宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの旅   作:GrandFleet

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今回は、イスカンダルの使者と邂逅します。駄文になるかも知れませんが、よろしくお願いします。


第2話 イスカンダルの使者

真っ赤な大地が広がる惑星。太陽系の惑星の一つ、第4番惑星の火星。人類が宇宙に進出してからは、移住する人が増ていた。火星にはかつて、コロニーと防衛軍の火星基地があり、大勢の人が生活していた。しかし、今となってはコロニーは荒れ放題。火星基地は第2次火星沖海戦と呼ばれた戦いで、ガミラス艦隊の侵攻を食い止める地球艦隊の前線基地として使用された。結果は、ガミラス艦隊の侵攻を食い止めた代わりに基地施設は甚大な被害を受け、放棄されたのだった。火星にいた人間は、ガミラスが火星圏に侵攻して来てからは地球への避難を余儀なくされたのだ。現在の火星には防衛軍の観測ドームがあるだけ。観測ドームには2人の青年が配備されていた。長髪の青年の名は古代進。駆逐艦ゆきかぜ艦長古代守の弟だ。もう1人の短髪の青年の名は島大介。古代進とは、訓練学校の同期であり親友でもある。彼らは特殊訓練のために火星に配備されていた。

 

島「こうして3週間、同じ真っ赤な地平線を見るのも飽きてこないか?古代」

島が古代に話かける。火星に配備されてからというものドームの外に広がる景色は真っ赤な大地のみ。軍の施設に娯楽などなく、休憩時間に出来ることといえば景色を見ることぐらい。だがそれもずっと見ていれば飽きてしまう。

古代「戦いたい」

島「?」

古代「兄さんが冥王星で戦っているのに、何もしていない自分が嫌になる」

島「変わらないな、お前は。訓練学校の頃のままだけど····」

そこへ、突如大きな揺れが観測ドームを襲った。

古代「な、何だ。地震か?」

島「俺に聞かれてもわからん」

大きな揺れによって2人とも、尻餅をつく。揺れはほんの数十秒で収まった。その直後、通信が入った。

通信士「こちら、地球防衛軍極東基地司令部。古代進、島大介応答せよ」

古代が応答用マイクにスイッチを入れて返答する。

古代「こちら古代進、島大介。司令部どうぞ」

通信士「古代進、島大介に命じる。たった今、冥王星宙域を航行していた宇宙船が火星に墜落した。落下地点の座標を送る、直ちに現地へ向かい調査せよ」

古代「了解」

通信を切り、調査の準備に取りかかる。

島「さっきの地震はそういう事だったのか」

古代「それなら、地球かガミラスの船が被弾して落っこちて来たんだろう」

ヘルメットを取り、航空機格納庫へ向かおうとする古代に対し、島は腕を組んでなにやら考えていた。

古代「どうした、島?」

島「思ったんだが、冥王星から火星までは距離がありすぎる。いくら何でも、こんなに早く火星に来ることができるものなのか?地球の船がこんな短時間で冥王星から火星まで来れるはずはないし、ガミラスの船かと思うんだが」

もし、ガミラスの船だった場合。2人は、敵兵と戦うことになる。

古代「···一応、コスモガンと医療キットを持って行くか」

島「そうしたほうが良いかもな」

護身用のためのコスモガンを携行し、怪我した時のための医療キットを積み込んで100式偵察機に乗り込む。この機体は、大型ソリッドを装備しているため滑走路の無い場所でも着陸が可能になっている。操縦席に古代、偵察席に島が搭乗する。自動でゲートが開くと同時に機体のエンジンが始動する。

古代「いくぞ、島」

島「了解。航法なら任せとけ」

100式偵察機は、離陸滑走入る。十数m走ると、機体は火星の空に舞い上がった。

古代「高度5000まで上昇」

島「レーダー起動、捜索開始」

レーダーを起動させ、不明船の捜索を開始する。司令部から送られて来た落下地点に進路を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

