明久side
「一騎打ち?」
「ああ。Fクラスは試召戦争として、Aクラス代表に一騎打ちを申し込む」
恒例の宣戦布告
僕と妹紅、咲夜、雄二はAクラスに宣戦布告するために、Aクラスの教室に来ていた
「うーん、何が狙いなの?」
現在雄二と交渉を行っているのは、秀吉の双子のお姉さん、木下優子さんだ
本当に秀吉と似ている…
「もちろん俺たちFクラスの勝利が狙いだ」
木下さんが怪しく思うのも無理ないだろう
僕たち最低クラスであるFクラスが、一騎打ちで学年トップである霧島さんに勝負を挑むというのだから
「面倒な試召戦争を手軽に終わらせることができるのはありがたいけど、わざわざリスクを冒す必要もないかな」
「賢明な判断だな」
流石、Aクラス代表の代理として交渉してるだけはある。簡単にはいかない
だが、勝負はここからだ
「ところで、Bクラスとやりあうつもりはあるか?」
「Bクラスって…この前来ていた、あの…」
Bクラスという単語を聞いた瞬間、木下さんの顔が一気に青ざめる
僕たちは写真を見ただけでそうなったのだ。無理はない
「ああ。アレが代表をやっているクラスだ。まだ宣戦布告はされてないようだが、どうなることやら」
「でも、BクラスはFクラスと戦争をしたから、三ヵ月間は試召戦争ができないはずだよね?」
「そうでもないぞ?対外的にあの戦争は『和平交渉にて終結』ってことになってる。何の問題もない
もちろん、Dクラスもだ」
そう、僕たちFクラスが設備を奪わないって条件まで出して和平交渉に手終結って形にこだわったのはここにある
こうすれば、戦争で負けても試召戦争は行うことができる
「……それって脅迫?」
「人聞きが悪い。ただのお願いだよ」
「うーん…わかったよ。何を企んでいるかわからないけど、代表が負けるなんてありえないからね
その提案受けるよ」
意外とあっさりと返事を受け取ることができた
これには驚きだ
「だって、あんな格好をした代表のいるクラスとやるなんて嫌だもん…」
あー…うん。確かに
「でも、こちらからも提案。代表同士の一騎打ちじゃなくて、そうだね、お互い七人ずつ選んで、一騎打ち七回で4回勝った方が勝ち、っていうのなら受けてもいいよ」
相手もなかなか頭が回るみたいだ。きっちり警戒している
「なるほど。こっちから姫路が出ることを警戒しているんだな?」
「それもある。でも、姫路さんじゃ代表が負けるとは思えない
でも、十六夜さんもいるし、何より危険なのはそこの吉井君」
「えっ?僕?僕は観察処分者だからそんなに警戒しなくても---」
「そう、BクラスもDクラスも『観察処分者』なんてただの肩書だけに惑わされたけど、ここはAクラス
貴方が本来どのくらいの成績なのかはある程度知ってる」
さすがAクラスだ。なかなかの警戒っぷりで…
「そうか。仕方ない、その提案は受ける」
「ホント?うれしいな♪」
雄二も意外とあっさり提案を受け入れた
でもまぁ、まだ交渉しないといけない項目が残ってるから
「ただし、勝負する科目はこちらで決めさせてもらう。そのくらいのハンデがあってもいいよな?」
そう、戦う科目がまだ残っている
「えっ?うーん…」
また悩む木下さん。これもクラスの命運を握る選択だ
今回は少し長い
「…受けてもいい」
うわぁ!
どこからともなく現れる霧島さん、この学校には距離を無視する能力を持つ人が多すぎないか?
「…雄二の提案、受けてもいい」
「あれ?代表、受けてもいいの?」
「…その代わり、条件がある」
「条件だと?」
霧島さんの言った言葉に、雄二が反応する
「…負けた方はなんでも一つ、言うことを聞く
それと、二回でいいから教科を選ばせてほしい」
霧島さんの提案は意外なものだった
「代表、そんな条件じゃなく、もっと面白いものにしましょう?」
そこの言葉とともに現れたのは、蓬莱山輝夜だった
彼女はクラス据え置きの冷蔵庫の中から現れた
…何を思ってそこから出てきたのだろう
「…輝夜?」
「負けた方はなんでも一つ、言うことを聞くのはクラス単位じゃなくて、一騎打ちの代表同士にも当てはまるようにしましょう?」
輝夜はとんでもない条件を投げかけてきた
面白いもの好きの彼女らしいが…
「交渉成立、だな」
「…勝負はいつ?」
「そうだな…十時からでいいか?」
「…わかった」
決めることは決め終わった。意外とうまくいったな
「よし。交渉は成立だ。いったん教室に戻るぞ」
雄二の言葉で僕たちがAクラスを出ていこうとしたその時だった
「待ちな!」
Aクラスのドアから、学園長が顔を出した
「何やら面白そうな話をしてるじゃないかい」
「学園長か。あんたの所に行く手間が省けた。Aクラスとの戦争だが、一騎打ち形式でやりたいが、いいよな?
