僕とテストと幻想郷   作:あんこ入りチョコ

6 / 43
屋上と女子会?とお昼ご飯

明久side

 

 

僕たちは、昼食とミーティングのために屋上へとやってきた。

 

「とりあえずお前ら、昼に開戦だしちゃんと飯食って力を蓄えとけよ。

ミーティングはそのあとだ。まぁ、Dクラスくらいならしっかりとミーティングをしなくても勝てるだろ」

 

雄二はフェンスに腰掛けながら、そんなことを言う

確かにその通りだろう

 

「じゃあ、まずはご飯だね。

はい、これ妹紅の分」

 

そう言って僕はカバンから三個あるお弁当のうちの一つを妹紅に渡す…

うん?…三個?

 

「しまった!慧音にお弁当を渡してない!

みんな先に食べてて!」

 

そう言って僕はカバンを持って慧音を探すために屋上を出ていくのであった

 

 

明久side out

 

 

妹紅side

 

 

…やれやれ、明久は変なところで抜けてるんだから…

 

「明久がそう言ってるし、先にみんなで食べ始めよう」

 

カバンごと持って行ったってことはたぶんご飯は慧音と一緒に済ませてこっちに戻ってくるつもりだろう

 

「慧音って…上白沢先生の事ですか?」

 

去年、私たちとあまり絡みのなかった姫路さんは、普通なら思うであろうことを質問してきた

 

「あー、そっか。姫路さんは去年私たちとあまりかかわってなかったから知らないのも当然か。

私と明久は孤児で、慧音が保護者ってことになってるから一緒に住んでるんだよ」

 

特に隠しておく必要もないだろうし、私はそう答えた

 

「そ、そうだったんですね。すみません…」

 

「?なんで謝るんだ?」

 

謝る意味が分からない

 

「いえ…孤児だなんて知らずに失礼な質問を…」

 

どうやら姫路さんの方は私たちが孤児だと知らずに失礼な質問をしたと思っているらしい

まぁ、私を孤児と言っていいかはわからないが

 

「いやいや、気にしないでいいよ。別に気にしてないし

慧音と明久に出会えたからここに居るわけだからね」

 

「そう言っていただけるとありがたいです…

それにしてもそのお弁当、おいしそうですね…吉井君が作ったんですか」

 

今日の弁当は筍ご飯に焼き鳥、あとは適当な野菜類の入った弁当だ。

筍は迷いの竹林で手に入れたばかりの新鮮もので、焼き鳥と共に新年度だからと私が頼んでいたものだ

 

「そうでしょ!明久の作るご飯はそれもおいしいぞ!

そこの咲夜もいい勝負してるが…私は明久のご飯の方が好きだな!」

 

うん。吸血鬼のとこのメイドと明久の作ったご飯を比べるのは嫌だが…

あっちは本職だからな。うまいのは仕方のないことだ

 

「そうなんですね!十六夜さんも料理をされるんですか?」

 

そして姫路さんは咲夜に話を振る

 

「そうですね…こう見えても私、本業はメイドなので、家事全般は得意ですね。

むしろ本職のメイドを相手にほぼ互角の腕を持つ明久の方がおかしいんじゃないですかね?」

 

明久は知らないところで変人認定された。ドンマイ明久…

 

「十六夜さんってメイドなんですね!もしかして、仕えてる人もこの学校に?」

 

「いえ、お嬢様はこの学校には通っていませんね。

お嬢様が明久の知り合いで、『自分のことはいいから明久たちと学校に通いなさい』と。その際、学校内での言葉遣いもある程度崩せとの事だったので…」

 

咲夜の言ってることは本当だ。レミリアが外の世界を勉強してこい的なことを言ったらしい

咲夜も咲夜で主の言っていることに背くわけにもいかなかったらしい

 

「へぇ~、そうなんですね~。そうだ!今度私がお弁当を用意してくるので、アドバイスをしてくれませんか?」

 

姫路さんがそんなことを言った

 

「ええ。そんなことでいいならいいわよ」

 

咲夜もそう答える。

 

 

だが私たちは知らなかった。まさかこれがきっかけであんなことになるなんて…

 

 

この後はみんなで他愛もない雑談をしながら、明久が戻ってくるのを待った

 

 

妹紅side out

 

 

時は遡り明久が慧音を探しに行ってすぐ…

 

 

明久side

 

 

僕は今、絶賛慧音を捜索中だった

 

「うーん…職員室には居なかったし…もしかして食堂に行ったかな?」

 

お弁当が無いわけだし、行くとしたら食堂かな…

とりあえず向かってみよう!