出発してから40分、墜落地点へと到達しつつあった。

古代「この辺りだよな」

島「ああ。座標は合っているから、ここらへんに落ちた筈だ」

司令部から送られてきた情報を頼りに、反応があった地点へと到着した。そこには·······

古代「おい、島。あれを見て見ろ」

島「何だ、あれは···」

地面には機体が墜落した時にできたと思われる窪みが出来ていた。

島「恐らく、あの先に不明船がいるんだろう」

古代「そうと分かれば、急ごう」

2人は、地面の跡をたどって、不明船の元に向かう。

古代「何だこれは?」

島「見たことのない機体だな」

2人が発見した宇宙船は、地球でもガミラスのものでもなかった。

船体は破損していて、地球艦隊とガミラス艦隊との砲撃戦の流れ弾が運悪く命中してしまったのだと思われた。

島「一体、何処の星のものなんだろうな?」

古代「地球でもガミラスでもないっていうのは確定だな」

島「古代、急いで乗員の捜索をしよう」

古代「そうだな。地球とガミラスの戦いに巻き込まれてしまったのだから、助けられるのなら助けよう」

2人は乗員の捜索入った。各種センサーで船体の残骸から乗員を探していく。しかし、なかなか見つからなかった。

島「なあ古代、乗員がいないぞ」

古代「本当だ。これだけ詳しく調べて、乗員に会わないなんて····。島、もしかしたら脱出したのかもしれない」

島「その可能性もあるな····古代、あれを見ろ!」

島が脱出用のカプセルらしきユニットを発見した。それは、少し離れた地点に墜ちていた。

島「急いで、中を調べよう」

カプセルに近づいてみると

古代「····っ」

島「どうした、古代?」

古代「人だ。人が倒れている」

島「何だって!」

2人が近づいてみると、倒れていたのは金髪の美しい女性であった。生体スキャンをしてみると、生命反応は無かった。

島「もう、この人は亡くなっているみたいだな」

古代「そうみたいだな···」

2人は、亡くなった女性へ目を向けると、何やら手に握っていた。

古代「何だ、このカプセル型の装置は?」

島「とりあえず、回収しておこう」

古代は、カプセルを回収物を収める箱に入れた。その後に、船内を調べてみたものの、墜落した衝撃で機器類は壊れてしまったらしく女性が何処から来たのかは分からなかった。観測ドームに戻った2人は回収物の報告を行なった後、ドームでの待機を命じられるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、冥王星宙域では

きりしま 艦橋

電測員「巡洋艦やくも、あたご轟沈。駆逐艦しまかぜ大破」

応急員「艦内のシアンガスの除去、終わりました」

徳川「機関出力、60%まで復旧」

砲雷長「第2、第5機銃使用不可」

宙雷曹「ミサイル格納庫の防火扉閉じました」

艦橋に続々とやってくる報告。その内容は、きりしま自体の被害報告が艦隊の被害報告よりも圧倒的だった。きりしまは艦隊の先頭に立ち、戦闘をしていたため中破。損害は大きいが、持ち前の防御力によって撃沈されていなかった。

沖田「我々の艦隊は、今何隻残っている?」

電測員「本艦以外は、〈ゆきかぜ〉だけです」

地球艦隊は、いまやたったの2隻となっていた。

沖田「そうか······撤退だ」

山南「撤退ですか···」

山南が残念そうに呟く。

沖田「そうだ。ガミラス艦隊の殲滅は叶わなかったが、“アマテラス”が火星へ無事に向かうことはできた。我々は“アマテラス”を地球に連れ帰らなければならない」

山南「そう····ですね。撤退信号を〈ゆきかぜ〉に送れ」

通信士「了解」

撤退に向けての準備が開始される。

沖田「反転180度、取り舵一杯」

きりしまは、黒煙を靡かせ回頭し始める。

 

 

 

 

ゆきかぜ 艦橋

守「沖田さんの艦が、酷くやられてる」

ゆきかぜからも、きりしまの被害状況は見て取れた。船体には至るところに被弾の跡があり、戦闘の激しさを物語っていた。

岩津「〈きりしま〉より撤退信号です」

守「なんだって!?」

岩津「「現時刻ヲモッテ作戦ヲ終了。コレヨリ撤退スル、我ニ続ケ」とのことです」

守「····進路そのまま。各部、戦闘体制を維持」

「!?」

守は反転ではなく、敵艦隊に艦首を向けたまま戦闘配備を維持するように指示した。

守「〈きりしま〉は、損傷が激しい。あれじゃ満足に速度も出ないだろう。我々が〈きりしま〉に足並みを揃えても、追撃された場合逃げ切れずやられるだけだ。それなら、傷の浅い我々が撹乱して撤退する時間を稼ぐ。〈きりしま〉は、使者を地球に連れて行かなければならない。ならば、本艦が殿を務めなければならない」

