聖闘士星矢vs幽遊白書~Legend of Soldiers   作:シャンディ

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第8話 血で染まる赤い帽子!闇闘士の影!

SIDE幽助

 

俺の……いや俺たちの胸は高鳴っていた。

汚い手を使われながらも、奇跡を起こした聖闘士チーム……あいつらなら陣たちを倒してきっと決勝に進むだろう。

そして俺たちの中で本当に聖闘士チームが螢子と蔵馬を連れ去ったのかと言う疑念が生じるようになった。

聖闘士チームの戦いぶりはどこか俺たちと似ている……自分たちの命を賭けてでも守りたいものの為に戦っているように見えるが……。

 

「幽助さん、どうかしましたか?」

 

そんな事を考えていた俺は北神の言葉で我にかえる。

 

「お、おう……なんでもねーよ。で、なんの話だったっけ?」

 

「戦う順番の話だろうが……」

 

「そうだった!」

 

そうだ……今は誰が戦うのかを決めている最中だった。

今までは圧倒的な力の差があったので俺と飛影が1人で5人を相手していたのだが、これからの戦いはそうもいかないだろう。

 

「とりあえず私が先鋒で相手の様子を見ますよ」

 

「いや、俺一人で十分だ。お前は引っ込んでろ」

 

しかし2人とも意見がかみ合わな過ぎる……このままではチーム内でバトルが勃発してしまいそうなので、ジャンケンで順番を決める事を提案する事にした。

 

「またジャンケンか……」

 

飛影はジャンケンと聞いて苦虫を噛み潰したような顔をしつつも、渋々、承諾。

ちなみにルールは3人で同時にジャンケンをして最初に勝った奴が先鋒と次鋒、次に勝った奴は中堅と副将、勝てなかった奴は大将戦だけと言うルール。

その結果、北神が一抜け、飛影が二抜け、俺は大将戦だけとなった。

 

「じゃあ私が最初ですね」

 

「せいぜい惨めな負け方をせんようにするんだな」

 

北神にジャンケンで負けた事が気に入らないのか、飛影はフェンスの前で寝転がり、ふて寝をしてしまった。

まぁ飛影はその不満を試合にぶつけてくれれば、いいとして……俺たちの相手はこれまた凄まじい強さででベスト8に残った赤マント率いる都市伝説チームだ。

正直、このチームは不気味だ……誰一人として声を発しないし大将は赤いマントを着て、素顔見せないし……。

聞いた話によると元々は霊界や人間界で残虐な事件を各地で起こしまくっていた前科のある犯罪者集団らしく、試合を見ていても相手を殺すのを躊躇わないスタンスのようだ。。

都市伝説チームの全員から禍々しく、邪悪な妖気を放っている……ある意味一番危険ななチームかもしれない

 

北神の最初の相手はイギリスの民間伝承に登場する精霊レッドキャップのモデルになった妖怪の赤帽子。

長く薄気味悪い髪、燃えるような赤い眼、突き出た歯に、鋭い鉤爪を具えた、醜悪で背の低い老人の姿をしており、赤い帽子と鉄製の長靴を身に着けて、杖をたずさえている。

 

【それでは浦飯チーム対都市伝説チームの試合を始めたいと思います!】

 

S級妖怪で親父に仕えていた北神なら大丈夫だと思うが……心配事が一つある。

魔界が煙鬼によって統一されてから、北神は断食しているのだ。

妖怪の食料は主に人間で北神は人間に迷惑がかからないようにしているのだが、腹が減っては戦はできぬと言うように北神は空腹状態で戦うわけだ……少なくとも100%の力は出せないだろう。

 

【では北神選手対赤帽子選手……試合開始!!】

 

お互いに数秒の間、睨み合い、北神が攻撃を仕掛ける為に赤帽子に向かっていく。

 

だが赤帽子は地面スレスレを瞬間移動するかの如く、神速のスピードで北神に接近。

さらに北神の長い手が届く前に腹部を杖で殴打。

しかも馬鹿力でゴルフの球を打つかのように北神を空中に打ち上げる。

 

次の瞬間、赤帽子が俺の視界から消えた……いや、消えてなどいない。

目にも止まらぬスピードでジャンプし、北神の頭上にいたのだ。

 

「北神、避けろ!」

 

