明久side
「Fクラス代表の坂本雄二だ。AクラスとFクラスが手を取り合うことで、これだけの準備が整った
あとは開始のアナウンスを待つだけだ。この清涼祭を経て、お互いのクラスの友好関係が、さらにいいものになればいいと、俺は思っている。目指すは売り上げ学年一位、張り切っていくぞ!」
『おおぉーーー!!』
清涼祭初日の朝、雄二と霧島さんの号令によって、僕達のお店はもうすぐ開店というところまで来ていた
僕達のクラスは【メイド&執事喫茶『ご主人様とお呼び!』】、飲食店だ。Aクラスの協力もあってクラスは広いし、二クラス分の人員もあるからシフトもある程度自由になっている
姫路さんが料理を作ろうとする事故もあったが、何とか説得してここまで来ることができた
「さて、僕と妹紅の初戦は開始直後だったよね?」
「うん、確かそうだった。坂本、悪いけど私と明久は召喚大会の一回戦があるから、抜ける」
雄二が近くに来たこともあって、妹紅が雄二を呼び止める
「ん?お前たちも大会に出るのか。わかったが、明久の担当の時間は最初から…というかほぼ休みなしじゃなかったか?」
そういえばそうだ。僕は厨房の責任者とされているのはいいけど、なぜかほぼフルでシフトが組まれてた。ブラック企業もいいところだ
「…咲夜、お願い!」
「…はぁ、わかりました。いつかこの貸しは返してもらいますよ?」
「ありがとう!よし、妹紅行こう!」
「わかった…って、明久着替えないのか!?」
妹紅に言われて気が付く。僕はなぜか執事服を着ていたことに。というか、いきなり召喚大会があるのに何で着替えたんだろう
「うーん…いいんじゃないかな?初戦は対戦相手にしか見られないだろうし…」
一般公開は四回戦からだから、別にいいだろう
「ん?明久は執事服のまま出るのか?」
少し悩んでいると、雄二から声をかけられた
「うん、今から着替えるのが面倒臭いからそのつもりだよ」
「だったら頼みがあるんだが、四回戦以降もその服のままで出場して、ウチの宣伝をしてくれないか?実際に衣装を着てるやつがいると、宣伝の効果は大きいだろう」
なるほど、確かにそうかもしれない
「任せといて!」
「話は終わったか?明久、急ごう」
雄二次とも話し終えた僕は、妹紅と共に一回戦のステージへと向かった
少年少女移動中…
「えー。それでは、試験召喚大会一回戦を始めます」
校庭に作られた特設ステージ。そこで召喚大会が催される
「三回戦までは一般公開はありませんので、リラックスして全力を出してください」
今回立会人を務めるのは数学の
つまり、科目は数学だ
「頑張ろうね、律子」
「うん」
対戦相手の女子二人は頷きあう
どこかで見たような気がするけど…どこだっけ
「では、召喚してください!」
「
相手二人がおなじみとなった声を上げると、魔法陣が足元に表れて、召喚者をデフォルメしたような召喚獣が現れる
Bクラス 岩下律子 & 菊入真由美
数学 179点 & 163点
向こうは二人とも似たような装備の召喚獣だ。西洋風の鎧と剣を装備している。姫路さんの装備の普通バージョンといったところか
「さて、僕らも召喚しようか」
「そうだね」
「「
Fクラス 吉井明久 & 藤原妹紅
数学 421点 & 311点
「なっ!?二人とも高得点者!?」
「Fクラスでしょ!?嘘ッ!?」
相手は点数を見て随分と驚いているようだ。まぁ、何も知らない人がFクラス相手に取る反応なんてこんなものだろう
「と、とにかく行くわよ!」
「受けてみなさい!私たちの合体スペルカード!」
「「合技『ビギナーズシューティング』」」
相手が二人でスペルを宣言する。そういえば、召喚大会では少しルールが変わったんだっけ
相手二人を中心として、大量の弾幕が作られる。しかし、スペルの名前も『初心者達のシューティング』だからか、そこそこスペルカードルールになれている僕たちにとって、回避するのは簡単だった
「全部避けられてる!」
「そんな…!」
「悪いけど、すぐに終わらせるよ!魔理沙直伝…恋符『マスタースパーク』!!」
木刀を相手の召喚獣に向けて構え、木刀の先端から極太のレーザービームと、その周りを漂う星状の弾幕を発生させた
木刀で扱うようなスペルじゃないだろうけど、幽香も傘の先端からビームを出してるし、大丈夫だろう((
「ちょっ、何よそれ…!」
「は、早く避けないと!!」
『ドォォン!』
僕の放ったマスタースパークは爆発を起こし、辺りに煙が舞う
Bクラス 岩下律子 & 菊入真由美
数学 0点 & 0点
煙が晴れて表示されていたのは、相手の召喚獣の0点という表示だった
「そ…そんな…」
「私たちが…負けた…」
「勝者、吉井・藤原ペア」
点数を確認した先生が僕たちの名を告げる。とりあえず、一回戦は僕達の勝ちだ!
