亦野さんが麻雀弱いわけないだろ!   作:てーやー

31 / 40
いよいよ準決勝決着です。二次創作を作るにおいて、姉帯さんと獅子原さんの能力が分からな過ぎて辛いです。


以下は、今回の注意事項です。グロとかではないので安心してください。
・獅子原さんがカムイを呼ぶのを<>で表しています。
・注釈機能を使用してみました。
・二千字を超えてしまいました。


26翻役 獅子原爽は最後まで抗う

ユキを目立たせるだけだったはずが、こんな大きな舞台にまで来てしまった。

 

 

元々の目的であるユキの国麻出場がほぼ確定した今、無理に上を目指す必要はない。

 

 

しかも今までとは違い、相手は全員が全国トップレベル。また、宮永さんと姉帯さんに至ってはまだ何かを隠してる気がする。

 

 

けど、ここまで来れると欲が出てくる。どうせなら、やれるところまでやってみたい。

 

 

正直、一筋縄では行けそうにない、どころではない。全く勝てる気がしない。なら、遊びに行くぐらいの軽い気持ちで挑むことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

大将戦開始

東場 有珠山高校 獅子原爽 70500

南場 宮守女子高校 姉帯豊音 98700

西場 清澄高校 宮永咲 81500

北場 臨海女子高校 ネリー・ヴィルサラーゼ 147300

 

 

東一局。まだ試合が始まったばかりだが、四回しかない親番。残り少ないカムイを使う価値はある。

 

 

どれから使うのが正解だろうか?

 

 

自分の手と河を見る。私の配牌に集まってきている萬子が、周りにとっては不要牌の様だ。また、姉帯さんが一回鳴いているため追っかけリーチはない。だったら、

 

 

<アッコロ!>

 

 

萬子をどんどん手前の山に集める。これで、自分の役を上げつつ相手の進みを遅らせる。また、自分の河にも一段目から萬子が出るから気づかれにくい。さらにここで、ドラを増やすために槓子を鳴く。

 

 

「カン!」

 

 

捲れた王牌も…当然萬子。これで倍満確定。でも、これじゃもったいない。もっと上げる。

 

 

「リーチ!」

 

 

…ここまでしたんだ。この局は確実に決めにいく。だから、一番削るべき二位の姉帯さんに、

 

 

<パロコカムイ!>

 

 

不要牌の中に当たり牌を紛れ込ませる。これなら…

 

 

「ロン!」

 

 

裏込みで役満確定!48000!続けて一本場!

 

 

…しかし今度の配牌はクズ手。一応、役満で二位には付けた。けど、この三人相手にカムイがいなくなった時のことを考えれば、少しでも多く点数が欲しい。

 

 

なら、連荘狙い?赤いのを使って喰いタンにするか?いや、オタ風が三枚で、ドラが南。ここは攻める!

 

 

<フリカムイ!>

 

 

これで、手牌にある自風以外の風を呼び込んでくれる。元から五枚あった筒子を鳴ければ、早和了りも狙える。早速鳴こうとするが、

 

 

「チー「カン」」

 

 

宮永さんが止めてきた。なら、この嵌張はもう使えない。ちょうど新しい牌が来たので、そっちに張り替えを___

 

 

「ロン」

 

 

…さすがに止められたか。しかし、アガリ形を見る限り、先程のカンは必要なかった気がする。なら、これが彼女の能力か。今までの戦い方から考えると、相手の連荘を潰す、とか?

 

 

そのことを頭の片隅に置きながら、気持ちを入れ替える。親番は流れたが、チャンスはまだある、まだ他のカムイもいる。使いどころを見極めろ…!

 

 

 

 

 

 

初めの局に狙い撃ちした姉帯さんだが、沈んでいくどころか余計に火を着けてしまった様だ。一荘目は臨海にフォローを貰っての鳴き速攻。二荘目は全体効果系での遅延。そして、今は彼女の三連荘目。

 

 

「リーチ」

 

 

と、ここで宮永さんがリーチ。さすがの姉帯さんも、三回目は先制でき…いや、追っかけリーチか!

 

 

「追っかけるけどー。通らばー、リーチ!」

 

 

やっぱりか。宮永さんが連荘止めの能力を発動させたけど、これを忘れていたのか?彼女に限って、それはないと思うが…

 

 

「カン」

 

 

…また、カン。これも能力か?

 

 

「ツモっ、嶺上開花!」

 

 

嶺上開花!?確か、二回戦でも一度これで自摸っていた。なら彼女の能力は、相手が連荘すると槓が出来る…ぐらいか。

 

 

 

 

 

 

後半に入って最後の親番。前の親番では、臨海が要所で鳴いたせいでカムイたちを呼べなかった。いや、温存できたと考えよう。

 

 

そして、この親で使うのはすでに決めていた。

 

 

<白いの!>

 

 

これで自牌に竹が来やすくなった。

 

 

これなら、他の面子には関係がないから宮永さんにも邪魔をされにくい。しかも来やすいだけだから、見た目じゃ分からない。つまり、

 

 

「ツモ!」

 

 

確実に和了できる。そして次は、

 

 

<赤いの!>

 

 

自分にだけ字牌を集める。これも、宮永さんは手を出せないはず。

 

 

…!彼女が山を見た。これはまた嶺上開花か?だったら、

 

 

「カン!」

 

 

こっちが先にカンをして奪えばいい。これで、彼女がカンをしても意味がなくなった。

 

 

しかも、王牌から持ってきたのは自分の向聴数を減らせる牌。これなら、今回も連荘できそうだ。そのままいらなくなった牌を捨て___

 

 

「ロン」

 

 

…なるほど。ここまで読まれてたか。でも、このままなら勝てそうだ。残り三局で、点数もまだ勝ってるし、

 

 

( エルティ) 、ロン!24000!」

 

 

臨海?!全く気配がしなかったが最後の最後に動いてきたか!しかも、今の当たりで清澄との順位は逆転。このままでは、

 

 

( オリ) 、ツモ!6000・12000!」

 

 

また逆転!そしてオーラス!

 

 

でもまた和了されれば、臨海のさじ加減で決勝に行けるかが決まってしまう。だったら、

 

 

<ホヤウ!>

 

 

これで確実に決めに行く!

 

 

このタイミングなら、ホヤウが帰る前に決着を付けられる。しかも、いきなり能力が消えたから、他の面子は付いて来られないはず。

 

 

三人の中では宮永さんが一番早く反応してきたが、それでも、普段から能力に頼っているなら、

 

 

 

 

 

 

「カンっ!」

 

 

止まらない。

 

 

彼女は生き生きとした宣言とともに、王牌へと手を伸ばす。後ろには、百合の花畑が見えた気がした。

 

 

そしてその光景は、新約聖書マタイによる福音書中の一説を想起させる。

 

 

 

 

 

 

野の百合を見よ。労せず、紡がざるなり。栄華を極めたる、ソロモンだに、この花のひとつにしかざりき…!*1

 

 

 

 

 

 

「ツモっ!嶺上開花!」

 

 

 

 

ああ、

 

 

勝てなかったか。

 

 

 

 

 

 

大将戦終了

有珠山高校 90700(+20200)

宮守女子高校 76900(-21800)

清澄高校 92400(+10900)

臨海女子高校 138000(-9300)

*1
野の中で自らを着飾る意図など毛頭ないユリが、ソロモンの宮殿も及ばない美しさで飾られるのは、全て神の意図である。だからすべて神に任せよ、思い悩むな。(新改訳、マタイによる福音書6. 28-30)




※誤用です。

真面目な話よりも、こういうオカルト的な方が書きやすいですね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。