Lyrical Foundation Hub 作:ryanzi
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もう自分の名前は忘れてしまった。
私はただのO5-1となった。
今日でそれも終わりだが。
あの時の私の一人称は「俺」だったような気がする。
ある日、世界は終わった。
正確に言えば、〔虚構〕の世界が終わったのだ。
財団は狂ってしまったのだ。*1
私は別件で隔離サイトにいたから助かった。
それから私は何をしていたのかが思い出せない。
おそらく、あちこちを徘徊する機動部隊とアノマリーから逃げまどっていたのだろう。
旧世界での最後の記憶は・・・異常性を有するハンガーを握った瞬間だ。
そこから、私は今の世界に立っていた。
その時に会ったのが今の13だ。
彼の話は今でも理解に苦しむものだった。
この世界は彼のいた世界のアニメ作品で、私のいた世界はネット創作だというのだ。
そして、驚くべきは彼が〔転生者〕だったということか。
彼は以前の世界で神の娯楽のために殺され、今の世界に生まれ落ちたらしい。
その話を聞いて、私は失いかけていた財団精神を思い出した。
確保、収容、保護
不条理と抗う精神を取り戻したのだ。
幸いにも、彼は財団のファンだった。
それが新しい財団の誕生だった。
・・・まずは、私の家探しが最初の仕事だったが。
とにかく、以前と比べて仕事は簡単と言えた。
そもそも、異常存在が神と『ロストロギア』しかなかったからだ。
クソトカゲも、彫刻も、シャイ野郎もいない。
少なくとも、人類滅亡の要因となるのは『ロストロギア』ぐらいだった。
最初に直面したのは『ジュエルシード』*2だ。
これに関しては無視した。その時は組織も固まっておらず、他の転生者と敵対するかもしれなかったからだ。そうはいっても、自分の無力さに呆れてしまった。子供が戦っているというのに、私はただ指を咥えてみることしかできないのだ。大人として失格だと思った。
13は〔アンチ管理局〕という存在を危惧していた。そいつらは管理局という組織に反感を抱いており、機会があれば彼らを妨害しようとして、話をややこしくするらしい。
私はそれを聞いて何も思わなかった。少なくとも、物語通りに進むと楽観視していたのだ。
私は無印とやらが進んでいる間は、少数ながら存在している異常組織との交渉に明け暮れていた。
月村家との協力関係を築けたのもこの時期だった。*3
SCP-002*4を作成したのも同時期の話だ。13は曝露を拒否したが。
財団という組織の地固めと並行して魔法の研究も実行していた。
私のいた世界の奇跡論とはまた一味違う技術で、驚愕したものだった。
・・・この頃だっただろうか、一人称が「私」となったのは。
月村すずかに注意されたのだ。
「これからたくさんの人に会うんだから、もう少し礼儀良くしたほうがいいよ」
まさか子供に注意されるとは思わなかった。
子供といえば、フェイト・テスタロッサ*5もそうだった。
あれは私の不注意だったといえる。ある晴れた日、私は魔法の知識が書かれたファイルを読みながら、サンドイッチを食べていた。今からしてみると、とても機密意識が低かったと思う。
偶然、強風が吹いて、ファイルが飛んで行ってしまった。
そして、そのファイルが飛んでいった先に彼女がいたのだ。
「・・・」
私は”原作”*6に関する知識を持ち合わせていなかったから、まさか彼女が魔法知識を有しているとは知らなかった。
「ここの部分、少しおかしいです」
それだけ言って去っていってしまった。彼女の言う通り、その魔法陣は上手く作動しなかった。
13はその話を聞いて笑った。
「原作キャラにはどういうわけか隠し事ができないんですよ」
13の言う通りだった。その後も機密違反が何度か起きそうになった。
そして、ついに最悪のシナリオの一つが実現してしまった。
POI-004、プレシア・テスタロッサの襲撃だった。
それはいくつかあったサイトの一つに対する攻撃だった。
その後、本部*7にもプレシア・テスタロッサが乗り込んできた。
会話ログ
O5-1:何が目的ですか。我々はSCP-███には手を出してないはずです。
POI-004:(ため息)やっぱり狂ってるわね。
O5-1:どういうことですか。
POI-004:管理局よりもタチが悪いわ。異端を決して認めようとしない。
O5-1:だから何を・・・
POI-004:あなた達はいつか破滅を迎えるわ。いつかきっとね。
・・・結局、彼女の目的は警告だったようだ。言っている意味はわからないが。
確保、収容、保護
それの何が悪いというのだ?・・・13も私の姿勢に不満を持っていたようだが。
幸運にも、その後は何もなかった。
そして、無印は過ぎ去った。管理局とやらに我々の存在は露見しなかった。
13は驚愕した。プレシアの件を除けば、何もなかったからだ。
そして我々は次の段階に移行することになった。
安全地帯の確保、すなわちSCP-001*8の作成だった。
神とやらの盲点を作ることが急務だった。人工的なアノマリー作成をよく思わない13もこれには賛成してくれた。
そして、それはA'sの事実的な始まりともいえる六月四日の前日に完了した。
もはや、神は手出しすることは不可能となった。これが最初で最後の神に対する勝利だった。
その後、GOI-002*9の提供した情報によると、神は自己終了したらしい。
そして、A'sが始まった。もちろん『闇の書』*10に関しては無視した。
会話ログ
O5-1:ええ、もちろん介入はしませんよ
グレアム:・・・そうか
O5-1:何かご不満でも?
グレアム:君たちは・・・正常性維持組織を名乗っているのでは?
O5-1:はい、そうですが。
グレアム:八神はやて、及び闇の書は君たちの収容対象にはならないのかね?
O5-1:SCP-666とSCP-666-1のことですか。私達の技術ではなんともなりませんよ
グレアム:・・・
最初から最後まで、グレアムは我々を信用しなかった。
その点に関しては、彼は大多数の管理局員と同じだ。
どういうわけか、彼らは我々の理念を何度聞いても、それに拒否感を覚えるらしい。
彼の使い魔の一人は言った。
「狂ってるよ。闇の書よりも、アンタらが危険かもね」
当時は嫌な気分がしたが、今はどうとも思っていない。
そうして、A'sも終了した。
それからしばらくして、我々は自分たちの存在を管理局に暴露*11した。
その時の宣言は君も知っている通りだ。
『我々は地球の正常性を守る、唯一無二の組織だ』
・・・どうにも彼らは正常性という言葉が気に入らないようだった。
だが、彼らも我々の必要性を渋々と認めた。
そして、十年の時が過ぎて、今に至る。
その十年の間に、我々は地球上で唯一の超法規的極秘機関に成り上がった。
かつての旧世界と違い、脅威となるGOIはほぼ存在しなかった。
我々は唯一の超常組織となった、地球唯一の。
私の努力は実った。だから、残念だよ。
君に全てを台無しにされるなんて
この簒奪者が
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O5-13はO5-2となった。理由は簡単だ。
彼以外のO5評議会員が殺害されたからだ。
「おめでとう、2」
彼の前に座っているのは、かつて彼がいた世界のアニメキャラクターだった。
彼は目の前の少女に殺意を抱きながらも、微笑を浮かべる。
「あなたこそ、暁美ほむら、O5-1就任おめでとうございます」
いつか殺す、そう思いながら微笑んだ。