

 

「教本に載っていない新型です。お手柄ですな」

 

 敵魔導師()()()()()がこべりついているにもかかわらず、さっさと海面から演算宝珠を回収するコンラッド軍曹は流石古参と言ったところだろう。

 こっちは最後の瞬間が目に焼き付いて離れないというのに。

 

「少々早いですが分隊は帰還させます。哨戒は我々が引き継ぎましょう」

 

 余韻で動けない私を置いて、軍曹はさっさと部下達に指示を出して母艦に返してしまった。

 

「――ありがとう、軍曹」

 

「酷い顔です」

 

 この神造ボディを前に空前――そして恐らく絶後の――言葉が軍曹の口から出てきたのを聞いて、思わず笑ってしまった。

 

「ついさっきまで処女――いや、童貞だったんだ」

 

 士官学校では銃殺刑に参加することで()()させる訓練があったが、あれだけでは"素人"のままだ。

 

「その口ぶりですと、大したことはなさそうですな」

 

 いたいけな乙女の扱いが雑である。

 初めての後は優しくしろと学校で習わなかったのだろうか。

 

 

 

 魔導師が撃墜されたのを見て、協商連合の船団は散り散りになって逃げだしたが、その大半は私達と駆け付けた艦隊によって拿捕された。

 

 当初想定していなかった敵魔導師との交戦があったにもかかわらず、この成果は上出来だ。そう艦隊内で発言したところ幕僚達から袋叩きにあった。

 曰く、「護衛の魔導師1人相手に4人も必要なのか」「今回のどこに敵船を逃す要素があったのか」等言いたい放題。下手に出てれば良い気になりやがって。

 

「敵魔導師との戦闘は、我が海兵魔導師隊の任務ではありませんから」

 

 ご存じありませんでした?

 そう堂々と言ってやったら言葉に詰まったようで口を開いたまま動かなくなった。いや、呆れて言葉が出ないのかもしれないが。

 

「件の船団も魔導師隊が発見しました。艦隊ではありません」

 

 うーん、論破楽しい。

 腹が立ったので大人げなく挑発して見たら、レフェリーの提督からストップが入った。

 

「そこまでだ魔導参謀。艦隊も良くやっているが、連合王国海軍に封鎖線を押し下げられ、成果が上げにくくなっていることを考慮してやれ」

 

 確かに、言葉の殴り合いでは問題は解決しない。

 生産的な議論へ移行しよう。

 

「それでは説明がつかない程、ピンポイントで艦隊間を抜けられています」

 

 連合王国の艦艇が堂々と封鎖線を覗きに来ていることも無関係ではないだろう。

 流石に中間線を越えてくることは無いが、それでも得られる情報は多い。

 ひょっとすると、潜水艦などは中間線を越えている可能性もある。対潜哨戒に最も効果的な魔導師は封鎖線形成に駆り出されてしまっており、真偽のほどは分からないが。

 

「情報が漏れている、ということだな」

 

「ええ」

 

 先述の艦艇による情報収集か、暗号解読か、あるいはスパイか。

 史実を考慮しても全ての選択肢に可能性がある。

 連合王国は戦時平時問わずこういう事が得意だ。外交の歴史という意味では2歩も3歩も遅れを取る帝国の裏を掻くことなど、赤子の手をひねるより容易いだろう。

 

「防諜に注意を払う必要がある。だが、連合王国経由であればそれもどこまで可能かは分からん」

 

 提督も連合王国の諜報の質の高さを理解していたのだろう。

 同時に、こちらが打てる手の少なさも分かっていた。

 

「現状では、漏れていたとしても問題は少ない。

 協商連合は1隻の船を通すために10隻の船を我々に捧げている。この出血を強い続ける限り、封鎖は成功していると言えよう。

 

 一方で、大巡洋艦を初め大型艦は連合王国を過度に刺激したのは間違いない。建艦競争から降りて得たものを大きく損ねた可能性もある。

 協商連合艦隊が出てこないのであれば、大型艦を本土に送り返し、軽艦艇でより重層な封鎖線を形成しよう」

 

 少なくとも今は勝っている。連合王国を刺激しないよう、大型艦ではなく軽艦艇をというのは十分効果的だ。

 軽艦艇が足りなくとも私達には大量の拿捕した船舶がある。協商連合が大慌てで物資を輸入すべく徴発した、外洋を高速で航行可能な優秀船舶ばかりだ。仮装巡洋艦には事欠かないだろう。

 そう、艦隊主力の帰港を決定した提督は幕僚を解散させたが、私だけは露天艦橋に残るよう言った。

 

