「風人くん、起きなさい。」
「ん.....」
「全く.....相変わらず寝坊助さんね。こうなったら.....」ガシッ
「ん.....?」
「起きなさい!!」ブァン
「ひでぶ!!」
衝撃と共に目が覚めた。どうやら『また』投げ飛ばされたらしい。
「あいてて.....お願いだからもう少し平和的な起こし方をお願いできませんか、白鷺さん。」
「風人くんが起きないからよ。」
「いやね白鷺さん、寝具というのは冬のこたつとは違って季節関係なく人類が勝てない敵なんですよ。皆そう思いますよ、ええ。」
「何1人で勝手に納得しているのかしら.....とにかく起きなさい。朝ごはんの準備は済ませてあるから。」
「あ、あぁ....ごめんなさい。」
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お初に御意を得ます。僕は風野風人。あだ名は『暴風』。理由は風が名前に2つあるからである。一応武道をたしなんでいる家の跡取りだよ。朝4時に起きて、涼しい中で2時間稽古をして、朝日を見て少し休憩して二度寝をしている生活習慣がちょっと堕落しているけどね。そして
「風人くん、ご飯粒ついてるわよ。取ってあげるから少しじっとしててね。」
「は、はい。」
このまるで奥さんのような立ち位置をしているのは白鷺千聖さん、中学からの知り合いである。
「白鷺さんも、疲れるだろうから別に無理して来なくてもいいんだよ。あの約束の事も忘れていいし。」
「ふふっ、そんな冷たいことは言わないの。私が個人的に風人くんの為にやっているんだから気にしなくてもいいのよ。」
約束とは.....まぁありがちなことで、中学の時に白鷺さんが反感を買ったのか、とある男子生徒が白鷺さんに殴りかかっていたので止めて仲裁をしたのである。その時に「何かお礼がしたいの。」と言われたので「じゃあ朝起こしに来てくれる?」と頼んだのである。そしてそれがあれこれ4年経っている訳で.....
「それに風人くん、今日は朝から剣道部の練習を見てあげるんじゃなかったのかしら?」
「え.....ということはその為だけに速く来てくれたってこと?」
「ええ、そうよ。風人くんは稽古の時や武道に関しては忘れないのに、その他がまるで駄目なの。」
「なるほど.....申し訳ない。家が隣とはいえいつも来てもらって。」
「気にする必要ないわ。なんかこの生活にも慣れてきたし。」
「それなら.....でも無理はしないでよ。なんか働かせてるみたいだから少し罪悪感も湧くし.....」
「それならちゃんと起きて欲しいわね。」
「ぜ、善処します....」
因みになぜ白鷺さんが下の名前で呼んでいるかというと、単にご近所付き合いをしていて、僕の両親が海外でジャパニーズ侍か何か知らないけどそっち系の活動をしているため、風野さんだとよそよそしすぎるから、とのことである。
「じゃあ、皿は自分で片付けるから白鷺さんは自由にしてて。」
「分かったわ。」
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そして朝投げ飛ばされるのと同時に、僕にはもう1つ苦難が待っている。それが何かというと.....
「風野くん!!」
「な、何?」
「また制服が乱れています.....今日も白鷺さんに起こしてもらったのですか?」
「はい、その通りです。」
「随分と清々しいわね.....整えてあげますからじっとしていてください。」
この風紀委員、氷川紗夜さんである。高校1年の時一緒のクラスだったのと毎回のように この検査に引っかかり、直されるため周りから見られて恥ずかしいのである。一応弓道の基本を氷川さんに教えたのは僕です。
「演武や大会の時はあんなにちゃんとしているのに.....どうして日常がこうなんですか。」
「そういうギャップがあってもいいんじゃないかな。堅苦しいのもあれだし。」
「そんなギャップは必要ありません!!」
「す、すみません。」
「.....直りました。ちゃんとしてくださいよ。」
僕もなるべくちゃんとしているんだけど、どうにも制服を着るのが苦手で、どちらかといえば着物を着る方が得意である。だってさ、5歳から着物を着ているのに、この制服は13歳から着ている。つまり歴が違うんだよ。
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「おはよう、紗夜ちゃん。」
「おはようございます白鷺さん。いつもご苦労さまです。」
「ええ....また風人くん、制服乱れてたの?」
「はい、いつも通り直しました。でももう慣れていますので。」
「ふふっ、私も風人くんを起こしに行って、朝ごはん作るまでの流れがもう染み付いてしまってるわ。」
「白鷺さんはもう風野くんのお嫁さんみたいね。」
「え、お、お嫁なんて....紗夜ちゃん、気が早いわよ♪」
「やはり風野くんが世間知らずだから白鷺さんも気を許せるのでしょうね。」
「ええ、風人くんは私が女優ということも知らないから気兼ねなく話せているわ。」
「前までシャーペンの存在を知らなかった人でしたからね.....」
そう、風野くんの最大の弱点は恐ろしい程に最近のものが分からないこと。以前遅刻した時に遅刻届けを出しに来た時はまさかの全部が達筆な草書体で提出されたくらいだから.....シャーペンの存在も最近気づいたみたいだし。
「じゃあ、私も日直の仕事があるから失礼させてもらうわね。お仕事、頑張ってね、紗夜ちゃん。」
「はい、ありがとうございます。」
最初は短めに書きます。この二次創作はなんかドロドロした恋愛というよりかはほのぼのとして見れるくらいに出来ればいいなと思っています。簡単にいうと、『白鷺家のお兄さん』で出来なかった色々な部分を想像のままに書くということです。