明久side
「では、両名共準備はいいですか?」
今日はここ数日の試召戦争で何度かお世話になっている、Aクラス担任かつ学年主任の高橋先生が立会人を務める
なぜ高橋先生なのかというと、高橋先生は学年主任という立場上、すべての召喚フィールドを展開できるのだ
「ああ」
「…問題ない」
そして、一騎打ちの会場はAクラス。Aクラスは広いし、見た目もいいから派手な勝負になっても見栄えはいいだろう
ちなみにFクラスからは
秀吉、島田さん、康太、僕と妹紅、咲夜、姫路さん、雄二の順で出る
科目の選択権は4つ、秀吉と島田さんには悪いけど、二人にはAクラスに匹敵する点数を取れる科目がない
雄二の作戦だと、二人の試合で相手に科目の選択権を使わせて、残りで勝つ作戦だ
そして僕と妹紅はその光景を眺めながら、スペルカードの構成について悩んでいた
「学園長曰く、スペルカードのリストは僕たちの試合が始まる前に出せばいいらしいけど…どうしようか」
「そうだねぇ、召喚獣でどこまで再現できるかも問題だよね」
そう、いくら召喚獣と召喚者の特徴が反映されるスペルカードが使えるとはいえ、それがどこまで反映されるのかは不明だ
「それでは、第一試合を開始します。一人目の方、どうぞ」
妹紅とそうやって悩んでいると、第一試合を始めるといわれた
どうやら秀吉と秀吉のお姉さんの戦いのようだ
「明久、藤原、お前たちはそれを作ることに集中しておけ
初めて実装されるルールだ。中途半端な出来だったら負けかねないからな」
僕の意識が少し試合にそれたのを察したのか、雄二がそうやって声をかけてくる
「あ、うん。わかったよ」
僕は雄二にそう返事をして、作業に戻る
「うーん、僕の召喚獣を使って再現できそうなスペルって、あまりないんだよなぁ…
武器も木刀だから、出来ることは限られるし…『妖夢』のスペルぱーどを模写したスペルがいいかな…」
『魂魄妖夢』は、幻想郷で知り合った半人半霊の剣士だ。
僕が知っている幻想郷の住人で刀を使っているのは彼女くらいしか知らない
鎌や弓などを使っている人はいるけど…僕の召喚獣で今は真似できない
そして僕がスペルカードルールで戦うとき、基本的に僕の能力である『学習能力を強化する程度の能力』で、ほかの人のスペルカードを真似ているのだ。もちろん、オリジナルもいくつかあるけど、僕の召喚獣では扱いづらい
「確かに、それはありかもね
私の方は召喚獣も私に似た特性を持ってるし、ある程度はできると思うんだけど…
『パゼストバイフェニックス』はできるかな?」
『パゼストバイフェニックス』妹紅の持つスペルカードの一つで、フェニックスを憑依させた魂を敵に憑依して攻撃する、耐久型のスペルカードだ
確かに、妹紅の召喚獣の腕輪は自己蘇生ができるけど、そこからあのスペルカードが使えるかどうか…
「そこは清涼祭の召喚大会の時にでも聞いてみようか。今回は、別ので行こう」
「うん。そうだね」
「アリスも輝夜も、召喚獣の腕輪がどうなってるかわからない。今回は考えすぎず、普段使ってるので行こう
雄二、秀吉の方はどう?」
方向性もある程度決まったので、一旦会話を終えて、少し離れたところに居る雄二に尋ねた
「そうだな…相手に科目選択を使わせたのはいいが、点数が圧倒的だな。何とか粘ってはいるが、こりゃもうすぐ負ける」
やはり、秀吉には荷が重かったようだ
それでも、僕たちの考えはある程度決まった。秀吉がある程度時間を稼いでくれたのだろう
「第一試合、勝者Aクラス」
雄二の予想通り、Aクラスの勝利を告げるアナウンスが聞こえた
「申し訳ないのじゃ…」
秀吉が、申し訳なさそうにFクラス陣営に戻ってきた
「いや、大丈夫だ。お前は作戦通り時間を稼いでくれた。おかげで明久たちも方向性が決まったようだ
