亦野さんが麻雀弱いわけないだろ!   作:てーやー

13 / 40
副将戦も載せようか悩みましたが、県大会では地味になりそうだったのでやめました。

副将戦終了
風越女子高校 深堀純代 105900(-11800)
龍門渕高校 龍門渕透華 89300(-7100)
鶴賀学園 東横桃子 105600(+9100)
清澄高校 井上純 99200(+9800)


13翻役 宮永咲は皮をかぶる

緊張しすぎると体の力が抜けなくなる、とはよく言うが私は例外らしい。

 

 

新子さんに連れてもらい到着した部屋で心静かに本を読んでいると、そんな思いが脳裏を掠めた。

 

 

そしてすぐに、どうでもいいなと再び文字に眼の照準を合わせるが、ドアの開く気配がしたため本を閉じて顔を上げる。

 

 

制服を見ると風越と鶴賀だろうか。軽く会釈をすると二人が揃って席に着く。鶴賀の方は落ち着いているが、風越はドアの向こうをやたらと気にしているようだ。

 

 

そして少し遅れて龍門渕が来た。見た目こそ小さく愛らしいが、彼女が昔のお姉ちゃんよりも強いオーラ隠しているのが分かる。

 

 

 

 

…なるほど。これが体の力が抜けなくなる感覚か。

 

 

 

 

 

 

大将戦開始

東場 龍門渕高校 天江衣 89300

南場 風越女子高校 福路美穂子 105900

西場 清澄高校 宮永咲 99200

北場 鶴賀学園 加治木ゆみ 105600

 

 

さて、と試合が開始したところで改めて考察する。

 

 

今の順位は三位だが、点数はほぼ横並び。なら一度高い手を和了っておきたいが、対面から局を長引かすと危うい気配がする。

 

 

これまでの試合では、能力を使わずに最低限だけ流して勝つことで弱く見せてきた。でも、さすがに県予選の決勝ともなれば、このままでは勝てないかもしれない。問題はどこで本気を出すか。

 

 

最初から本気を見せると、終わるまでに研究されて対策を取られる可能性がある。しかし待ちすぎれば、点数が引き離されすぎて追いつけなくなるかもしれない。

 

 

なら尚の事、この前半は有効に使いたい。東三局に一回だけ和了ってから、上位の二人を気付かれない程度に削っていく。そして休憩時間で亦野先輩に相談することにしよう。

 

 

 

 

 

 

そして東四局になった瞬間、龍門渕の子がオーラを隠すのを止めたため卓の空気が変わった。

 

 

「乏しいな、闕望したよ。そろそろ御戸開きといこうか。」

 

 

…セリフから考えるにしびれを切らしたのだろう。オーラを隠さなくなったことからも、彼女が感情的になりやすいタイプだと分かる。

 

 

嬉しい誤算だ。これなら、思ったより早く彼女の強さが分かるかもしれない。

 

 

本気を出したことを確認してから手牌を見たが、異常はない。なぜ?あのオーラはただの見掛け倒しだったのか?

 

 

しかし中盤以降、下家の風越が上りを放棄して中張牌を捨て始めたことから、何かがあるのだと理解できた。そこまでして早く流したいのか。

 

 

止めるかどうかは迷ったが、龍門渕の本気が知りたいのであえて放置する。

 

 

そしてそのまま十八巡目、

 

 

「自摸、海底撈月。」

 

 

…なるほど。最初の気配に加えて、途中から有効牌が取れなくなった感覚。そして海底での上がり。風越はこれを全力で止めようとしていたのか。

 

 

その和了りで東場が終わり、再び龍門渕の親が来る。

 

 

すると風越が先程よりも的確に鳴ける牌を捨て、鶴賀もそれに同調してきた。

 

 

…二人とも対応が早い。今は弱く見せているため、疑われない程度に協力するが、最後はこの二人の方が障害になりそうだ。

 

 

 

 

 

 

大将後半戦開始

東場 鶴賀学園 加治木ゆみ 94300(-11300)

南場 風越女子高校 福路美穂子 99500(-6400)

西場 清澄高校 宮永咲 92000(-7200)

北場 龍門渕高校 天江衣 114200(+24900)

 

 

後半戦に入った。風越と鶴賀がこちらを怪しみ始め、龍門渕も何かに気付きだしたため、実力をごまかすのはこの辺りが限界だろう。

 

 

そのためそろそろ暴れたいが、まだ動けない。龍門渕が聴牌を察知してくるのに加えて、二人の対応力が高い。そのため、一度失敗すれば全てが無駄になってしまう。

 

 

トップとの差は22200点。点数だけ見れば、跳満を直接当てられれば逆転できる。しかしラス親が龍門渕であることを考えれば、やはり倍満以上を直撃させたい。

 

 

とりあえず、この局は流そうか。

 

 

 

 

 

 

そして南三局の親番、ようやく勝つための手ができた。このまま攻めても良いが、念のために仕掛けを施しておく。

 

 

「カン」

 

 

これで鶴賀にドラが三枚増えた。下家の警戒がそちらに向くのが分かる。それと同時に対面がこちらを警戒してきたがもう関係ない。ここで和了って逃げきる。

 

 

そして、下家が聴牌をしたタイミングで牌を掴ませる。感覚で打つことしか知らない彼女は、まだ聴牌していない私の危険牌には気付かないはずだ。後は、牌を捨てるのを待つだけ。

 

 

 

…?まだ捨てていない。龍門渕は、私の待ち牌を掴んだまま動かない。

 

 

もしかして迷っている?先程の鳴きに疑問を感じ、自分で考えているのか。

 

 

つまり、彼女は今、初めて感覚に頼らない麻雀を打とうとしているのか。

 

 

 

 

…これが常時なら一緒に喜んだかもしれない。私も亦野先輩のおかげでその気持ちが分かるから。

 

 

でも今は決勝戦。これで私と新子さん、そして先輩たちが全国に行けるかどうかという場面だ。

 

 

なら、ここで私の取るべき行動は決まっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「麻雀って…楽しいよね」

 

 

 

 

 

 

大将後半戦戦終了

東場 鶴賀学園 85400(-8900)

南場 風越女子高校 90100(-9400)

西場 清澄高校 112700(+20700)

北場 龍門渕高校 111800(-2400)




今回で県大会は終了ですが、全国に行く前に阿知賀と白糸台の様子を載せることにしました。

裏話的なノリで書くので、ほのぼのしていると思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。