宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの旅 作:GrandFleet
発進してから飛び続けること1時間。SIDに送られて来る情報をもとに偵察機の捜索が開始された。司令部は偵察機の到達予測地点を送ってきたが、もちろん予測でしかないので、偵察機を見つけるために散開しての索敵を行うと決めていた。
加藤「よし、ここから捜索を開始する。散開っ!!」
「「「「了解」」」」
加藤の号令を受け、散らばって鹿児島~沖縄間の東シナ海を重点的に捜索が行われる。
古代「一体、どこにいるんだ?」
島「とりあえず、最初の情報を頼りに地道に探すしかないだろ」
古代と島は、司令部が予測した北緯30度43分·東経128度4分を目指す。コスモスパローの高速を生かして、ものの5分で予測地点に到着し索敵を始めた。計器を見て機位を確認しながら飛行する。古代は目視で、島がレーダーで周囲の様子を見る。
古代「何だあれは?」
ふと、古代が視線を上空に向ける。
島「どうした?古代」
古代「今、何か光ったような気がするんだ」
島「本当か?」
古代「間違いない。一瞬だけだったが、光ったのは確かだ」
島「なら、その方向行ってみよう」
古代「上昇するから気を付けてくれよ」
機体に搭載されたレーダーに反応がないか見てみると、なにやら飛行機らしき反応があった。
島「古代、反応あり。航空機のようだな」
古代「本当か!」
島「ああ、それが、ガミラスの偵察機か別の基地から発進した迎撃機なのか」
古代「SID、識別を頼む」
SID「了解、識別を開始します」
SIDが識別を開始する。これが偵察機なら大当たり、迎撃機なら振り出しに戻ることになる。
SID「機体の識別ナンバー不明、未確認機と認定します」
SIDが未確認の機体であると伝えてきた。つまり、偵察機であることが確定した。古代は、操縦捍を引いた。上昇する機体はやはりこれまでの機体と比べても、スピードは抜群であった。あっという間に高度4500mまで上昇し辺りを見渡す。
島「どうだ、古代。何かいたか?」
古代「いた!!」
雲の中から機体が現れる。機体と翼が一体化したような機体が特徴的な姿。間違いなくガミラス軍の偵察機だった。敵の死角になりやすい下後方より、接近してパルスレーザー機関砲をお見舞いする。
古代「食らえっ」
機首に集中搭載したパルスレーザー機関砲が火を吹く。撃ち出されたエネルギー弾は、機体に吸い寄せられるように直進する。だが、流石は偵察機。寸でのところで気付かれ、回避行動を取られてしまった。
古代(上手いな、あのパイロット)
銃弾の避けかただけでパイロットの技量の高さが伺い知れる。情報を持ち帰るために逃げ足の速さが唯一の武器である機体は、パルスレーザーを必要最小限の動きをして避けていく。
古代「逃がすか!!」
偵察機を追い続ける。空戦は不得手でも、速度は折り紙付きのコスモスパロー。ブーストで偵察機が離脱しようとしてもすぐに距離を詰める。撃っては避けられ、撃っては避けられの繰り返し。
古代「これで終わりだっ」
追いかけ続けること10分。ついにパルスレーザーの射程距離に捉える。古代が操縦捍の銃撃ボタンを押そうとした時だった。
ビー ビー ビー ビー
「??」
突如として警報が鳴り始め、機体が振動する。次の瞬間には、エンジンが煙を吹いた。
島「何だ?!」
SID「警告、警告。エンジンがオーバーヒートしています。このまま飛行することは不可能です。急ぎ、着陸してください」
古代「そんな」
ここに来て、エンジンがオーバーヒートしたようだ。連続での高速飛行によって、冷却が追い付かず異常が出てしまったようだ。
島「古代、着陸出来そうな場所を探してくれ。メーデーは俺が打つ」
古代「任せる」
エンジンを停止させ、滑空する。操縦捍を動かし、舵が動くのを確認した。
島「メーデー、メーデー、こちらソードスリー。エンジントラブルにより不時着する。救援を求む」
救援要請を発しながら、コスモスパローは地上に墜ちていった。
古代「いててて····」
島「なんとか助かったみたいだな」
周囲を見渡すと、火星と同じ様な真っ赤な大地が眼前に広がっていた。
島「ナイス着陸」
不時着に成功し、機体を降りて外の様子を見る。
島「あーあー。こりゃあ怒られるなあ」
不時着に成功したものの機体は損傷。特に右主翼は根元から折れてしまっていた。これでは飛べそうにない。
島「救援が来るまで待つしかないか···」
古代「しかし、なんでガミラスはこんなところに?」
島「偵察するような物なんて、ある訳無いのにな」
周囲を見渡しても、赤く焼けた大地が広がるのみ。ここまで来て偵察するような物があるのだろうか。
島「おい、古代。こっちに来てくれ!」
古代「どうした?」
島「いいから、早く」
小さな坂を上って、島の見ていた方角に視線を向ける
古代「あれは···!!」
遊星爆弾によって干上がった海。そこには、軍艦の残骸が佇んでいた。その艦の名は“戦艦大和”。日本海軍が造り上げた最強の戦艦であった。
古代「あれは、大昔に沈んだ戦艦の残骸じゃないか!!」
島「敵は、あれを偵察しに来ていたのか?」
古代「一体、何のために····」
防衛軍極東基地·司令室
司令部職員「敵機、空域より離脱して行きました。どうやら、逃げられた模様」
司令部では、レーダースクリーンに映る飛行物体の様子を監視していた。各基地から迎撃機が出動したものの、余りにも速すぎためにほとんどが攻撃出来ず取り逃がしたようだった。
土方「気付かれたか····?」
沖田「もう後が無いということだ」
そこへ、病院での診察と手当てを終えた沖田が司令室へやって来た。沖田へ藤堂が声をかける。
藤堂「沖田君、怪我は大丈夫なのかね?」
沖田「主治医が大丈夫と言ってくれました。ところで長官、例のカプセルの解析は?」
藤堂「ああ、解析は完了している」
技術士官「どうぞ、こちらへ。」
技量士官に案内される高官たち。
技術士官「音声メッセージをお聞きになりますか?」
藤堂「頼む」
士官は解析装置を操作し、音声メッセージの再生準備入った。装置には、古代たちが火星から持ち帰ったカプセルが設置場所されていた。
技術士官「では、再生します」
カプセルに記録されたメッセージがどのような内容かは不明である。アマテラスのメッセージとは、一体どのような内容なのだろうか······。