聖闘士星矢vs幽遊白書~Legend of Soldiers   作:シャンディ

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第11話 幽助と飛影!成長の証!

SIDE星矢

 

蛙男の毒を浴びた氷河をホテルで寝かせて、俺と紫龍は闘技場へと戻っていた。

全大会優勝チームでこの大会、最も障害となり得る浦飯チームの視察の為だ。

本来は次の対戦相手の風使いの陣チームの試合も観戦する予定だったが、間に合わなかった。

ただ噂によれば、風使いの陣チームと闇武道チームとの試合はかなりの激闘だったらしく、風使いの陣チームは辛くも勝利したものの、2人重傷者を出したらしい。

本来は怪我人が出たことを喜ぶべきではないのだろうが、これで3対3で戦えるのでこちらとしては戦いやすくなった。

氷河が回復すればいいのだが、もし戦えないとなると俺と紫龍の2人で戦わなければならないからだ。

 

現在は浦飯チームが都市伝説チーム相手に2連勝しているようだ……現在は飛影が件(くだん)と言う、人間の体と牛の頭部を持つ半人半牛の妖怪を相手にしている。

 

件の身長、体重は飛影の2倍いや3倍はあろうかと言う巨漢の妖怪……このパワーファイター相手に飛影がどう戦うのか注目して見ていたが、どうも件は遊ばれている。

 

大きな斧を振り下ろすも、飛影のスピードにかすりもしない。

 

「紫龍、飛影はかなりの強敵だな」

 

「そのようだ……あのスピードは光速。黄金聖闘士並みだ」

 

件が攻撃しているのは飛影の残像……そして飛影は件の頭の上に飛び乗ると、剣を脳天に突き刺した。

 

「のろまな牛め!」

 

件は会場中に響き渡る断末魔の悲鳴をあげながら、横たわる。

なんて残酷な事を……いや、ああしなければ逆にやられていたか……都市伝説チームの奴らからは邪悪なオーラを感じる……。

 

【ひ、飛影選手余裕の勝利です!】

 

どうやら次も飛影が相手をするらしいが、次の都市伝説チームの奴はどこかで見たような気がするが……。

マスク、赤いベレー帽、赤いコート、赤いハイヒールにを履いている女……さてどこで見た案だったけか?……。

 

「紫龍、あの都市伝説チームの選手をどこかで見たことある気がするんだが……」

 

紫龍は少しばかり考えると思い出したようで俺に話してきた。

 

「もしかして口裂け女じゃないか?」

 

「それだ!」

 

そう……口裂け女だ。

マスクをした若い女性が、学校帰りの子供に「わたし、きれい?」と訊ねてくる。

「きれい」と答えると、「……これでも……?」と言いながらマスクを外す。するとその口は耳元まで大きく裂けていた、というもので昔、日本中がパニックになった都市伝説だ。

 

【飛影選手対殺傷(せっしょう)選手試合開始!】

 

飛影が鞘から剣を抜刀すると口裂け女も服のポケットから出刃包丁を取り出す。

妖怪の知識に乏しい俺でも口裂け女くらいは知っていたので、ちょっと興味深い……。

 

口裂け女も……いや殺傷もスピードはあるが高速……飛影の光速には遠く及ばない。

 

飛影の剣と殺傷の出刃包丁が交わる……スピードは飛影だがパワーは殺生に分があるか……。

 

鍔迫り合いになっていた飛影は殺生の怪力で弾き飛ばされるが、その前に殺生のマスクを斬っていた。

 

「その醜い顔を見せろ……」

 

やはり口裂け女だ……殺傷の口は耳まで裂けている。

 

「わたし……きれい?……」

 

これも口裂け女の有名な台詞だ。

 

「冗談は顔だけにするんだな……」

 

そんなにはっきり言わなくてもと思うが……その時、口裂け女のオーラがさらに大きく邪悪なものになっていった。

 

「わたし……きれい?……きれい?……きれいきれいきれいきれいきれいきれい!!」

 