それと、試召戦争に勝った時の報酬を変えてほしい」
「ほぉ?報酬の変更を望むとは珍しいね。なんだい?」
「Fクラスの生徒の振り分け試験の再試験を求める」
タイミングよく入ってきた学園長に、雄二はその言葉を投げかけた
「それは構わないが、こっちからも条件があるよ」
「条件だと?」
報酬を普通ならありえないようなものに変えてもらおうとしてるんだ。それなりの条件だろう
「来月行われる清涼祭で、召喚獣の大会があることは知ってるね?」
「あぁ、そんな話があったな」
「実はその大会に、特殊なルールを設けようと思ってねぇ、そのルールの試運転を、一騎打ちの中の一試合に組み込むっていうのなら、そっちの求める報酬をくれてやろうじゃないか」
まさかの条件だった
「…一試合でいいんだな?」
「そうさね。だが、戦う人間や教科はこちらから指定させてもらうよ」
「それはできない。こちらが勝つうえで、そんなところにあまり人員を割きたくない」
「それは逆だよ。慣れないルールでやるのに、初めてやるような人間で、勝てると思うのかい?」
それは確かにそうだ
「…確かにそうだな。で、そのルールと人選、科目はなんだ」
「試験運用するルールの通称は『スペルカードルール』。清涼祭の大会に合わせて、二対二の勝負にしてもらうよ」
『スペルカードルール』だって!?学園長が何でスペルカードルールを知っているんだ!?
「そしてルールだが、今からAクラスのモニターに投影するから、それを見てもらおうかね」
学園長がそう言うと、Aクラスのでかいモニターに、スペルカードルールの詳細が出た
スペルカードルールによる対決の方法-------
・名前と意味、美しさを持った弾幕(これを、今後スペルカードと呼ぶ)という攻撃方法を主に使う
・スペルカードを使うことのできる回数は、総合科目では千の倍数、単体科目では百の倍数を参照する
・スペルカードとは別枠として、ラストスペルもしくはラストワードを保有する
・ラストスペルは腕輪未所持、ラストワードは腕輪を所有しているときに使える
・ラストスペル、ラストワードは未使用のスペルカードがない場合にのみ使用できる
・意味のない攻撃はしてはいけない。意味がそのまま力となる
・スペルカードは召喚獣と召喚者の特性な関係ないものは使えない
・絶対に避けることのできない攻撃はできないものとする
・物理攻撃を行う場合、スペルカードをを伴う物理攻撃でないといけない
・スペルカード、ラストスペルを考えた場合、そのスペルカードの内容を教師に提出すること
・美しくないスペルを使用した場合、残りの点数が差し引かれる
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召喚獣をベースにしているからか、僕らの知っているルールとは少し違うけど、かなり似たものだ
本当に、学園長はこのルールをどこから手に入れたんだ?
「なるほどな。大体わかった。で、学園長が指定する生徒と科目ってのはなんだ?」
「このルールを提案した先生から推薦された生徒は、Aクラス『蓬莱山輝夜』、『アリス・マーガトロイド』。Fクラス『吉井明久』、『藤原妹紅』の四名だよ。対戦科目だが、総合科目で行うよ
この四名はスペルカードを考えた後、担任の教師に提出すること
また、どちらかがストレート負けしてもいいように、この試合は中間の第四戦で行ってもらうよ」
学園長から指定されたのは僕、妹紅、アリス、輝夜の四人だった
見事に幻想郷関係者だ。もしかして、提案したのは永琳かな?
学園長がここに来たのも、永琳が先読みをして学園長に伝えたなら納得できる…
「わかった。Fクラスはその条件を呑む」
「…Aクラスも同じく」
「これでこちらからの要件は以上だよ。また、試験運用のデータは学校内で公開するよ
清涼祭での大会の参考にしてもらいたいからね」
どうやら、こういうのも含めての試験運用のようだ
いいたいことを言い終えたのか、学園長はこの場を去って行った
「まさかこんなことになるとはな。とりあえずクラスに戻るぞ!
明久と藤原はやらないといけないことが増えたからな」
学園長が去った後、雄二がそう残して去る
「僕たちも行こうか」
「だな」
「ええ」
僕たちも、後を追うようにAクラスの教室を出た
現代でのスペルカードルール、頑張らないと…!
誤字脱字ありましたら、報告お願いします
6月12日追記
スペルカードルールの項目、ラストスペルの部分に『もしくはラストワード』と付け足しました
7月2日追記
ラストスペルとラストワードの区別をつけました