魔法少女リリカルなのはINNOCENT-crimson the bellwether- 作:聖@ひじりん
ブレイブデュエルの稼働から四日がたち、木曜日。学校が休みだったので部屋で本を読んでいると、朝を食べていなかったからか腹が鳴ったのでリビングに向かう。
「おはよう、ユーリ。どうかしたのか?」
リビングに入ると、困った顔をしたユーリがいたので、挨拶のついでに訪ねてみた。
「おはようございます。キリエとアミタがこれを忘れたみたいで」
ユーリが見せてきたのは、チェック柄の桃色と青色の風呂敷に包まれたお弁当。どうやら、二人とも忘れていったらしい。
ロールアップにした黒のカーゴパンツのポケットから、スマホを取り出してメールや電話を確認するが連絡はない。まだ気づいていないのだろう。
「そうだな……」
時刻は12時。ここからエルトリアまで三十分ぐらいで、授業時間を考えるとかなりいい時間だ。
……というか、もう昼食の時間だったのか。集中していて気が付かなかった。
「よし、俺が届けてくるよ」
女子校に向かうのはちょっと気が引けるが、ユーリの為と思えば頑張れるな。
研究所の手伝いなどまだまだ仕事があるだろうし、ユーリに行かせるなんて選択肢はない。それと、仕事を肩代わりしてまでユーリに行かせる意味もない。
まあそもそも、二人が忘れなかったら良かっただけの話なんだが。
「大丈夫ですか?」
「当たり前だ。それに──」
ポンポン──とユーリの頭を叩いたあと、しゃがんで目線を合わせる。
「こういう時は俺に頼ってくれ、って言っただろ?」
「……ふふっ、そうでしたね。それじゃ、改めてお願いします」
「了解だ、盟主様」
「そ、それで呼ばないでください~」
今度はユーリの頭を撫でてから、俺は二つの弁当を持ってエルトリアに向かった。
◆ ◆ ◆
「ちょっと早かったか」
研究所を出て、エルトリアに到着したのは12時半。まだ授業中のようで、フェンスの向こうに生徒が一人も見えない。
それに、こういう学校には大体いる入り口の看守さんもいないので、アポもなしに入るのは難しいだろう。
「あ、二人に連絡してないな」
スマホを取り出して、二人にメールをしておく。これで授業が終われば迎えに来てもらえるはずだ。
「あら、どうかしましたか?」
「え? ああ、こんにちわ」
メールを送信し終わった所で、フェンス越しに声を掛けられたので顔をあげると、とても綺麗な女性がいた。
おそらく、ここの教員か学院長だろう。
「はい、こんにちわ。手荷物という事は、生徒の家族の方ですか?」
「そうなんですが、アポを取ってなかったのと、そうだと言っても信用して貰える証拠がないんで、二人……フローリアン姉妹が来るまで待っています」
「なるほど。でしたら私が許可しましょう」
「大丈夫なんですか?」
許可を出せるのはやっぱり学院長だからか。ただ、それにしても生徒に連絡もなしに学内に男子がいたら困惑するよな。
まあ、どこかの部屋で待つ事になるだろうが。
「人を見る目はあると自負しています。あなたの言動から、とても悪さをする様な人には見えませんしね」
「でも、男ですよ?」
「別に、男子禁制ってわけではありませんよ。それなら全員、寮住まいにさせるのが普通でしょう」
……そういえばそうか。勝手なイメージでそう思っていた。
「分かりました。素直に甘えさせてもらいます。どこかの部屋で待つ感じですか?」
「そうですね……昼食はお済みで?」
「まだですね」
時間はあったし、どうせなら食べて来れば良かった。
「でしたら、我が学院自慢の学食はいかがですか?」
「……え?」
◆ ◆ ◆
授業終了のチャイムが鳴り、キリエは椅子に座ったまま伸びをした。
「んん~」
一時間に満たない時間とはいえ体がこっており、気持ち良さから自然と声が出てしまっている。
「キリエ、ご飯行こう」
と、キリエの横に、クラスメイトで友人の桜月桃(さくらづき もも)が昼食の誘いをしに来た。
「今日は学食よね?」
「うん」
「りょうか……あらん?」
桃の言葉を聞き、キリエは鞄から弁当を取り出そうとして首を傾げた。
「あ~、これは困ったわ」
そして、口元を押さえるように左手を左頬に当てる。
「お弁当忘れちゃった感じ?」
「そうみたい……はぁ」
