亦野さんが麻雀弱いわけないだろ! 作:てーやー
私が一番そう思ってます。
大将戦開始
東場 清澄高校 宮永咲 108200
南場 姫松高校 末原恭子 106100
西場 永水女子高校 岩戸霞 101500
北場 宮守女子高校 姉帯豊音 84200
東四局までを怪しく思われない程度に流しながら、この中のどの高校が相手なら勝てるかを考察する。
姫松を持っていくと、中堅が確実に落ちる。別に新子さんが悪い訳ではなく、愛宕さんが強すぎるだけだ。私も、確実に勝てと言われたら無理だと即答する。
しかも、この大将は確実に速攻型。オカルトならいくらでもやりようはあるが、この人は単純に早い。周りに阿知賀の中堅みたいな、相手の火力を抑えるタイプの人間がいたら、まくるのは一気に難しくなる。
亦野先輩は稼ぐタイプではなく、中堅が落とされるのが分かっていて、終盤は早い。これ以上なく私たちのチームと相性が悪い。なので却下。
では、永水はどうか。これもまずい。
まず先鋒がおかしい。今回こそ先輩が機転を利かせてどうにかしたが、もし本気があれ以上なら、清澄より先に他が落ちる。それでは決勝は狙えない。
次に副将。こちらも井上先輩の話によれば、今回は運が良かっただけらしい。次は確実に四喜和が飛んでくるとのこと。やっぱりおかしい。
そして大将。姫松よりも相性は良いが、役満を連発された後に追いつける相手ではない。以上の結果より、永水も却下。
一方、宮守はどうか。先鋒こそ先輩に痛い目を見せられて警戒しているが、それくらいなら先輩がどうにかしてくれる。次鋒は相性抜群で、中堅、副将共に手を組んだ相手なので他の二校を落としやすい。完璧だ。
唯一の欠点は、今最下位であるために、二位に上げれば私の実力がばれる可能性がある事と、大将がまだ何かを隠している事。けれども、それだけなら充分に、いや十二分にお釣りがくる。
むしろ、最終的には本気のお姉ちゃんと戦う訳だから、私の実力を一度は確かめておきたい。そう考えれば、この三人の強豪は試運転にもってこいだ。
連れていく相手も決まり、わくわくしながら本気を出す準備をし始める。南場から暴れるのが一番かな、と考えたところで、
姫松が宮守に削られていた。まだ何もしてないのに。
大将前半戦終了
清澄高校 宮永咲 109700(+1500)
姫松高校 末原恭子 89500(-16600)
永水女子高校 岩戸霞 105500(+4000)
宮守女子高校 姉帯豊音 95300(+11100)
そして迎えた後半戦。
しかし、さっきまでとは違い本気を出す気はなくなっている。その理由は、休憩時の会話。
どうせ本気を出す前に前半が終了したのなら、と急いで控室に戻り、亦野先輩の意見を聞いてみることにしたのだ。
「今回の相手になら、能力を解禁してもいいと思いますか?」
という訳で質問をしたのだが、
「えっ、あー、…今はまだやめておいた方がいいんじゃない?」
「ほら、えーと、相手が咲ちゃんと同じレベルの人間だと分かるまでは隠しておいた方がいいと思うから。」
やんわりと否定されてしまった。
なので、第二シードの臨界女子がいる準決勝に行くまでは、本気を出さないことにする。
そして東一局二本場、ついに、永水が奥の手を出してきた。発動させたのは、他家を絶一門にする能力。相手がノーガードになったのは大きいが、こちらが一発で受ける被害も大きくなった。
一度失敗すれば宮守はおろか、清澄でさえ危ない。これを処理しながら宮守を上げるのはさすがに骨が折れるが…
本気を出す前のウォーミングアップには、ちょうどいい。
大将戦終了
東場 永水女子高校 103300(-2200)
南場 清澄高校 108100(-1600)
西場 姫松高校 85000(-4500)
北場 宮守女子高校 103600(+8300)
今回は難産でした。ええ、難産でしたとも。どの高校も残したくて、筆が全く進みませんでした。