俺の声も無駄だった……赤帽子の杖が北神の後頭部を捉える。

石が砕けるような鈍い音がして北神は地面に落下。

 

それでも立ち上がる北神だが、立ち上がったと同時に赤帽子の杖の先端がみぞおちを直撃。

 

口から血を吐く北神……赤帽子はその血を地面から拭き取るかのように帽子に血を染み込ませている。

 

【北神選手、赤帽子選手のスピードにまったくついていけておりません!】

 

確かに赤帽子は強敵だが、北神が本来の力を出せれば、柔軟な身体を使ったりして攻撃を回避できるはず……それができないの言う事はやはり空腹の影響で体力が落ちているのだろうか……。

 

 

 

SIDEベル

 

懐かしい匂いがする……そう言えば、水瓶座の黄金聖闘士になる前に一度だけこの暗黒武術会に参加したことがある。

私は人間ではなく妖怪……魔界からアイスランドの雪山に移住した雪女一族の最後の生き残りだ。

人間から見た私の見た目は10代後半に見えるだろうが、少なくとも200年は生きている。

 

「ヤシャ、貴方は人間世界に戻ってもいいのよ?」

 

「この大会の行く末を見守る事もまた一興……」

 

と言いつつ、このヤシャと言う男は星矢たちを心配しているのだ。

もし星矢たちになにかあれば、自分が戦おうとでも思っているのだろう。

 

「それよりベル、君がこの大会を見たいと言ったのは星矢たちが心配だったからだけではあるまい。このヤシャに話してみなさい」

 

さすがはヤシャ……鬼神と呼ばれた金剛夜叉明王の化身なだけはある……なにもかもお見通しと言うわけか。

そう……私が魔界へ来たのは星矢たちの戦いを見る為だけではない。

 

「アイツらの臭いがした……」

 

「アイツらとは?」

 

「闇闘士よ……」

 

私が魔界に来たのは地獄の神であるタルタロスが率いる闇闘士(ダークネス)の気配を察知したからだ……2年程前、平和にもひっそりと暮らしていた私たち雪女の一族をは闇闘士の襲撃にあった。

私たちは戦った……自らの住処を守る為に……でも無駄な抵抗だった。

闇闘士の圧倒的な戦力の前に私たちはなす術もなく、次々と一族は死んでいった。

家族も全員が惨殺されたが私だけ、かろうじて生き残ったものの、あの時に味わった絶望感は計り知れない。

絶望に打ちひしがれた私は焼け野原にされた山奥で意気消沈していた……なにもやる気は起きず、ただ膝をついて泣いていた。

 

そんな時にアテナに聖闘士としてスカウトを受けた……アテナの優しく、慈愛に満ちた小宇宙は私の悲しみを洗い流してくれた。

私たちのような惨劇が人間にも起きないように聖闘士になる事を決め、今に至る。

 

「ですが殆どの闇闘士はアテナによって封印されたはず……残りの闇闘士も霊界の牢獄に入っているはずですが?」

 

「アテナの封印は解けかかっているわ……得体の知れない邪悪な小宇宙が高まっている事くらいヤシャ、貴方なら気づいているはずでしょ?私には分かるの……闇闘士に間違いないわ」

 

数週間前から強まっている邪悪な小宇宙……忘れもしない……闇闘士が私たちの住処に攻め入る前に感じた小宇宙だ。

 

「確かに邪悪な小宇宙は感知していましたが、まさか闇闘士だとは……」

 

「アテナとアンドロメダを連れ去ったのもおそらくは闇闘士でしょうね」

 

「しかしそうだとしても分からぬことがあります……何故、闇闘士たちは我らに暗黒武術会などに出場しろなどと言うのでしょうか?」

 

「私にも分からない……でも奴らがなにか企んでいるのは間違いないはずよ」

 

「アテナも行方知れず、黄金聖闘士のみならず、白銀聖闘士まで数が足りぬ今、闇闘士との戦いになれば苦戦は必至……覚悟を決めなければいけないようですね」

 

私たち雪女の一族は本来、戦闘能力も高い民族だったが、あっさりとやれてしまった……そしてタルタロスは言ったのだ……暇つぶし程度にはなった……と。

その言葉と虫けらを見るような目つきを思い出すだけでも怒りと悲しみがこみ上げてくる。

必ず闇闘士を倒し、一族の敵は討つ……私は無念の末に散った一族のみんなに心の中で誓ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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