キリエはため息をついて朝の流れを思い出し、やはり自分が取り忘れた事に気づく。
今日はディアーチェが日直の為に早く家を出たので、いつもの手渡しじゃなくキッチンに置いてある弁当を持っていくはずだった。朝食の時にその説明を受けて、決して覚えていなかった訳ではないが、いつもの習慣からずれたせいでキリエは忘れてしまったのだ。
「とりあえず、お姉ちゃんたちが待っていると思うし向かわないとねん」
「だね」
キリエは鞄から財布を取り出し、桃と一緒に学食に向かう。
「へえ~そうなんだ。見て見て」
「ん?」
桃がキリエに見せてきたのはスマホの画面。エルトリア電子掲示板の一つの項目だった。
これは、主に生徒たちの間で更新される情報交換の学院サイトで、学院生活をより楽しむための物だ。今回の用に、イベント的な事や小テストの範囲等、とにかく色々な情報が流れている。
「学食大混雑。謎のイケメン男子だって」
「それは困ったわ~。場所を変える事になるかしら」
「興味ないんだね」
「興味はないこともないけど……」
キリエは手をひらひらと振って、言葉に出さずに意思を表す。
「ああ、なるほど。先輩がいるもんね」
桃の言葉を受けて、その場でキリエは体を硬直させたが、それも一瞬。
「冗談を言うのはこの口かしら?」
桃の両頬を伸び切るまで引っ張り、笑顔で威圧した。
「じょ、冗談です」
「それならよし」
キリエは手をぱっと離して、止めていた足を動かす。
(な、なんでドキドキしてるのかしら)
「ちょ、早いよ」
いつもより早い胸の鼓動と同じく、キリエの歩く速度は普段よりも早くなっていた。
◆ ◆ ◆
「あの、なんで学食にいるんですか?」
「お名前は? 歳はいくつですか?」
「一緒に食べてもいいですか?」
なんで、こうなった。俺は見世物じゃないんだがな。
人のこういった行動は、お嬢様学校だろうと普通の学校だろうと同じなのか。
「あー、ちょっと待ってくれ」
学院長に薦められ、流されるままに学食に案内された頃にチャイムが鳴り、用事があると学院長はどこかに消えた。
どうする事もできなくなった俺は、二人からの連絡を待とうと学食の端席で待機していると、運が悪かったのか当然か生徒に見つかり、気がつけばこの状態。
写真を取られたり、絶えず質問が飛んできたり……連絡を確認するどころか、身動きすら出来ない状態だ。
ざっとみ、俺の周りにいる生徒数は百人くらい。もし、いきなり立ち上がったり動いたりすれば、ドミノ倒しの要領で怪我をする人が出るかもしれないので、うかつに動けない。
しかし、なんでいなくなったんですか、学院長。
「まず、人を待っているんだ。名前は柊真紅、今年で17歳の高校二年。一緒に食べるのは出来そうにない」
とりあえず、無視は人としてどうかと思うので、はっきりと聞こえた質問にだけ答える。
この間にキリエか姉貴がメールに気づいてくれればいいんだが……そう上手くはいかないだろうか。
「誰を待ってるんですか?」
「あの、趣味は?」
「じゃあ、今度でもいいので──」
『皆さん、静粛に!!』
まさに鶴の一声のよう。騒がしかった学食内が一瞬で静かになる。
ただ、俺の聞き間違いじゃなければ、今のは姉貴の声だった……な、うん。
椅子からゆっくりと立ち上がり、学食の入り口に見えたのは、ここに来た目的の一人、姉貴だった。
その隣には黒髪でポニーテールの女性、舞子さんの姿も見えるので、二人で学食に来たところだろう。
「あれ? 真紅じゃないですか」
近づいてやっと気づいたのか、姉貴が首をかしげてこちらを見た。
「これ」
密集していた生徒たちが割れてくれたので、俺は姉貴に向かいながら、手提げ鞄から弁当を取り出す。
「ああっ、私のお弁当ですね!!」
「今度は忘れないようにしてくれよ」
弁当を手渡して、そう伝える。
「ディアーチェが心して食すようにと言っていたので、本当に助かりました。先ほど、忘れた事実に固まって動けなかったぐらいですから」
良く考えずとも、その様子が安易に想像できた。
「だろうな。今日はキリエと別行動か?」
「いえ、もうすぐ来ると思いますが……ええと、皆さんの疑問を解消するところからですかね」
姉貴は入り口に振り向いたあと、周りを見渡してやっと周囲の状況に気がついたらしい。