【殺傷選手、怒り狂っています!】

 

長髪がオーラの影響かボワッと風が吹いたように靡き、出刃包丁は鎌に変り、飛影に近づいていくが、凄まじい邪気だ。

 

そして目にも止まらぬ速さで飛影の右腕を斬りつける……飛影はなんとか躱したが右腕から出血。

なによりマスクをしていた時よりもスピードが上がっている……これは光速のスピード。

飛影と殺傷のスピードは互角となっていた……それに加え、殺傷には怪力がある。

 

それになんという無茶苦茶な攻撃をするのだろう……殺傷の鎌の扱いは小学生のチャンバラレベルで振り回しているだけ。

しかしそれが逆に功を奏しているのか、飛影に反撃の余地を与えない。

 

そして遂に飛影は殺傷に追いつめられる。

 

殺傷の鎌が飛影の脳天からバッサリと斬りつけた。

 

これでは飛影は即死。

 

誰もがそう思った……しかし殺傷の背中から血飛沫が飛び散ると、殺傷の手から鎌が落ち、髪の毛は元のように垂れ下がった。

 

「甘いな……俺をナメるなよ?」

 

飛影の一言が合図だったかのように殺傷が力なく倒れる。

 

「見たか、紫龍?」

 

「もちろんだ……飛影、怖ろしい男だ」

 

最後、殺傷の鎌を躱し、背後に回り込んだ飛影のスピードは光速を僅かながらに超えていた。

なんと言う実力だろう……次は浦飯幽助が出てくるようだがこの男の実力は飛影クラスかそれとも……。

 

 

 

 

SIDE幻海

 

 

一足先に闇坊主チームを下し、準決勝進出を決めていた。

さすがにこのクラスとの戦いになれば、幽助も本気になるかと思ったが、見た限り飛影すら本気で戦っていない。

初めて出場した時はここまで来るまでですらあっぷあっぷだった連中がよく成長したものだ。

この試合に幽助たちが勝てば、私のチームと当たる事になる。

 

【さぁ!ここで決まってしまうのでしょうか!?浦飯選手対赤マント選手試合開始です!!】

 

「オメーが大将か」

 

「そうだ……我が名は赤マント」

 

「おっ!あいつらと違って喋れるようだな!」

 

「黙れ!あいつらは言葉さえ喋れないし、決していい妖怪たちではなかった……だが俺を慕ってくれていた……大将としてこのままでは奴らに示しがつかぁぁぁぁぁん!」

 

いきなり幽助に襲いかかる赤マント……しかし決着はあっさりと着いた。

 

「ぐはっ!?」

 

幽助は一歩もそこから動かずに赤マントみぞおちに拳をいれる。

腹を押さえて、後退し、倒れる赤マント……さすがに実力が違いすぎた。

 

幽助の戦いを見て、私は度胆をぬかれた……長い人生の中でこれ程まで強い奴を見たのは初めてかもしれない。

格下とは言え、ここまで勝ち上がってきた大将のA級妖怪をいとも簡単に倒すとは……。

幽助は出会った当初と比べて、明らかに強くなっていて……既に攻撃力、防御力、精神力、霊力すべて師匠である私を超えている。

今の強い幽助と戦って死ねるのなら、これ程、武道家として幸せな事はない。

これならば、幽助たちの優勝は堅いだろう……ただし聖闘士チームが次の準決勝に負ければの話だが……。

聖闘士チームは追い込まれたり、強い敵と戦う時に本領を発揮している……彼らが決勝に進むような事があれば、幽助たちと死闘になるだろう

 

「お前たち、今日までご苦労じゃった」

 

金で雇ったチンピラの妖怪たちを帰らせると、私はまだ試合が終わった今もその席でリングを見つめていた。

私の身体は長くない……もう覚悟を決めていた。

 

「戸愚呂……もうすぐ私もお前のところに行くよ……」

 

先に霊界に旅立ったかつての戦友、戸愚呂に心の中で誓ったのだった。

 

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