守は覚悟を決めて、艦長以外には説明されていない使者の存在を話した。当然、他の乗組員は驚きを隠せない。

守「艦長、“使者”というのは?」

艦橋要員を代表して、岩津副長が使者について説明を求めた。

守「俺も詳しくは知らないが、地球を救うための方法を知っていて我々に伝えるためにやって来たそうだ」

誰もが驚き、言葉を失う。守の口から話されたことが事実なら、きりしま撤退のために殿を務めた方が良いのかも知れない。という気持ちが芽生え始める。

岩津「その“使者”を地球に連れて行くのは、〈きりしま〉にしかできませんね」

 

 

きりしま 艦橋

操舵手「180度、回頭完了」

きりしまの撤退準備は完了した。あとはゆきかぜと共に撤退をするのみ。

電測員「〈ゆきかぜ〉反転せず!!」

沖田「何っ、すぐに通信を繋げ!!」

通信士「はっ」

通信士がゆきかぜと通信を繋ぐ。メインモニターには、守の姿が映る。

沖田「古代、撤退だ。わしに続け」

守「沖田さん、僕は逃げません。ここで逃げたら、死んでいった者達に顔向け出来ません。」

沖田「多くの犠牲を払ったが作戦は成功したのだ。明日の勝利のために、今日の屈辱に耐えるのだ。それが男だ」

沖田は、守に撤退するように訴える。

守「ここで逃げても、敵が追跡して来たら地球艦隊は全滅するだけです。〈きりしま〉には大切な任務があるでしょう。ここで撃沈させる訳にはいきません。ですから、我々が殿として撤退を援護します。沖田さん、地球は貴方を必要としています」

沖田「古代、それはお前も同じなのだぞ!!」

守「それは、仲間への手向けとして自分が預かって参ります。ありがとうございます」

沖田「古代!!」

守「お元気で。地球のことは頼みます」

通信は途切れ、ゆきかぜは敵艦隊へ突入して行った。

山南「提督····」

沖田「山南君、進路そのまま」

山南「進路そのまま」

沖田の指示を受け、きりしまは撤退に移る。

山南「機関長、第3戦速へ」

徳川「了解した。機関、第3戦速」

徐々に速度を上げ、冥王星域を離れて行く。

沖田(死ぬなよ、古代)

 

 

 

 

ゆきかぜ 艦橋

守「みんな、済まない。俺だけで決めてしまって」

守は、艦橋要員の顔を一人一人見渡す。彼らの顔はいつものように戦いに行く時と一緒だった。誰一人として守を責めること無く、彼の判断を受け入れたようだ。

岩津「さあて、奴らに一発蹴りを入れに行くとしますか」

気合いを入れ直すため制帽を被り直し、守へ視線を向けるクルー達。彼らの表情には、迷いは無かった。

守「みんな·····」

岩津「我々は、艦長の指示に従います」

守は涙を振り払い、自らに気合いを入れる意味を込めて指示を出す。

守「全砲門開け!! 目標、ガミラス艦隊」

ゆきかぜに搭載された全ての武装が、敵艦を睨み付ける。

通信士「銀河水平 波間を越えて 目指す恒星ケンタウリ」

操舵手「星の瞬き、遥かに越えて宇宙に輝く星の船」

岩津「抜錨、船出だ 錨を揚げろ」

砲雷長「進路そのまま よーそろー星に向かって舵を切れ」

「 俺たちゃ宇宙の、俺たちゃ宇宙の船乗りだ」

乗員の一人が口ずさんだ、“銀河航路”の歌詞をその他の乗員も口ずさんでいく。

砲火を掻い潜り、敵艦に被害を与えていくゆきかぜ。だが、多方向からの攻撃を全て回避する事は出来ず、艦尾へと被弾。さらに、もう一発被弾すると大きな爆発が起きた。そこから、ゆきかぜがどうなったかは確認されていない。

 

 

 

 

 

 

 

3週間後

 

 

 

 