「全てを話す必要はないと思うけど、ある程度はいるんじゃない? もちろん、みんなが私たちのプライベートな時間を蝕してまで質問するならだけど」
『うっ』
なんて頼もしいんだ、舞子さん。伊達に学院で人気者らしい姉貴の横で友達やってないな。決して腹黒い人ではないし、優しい人だが、的確に痛いところを突いている。
「そうですね……では、真紅との関係性だけぱぱっと説明しましょうか。皆さん、それで納得していただけますか?」
『はい!!』
ただ、ここの生徒が慎みをしっかりと持っているからこそ効くのだろう。
うちのクラスメイトなんて、一度お祭り騒ぎになったら先生の注意ですら止まらないしな。
「えーとですね。真紅は……えと…………困りました、なんて説明しましょう」
「おい」
弁当を持ったまま、腕を組んで悩む姉貴にすかさず突っ込んだ。
「よくよく考えてみれば、こんな機会で真紅を紹介することが初めてですし」
「それもそうだが、何かあるだろう」
いや、姉貴に任せる所から間違いか。決して頭が悪いわけじゃないが、こういった場面はどうすれば良いかわからず、苦手だったはずだ。
「分かった、俺が説明するよ」
姉貴の方に手を置いてから、俺は食堂にいる生徒たちが見える入り口に移動する。
「名前は柊真紅、高校二年。事情があって、姉貴……アミティエ・フローリアン。ひいてはフローリアン家と同じ屋根の下で生活させて貰っている。今日は姉貴とキリエが忘れた弁当を届けに来た」
「若い女性と一緒に住んで、間違いとか起こりませんか~?」
大雑把に説明し終わると、背中に質問が投げかけられた。
その声は聞き間違えようのない、俺がここに来た目的の、もう一人のフローリアン──
「間違いってなんだ、キリエ」
キリエに、俺は振り向いて言葉を返す。
「それを乙女に言わせるんですか、先輩?」
至って普通で、いつものキリエとの会話。
だが、キリエの背後に怒気が見えるのは気のせいだろうか。
満面の笑みから、とても怒っているとは思えない。ただ、この背筋を凍らされる威圧感は、間違いなくキリエから発されているだろう。
それに加え、段々と強くなる威圧感に、食堂の雰囲気が凍っていく気がする。
「……何か、あったか?」
質問に答えずに、ストレートに訊き返す。
「いえ、別にありませんよ」
どうやら、何かあったらしい。威圧感がさらに増した。
俺はキリエの隣にいる桃に視線を向けてみるが、首を振られる。何も分からないようだ。
「それならいいが……弁当、いるよな」
とりあえず、弁当を渡そうと試みる。
「……はあ。頂くわよん」
キリエがため息をついたと同時に、放たれていた威圧感がなくなった。
突如としてなくなった意味は分からないが、キリエの中で何かが自己解決したのだろう。その意味や理由に対して、深く突っ込む必要はない。
◆ ◆ ◆
「ちきちき、食後の質問タイム!!」
五人で席について昼食を食べ終え、俺の奢りにて食後のデザートを用意した所で、桃が唐突に宣言した。
ただ、その宣言に突っ込む者はなし。多分、三人とも意味が分からなかったのだろう。
もちろん、俺も意味はわかってないのでスルーだ。
「ちょ、誰か気にしてよ」
「……そうは言うけど、誰に質問するのよん」
「当然、真紅先輩に」
俺はすっと、桃の目の前に置いたチーズケーキを取り上げた。
「わわっ、取り下げませんけど返してください~」
「いや、取り下げてくれよ」
「そこを取り下げたら、意味ないんで」
……それもそうか。
桃の心意義にいくらか納得できたので、目の前に返す。
「あれ、いいんですか?」
「曲げない信念に参ったからな。でも、なんでいまさら?」
会ったのが少し久しぶりとはいえ、中学の頃にキリエを通じて知り合い、桃との付き合いは中々に長い。だから、今日になって質問したいほど気になる事が出てきたのかと、俺は疑問に思った。
「私自身、気がついてなかったのが不思議なんですけど……真紅先輩ってアーちゃん先輩の事を、姉貴って読んでますよね?」
「あ、本当ね」
どうやら、舞子さんも気がついてなかったらしい。
「なるほど」
俺は疑問の理由に合点がいったので頷いた。
そして、二人に説明する前に、ひとまず視線を姉貴に向けてみる。
ばっちりと目が合い、姉貴は首を振り始めた。どうやら、話して欲しくない様子だ。
