明久side
前話から時は飛んで、屋上での惨劇の翌日の午後
「さて皆、総合科目テストご苦労だった」
教壇に立った雄二が机に手を置いて皆のほうを向いている
今日も午前中がテストで、ついさっき全科目のテストが終わって昼食をとったところだ
「午後はBクラスとの試召戦争に突入する予定だが、殺る気は充分か?」
『おぉーっ!』
雄二の号令にクラスの皆の野太い声がこだまする
ちなみに、宣戦布告は昨日のお昼、お弁当事件で妹紅がリザレクションしてる間に須川君に行かせたらしい
「今回の戦闘は敵を教室へ押し込み、短期決戦を仕掛ける!その為、開戦直後の渡り廊下戦は絶対に負けるわけにはいかない!」
『おぉーっ!』
「そこで、前衛部隊の指揮は姫路瑞希に任せる!野郎共しっかり死んで来い!」
「が、頑張ります!」
男のノリについていけないのか、若干引き気味な姫路さんが一歩前に出る
『うおおーっ!』
一緒に戦えるとあって、前衛部隊の指揮は最高潮に達していた
若干暑苦しい
とりあえず今回は廊下での戦闘に勝ちに行くらしい
ここで負けると話にならないから、戦力もFクラス50人中40人を戦力に注ぎ込む
その中に僕と妹紅、咲夜に姫路さんが居るから廊下での戦闘どころかそのままBクラスまで押し切るつもりみたいだ
キーンコーンカーンコーン
昼休み終了のベルが鳴り響く。Bクラス戦開始だ
「よし、行って来い!目指すはシステムデスクだ!」
『サー、イエッサー!』
敵を教室に押し込むのが目的なので、とにかく勢いが必要になる。前衛部隊のほぼ全員が全力でBクラスへと向かう廊下へと駆け出した
…そんなに急いだら姫路さんがついていけないだろうに
「姫路さんは焦りすぎないでいいから!前衛部隊の壊滅は僕たちがさせない!」
そう言って、僕たちも駆け出した
今回のこちらの主武器は数学。Bクラスは比較的文系が多いのと、数学の長谷川先生はなぜか召喚可能範囲が広いというのが理由だ。一気に勝負を仕掛けたいときにありがたい先生でもある
ほかにも、英語のライティングの山田先生と、物理の木村先生もいる。立ち合いの教師を多くして一気に駆け抜ける!
「いたぞ、Bクラスだ!」
「高橋先生を連れてるぞ!」
正面を見ると向こうからゆっくりとした足取りでBクラスのメンバーが歩いてくるのが見えた
人数は十人程度、あくまで様子見といったところだろうか
「生かして返すなー!」
物騒なセリフが皮切りとなり、Bクラス戦が始まった
Fクラス 近藤吉宗 VS Bクラス 野中長男
総合 764点 VS 1943点
うん、FクラスとBクラスじゃ文字通り桁が違う
Fクラス 武藤啓太 VS Bクラス 金田一裕子
数学 69点 VS 159点
Fクラス 君島博 VS Bクラス 里井真由子
物理 77点 VS 152点
圧倒的な点数差に第一陣がことごとくやられていき、戦死者を『西村先生がどこからともなく現れて補修室へと連れ去っていく
…西村先生は距離や時間に干渉する能力でも持ってるのだろうか?
