明久side
Bクラスへの勝利から二日経った朝、前日にFクラスは補充試験を終えて対Aクラスに向けて雄二の演説が始まろうとしていた
ちなみに、根本君はちゃんと役目を果たしたらしい
「まずは皆に礼を言いたい。周りには不可能だといわれていたにもかかわらずここまで来れたもは、ほかでもない皆の協力があってのことだ。感謝する」
壇上の雄二が最初に発したのは、クラスの皆への感謝の言葉だった
雄二が多数の人間に感謝するなんて珍しい
「そして残るAクラス戦だが、これは一騎打ちで決着をつけたいと考えている」
雄二の口から、大体予想通りの言葉が出てきた
Aクラスと全面戦争をするつもりだったらBクラスと戦うなんてことしなくていいはずだからね
『どういうことだ?』
『誰と誰が一騎打ちをするんだ?』
『それで本当に勝てるのか?』
「落ち着いてくれ、それを今から説明する」
突然の一騎打ち宣言に、クラスメイトが困惑の声が上がり、雄二が制止する
「やるのは当然、俺と翔子だ」
Aクラス代表の霧島翔子さんと、Fクラス代表の坂本雄二
クラス間の戦争を一騎打ちで代用するのだから、当然だろう
だが、いくら雄二の学力がそこそこいいからって、霧島さんに勝てるのだろうか?
「お前たちも知ってるかもしれないが、翔子は確かに学年トップの成績を持っている
まともにやりあっても勝てないかもしれない
だが、それはDクラスもBクラスも同じだっただろう?まともにやりあえば勝ち目はなかった
それは今回も同じだ!俺は翔子に勝ってみせる!」
最初は勝てないと思っていた勝負を、雄二は勝利に導いてきた
雄二はきっとやってくれるのだろう
「俺を信じてくれ!過去に神童と言われた力を、今皆見せてやる!」
『おおぉーーーーーっ!!』
どうやらクラスの皆は雄二を完全に信用しているようだ
確かに雄二は過去に神童と呼ばれていたし、今だって一部では有名だ
『過去に神童と呼ばれた生徒が、その力を取り戻しつつある』と
雄二は入学前は喧嘩に明け暮れて『悪鬼羅刹』なんて呼ばれてたみたいだけど、僕が知り合った雄二はどちらかというと神童だから、よくわからないけど…
「さて、具体的な作戦だが、一騎打ちでは召喚フィールドを限定するつもりだ」
「フィールド?何の教科でやるつもりじゃ?」
雄二の言った作戦は、いたってシンプルなものだった
雄二は霧島さんの弱点を知ってるのだろうか?
「日本史だ」
日本史?霧島さんは情報が苦手なのだろうか?彼女の得意な科目や不得意な科目のことはよくわからないので、少し疑問に思ったその時、雄二は言葉を続けた
「ただし、内容は限定する
レベルは小学生程度。点数は百点満点の上限あり
召喚獣勝負ではなく、純粋な点数勝負とする」
小学生程度の満点あり?それだと、満点前提のミスした方が負けになるような勝負になるだろう
そんなことをして本当に勝てるのだろうか
「雄二、そんなことをして勝てるの?その方法だと、満点が前提で、集中力が乱れてミスした方が負けになるよね?」
僕は思わず雄二に質問した
「いいや。アイツなら集中なんてしていなくとも、小学生レベルのテスト程度なら何の問題もないだろう
」
???謎がさらに深まった
「雄二よ、あまりもったいぶるでない。早くタネを明かしてほしいのじゃ」
クラスの皆も秀吉の言葉にうなずいた
「俺がこの方法を採った理由は一つ。ある問題が出ると、翔子は必ず間違えるからだ」
ある問題?なんだろう
「その問題とは『大化の改新』だ」
『大化の改新』、それは当時天皇を次々と擁立したり廃したりするほど権勢を誇っていた蘇我氏を
でも、それがなんなのだろうか
「大化の改新?その問題が何だっていうのさ」
「あぁ。大化の改新の年号を問う問題。それが出れば俺たちの勝ちだ!
明久、大化の改新の年号はわかるな?」
馬鹿げた質問だ。そんなの簡単だ
「『蘇我入鹿を
「…物騒な覚え方だな。だが、正解だ
そして、その問題を翔子は間違える!そうしたら俺たちの勝ちだ!」
なるほど…それにしても、さっきから気になってたけど…
「坂本って霧島さんと仲がいいのか?」
妹紅がド直球に質問を投げた
僕も気になってた質問だ
さっきから霧島さんを『翔子』とか『アイツ』とか言ってたし
「あぁ。アイツとは幼馴染だ」
なるほど、幼馴染だったか
そう納得した瞬間、Fクラスの生徒がいきなり立ち上がった
「貴様は男の敵だ!Aクラスの前にお前を殺す!」
…やはりFクラスは馬鹿なのかもしれない
しれっと康太も交じってるし
「俺が一体何をしたと!?
それに、幼馴染でそうなるなら、明久と藤原、十六夜はどうなるんだ!」
雄二の馬鹿野郎!
「お前もだ吉井明久ァ!」
「落ち着け、お前たち。もう一つ伝えておくことがある」
「つまらんことだったら殺すぞ」
…Fクラスがただの暴徒になっている
「もし我らがFクラスがAクラスに勝った暁には、設備ではなく振り分け試験の再試験を要求するつもりだ!」
ほう?初耳だ
「それがなんだというのだ!」
「お前たちの頑張りしだいでは、こんな九割が男のクラスなんかじゃなく、女子が多いクラスに行けるということだ」
「よし坂本、お前たちを殺すのは後回しにしておこう」
…やっぱりこの人たち馬鹿だ。君たちは実力でFクラスに来たのだろうに
「とにかく、俺たちの勝利は揺るがない!俺たちは勝つぞ!」
『おおぉーーーーーっ!!』
「明久、藤原、十六夜。お前たちはこのあと、俺と一緒にAクラスに来てもらう。宣戦布告に行くぞ」
『わかったよ。代表』
僕と妹紅、咲夜は声をそろえて、雄二に返事をした
Aクラスとの戦いまで、あと少し---------
ここから没になったネタ
-----雄二が霧島翔子の苦手科目を教えるシーン-----
「情報だ」
情報?霧島さんは情報が苦手なのだろうか?彼女の得意な科目や不得意な科目のことはよくわからないので、少し疑問に思った
「霧島さんは情報が苦手なの?」
僕は思わず、そう質問した
「あぁ、そうだ。翔子は情報が苦手科目なんだ。明久、お前なら何点取れる?」
雄二が疑問を解いてくれた後、僕に質問を投げ返してきた
…よりによってあまり答えたくない質問だ
「…あと少しで三桁だったはず」
「…そういえばお前も情報が苦手だったな。すまない」
仕方ないじゃないか。電子機器を買ってもらう前に親は亡くなったし、幻想郷の文化は明治時代で止まってるのだから
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