それに、予定通り科目の選択権も使わせた。それはお前の手柄だ」
「そうだよ!秀吉が時間を稼げてなかったら、僕たちはまだまだ悩んでいたからね」
「おぬしら…」
「秀吉はゆっくり休んどけ」
「わかったのじゃ」
そう言って、秀吉は奥の方へ下がっていった
「さて、僕たちもまとまったから、ここからは本格的に観戦させてもらうよ」
「ん?もう大丈夫なのか?」
「うん、ルールが説明された時点で、どんな感じにするかは考えてたから、もう大丈夫!」
「そうか。さて、ここからの試合がどうなるかだな…島田には悪いが、数学の点数は高いが島田の点数じゃAクラスとは戦えない。ちゃんと相手に科目選択権を使わせられるかだが…」
島田さんは、帰国子女ということもあって日本語(主に漢字)に弱い、だから彼女はあまり漢字を必要としない数学を得意としている。それでもAクラス下位に匹敵するかどうかなので、Aクラスから選ばれるような人と戦うのは無理があるだろう
「では、第二試合を開始します。二人目の方、どうぞ」
そろそろ第二試合に突入するようだ。Aクラスは誰だろう…かといって、知らない人が多いんだけど
「島田美波、です。よろしく、お願いします」
島田さんが、相手に向かって挨拶をする。やはりまだ日本語に慣れてないのだろう
「
どうやら相手の人は、東風谷さんというらしい。どうも自己紹介が島田さんに向けたものというよりも、ここに居る全員に向けたものに聞こえた。
神社の名前も強調していたし…
「では、科目を選んでください」
お互いの自己紹介も終えたところで、高橋先生が二人に問いかけた。
「東風谷さん、どうぞ」
「えっ、いいんですか?では、化学でお願いします!」
どうやら東風谷さんは何も疑いもせずに科目を選んだようだ。Aクラス陣営が少し頭を抱えているのが見えた
「では、承認します!」
高橋先生が科目を承認し、召喚フィールドを展開する
フィールドを張り終えたところで、島田さんと東風谷さんがおなじみのワードを発した
『
Fクラス 島田美波 VS Aクラス 東風谷早苗
化学 93点 VS 462点
流石、自信をもって科目は選んだだけある。点数が高い
島田さんも、去年に比べると点数はかなり上がっている。日本語が上達したらもっと高くなるだろう
そして二人の召喚獣だが、島田さんの召喚獣は軍服にサーベル姿。東風谷さんの召喚獣は、巫女服?にお祓い棒のような姿と、風祝と言っていたのは本当なのだろうと思う姿だ
「早速ですが行きます!腕輪発動!」
その言葉と同時に、東風谷さんの召喚獣が呪文のようなものを唱えだし、点数がどんどん減っていく。一体どんな腕輪なんだろう
「こっ、これは…!」
島田さんが驚愕の表情をしている。僕も驚きが止まらない
島田さんの召喚獣を突風が包み込み、島田さんの召喚獣の点数をどんどん削っていく
腕輪のない島田さんでは、この突風を切り抜けることは難しかったようで、あっけなく点数は0になってしまった
「第二試合、勝者Aクラス」
そして、高橋先生からのアナウンスが入る
作戦通りとはいえ、Fクラスは二敗からスタートしたのだった
誤字脱字ありましたら、報告お願いします
あっけなく中途半端な終わり方ですが、今回はここまでです。
第一試合に関しては語られすらしないという始末…
この作品の早苗ですが、まだ幻想郷に行く前の早苗で、数か月後に幻想郷のことを知って、幻想郷に突入します。
早苗の腕輪に関しての補足ですが
腕輪『奇跡』点数消費はランダム。発動する効果もランダムとなっています
それと、召喚獣の武器に関しての説明を、6月11日にキャラクター紹介の話の下の方に追加しました。そちらの方もご覧ください