僕とテストと幻想郷   作:あんこ入りチョコ

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勝利と交渉と次へのピース

明久side

 

 

僕たちは…というか、実質咲夜一人の活躍でDクラス戦は幕を閉じた

 

 

「さて、戦後対談と行こうか、Dクラス代表さん?」

 

「まさか十六夜さんがFクラスだったなんて…Fクラスを甘く見て油断していたのは俺たちだったか…」

 

平賀君は悔しそうな声でつぶやいた

 

まぁ、普通ならFクラスが調子に乗って戦争を仕掛けてきたとしか思わないだろう

 

「ルールに則ってクラスを明け渡そう。ただ、今日はこんな時間だから作業を始めるのは明日からでいいか?」

 

敗戦の将か。彼はFクラス橋正富下し、甘く見ていたが故に簡単に敗北し、試験召喚戦争を申し込む権利を失い、あの教室でクラスメイトに恨まれながら過ごすのだろう------

 

 

「いや、その必要はない。俺たちがDクラスの教室を奪うつもりはないからだ」

 

 

------本来ならば

 

「それは俺たちにとってはありがたい話でしかないが…いいのか?」

 

「あぁ、ただし条件がある」

 

まぁ、さすがに無条件ではないだろう

でも、雄二はDクラス戦を『Aクラス戦に向けて必要なプロセス』と言っていた

つまり、何かしらの条件で交渉するつもりなのだろう

 

「一応、聞かせてもらおうか…これでもDクラスの代表として、あまりにも不利な条件なら断らないといけないからな」

 

試召戦争では油断だらけだったけど、どうやら冷静な思考も持ち合わせているらしい

落ち着いた声で平賀君が返事をする

 

「なぁに、簡単なことだ。この試召戦争は『和平交渉にて終結』ということにして、三ヵ月の間もしくは『坂本雄二がクラス代表の間』FクラスとDクラスで同盟を結んでほしい」

 

やっぱり…それに、同盟の期間を三ヵ月か雄二が代表の間ということは、Aクラス戦もただただ設備が狙いってわけじゃないな…?

 

「自分から聞いておいてあれだが…そんな条件でいいのか?

クラスの設備を要求しない割には簡単すぎる要求な気もするが…」

 

「まぁ、そこは問題ない。その代わりいくつかFクラスから頼みがあるときにそれをかなえてくれればな」

 

「…わかった。ではありがたくそちらの提案を呑ませてもらおう」

 

どうやら交渉は終結したようだ

 

「さ、これで戦後対談は終わりだ。行っていいぞ」

 

「ああ、ありがとう。お前らがAクラスに勝てるよう願っているよ」

 

「ははっ、無理するなよ。勝てっこないって思ってるだろ?」

 

「そうだな、社交辞令だな

…だが、お前の戦後対談でのいろいろなことを考えたような話し方…まだ何かあるんだろう?」

 

「さぁ、どうだろうな?」

 

雄二はわざとらしく、いつもの不敵な笑みを見せながらそう返した

 

「ま、Dクラスにとってはあまり関係ないことだし、深くは追及はしないでおこう」

 

そう残して平賀君はその場を去っていった

 

「さて、皆!今日はご苦労だった!明日は消費した点数を補充するから、今日のところは帰ってゆっくり休んでくれ!解散!

それと、明久は話しておきたいことがあるから残っておいてくれ」

 

雄二が号令をかけると、いつの間にか帰ってきていたクラスメイトが一定に帰る支度を行い、次第に帰っていった

 

「妹紅、僕は雄二に呼ばれたから残るけど、妹紅はどうする?先に帰っててもいいけど…」

 

雄二に残るように言われたから、妹紅にどうするか尋ねてみる

 

「なら、私は先に帰って夕飯の支度でもしておくよ。

本当は今日は明久が夕飯の日だけど…慧音は何か食べたいとか言ってた?」

 

「んー…お任せするって言ってたから何でもいいんじゃないかな?」

 

「そうか。だったら家にあるものを見て適当に支度しとく!」

 

そう残すと、妹紅も帰っていき、教室には僕と雄二だけになった

 

「さて雄二、用事って何かな?」

 

とりあえず僕は雄二に聞いてみる

 

「そうだな…頭のキレるお前と二人で今後の作戦会議をしたかったって所だな」

 

「なんだ、そんな事だったんだね。それで、今後の展開って?」

 

どうやら僕の読み通り、Aクラス戦で雄二は何かを仕掛けるつもりらしい

事前に僕に打ち明かそうとした事は予想外だったけど…

 

「Aクラスにはクラス単位での試召戦争じゃなく、変則的に一騎討ちで申し込もうと思っていてな。

そのためにはDクラスだけじゃ足りないと思っていてな」

 

「なるほど…雄二が言ってたDクラスへのお願いってもしかして、Aクラスの交渉の時にDクラスと共に攻め込むとかそう言って一騎打ちを受けさせるためのパーツってこと?」

 

一騎打ちか…確かにそれなら、Aクラスとの戦いが有利とまではいかずとも、数と力の暴力を受ける危険性はなくなるわけだ

 

「まぁ、そんな所だ。

それで、次はBクラスを攻めようと思っているんだが、Bクラスとの戦いはよっぽどのことがない限り、お前らの力でごり押しても勝てるとは思っているんだがな、Bクラスにイレギュラーな存在はいると思うか?」

 

なるほど、そういう事か

雄二は作戦会議というよりも、Bクラスに勝てるかどうかの相談らしい

Dクラス戦とは違い、Aクラス予備軍が数名いるBクラスを警戒しているらしい

 

「んー、どうだろうね?

Bクラスともなると、Aクラス下位レベルの人も数人いるだろうし、Aクラス下位レベルの人がケアレスミスでBクラスにいる可能性もあるし…」

 

可能性ばかりを考えるとキリが無い

 

「だよなぁ…だったら、なるべくお前らの得意科目で戦うってのが良いのかもな」

 

「それで良いんじゃないかな?姫路さんと咲夜は得意科目に余り偏りが無いオールラウンダーだし、基本は僕と妹紅が得意な日本史や古典で攻めて、代表との戦いで康太の得意な保健体育を使うとか…」

 

自惚れている気はないけど、僕と妹紅の得意科目は学年でトップクラスだし、操作技術もあるからめったなことでは負けないだろう

 

「あとはBクラス代表が誰かと、そいつの指揮能力次第、ってことか」

 

「ま、クラスを仕切るのは雄二の役目だ。僕は雄二の作戦なら反対はしないし、それで負けても攻めたりはしないよ

…クラスの皆がどうかは分からないけど…」

 

Fクラスの大半がバカばっかりだからなぁ…

 

「ま、お前に聞いてみて良かったよ。少し楽になった

Bクラス戦は頼りにしてるぞ?」

 

「任せておいてよ。僕たちが必ず、勝利に導いてみせるから」

 

「それじゃ、また明日な」

 

「うん。また明日」

 

こうして、僕たちの長い新学期初日は幕を閉じた




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