聖闘士星矢vs幽遊白書~Legend of Soldiers 作:シャンディ
SIDE陣
この試合に勝てば、幽助たちと戦えただろうに、とんでもない奴らと当たってしまった事を痛感していた。
凍矢は同じ凍気を使う氷河と激闘の末に敗北、妖力値が落ちたとは言え、A級妖怪の鈴木も完膚なきまでに叩きのめされ、残るは俺一人となっていた。
俺が聖闘士チームの大将を倒し、紫龍と氷河も倒さなければ幽助たちとは戦えない。
魔界統一トーナメントでは俺、凍矢、酎、鈴駒、鈴木、死々若丸、全員が幽助と戦う事を目標に幻海のところで地獄のような修業をしてきたのに誰一人としてそれを成し遂げたものはいなかった。
だから再び、魔界で俺たちは自分より強い妖怪たちに挑み、鍛えてきた……鈴木以外は……。
それなのにまたしても阻まれるのか……また幽助と戦えなえないのか……。
しかし複雑な気持ちだ……幽助とは戦いたいが、目の前には幽助と同等の力を持つ男が立っている……聖闘士チームの大将でサジタリアスの黄金聖闘士、星矢。
実は彼の名前は魔界でも轟いていた……神を殺した人間がいると……。
しかし所詮は噂、そんな奴いるわけがないと思っていたが、その人間が目の前に立っていて、今から対戦するのだ。
胸が高鳴り、脈が速くなる……そして尖った耳がさらに鋭くなる。
これは強い相手と戦う時に感情が高ぶった時になる現象だ。
「オメー、相当つえーらしいな!俺の耳を見てみろ!」
「耳がどうした?」
「尖ってるべ?これはオメーがツエー奴だからだ!」
こんなに尖ったのは幽助と戦った時以来かもしれない……神殺しの異名を持つ人間と戦える……こんな相手と戦えるなんて滅多にない。
【それでは星矢選手と陣選手の大将戦を始めます!】
「行くぞ!陣!」
【星矢選手、強烈な先制攻撃です!】
星矢が拳を前に突き出すと、凄まじい拳圧が俺に直撃し、吹っ飛ばされるが飛翔術を使って空中に浮き、ダウンは免れる。
す、凄い威力だ……こんなの何発も浴びたら、骨折どころの話しじゃない。
「やっぱツエーな!」
「今のは小手調べだ」
「あぁ!そんなの知ってるべ!」
凄い威力ではあったものの、星矢はまだ本気を出していない。
本気を出したらどレ程の強さなのか……久しぶりにゾクゾクし耳が尖る。
それには星矢に本気を出させなければ……俺は空中に浮き、そのまま垂直に落下。
そのまま俺のパンチが星矢の顔面に直撃し星矢は倒れる。
だが星矢は自ら当たりに来ていた……俺の攻撃力を試そうとでもしているのだろうか……。
【今度は陣選手の強烈なパンチが星矢選手に直撃です!】
ダウンした星矢だが、ダメージは少なかったようで何事もなかったかのように立ち上がる。
「俺の拳を受けて、ピンピンしているなんてな!並みの奴だったら失神してるべ!」
「お前以上のパンチを何度も浴びてきたからな。俺を失神させたいのなら、今の100倍の威力で来い!」
「100倍かぁ!オメー、おもしろい奴だな!」
「お前ほどじゃないさ」
「よぉぉぉぉし!ぜってー本気出させてやるべ!」
こうなったら星矢になんとしてでも本気を出させたい……本気を出した星矢を倒したい。
星矢は幽助と互角の強さだと思われる……星矢に勝てなきゃ絶対に幽助には勝てない。
俺は両手をグルグルと回転させ、小規模な竜巻を発生させる……その竜巻は俺の両腕を包み込む。
「修羅……旋風拳!!」
【どうしたのでしょう!?星矢選手、自ら陣選手の技を浴びてしまいました!!】
空中から勢いをつけ、修羅旋風拳を星矢に向かって放つが、星矢は逃げずにまたしても自ら辺りに来た。
吹っ飛ばされ、フェンスに激突する星矢……さすがに修羅旋風拳をまともに受けたら例え星矢でもかなりのダメージを受けているはず。
「今のは効いたぜ……じゃあお返しだ!うぉぉぉぉぉぉっ!」
しかし、星矢はすぐさまリングに戻るとペガサスの星座を模るように腰を屈め、両手を動かす。
