亦野さんが麻雀弱いわけないだろ! 作:てーやー
・すでに出たキャラしかいない
・勘違いがない
・内容が原作のほぼ丸写し
という理由から没になりました。
という訳で今回から決勝戦です。
28翻役 大星淡は直感する
「昨日のミーティングで言われた事は全部覚えているか?」
試合直前、スミレ先輩が確認の質問をしてきた。たぶん、これまで言いつけを守らなかったのをまだ怒ってる。でも、
「だいじょーぶですって、スミレ先輩!もう、バッチリ!」
しっかり覚えてる。今日のスーパー淡ちゃんはちゃんと考えて行動するから、準決勝みたいな考えなしの特攻はもうしない。それに、千里山もいないから負ける気もしない。
しかしそれでもまだ不安なのか、そのまま内容を聞いてきた。
「能力は?」
「何も考えずにダブルリーチしてはいけない!」
「親番は?」
「清澄がいるから前半は様子見!」
ほらね!
正直、二つ目に関してはまだ納得できてない。今までの試合を見ても偶然にしか見えなかったし、能力も感じられなかった。何回見ても雑魚にしか見えない。
でも、準決勝では個人戦三位が親番を捨てていたし、テルーはテレビ越しでもオーラを認識できたらしい。咲が能力を隠していたから、この人もそうなんだろうって言ってた。
だから、得点収支はショボいから強さは期待できないけど、新道寺みたいなものだと思っておく。
先鋒戦開始
東場 清澄高校 亦野誠子
南場 臨海女子高校 辻垣内智葉
西場 白糸台高校 大星淡
北場 阿知賀女子学院 小走やえ
とは言ったけど、
「ロン!」
やっぱり弱すぎる。ダブリーをしてなかったから点数は低いけど、聴牌から手を変える前に二回連続で振り込んできた。二局終わったのに、まだ六巡しか回っていない。
何でこんな奴を警戒してたんだろう。
予想以上の弱さにため息を吐く。そして、この程度なら親でも攻められるだろうと、三局目の六巡目、リーチ棒へと手を___
瞬間、気付く。
臨海が張ってる。
危なかった。今までの調子に乗っていた私なら、なんの躊躇もなくリーチして当たっていた。清澄はこれを狙っていたのか。いや、偶々だよね…?
結局、あの親番はどう動いても和了れなかった。
やはり能力の影響なのだろうか。だとしたら能力だけは認めてやっても良いなと考えつつ、配りなおされた牌から不要なものを選別していく。すると、
「リーチ!」
親の阿知賀が牌を曲げてきた。
…一応、臨海の聴牌を確認する。今度はさすがに張ってない。
なら、もしかして親に和了できないと理解してない?つまり、今の阿知賀は単なるカモだ。
ならここで、準決勝に何度か止められた分もまとめて仕返ししてやろう。そう企み、そのまま追っかけを宣言し、
「ロン」
狙い撃たれた?!相手は…清澄。
気配が全くなかった、訳じゃない。阿知賀と臨海にしか意識が向いていなかっただけだ。
これも偶然…いや、
まさか、この状況になるよう仕組まれてた?
最初の清澄の二局も、今回の阿知賀のリーチも、全部、私を油断させるためのものだった?
理解できてしまった。準決勝まではそういった事を意識していなかったため気楽に打てていたが、頭を使い始めた今、これらの結果が相手の意図によるものだと察知できてしまった。
今まで培ってきた、麻雀の常識が崩れていくのが分かる。
ヤバい。これは、私の知ってる戦いじゃない。
この四局の少ないやり取りで、この三人が私を上回っている実力者だと認めてしまった自分がいる。試合前とは違い、この三人を抑えてトップになる自信がなくなっていく。
今は絶対安全圏で遅らせて、ダブリーせずに良い待ちに張り替えてからリーチを掛けているが、もしダブリーを解禁したとしても結果はほとんど変化しないだろう。一時しのぎにはなるが、その後間違いなく狩られる。
こんなことなら、前から先輩たちやノドカの意見もちゃんと聞いておくべきだったか。
ここにきて、ようやく、悔やんだ。
先鋒前半戦終了
清澄高校 92200(-7800)
臨海女子高校 113000(+13000)
白糸台高校 88900(-11100)
阿知賀女子学院 105900(+5900)
ここのあわあわは、反省はしていますが、原作ほどではありません。準決勝の成績は悪くなかったですし、点数で負けた千里山もいなくなった訳ですから。