「それじゃ、簡単にだけ説明しようか」
「えぇっ!? 私の意思は無視ですかっ」
残念ながら、姉貴がどう言おうと説明する気しか無かった。
それに、俺にとって二人に隠すほどのことではない。
「ならせめて、声で対抗してくれ」
「そうは言いますけど……いえ、分かりました。私も腹を括りましょう」
「そこまで覚悟がいるなら、話そうとは思わないが?」
「いいえ、一思いにやって下さい」
さすがに──「何を?」とは突っ込まなかった。これ以上に、話を長くするのは不要だろう。
「分かったよ。あれは、俺が…………」
「ん?」
そこまで口に出して、気がついた。
これは、意外と話が長くなりそうだ。
出会った当初の話になるから色々と説明が入るし、最悪は残りの昼食時間を使っても足りない可能性がある。
そうなると微妙な所で話を切る事になり、二人にも悪いだろう。
なら、きわめて簡潔に説明するしかないな。
「長くなるから端折るが……姉貴は、勘違いから俺が年下で学年が下だと思っていたから、姉と呼びなさいと言い、俺はそれに従った。てっきり俺は、姉貴が俺の誕生日を知った上での願望だと思っていたんだが、結果は違った」
「……つまり?」
桃の言葉を聞いて、俺は姉貴にアイコンタクトをする。
「……真紅って、同じ学年だったのですか?」
「ああ。むしろ、知らなかったのか? 俺の誕生日は3月31日。ギリギリ、姉貴と同じ学年だ」
「と、こういう事がありまして、気づくのに二ヶ月ほどかかったので、そのまま継続しているんです」
静寂を挟んでから、姉貴がそう説明を加えた。
『なるほど』
二人には納得してもらえたようだ。
「追記すると、姉貴の誕生日が4月1日だからってのもあるな」
「あー、そっか。アミタとほぼ一年……むしろ、キリエや桃の方が年齢的には近いんだね」
「そうなるな」
一日遅くて、キリエや桃と同学年というのも面白そうだ……なんて考えた事あったな。
ちらっと食堂にある時計を確認して、残っていたチョコレートケーキをフォークで口に運び、全員分の皿を集める。
「それじゃ、かなり良い時間だし、そろそろ俺は帰るとするかな。皿は片付けておくよ」
前回のチャイムからもう少しで一時間。俺は立ち上がり、指で時計を示す。
『あ』
会話に集中していたからか、四人とも時計を気にしていなかったらしい。どうやら、授業開始までもうちょっとの様子だ。
「五時間目は体育でした!! 急ぎますよ、舞子。真紅、ご馳走様です」
「ちょ、早いよアミタ!? ありがとう、真紅くん」
台風……いや、ハリケーンだろうか。物凄い速度で二人がいなくなった。
「私たちはまだ余裕あるけど、どうする?」
「そうね~、戻ろうかしら。ちょっと予習もしたいし」
どうやら、二人ともここで別れる事になりそうだ。
「相変わらず真面目だね、キリエは……というわけで、私たちも撤退しますね。ご馳走様でした」
「ん、同じくありがとう先輩。また今度、何かでお礼するわ」
気にするな。と、反射的に出しそうになったが、止める事に成功した。
「ああ、少しだけ期待しておく」
キリエに対しては遠慮が要らない……というより、気にしなくても用意してくるだろうし、ここは素直に受け止める。
「ふ~ん……それじゃあ、とびっきりのとっておきで返すから、覚悟しておきなさいよん」
なんだか、キリエの態度が柔らかくなった気がするな。
「……了解だ」
「にやけ顔……別にエッチな事はしないわよ?」
俺の勘違いではないらしいが、この責め方を常時してくるのは少し面倒だ。
「そういう想像して笑ってたんじゃないからな……」
呆れた様子を隠さずに返す。
「うん、知ってる」
「っ!?」
……敬語をやめれば、破壊力抜群か。全く、その通りだな。
キリエから返ってきたのは、とびきりの笑顔だった。
◆ ◆ ◆
キリエの笑顔に面食らってから別れて、俺はT&Hに向かっていた。
「ふむ……」
ただ、歩いて数十分は経過しているのに、俺の動悸は治まりそうにない。
いやむしろ、時間が経過すればするほど早くなっている気もする。
「参ったな……」
原因不明の動悸。一体、俺の身体に何があったのだろう。
感覚としては、ブレイブデュエルでいい勝負をしている時に近いが、キリエの笑顔一つでこうなるものか?
