俺と僕と私の気持ち
雄二side
清涼祭が終わって数日が経った朝、俺は翔子と一緒に『如月ハイランド』へと行くことになった
全く明久の奴、翔子に優勝賞品のプレミアムチケットなんて渡しやがって…
まぁ、確かにペアで優勝したのにペアチケット二枚が商品にあるなんてのもおかしな話だが…
俺は翔子からの告白の返事をできていないから、そのあと押しのつもりなんだろうが…
ええい、もう決まったことだ!告白の答えだって、焦りすぎなくていいはずだ!ここは覚悟を決めて翔子と一緒に行くしかねぇ!
そう思って、俺は家の外へと出た
「…雄二、おはよう」
家の外で俺を待ち構えていたのは、翔子だった
上は白い長袖のカーディガンで、その下に薄いピンクのカットソーを着ている。下は薄手の膝上程度ので、下着が透けない為のインナーが中に見える。ペチコートとかいうやつだったか?とにかく、翔子はかなり気合が入ってるようだ
俺が適当な服なのが少し気の毒なくらいだ
「あぁ、おはよう翔子。それとその格好…似合ってるぞ」
「…!ありがとう。今日は楽しみ」
翔子は俺がそんな言葉を言うなんて驚いたのか、一瞬驚いたような顔をする
「あぁ、俺も楽しみだ。さぁ、行くか!」
「…うん」
俺は翔子と如月ハイランドへと向かった
雄二side out
明久side
今日は咲夜と一緒に如月ハイランドに行く予定になってる
本当は妹紅を誘う予定だったんだけど、妹紅が『咲夜にいろいろ貸しを作ってただろう。それで返せるかどうかはわからないけど、咲夜を誘った方がいい』と言われたから咲夜を誘ったんだ
咲夜を誘った時、少し顔を赤くしていたけど、どうかしたのだろうか?
それにしても、妹紅も慧音も休日だというのに朝から用事があると言って出かけて行ったし、どうしたんだろう
そんな些細なことを考えながら、僕は如月ハイランドに行く準備を終わらせた
『ピーンポーン』
僕の準備が終わったタイミングで、家のチャイムが鳴る
インターホンを覗くと、そこには咲夜の姿があった
「おはよう、咲夜」
「おはようございます。あの…少し早かったでしょうか?」
「そんなことないよ!僕も出発する準備はできてるから、さっそく行こう!」
「はい!」
こうして、僕と咲夜は如月ハイランドに向かった
明久side out
妹紅side
「はぁ、明久…ちゃんと咲夜をエスコートしてるかな…」
「それは…明久を信じるしかないだろう
…と、言いたいけど明久だからなぁ…」
私と慧音は如月ハイランドに来ていた
目的はもちろん明久と咲夜の仲の後押し…と言いたいけど、本来の目的は坂本と霧島の後押しだ
明久は明久で色々と心配だけど…坂本はもう一押しって感じなんだし…
明久たちの方も少しやれればなーとは思うけど…
「それにしても、良かったのか?せっかくペアチケットがあったのに、明久と一緒に行かなくて」
慧音がそうやって聞いてきた。確かに、私と明久は一緒に暮らしてはいるけど…
「うーん…明久の場合、私はどちらかというと親?みたいな感じだから…」
うん、恋愛対象というよりも保護者の方がしっくりくるな
「…そうか。まぁ、妹紅がそういうならそれでいいんだろうが…後悔はしないようにな?」
「それに…いざそういう関係になった時のことを考えると、怖いんだ…明久は普通の人間だから、数十年後には寿命が来る。そうなったときに、私は私でいられるのか…」
「妹紅…」
私は死なないけど、明久には寿命がある。死んでしまう。その日が来た時、恋愛関係だったらと思うと…
「さ、暗い話はそこまでにして、坂本の幸せのために頑張るぞ!」
「…そうだな。協力してくれるFクラスの人たちももうすぐ来るし、もうすぐ開園だ。頑張ろうじゃないか」
こうして、私達は準備に入った
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妹紅sideを久しぶりに入れましたが、如月ハイランドの妹紅sideはおそらくこれで終わりです
雄二sideがメインになりますかね