明久side
「妹紅、まだ時間はあるし、Aクラスでも見ていく?」
僕はふと思ったことを口にする
「おっ、それいいね!Aクラスの設備がどれほどのものか気になるし」
どうやら妹紅も賛成のようだ
「じゃあ、そっちを見てから行こうか」
そう言って僕たちはAクラスのある新校舎へ足を進めた
少年少女移動中…
「「なにこれ…」」
Aクラスの教室前にたどり着いた僕たちだけど、その教室の大きさと、窓から見える設備の豪華さに唖然とする。
「高級ホテルのロビーかのような広さの教室、個人の机にはノートパソコン、個人エアコン、冷蔵庫…」
「それだけじゃない、本来黒板の置かれるであろう場所には巨大なモニター、教室そのものにも備え付けのお菓子、ドリンクサーバー…ここの学園長の金銭感覚はバグってるのか?」
どうやら学年でもトップクラスの点数の持ち主への待遇は異常らしい。
こんな設備の学校があってたまるか
「これ…いろんな意味でやる気をなくす生徒がいそうだよね…」
「明久…もう行こう…これ以上ここに居ると幻想郷に対応してきた私でも、Fクラスを見たら発狂しそうだ」
「そうだね…Fクラスの教室がどのくらいかはわからないけど、1年生の時みたいなごく普通の教室でも落ち込みそうだよ…後悔はしてないけど…」
そんなやり取りをして、僕たちはまだ見ぬFクラスへと進んでいくのであった…
少年少女再び移動中…
「誰のいたずらだよまったく!こんな物置にふざけてFクラスの看板なんてつけて!」
「明久落ち着いて!現実を見よう!」
「いやだ!こんな現実認めない!Aクラスを見た後じゃなくてもこんな設備がおかしいって思うよ!」
僕はFクラスの設備を見て絶賛現実逃避中だった
「明久落ち着こう、ほんとに。もしかしたら入ってみると意外と快適かも…」
「そ、そうだね。入ると意外と落ち着くかもしれないよね!よし、入ろう!」
うん、もしかしたら実は外見だけなんてことが…
『ガラガラッ』
「「うわぁ…」」
案外いいかもしれないどころじゃない、どころじゃない。絶句だった。
主に悪い意味で。
ひび割れたところもある落書きだらけの壁、教室の隅には蜘蛛の巣、さらにかびたような空気…これは畳か床板が腐ってるな…?
それにぼろぼろの黒板…個人の設備も今にも壊れそうなちゃぶ台に、見ただけでも綿の詰まってないとわかる座布団…
「いつも霊夢がお金がないってぼやいてる博麗神社よりもひどいよ…」
「これは…Fクラスだからって勉強させる気はないな…?」
???「やっと来たか、明久に藤原」
そんな絶句してる僕たちに話しかけたのは、教卓の前に仁王立ちしてた赤いたてがみのような髪型の男だった。
「雄二?どうしてこのクラスに?雄二ならもっと上のクラスに行けたよね?
それに、まだホームルームまで時間はあるでしょ?」
「お前らが振り分け試験で退出してるのを見かけたからな、点数を調整してFクラスの代表になったんだ
だ。
それと、今何時だと思ってるか知らないが、あと5分もすればホームルームは始まる」
「えぇっ!?もうそんな時間!?」
まさかAクラスに寄り道してる間にそんなに時間が経ってるとは…
「それで坂本、私たちの席はどこだ?」
あぁ、それも重要だ。ナイス妹紅
「それが、席は決まってないようだから適当に座ってくれ」
それも雑なのか…
「雑だなぁ…お、一番後ろに二個並んで空いてるじゃん、ラッキー!明久、あそこに座ろう」
「うん、そうだね。雄二の席はどこなの?」
「ん?俺か?俺はお前たちが座ろうとしてるところの隣だ」
「そうなの?また一年間よろしくね、雄二」
「あぁ、お前らも同じクラスだし、退屈はなさそうだな。明久に藤原、一年間よろしく頼む」
『キーンコーンカーンコーン
ガラガラッ』
そんな会話をしてるうちに、ホームルームに入ったようで、僕たちの後ろにある扉が開いた。
「お前たち、そんなところに突っ立ってないで早く席につけ」
どうやら僕たちの担任は慧音らしい。これは一安心…かな?
「「わかりました」」
あ、雄二とハモった
「あ、慧音おはよう」
妹紅…マイペースすぎるよ…
「藤原さん、おはようございます、ですが学校では上白沢先生と呼ぶように。…頭突きが喰らいたいか?(ボソッ)」
うわぁ…何か今怖いことが聞こえたような…
「す、すみません。気を付けます…」
妹紅も一瞬で顔が真っ青になってるし…
「とりあえず座ろうか」
「「そうだな…」」
僕たちはとりあえず席に着いた。
「それでは皆席に着いたところで自己紹介と行きましょう、私がこのクラスの担任になった
…上白沢慧音です。」
そう言って慧音が黒板に名前を書こうとしたけどそれをしなかった。なんでだろう?
