Lyrical Foundation Hub 作:ryanzi
「・・・以上の企業が財団のフロント団体と発表されました」
それは全管理世界を混乱に陥れた。
財団が自分たちの隣にまで迫っていたのだ。
とくにSpecial Cleaner Productionが財団の一部だというニュースは世界を混乱に陥れた。ミッド各地で不買運動が起こり、リンチまでもが行われた。
それと同時に、不思議なCMが流れるようになった。
「こんにちは!私達はカオス・インサージェンシーです。私達は明白な運命によって財団に反旗を翻しました!かの狂気に満ちた軍隊に鉄槌を下すため、あなた方の力を貸していただきたいのです」
そのCMは突然流れるのだ。放送休止時間だろうが、別のCMの途中だろうが、本当に見逃したくない一シーンの時もあった。
「正気の世界を保つために、あなたの力が必要なんです」
「・・・あれ?これロインの声じゃん」
「アンタの知り合い?」
「うん、幼馴染だけど?」
ティアナ・ランスターは危うくコーヒーを吹き出すところだった。
「・・・もう一回、言ってくれない?」
「幼馴染だけど?」
ティアナは信じられなかった。自分の親友の幼馴染が財団に反旗を翻した団体のCMの声を担当しているなんて。
「世の中って狭いのね・・・」
それから数日が経った。
「どうも、私はカオス・インサージェンシー中央委員のロイン・クリストファーと申します。早速ですが、我が反乱軍の主力製品をお買い上げになりませんか?」
カオス・インサージェンシーの構成員を名乗る青年セールスマンがベルカ自治区のあちこちに出没していた。彼の売り付ける商品はどれもロストロギアではないのかというレベルの技術がつぎ込まれたものであった。
「はやてもどう?この多宝塔、結構便利なのよ。それに比べて、聖王様は多宝塔と違って何も与えてくれないのよね・・・」
「シャッハ、これはどういうことや?」
「すみません・・・」
この事態を重く見た八神はやては機動六課を動員して青年セールスマンの捜索を開始した。
「・・・ロイン、この前までSpecial Cleaner Productionに勤めてたんだよ」
「えっ、そうなの」
親友の幼馴染は財団職員でもあったらしい。
「うん。でも、信じられないんだよ。最後にロインに会った時、すっごくロインは元気そうで財団職員だなんて思えないほどだったんだよ」
スバルの目はどこか悲しげだった。
「最近さ、ロインがすうっと消えていく夢ばっかり見てるんだ」
ティアナは納得した、それで寝起きのスバルが涙を流していたのかと。
「こんにちは!私はカオス・インサージェンシー中央委員の・・・って、スバルか」
「・・・ロイン、ロインだよね?」
スバルは青年に抱きつく。
「・・・よかった、元気そうで」
「おいおい、俺がリンチされたとでも?」
ロインはスバルを優しく自分の体から離すと
「ちょっと俺も忙しいからな、またいつかな」
それだけ言って、すうっと消えてしまった。
それはスバルが夢で見たのと同じように。
「・・・ひどいよ」
〈・・・少なくとも、財団は管理世界での利権を捨てるつもりだろう〉
〈しかし、何のためだ?ある意味では自殺行為そのものだ〉
〈それは考えても仕方がないだろ。狂人の思考なぞ理解できないものだ〉
「ふーん、カオス・インサージェンシーね・・・」
暁美ほむら、現O5-1はファイルに目を通す。
「・・・確か、旧世界とやらにもそんな組織があったんでしょ?」
〈ああ、確かにあったな。もう記憶はあやふやだが〉
O5-2はモニターを通して1と会話していた。
彼はサイト-01に長い間帰っていなかった。
「・・・あなた、今どこにいるのよ?」
〈またその質問か。君に殺されない場所だよ〉
財団は巨大な組織だ。もしかしたら1が把握していないサイトにいるのかもしれない。
〈それで、どうするんだ?どうせ管理世界のサイトは捨てるつもりなんだろ?〉
「・・・そのつもりだけど」
〈だったら無視しよう。無駄な戦力を割くわけにはいかないからな〉
モニターから響いてくる声は、どこか喜びを感じられるものだった。
さて、ある日のことだった。
反財団のデモ隊は今日もSpecial Cleaner Productionのビルの前に集まった。
しかし、看板からは社名が消えていた。
その代わりにChaos Insurgencyという文字と、彼らのロゴが書かれていた。
「デモ隊の皆さん、こんにちは!」
突如、CMの声と同じ声の好青年が彼らの前に現れた。
「私はカオス・インサージェンシー中央委員書記のロイン・クリストファーです!」
実にはきはきとした声だった。
「今日よりここは我が反乱軍の拠点の一つとなりました!おそらく、全ミッドの財団サイトで同じことが起きているでしょう。お喜びください!皆さんの隣に狂気の軍隊はいなくなりました!」
そして、すうっと消えていった。
彼の言う通り、ミッド全域に存在した財団拠点は全てカオス・インサージェンシーの手に堕ちた。