亦野さんが麻雀弱いわけないだろ! 作:てーやー
今話から県予選になりますが、結局決勝戦だけやることにしました。他の学校の面子もちょくちょく変化させるので注意です。
8翻役 藤田靖子は期待する
今日、私は県大会の解説プロとして会場に呼ばれていた。
今はようやく準決勝が終わり、決勝が始まるのを待っている状況。進行役を務めるアナウンサーと簡単な打ち合わせを行い、指定された場所であくびをしながら待機していた。
「さあ、ついに始まりました。県予選決勝戦!」
ようやく県予選決勝戦のカメラが回り始めたようだ。意識を切り替え、解説としての役目を果たす。
「藤田プロはどの高校に注目していますか?」
「清澄と鶴賀だな。初登場らしいが、それにしてはどちらの高校にも埋もれていたのが勿体無いほどの選手がいる。」
「プロから見て、この決勝戦において最も興味を引かれる選手は?」
「龍門渕高校の天江衣だろ。」
「では、どの高校が一位になると思いますか?」
「まだ分からんな、どの高校にも可能性はある。」
各高校の出場選手がそろうまでの間、アナウンサーの質問に淡々と答えていく。質問の内容はあらかじめ決まっていたため、淀みなく答えられる。
ただ、カメラの前では回答をぼかしたが、優勝は龍門渕一択だろう。別に、清澄と鶴賀に注目できる選手がいることは嘘ではない。
あの天江衣が例外なだけだ。これからもあいつ以上の化け物が出てくることはないだろう。
そしていつの間にか、質問と回答とを繰り返している内に試合の準備ができたようだ。
カメラの先に写っているのは各校の先鋒四人。
東場 風越女子高校 竹井久、
南場 龍門渕高校 南浦数絵、
西場 鶴賀学園 津山睦月、
そして、北場 清澄高校 亦野誠子。
準決勝までの四人の試合を見る限り、東場は風越女子高校の独擅場、南場からようやく龍門渕高校が同じ土俵に上がってくる、といった展開が最も予想できる。
先程は鶴賀と清澄に注目していると発言したが、特に目立った成績もないこの二人では、風越の二大エースの一人とあの南浦プロの孫とを同時に相手して点を稼ぐのは難しいだろう。
勝負を解説しながら観ていたが、前半戦はほとんど予想通りの内容で終了した。
先鋒前半戦終了
鶴賀学園 89900(-10100)
龍門渕高校 107300(+7300)
風越女子高校 115700(+15700)
清澄高校 87100(-12900)
南場に入るまでの時点で、風越が三回と、龍門渕が一回。南場になってからは龍門渕が二回、そして鶴賀と風越がそれぞれ一回ずつ和了っている。
こうなる事は私でなくても想像できただろう。予想通り過ぎてもつまらないな、と一笑し、そのままカツ丼を食べるため容器を口に近づけ___
疑問を感じた。
なぜ誰も連荘していない?確か同じことが他の試合でもなかったか?
考えれば考えるほど深みに嵌まり、どんぶり茶碗を持つ手を止めてしまう。そして、その思考のまま、自分の解説したこれまでの試合データを見直した。
「…なるほど。」
と、ちょうど謎を解明できたタイミングで、試合開始を告げるブザーが鳴った。
…この考えが正しければ、彼女は後半戦から動き出すはず。
後半戦の展開は面白くなりそうだ。
点数に関しては深く考えてません。大体このぐらいかな、と。
雰囲気で作っているのでそこは許してください。全局の点棒移動を計算する能力は私にはありません。
亦野の反撃は後半から始まるはずです。主人公が始めにやられるのは鉄板ですから。