「とは言え、現状の海兵魔導師では船団に敵魔導師が1個小隊護衛に着くだけで作戦は破綻する。何らかの対策が必要だ」

 

 陸戦で押しているから協商連合の魔導師が護衛に着くとは思えないが、連合王国の自称義勇兵が乗り込んでくる可能性はある。

 現に、先の敵魔導師が使っていたのは、連合王国の新型演算宝珠だったのだ。

 

「隊で最も経験を有しているのは提督の子飼いの3羽烏です。しかし、それも海軍基準で優秀なだけで、陸軍の航空魔導師には遠く及ばないでしょう」

 

 あんな1年中戦技に明け暮れているゴリラ共とは色々な意味でお近づきになれる気がしない。

 士官学校卒業間際、私が海軍で研修という名の工場見学の最中に同期は係争地で浸透訓練を実施していたという。イチ官僚組織が外交問題のリスクを抱いてまで実戦訓練を行う連中だ。確かに強いがならず者的な強さではないだろうか。

 

 触接が撃退されるのは問題だが、空戦が強くとも母艦の周りでウロウロするだけではそもそも海上戦の土俵に立てない。

 それに、私としても労働者的にもそして法的にもブラックな訓練に自身を染めるつもりもない。

 

「本気で魔導師戦に勝とうとするのならば、私達を陸軍に半年ほど放り込むべきでしょう。

 しかし、既に戦争は始まっており、海兵魔導師も第二偵察艦隊も今ある手札で戦うべきだと考えます」

 

「確かに戦技には陸軍に一日の長がある。一方で、貴様らを遊ばせておく余裕が無いのも確かだ。なら、戦技に優れた陸軍の魔導師に来てもらえば良い。人材を都合してもらえるよう掛け合ってみよう」

 

 絶対に誰も来ないだろ。

 

 

 

***

 

 

 

 ――この機に協商連合を叩き潰すべく総動員を!

 

 その声が帝国内で大きくなっている。

 新聞を開いても、ラジオを点けてもその話題が絶えることはない。国民が望んでいるのだろうか、あるいは誰かがそのように仕向けているのだろうか。

 

 自分が所属する陸軍内でもその声を耳にするようになった。否、メディアより先だったかもしれない。

 戦争となれば陸軍は戦時へと移行しその規模は膨れ上がる。組織拡大をその本能とする官僚には耐えがたい魅力だろう。自分も、出世したくないかと問われれば嘘は吐けない。

 

 一方で、あのバーでの会話が脳裏を反芻する。

 ――どうか、その日が来ても過ちを犯さないよう、あるいは過ちを犯そうとしているのであれば、それを正していただきますよう――

 同じく組織拡大を図った海軍をその身を以って留めた彼女。

 自分の人生を棒に振ってまで、大戦は恐れるべきものなのだろうか。

 

「レルゲン少佐、動員決議のための御前会議だ。いい機会だから君も末席に居たまえ」

 

 目を掛けてくれている上官が、栄えある御前会議への参加を打診してくれる。勝てるのならば類稀なる栄誉だ。しかし、そうでなければ汚点として残るかもしれない。

 

 一瞬の逡巡の後に承諾した。

 やはり、自分には身を賭せる程の勇気はない。

 

 

 

 もう根回しは済んでいるのだろう。各省庁の次官が総動員の弊害を述べるものの、上座の皇帝陛下には響いていない様子である。

 陛下が多少眉を動かしたのは、海軍の番が回ってきてからであった。

 

「海軍としましても、動員には反対です」

 

 規模は小ぶりとは言え、陸軍と双璧をなす政府の暴力装置。それが動員に反対の意を示したのだ。各省庁からの参加者からも吐息が上がった。陛下としても、自身が言い出した海軍建設が多少役に立って安堵しているのかも知れない。

 

「現在の海上封鎖で協商連合商船団は壊滅的打撃を被りつつあり、その経済力は戦争遂行が困難となりつつあります。帝国は北方軍の一部動員のままで戦争に勝つことが可能です」

 

 動員は国家経済を傷つけるのだろう。

 だが、多少傷ついたとしても後世に係争地のような外交問題を残さなくて済むのであれば、今ここで我々が決断すべきではないのか。

 それが、陸軍に籍を置くものの一般的な認識であった。

 

 だからこそ、このような言葉が大臣からも自然と出る。

 

「陸軍としては海軍の提案に反対である」

 

 私は、後世この日の判断を一生後悔することとなった。

 

 

 




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