まさか…
「雄二、もしかしてチョークなかった?」
「あぁ、俺が見たときは削りカスみたいなのしかなかったな…」
うわぁ…それはひどいや…
「そこ、うるさいですよ。
では、窓側の人からお願いします。」
「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」
ん?誰かと思えば秀吉じゃないか。
独特な名前に言葉遣い、そしてまるで女の子のような見た目の彼はれっきとした男である。
一年前に初めて見たときは僕も女の子じゃないかと見間違えたことがある。
「---というわけじゃ。よろしく頼むぞい」
そんなことを考えてるうちに秀吉の自己紹介は済んだようだ。
「………土屋康太」
おやおや、また知り合いだ。どうやらこのクラスには僕の知り合いが多いらしい。
といっても、彼は保健体育以外の科目にめっぽう弱く、納得といえば納得なのだが…
「島田美波、です。よろしく、お願いします」
そんなことを考えてるうちにまた次の生徒へ変わったらしい。
彼女もまた知り合いだ。このクラスには本当に僕の知り合いが多いな…
彼女は去年ドイツから転校してきた、いわば帰国子女というやつで、日本語に不慣れなのである。
「十六夜咲夜です。とある事情でFクラスになりました、よろしくお願いします。」
そんなことを考えてるうちにまた、知り合いの名前が聞こえた。
まさか彼女がここに居るなんて…というか、咲夜はAクラスでもおかしくないよね?
後で聞いてみよう…
そのあとは特に知り合いの名前が出るわけでもなく、気づけば妹紅の番になっていた。
「藤原妹紅、ズボンを穿いているが女の子なので、よろしくお願いします」
妹紅の自己紹介も簡単なもので終わる。
というか、自己紹介ってこんなものだよね。
そして特に何もないまま、僕の番まで回ってきた。
「吉井明久です。料理と読書が趣味です。よろしくお願いします」
僕も簡単な自己紹介で終わらせる。
最初は『ダーリンって呼んでくださいっ♪』とでもぼけようと思ったけど、あとで死ぬほど弄られそうだし、やめることにした。
そのあとも特に何も起きず、雄二の番になろうとした頃に扉が開き、息を切らせて胸に手を当てている女子生徒が現れた。
「あの、遅れて、すいま、せん…」
『えっ?』
誰から、というわけでもなく、クラス全体からそんな声が聞こえた。
それはそうだろう。僕も当事者だったら驚いていたはずだ。
「姫路さん、いいところに来ましたね。自己紹介中なので貴女もお願いします。」
「は、はい!あの、姫路瑞希といいます。よろしくお願いします…」
「あの!質問いいですか?」
姫路さんに対して、すでに自己紹介を終えた一人の生徒が手を挙げる
「あ、は、はいっ。なんですか?」
「なんでここにいるんですか?」
姫路さんに向けられた質問は、聞き方を変えれば失礼なものになるものの、誰もが知りたがっているであろう質問だった。
彼女の成績ならAクラスは余裕だろう。
「その…振り分け試験の最中に熱が出てしまいまして…」
そんな質問に姫路さんは答え、その言い訳を聞き、クラスの連中からもちらほらと言い訳が聞こえる。
『そういえば、俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに』
『ああ。化学だろ?アレは難しかったな』
『俺は弟が事故に遭ったと聞いて実力を出し切れなくて』
『黙れ一人っ子』
『前の晩、彼女が寝かせてくれなくて』
『今年一番の嘘をありがとう』
…バカばっかりだ…
「貴方たち、静かにしなさい」
そう言って慧音が名簿で教卓をたたきながら生徒たちに注意をする。
『バラバラッ』
あっ、教卓が壊れた。
「…替えの教卓をとってきます。姫路さんは空いてる席に座ってください。
坂本くん、最後は貴方だけなので、自己紹介を終わらせておいてください。」
そう伝えると慧音は教室を出て行った。
慧音が出ていき、姫路さんが席に着くと雄二が立ち上がって自己紹介を始めた。
「Fクラス代表の坂本雄二だ。
俺のことは坂本でも代表でも好きなように呼んでくれて構わない。」
そんな前振りを話しながら、雄二はまだ話そうとしている。
…コイツ、何か企んでるな?Fクラスでやってみたいことがあるとか言ってたし…
「さて、皆に一つ聞きたい。
かび臭い教室
古く汚れた座布団
薄汚れた卓袱台
Aクラスは冷蔵庫完備な上に、座席はリクライニングシートらしいが---」
一呼吸おいて、雄二が告げる
「---不満はないか?」
『大ありじゃぁ!』
二年Fクラス、魂の叫び。
「だろ?俺だってこの現状には不満を抱いている。
これは代表からの提案だが---」
あぁ、そうか。雄二が企んでいるのはこれか。
「---FクラスはAクラスに『試験召喚戦争』」
雄二がやろうとしていることを理解したとき、一呼吸置いた雄二の口からそっと『試験召喚戦争』の引き金が引かれた
誤字脱字がありましたら報告お願いします
咲夜がFクラスの理由ですが、レミリアのわがままに付き合っていたらテストを受けることができなかったと考えてください。
文月学園に登校していることに関しては、レミリアに外の世界を見て来いと言われたと思ってください
まだまだ先の話だけど、咲夜…儚月抄で一ヵ月ほど月に行くけど、そこはどうしようか…