「お、遅れ、ました…。ごめ、んな、さい…」
そんなどうでもいいことを考えていると、急いで来たのか息を切らした姫路さんがやってきた
「来たぞ!姫路瑞希だ!」
「十六夜咲夜も居るぞ!」
Bクラス側からそんな声が上がる。さすがにBクラス、Aクラスに姫路さんが居ないことくらい調べていたか
声を聴き、Bクラスの目の色が変わる。それだけAクラス上位の学力を持つ二人を警戒してるのだろう
「長谷川先生、Bクラス岩下律子です。Fクラスの姫路瑞希さんに数学勝負を申し込みます!」
「あ、姫路瑞希です。よろしくお願いします」
「律子、私も手伝う」
Bクラスの女子生徒が、すかさず姫路さんに勝負を申し込んだ
最初から二人がかりとは、それだけ姫路さんを警戒していたのだろう
『
喚声に応じて魔法陣が展開。試験召喚獣が顔を出す
敵の二体の召喚獣は剣と槍を構え、姫路さんの方は大剣を軽々と持っている
それに、姫路さんの召喚獣にはDクラス戦で咲夜が使っていたものと色違いの腕輪がついている
「さすが姫路さん、腕輪もついているんだね」
「あ、はい。数学は結構解けたので…」
「そ、それって!?」
「私たちで勝てる相手じゃないじゃない!」
向こうの二人が顔色を変える
そう、腕輪をしているということは、単教科で四百点を超えているということ
つまり、Aクラスだとしてもかなりの実力者ということだ
「じゃぁ、いきますね!」
姫路さんが手をキュッと握りこむ。それと同時に姫路さんの召喚獣が左腕を敵の方を向けた
「ちょっと待ってよ!?」
「律子!とにかく避けないと!」
大げさなくらい横に飛ぶ敵の召喚獣
その直後、姫路さんの腕輪が光を発した
キュボッ
「きゃあぁぁーっ!」
「り、律子!」
左腕から光線がほとばしったかと思った瞬間、逃げ遅れた敵の召喚獣の一隊が炎に包まれる
Fクラス 姫路瑞希 VS Bクラス 岩下津子 & 菊入真由美
数学 412点 VS 189点 & 151点
「ご、ごめんなさい。これも勝負ですのでっ!」
大きく避けてバランスを崩した敵に肉薄し、大剣を振り下ろす姫路さんの召喚獣
相手の武器ごと一刀両断し、決着は一瞬でついた
「い、岩下と菊入が戦死したぞ!」
「なっ!そんな馬鹿な!?」
「姫路瑞希、想像以上に危険な相手だ!」
Bクラスの残り八人に驚愕の表情が浮かぶ
この十人はそこそこの精鋭だったのだろう
「み、皆さん、頑張ってくださいー」
姫路さんの指揮官らしくない指示
でも、Fクラスの皆なら効果絶大だろう
「やったるでぇーっ!」
「姫路さんサイコーッ!」
…アホばかり増えていくね
「姫路さん、とりあえず下がっておいて。こうなったら皆でもなんとかなると思う」
「は、はい!」
敵の士気も挫いたし、味方の士気は上昇中だ
それに、腕輪は絶大な効果の代わりに相当の点数を消費する。いくら姫路さんの点数といえど、一気に点数を減らしすぎるのはよくない
「中堅部隊と入れ替わりながら交代!戦死だけはするな!」
敵陣からそんな指示が飛んでくる。とりあえず目標通りだ
「明久、藤原、ワシらは教室に戻るぞ」
「ん?秀吉、どうしたの?」
「何かあったのか?」
戦況を眺めていた僕らのところに秀吉がやってきた
本陣で何かあったのだろうか?
「Bクラスの代表じゃが…あの根本らしい」
「なっ!」
「根本ですって!?」
「うむ」
根本恭二という男は、とにかく評判が悪い
噂ではカンニングの常連だとか。目的のためには手段を選ばないらしく『球技大会で相手チームに一服盛った』とか『喧嘩に刃物はデフォ』とか
さすがにそこまで卑怯だとは思わないけど、用心に越したことはない
「なるほど…戻っておいた方が良さそうだね」
「あれだけ悪い噂が流れていたら警戒するのは当然ね…」
「雄二に何かがあるとは思えんが、念のためにの」
「ということだから咲夜、あとは任せたよ!」
「承知しました」
咲夜に伝えて僕と秀吉と妹紅は教室へと引き返した
何か嫌な予感がするけど…これは当たらないでほしい…
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次回でBクラス戦を終わらせたいなー…と
というか早くAクラス戦をしたい←