火星 観測ドーム

古代「そろそろ時間だな」

士M「ああ。古代、そっちの方はどうだ?」

古代「準備なら終わった。いつでも行けるぞ」

古代·島の2人は火星での任務が終わり地球へ帰還するために、冥王星から戻って来る艦船に便乗するように命じられていた。

島「よし。じゃあ行くか」

古代「おう」

観測ドームの主要電源が落とされた。手動式のエアロック式のハッチから外へ出る。あらかじめ、格納庫から出していた100式偵察機に乗り込む。地球へ持ち帰る大事な資料を含め、全ての荷物も積み込まれた。

古代「100式発進」

エンジンを吹かして、100式偵察機は飛び立った。

島「やっと、地球へ帰還か~」

後部席に座る島が呟いた。

古代「そうだな。この3週間、短いようで長かったような気がするな」

島「俺がいない間、母さんと次郎は元気にしてたかな?」

島は、地球にいる母親と弟のことを案じていた。

古代「きっと元気にしてるさ」

2人は、地球への帰還に胸を踊らせながら指定ポイントへと向かった。

 

 

 

 

島「レーダーに感あり、艦船を確認。」

古代「あれだな」

レーダーの捉えた艦船に向かって近づいて行く。ある一定の距離まで近づくと、オートパイロットに切り替えて収容されるのを待つ。

島「あとは、オートで"きりしま"に収容だな」

古代は辺りを見渡す。そこにいたのは、艦隊旗艦であるきりしまのみだった

古代「他の艦がいない。〈ゆきかぜ〉は?」

古代の頭を一抹の不安がよぎる。

島「古代、機関不調で放棄されていて〈きりしま〉に移乗しているかもしれない」

古代「だと良いんだが······」

島が励ましてくれたものの、不安は拭えないままであった。

 

 

きりしま 艦内

100式偵察機がら降りた古代と島は、火星で採取したサンプルデータと例のカプセルを渡すために主計室前にいた。

島「これが、採取したデータ類です」

「ご苦労だった」

手渡された主計長は、部屋に入り書類の作成に取りかかろうとする。そこへ、古代が声をかけた。

古代「あの、すみません。〈ゆきかぜ〉は、〈ゆきかぜ〉はどうなったのでありますか?」

突然の質問に、困惑する主計長。

島「〈ゆきかぜ〉の艦長は、こいつの兄貴なんです」

そこへ、島が捕捉を入れる。目の前の青年の兄が駆逐艦〈ゆきかぜ〉の艦長であり、〈ゆきかぜ〉の姿がいないため、安否を確認したいという事を理解した。

主計長「そうか·····。〈ゆきかぜ〉は残念ながら····」

古代「そうですか····」

古代は礼をすると、自らに宛てられた部屋を目指して歩いた。

 

きりしま 艦橋

操舵手「回避完了」

電測員「遊星爆弾は、衝突コースを進行中」

操舵手「本艦は、月軌道を通過。間もなく地球周回軌道に入ります」

沖田(もう駄目だ。我々に遊星爆弾を防ぐ力はもう無い。あの醜い惑星が、我々の母なる地球の姿だとはな·····)

きりしまの進む先にあるのは、我らが母星“地球”。そんな地球は水の惑星とも呼ばれていた。人類初の宇宙飛行士のガガーリンは、地球を見て“地球は青かった”という感想を残している。そんな生命が誕生した奇跡の惑星、地球。だが、地球は死の惑星になっていた。

沖田(見ておれガミラスめ。貴様らの遊星爆弾によって変わってしまった地球を救うことができるなら、わしは例え最後の一人になっても戦うぞ。この命ある限り)

 

 

西暦2199年、地球はガミラスと名乗る惑星国家による侵略を受けていた。冥王星から撃ち込まれる遊星爆弾によって大気は放射能汚染されてしまっている。大地は赤く焼け、海は干上がり、かつての青い姿は今や無い。人類は地下都市を築いて汚染から逃れていたが、地下都市でも放射能汚染が始まっていた。科学者によると約1年後には、地球は人類が生存が不可能な環境になってしまうと言われている。このまま人類は、終焉を迎えるのを待つしかないのだろうか·······。




2199に登場したキャラクターも登場させる予定です。
不定期更新になりますがよろしくお願いします。
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