 

 

少年移動中…

 

 

あ、今食堂に入っていたのってもしかして…!

 

「上白沢先生!」

 

「吉井君か?こんなところでどうしました?」

 

「こんなところじゃ話辛いので…移動しませんか?」

 

「…何か事情がありそうだね。わかった」

 

食堂なんて人が多いところで慧音との変な噂が流れたりしたら困るからね!

そう言って僕たちは食堂を離れた

 

 

少年再び移動中…

 

 

さて、ここなら誰もいないかな?

 

「慧音ごめん!すっかり今日のお弁当を渡し忘れてて…」

 

とりあえず謝っておこう

 

「まぁ、そういうことだろうと思ったよ。かまわないさ。

私も気づいたのは先ほど昼食にしようと思った時だからね…」

 

どうやら慧音の方は気にしてないみたいだ

 

「でも、どこで食べようか…」

 

慧音と一緒だと食べる場所が限られてくる…

 

「?妹紅たちとは食べないのか?」

 

「そう思ってたけど…お弁当のこともあって慧音と食べてから皆には合流しようかなって…」

 

「なんだそういうことか。だったら、職員室で一緒に食べていくといい。

職員室の先生方なら、私が明久の保護者だと知っている人も多いし、ほかの生徒もよほどのことがない限り来ないだろう」

 

確かに、それはいい案だ。

 

「うん、じゃあそうしよう。でも、ほかの先生たちに迷惑にならないかな?」

 

「気にしないでいいと思うぞ?気にするなら自習室でも借りようか?

こんな時間に自習室や補修室を借りる生徒なんていないだろうから、安心できると思う」

 

「じゃあ、そっちでお願いしようかな?

妹紅たちは屋上だから、職員室よりは近いし」

 

「私は補修室の使用許可と鍵を受け取ってくるから、明久は先に補修室に行っておいてくれ」

 

「うん、わかったよ」

 

 

数分後

 

 

「待たせたね。手続きに時間がかかってしまったよ」

 

「そんなに待ってないよ?」

 

「そうか。では、さっそく食べようか」

 

補修室に入ったからか、慧音の口調が若干砕ける

今日のお弁当は新年度一日目ということもあって、妹紅から焼き鳥と筍ご飯をリクエストされたので、それにしてみた。

 

「うん、どれもおいしい」

 

「そう言ってもらえると作り甲斐があるよ

焼き鳥も筍ご飯も、妹紅とよく作るから、そのおかげかな?」

 

迷いの竹林はよく筍が取れるし、妹紅が迷いの竹林で道案内をしているときに職業を聞かれると『焼き鳥屋』と答えるくらいにこの二つが好きで、よく二人で作ってるから僕たちの得意料理でもある

 

「どうだい?新しいクラスは」

 

「んー、知ってる人が意外と多かったから安心した…かな?

そういえば咲夜がFクラスなのはなんでか聞いてる?」

 

僕は自己紹介の時に疑問に思っていたことを聞いてみる

 

「あぁ、そのことか。ちょうど振り分け試験の時に吸血鬼のお嬢様の我が儘を言ってきたらしい

なんでも、『その日のうちにかなえてくれー』とか言って。振り分け試験があるといっても聞いてくれなかったそうでな…」

 

あー…そういうことか…

レミリアの我が儘、たまにとんでもないこと言ってくるから…

 

「ちなみにどんなことを?」

 

「誰も見たことのないような新しいペットが欲しいと言い出したらしくてな…

幻想郷中を駆け巡る羽目になったらしい…」

 

「あー…それはまた…というか、そんなことよく言ってるような気が…」

 

「咲夜曰く『一年に一度くらい突然言い出す』らしい」

 

うわぁ…咲夜ご愁傷様…

 

「それで、それはかなえられたの?」

 

「かなえられると思うか?」

 

ですよねー

 

「ごちそうさま。明久、時間は大丈夫なのか?」

 

「ごちそうさま。んー、そろそろ妹紅たちの方に合流しようかな?」

 

気づいたら30分ほど経過していた。昼休み終了まであと40分ほどといったところか

 

「そうか。なら行ってくるといい。ミーティングか何かやるのだろう?

此処の戸締りは私がやっておこう」

 

「ありがとう!助かるよ。じゃあね!

あ、そうだ。夜ご飯のリクエストはある?」

 

お昼は妹紅のリクエストだったし、夜は慧音に聞いてみよう

 

「そうだな…あまりリクエストはないからお任せするよ」

 

「わかった!」

 

慧音の返事を聞いて、僕は自習室を飛び出した




きりが悪い気もしますが、今回はここまでです

誤字脱字ありましたら、報告お願いします

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。