デュエルは楽しいで、笑顔は……嬉しい、か。うん、違う要素だ。
それなのに同じ胸の高鳴りというなら、これとあれは何か別の性質なのだろうか。
「まあ、そのうち勝手に治まるだろう」
どれだけ考えても答えは出そうにない。恐らく、結論付けるまでの思考力やボキャブラリー、知識が足りていないのだろう。
スマホで調べようにも、この動悸を説明しきれない時点で、検索もできそうにない。
つまり、現状は手詰まり。諦めて、治まるのを待った方が賢明だ。
……最終、キリエの笑顔を見て同じ事態になった時に、キリエに訊いてみるか。
「よし、そうしよう」
適当に結論付けると、不思議と鼓動が治まっていくのを感じた。
やっぱり、一時的なものだったらしい。
「さて、心がスッキリしたことだし、ブレイブデュエルについて考えるか」
……現実逃避? 知らない言葉だな。
俺は昨日、射撃魔法のスキルカードを手に入れた。
ローダーは、一日一回無料で引けるのと、デュエルポイントで五回まで引くことが出来る。ポイントは大体、ワンプレイで一回分溜まるので百円で一枚分だ。
それと、ローダーに制限がある理由は簡単で、年齢層による現金の使用可能金額を平等に近づけるために備わっている。
ブレイブデュエルは幅広い年齢層に楽しんで貰えるように、様々なサービスが存在していて、その中の一つが年齢ボーナス。これは、戦闘時の能力強化ではなく、プレイする時の現金支援サービスだ。
例えば、小学生の場合。お小遣い最低平均が月に二万円ほど。これをブレイブデュエルに毎日、ローダーを引ける限度まで使うと、月に一万五千円になる。
ただ、これが中学生の場合。最低平均が三万円ほど。同じ条件で残る金額は一万円になり、追加でその分のプレイができることになってしまう。
スキルカードとパーソナルカードは、プレイするかカード同士を混ぜるトレーニング、デュエルポイントによる強化により強くなるので、必然とプレイすればするだけ強くなるわけだ。カードはレア度によりレベル限度が存在し、成長に限界はあるが、それでも弱いより強い事に越したことはないだろう。
これを踏まえて、小学生は一日三回まで無料なのと、三回プレイで一回無料。中学生は五回で一回無料。高校生は十回で一回無料になる。
ただ、このサービスを用いても現金の平等化は難しい。しかしそれでも、他のゲームよりサービスが充実していると評価を受けているので、あって良かったと思う。ちなみに、店側が用意するイベントデュエルに参加するのは無料としている他、店舗によってサービが異なるので、その辺りがある程度スタイル影響しているらしい。
なお、カードの交換やプレゼントには事前申請が必要で、現金でのトレードを禁止している。なので、カードショップの様に販売するともれなくアウトになるんだが……友達の間での現金交換はギリギリオッケーな範囲になってしまう。
またそれを利用して、店は構えないが店の形式を取る人間が現れる対処として、カードには交換とプレゼントのどちらか一回しか出来ない制限。プレイヤーには一週間で一回しか、交換かプレゼントできないようになっている。
これも完全になくす事は難しいが、カードの使用適正やプレイヤーデータは一人に一つなので、抑止力にはなっているはずだ。
前置きが長くなったが、俺が手に入れたのは射撃魔法砲撃系アクティブ型のカード。このタイプを初めて手に入れた俺としては、戦闘にどう活かすか悩みの種になっている。
まあぶっちゃけ、使ってみない事にはわからないので、T&Hに向かっている。スタイルホームでやらない理由は
「到着っと……フェイトたちはまだいないか」
T&Hに入り、階段を登りながら時間を確認すると十四時過ぎだった。
「ノーマルバスターから、俺独自のバスターになるまで改良する時間はありそうか」
スキル思考なら、エンタークンでもできるしな。
……よし、T&Hのみんなも驚かしてやろう。
五階についた俺は、早速エンタークンを使ってスキル思考を始めた。
やっと更新です。
お願い一。実は4話まで修正が終わっていて、ちょっとだけ変わっています。また読んでみてください。
その二。独自解釈をかなり含んでいますので、ここ変じゃね? と思った方はどしどし感想やメッセください。
その三。純粋に感想や評価、メッセなど気軽にどうぞ。批評も待ってます。