僕とテストと幻想郷   作:あんこ入りチョコ

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写真と昼食と演劇魂

明久side

 

 

雄二達と別れた後、僕と咲夜は入場ゲートに来ていた

 

「いらっしゃいマセ!如月グランドパークへようこソ!」

 

その人は日本人じゃないのか、若干訛りの混じった口調で僕達に笑顔を振りまいた。こんな人も働いてるんだ

 

「本日はプレオープンなのデスが、チケットはお持ちですカ?」

 

「はい」

 

僕は係員にチケットを渡す

 

「拝見しマース。これは特別チケットデスねー」

 

「特別チケット?」

 

特別チケット?そういえば、チケットを二枚もらった時、それぞれ別のチケットだって聞いたような気がする…

 

「ハイ。如月ハイランドのプレチケットには三種類あって、プレミアムチケット、特別チケット、一般チケットの三種類がありマース

それぞれ特典が少し違いマス」

 

なるほど、そうだったんだ。ということは、雄二に渡したのがプレミアムチケットで、僕達のは特別チケットだったというわけか

 

「そうだったんだ…それで、このチケットの特典ってどんな感じなんですか?」

 

「特別チケットは入場時の記念撮影、ウェディング体験、ウェディング体験時の記念撮影となりマース

では、マズ最初に記念写真を撮りますヨ?」

 

「お待たせしました。カメラです」

 

係員が写真撮影をすると言うと、目深に帽子をかぶった別の係員がカメラを持ってやってくる

声は女性で、地面までつくんじゃないかというくらい長い白髪で複数のリボンがついている、妹紅みたいだった

妹紅みたいな人はほかにもいるんだな~

 

「でハ、写真を撮りマース。腕を組んでくだサーイ。はい、チーズ」

 

係員に言われたとおり、僕と咲夜は腕を組んで写真を撮ってもらう

 

「スグに印刷しマース。そのまま待っていて下さイ」

 

そう言って係員は別の場所に向かって行った

ふむ、すぐに印刷して持ってきてくれるんだ…

 

「それにしても、このチケットってそんな特典があったんだね。咲夜、良かったの?僕とウェディング体験なんて」

 

「そうですね…私は明久とウェディング体験ができるなら光栄に思います!」

 

目を輝かせてそう言う咲夜

…なんだかすごく僕のことを持ち上げられている気がする

 

「---はい、どうゾ」

 

そんなやり取りをしてたらさっきの係員が写真を持ってやってきた

…すごく早い

 

「サービスで加工も入れておきまシタ」

 

「…なにこれ」

 

「…この加工は…一体…」

 

僕と咲夜は写真を確認して、唖然とした

写真に写っているのは腕を組んだ僕と咲夜、そしてその二人を囲うようなハートマークと『私達、結婚します』という文字

…この加工はかなりきつい…というか、結婚はしないよ

 

「コレをパークの写真館に飾っても良いデスか?」

 

「ちょっと待った!それだけは断る!それに、そのフレームは何ですか!」

 

なんてことを言い出すんだこの人は!

 

「…わカりまシタ。それデはここカらはゆっくりお愉しみくだサーイ

午後三時にウェディング体験を始めるのデ、時間になりまシたラこの場所に来てくだサイ」

 

渋々食い下がりながら、係員は僕達にこ赤い丸の書かれた地図を渡してその場を去った

 

「…とりあえず、時間までいろいろ回ろうか」

 

「そうですね」

 

僕と咲夜は地図を見ながらアトラクションに向かって歩き出した

 

 

明久side out

 

 

雄二side

 

 

俺は翔子と一緒にいろいろなアトラクションを回っていた

近くにある大時計が示しているのは時間も午後一時を過ぎた頃で、そろそろ昼飯かと考えていた

 

「…雄「---探しまシタよ。豪華なランチを用意してありマスので、こちらへいらして下サイ」二」

 

翔子が何か言おうとしたところで、係員の似非野郎がこちらへやってきた

昼飯も用意してあるのか。流石はプレミアムチケットだな

そして、似非野郎はスタスタと歩き出す

 

「翔子、さっき何か言おうとしてたが、どうかしたか?」

 

「…なんでもない」

 

「???」

 

一瞬寂しげな顔をしていたような…?それに、テーマパークに来ているというのにやけに荷物が大きな気もするし、さっきから大事そうに抱えてるな…一体何かあるのだろうか

 

「…雄二、急がないとはぐれる」

 

「お、おう」

 

俺達がついてくるという自信があるのか、似非野郎の姿が随分と遠くに見える。まぁ、豪華な昼飯と聞いたらご馳走になるつもりではあるが

速足で野郎を追いかける

しばらく歩くと、小洒落たレストランが見えてきた

 

「コチラでランチをお楽しみ下サイ」

 

そう言って似非野郎が案内したのはパーティ会場のような広間だった。そこら中に丸テーブルが設置されており、前方にはステージとテーブルが用意されている。この雰囲気、レストランというよりは---

 

「…クイズ会場?」

 

そう。一応丸テーブルの上には豪華な料理が用意されているが、TVでよく観るクイズ会場のような雰囲気になっていた

 

「いらっしゃいませ。坂本雄二様、翔子様」

 

ボーイが現れ、俺達を席に案内する

…なんだか見たことある顔だな

 

「秀吉。ボーイの真似事か?」

 

「秀吉?何のことでしょうか?」

 

秀吉は顔色一つ変えずに返してくる

…コイツ、完全に役者モードに入ってるな。こうなった秀吉の化けの皮を剥がすのは簡単ではない

そう思って、俺は携帯を取り出した

 

「違うというのなら、確認させてもらうぞ」

 

そう言って俺はアドレス帳から『木下秀吉』を呼び出そうとした

 

「おぉっと!手が滑ってしまいました!」

 

ポケットから携帯を取り出し、噴水のある方へと思いっきり投げる秀吉(?)

遠くから小さくポチャンと音が聞こえた

 

「そ、そこまでやるか!?アレもう確実に壊れたぞ!?」

 

「なんのことでしょうか?」

 

変わらないポーカーフェイス。あまり使ってないとはいえ、携帯を捨ててくるとはな…敵ながら大した役者根性だ

 

「それでは、こちらへどうぞ」

 

「あ、ああ」

 

ボーイに案内されて会場の仲を移動する

 

「お客様は未成年とのことなので、こちらをご用意させて頂きました」

 

席につくと、ボーイがグラスにノンアルコールのシャンパンを注いでくる。ラベルが見えるように持っているあたり、徹底した演技だ。流石は演劇部

 

「オードブルでございます」

 

グラスを置くと、すかさず運ばれてくる料理。豪華な、という前置きをするだけはあるな…

そう苦笑いをしながら、俺と翔子は料理を食べ進めた

 

そして、波乱の一日はまだまだ終わってはいなかった…




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