【おっと、星矢選手がペガサス座の奇跡を描いております!!】
「ペガサス流星拳!!」
【星矢選手、お返しとばかりに目にも止まらぬ速さの光速拳で反撃です!】
「爆風障壁!!」
周囲の風を操り、一瞬にして風の壁を作りだす技で星矢の流星拳をなんとか弾く。
流星拳を防がれたのを見て、星矢は舌打ちをし、苦笑いを浮かべる。
だが今の技も本気じゃない……100%中の80%くらいだ。
「陣、頼むから降伏しろ。お前ほどの奴なら、どちらが勝つか分かるはずだろ?」
「それはオメーが本気を出したらの話だべ!それに俺は幽助と戦う為にこの大会に出ただ!自分からそのチャンスを諦めるわけねーべさ!」
本気を見てみたいが出さなければ、それはそれで結構……星矢は強いが、本気を出さずに勝てる程、甘くはない。
「さぁて……そろそろ決めるべ!」
俺は空高く、飛び上がる。
「修羅電撃旋風拳!!」
さっきの修羅旋風拳に電撃の威力を加えた俺の必殺技だ。
破壊力は先程の修羅旋風拳の比ではない。
空中から勢いをつけて垂直に落下、やはりペ星矢は逃げる素振りはなく、リング上に突っ立っている。
もらった!……勝ったと確信したのも束の間だった。
「なにっ!?」
あろう事か星矢は涼しい顔をして、修羅電撃旋風拳を素手で受け止めたのだ……しかもいくら力を込めても星矢は後退すらしない。
【せ、星矢選手、陣選手の必殺技、修羅電撃旋風拳を受け止めています!!】
「陣、俺もここで負けるわけにはいかないんでな……ここからは本気で行くぞ!……燃えろ!俺の小宇宙!!」
星矢の身体から黄金のオーラを発生させる……身の危険を感じて、空中に退避するが、退避した場所に星矢の姿があった。
星矢の拳が俺の顔面を捉え、かつてない激痛が右頬に走ったかと思うとリング場に落下していた。
躱したと思ったのに……躱し切れなかったのだ。
これは光の速さを超えている……光速を超えた光速拳……これが星矢の本気だと言うのか……。
「飛べるのはお前だけではないぞ。サジタリアスの聖衣には羽がある事を忘れるな」
これは幽助でも苦戦する程、怖ろしい実力……神殺しを倒した伝説の人間と言うのも頷ける。
「もう終わりか?」
「まだまだ……勝負は……これからだべ!」
「やはり来るか……ならば!!ペガサス……彗星拳!!」
「爆風障壁!!……なっ!?」
風の壁もペガサス彗星拳の前には無意味だった……さっきのペガサス流星拳の威力が一点に集中し、逆に風を吹き飛ばし、俺にもダメージを与えた。。
【星矢選手、陣選手の鉄壁の防御を崩しました!】
「まだやるか?」
「そんな事……言わなくても分かってるべ?」
「なら仕方がない……俺の本気を見せてやる!」
この勝負、どちらが勝つかくらい分かっていた……でも退くわけにはいかない。
それに星矢の本気の必殺技がどれ程の威力なのか興味がある。
俺はかつてない程、高く上空に舞い上がる……俺のダメージは既にかなりもの……この必殺技に全妖気を賭ける。
「修羅……電撃旋風拳!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉおっ!ぺガサス……流星拳!!」
星矢に俺の拳は届かなかった……さっきのペガサス流星拳とは桁違いのスピードと威力だ。
俺の全身を星矢の台風のような拳が襲う……本気のペガサス流星拳を受けた俺に立ち上がる力は残ってはいなかった。
「今の……まるで台風みたいだっただ……」
審判がダウンのカウントを取り始めたが、もう立つ気も起こらない。
このまま10カウントを取られて俺は負ける……でも満足だ。
幽助に再挑戦すると言う目標は潰えたが、こんなに強い奴と戦えた……上には上がいるものだと改めて感じた。
「陣、しっかりするんだ」
「オメー……スッゲェなぁ……」
この時、聖闘士チームの勝利が決まり、俺たちのチームの敗北が決まった。
俺は星矢の腕の中で幽助と星矢が対決するのを想像しながら暫し、眠りについた。