「明久、私何もしてないぞ」
妹紅が少し不服そうに僕に声をかけた
「ごめんごめん。マスタースパークがどのくらいのものか試してみたくて…消費点数を150点くらいにしてみたけど、まさかあんなに高威力になるとは…」
「ま、いいか。相手もあまり操作に慣れてなさそうだったし。次は私がやる!」
「うん、頼りにしてるよ」
「さて、教室に戻ろうか」
妹紅は次の戦いを楽しみそうなイントネーションで、そう言った。クラスの方は大丈夫かな?
少年少女移動中…
「「営業妨害?」」
教室に戻った僕達が最初に説明されたのは、クラスに営業妨害が現れたとのことだった
「あぁ、実は…」
クラスに戻った僕達に、雄二は説明を始めた
明久side
時は遡り数分前…
雄二side
一旦休憩をしていると、控え室へ秀吉が困った様子で俺の方へ来た
「雄二、急いでホールに来てくれぬか?」
「どうした秀吉?厄介事か?」
AクラスはFクラスと合同で出店するということで、少し広めのスペースで出店をしているため、ホールをAホールとBホールの半分に区切り(それぞれが厨房を中心として別々の部屋として配置されているため、外から見たら同じ店が二つあるようにも見える)、翔子と明久がそれぞれの責任者、そして俺は全体的な責任者という分け方をしている。ちなみに、明久がいないときの責任者は秀吉で、何かあったら俺のところに来るように言ってある
「Bホールで営業妨害が居ての。少々厄介なのじゃ」
「営業妨害だぁ?たかだか学園祭の出店程度で営業妨害をするなんて、暇な奴もいるもんだな
で、相手は誰だ?」
「うちの学校の三年じゃな」
よりによって三年か。なんてバカなんだ全く
「とりあえず案内してくれ。俺が対応する
秀吉は営業妨害の客の記録をしておいてくれ」
「こっちじゃ!」
秀吉に案内されてBホールに入ると、大声が聞こえてきた。アレが妨害の客か
「まったく、俺たちはずいぶん前に注文したのに、全然来ねぇし」
「いざ来たと思えばくそ不味いしな!」
かなりうるさいな。とにかく、なんとかするか
「責任者はいないのか!このクラスの代表ゴペッ!」
「私が代表の坂本雄二です。何かご不満な点でもございましたか?」
とりあえず坊主頭を殴り飛ばす
「不満も何も、今連れが殴り飛ばされたんだが……」
殴っていない方のソフトモヒカンは困惑したように返事をするが、どうでもいい
「それは私のモットーの『パンチから始まる交渉術』に対する
こんなこと言っとけば大丈夫だろう
「ふ、ふざけんなよこの野郎……!何が交渉術ふぎゃあっ!」
「そして『キックでつなぐ交渉術』です。最後には『プロレス技で締める交渉術』が待っていますので」
「わ、わかった!こちらはこの夏川を交渉に出そう!俺は何もしないから交渉は不要だぞ!」
「ちょ、ちょっと待てや常村!お前、俺を売ろうというのか!」
うるさい二人組だ
「それで常夏コンビとやら。まだ交渉を続けるのか?」
「い、いや、もう十分だ。退散させてもらう」
モヒカンが撤退を選ぶが、関係ないな
「そうか、それなら------」
そう言いながら俺は坊主頭の腰を抱え込む
「おいっ!俺もう何もしてないよな!?どうしてそんな大技をげぶるぁっ!」
「-----これにて交渉は終了だ」
「お、覚えてろよっ!」
倒れた相棒を抱えて走り去っていくモヒカン。これで一つの問題は去った
後はこの場の対応だな
「見苦しい場をお見せして申し訳ありませんでした。お詫びとして、ただいまご来店されている方々は全商品を二割引きで提供させていただきます」
『あんたのおかげですっきりしたよ』
『こんなにおいしいものを不味いなんて、おかしいんじゃないの?』
『料理もそんなに待たずに来たよな』
どうやら、特に問題ないようだ
「ふぅ。こんなところか」
そう呟いて、俺は控え室に戻っていった
雄二side out
時は戻り現在
明久side
「と、言うわけだ」
うん、相変わらず雄二らしいやり方だけど、何とかなったなら問題ないね
「さて、二回戦が始まるまで、僕達も働きますかね!」
「そうだな。私はホールに行って誰かと交代してくるよ」
そう言って、僕と妹紅は仕事へと向かった
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召喚大会のルールですが、『宣戦布告と乱入と特殊ルール』の時から少し追加されたルールがあります
・二人以上のスペルカードを同時に使うことで、合体技が使える
・トーナメントの試合ごとにスペルカードの構成を変えてもよい。また、変更した場合は改めて教師に提出すること
この二つが召喚大会限定ルールとして追加されています