これはそのための布石、てか前置きです。
「「「・・・・・・・・」」」
「「「「・・・・・・・」」」」
なんで、こんなことになったんだ?
合コンのメンバーが全員集合してから二分は経っているであろう無言の空間。そろそろメンタルはこの無言空間に圧迫され半端なくヤバい。
因みに配列はこうだ。
蛇 獅 鹿 鮫
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白 楽 庵 俺
うぅん・・・戦いが起こりそうで怖い。
「と、とりあえず飲み物でも頼もうかな?・・・飲み物は何がいいですか?」
庵が空気に耐えれず飲み物を聞くことにした。
「私は・・・焼酎を頼む・・・」
「僕はそうだね~ビールにしようかな?君達はどうする?」
隊長達もそれに察したのか飲み物を頼んでその会話を相手側に回した。
「(よし!これで少しは雰囲気はマシになれるはずだ!)あ、僕はカクテルでお願いします。」
そして注目の女衆の反応は・・・
「・・・テキーラ。」
「ハリベル様と同じく。」
「右に同じく。」
「右に同じく。」
(・・・飲み物の注文もハリベル様着いていきます状態?!)
はっきり言ってこれはマズいというかもう詰みだ。ずっとこの状態が続くのは何があってもイケないことである。
(てかテキーラ?!なんでそんな───ちょっと待てなんだこの酒のバリエーションが偏ったメニューは?!)
メニューの冊子のドリンクのページは可笑しいの一言に尽きた。
・焼酎
・生ビール
・カクテル
・シャンパン
ここはまぁ許せる範囲だ。
最大の問題は次段にある。
・テキーラ
・ブランデー
・シェリー
・リキュール
・スピリタス
(アホか?!この店アホか?!)
隠語で言うところの『可燃性の水』と『可燃性のウーロン茶』がメニューに堂々と書かれていることにアホかしか言葉が出なかった。
それに驚いていると京楽隊長、ここで大人の対応を見せた。
「へぇ~君達は随分とハリベルちゃん?のこと好きなんだねぇ~」
「(さすが長年花魁通いの隊長!!空気感を変える話題探しがうまい!)あ、それ自分も気になってました。」
恐らくハリベルの三人集はハリベルについての魅力を余すこと無く時間をかけて語り尽くすだろう。
てか、そうでなくては困る。
「ハリベル様は好きでいて当然だ。てか、ちゃん呼びは許さない。」
「何度生まれ変わっても好きになれることは確定していますわ。ちゃん呼びした貴様はその髭むしってやりますわ。」
「私達を救ってくれたハリベル様を好きにならない人は邪魔なんだよ・・・後そこの髭。じゃ、死んでもらおうか・・・」
「(一人テンション草加だよ?!なんか怖いわ!!)」
そのセリフを言ってしまうと首の骨が折れる音が鳴るのは恐らく自分だ。
「うぅん・・・こりゃ相当だね・・・」
遂に大人の対応係でもある京楽隊長が冷や汗をかいた。
「と、とりあえず・・・すみませーん!!」
「あ、てめ隆宇治ずりぃぞ!」
今は逃げとして飲み物の注文をしよう。庵、世の中早い者勝ちなんだよ。
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自分がこんな状況になったのは少し前になる。
「・・・・はぁ・・・・」
一人、虚界の藍染率いる破面達のアジトであった宮殿の広場にてスンスンがくれた紅茶を飲みながら一人ため息をついていた。
理由は単純だった。
「・・・・・・・・・・・・・・」
まず圧倒的支配者である藍染が消えたことによる現体制の崩壊。これによって虚界では虚同士の潰し合い食らい合いが一気に増えた。それは今 空いた多くの破面の席を我が物にしようとする欲望が引き起こした事。
一度外に出ればそこでは同族が争い喰らうことが本格的に当たり前になった空間だった。
「・・・・はぁ・・・」
その光景を思い出すだけでまたため息が出る。元々そういう虚はいたが、大抵の虚はそういうのにはあまり乗らず人間を襲うかそれを傍観する程度だったのが一気に変わった。
何もかもが闘争に変わった。
「あらら~そんなため息ついてたらべっぴんさんがダメになるでぇ?」
すると聞き覚えのある声が背後から聞こえ、肩をポンと叩かれたので後ろを振り向くと、
「・・・市丸ギン・・・まさか生きていたとはな。」
蛇のようでありながら狐のような、あるいは両方を兼ね備えた威圧と謎を持つ男が薄ら笑いを浮かべながら近くの席へと座った。
「いやぁ、藍染を殺すのは無理やったけど生き残れたのはホントに奇跡ってモンやな~」
一応人聞きではあるがこいつは最後の最後で藍染への裏切りを見事決行し、あの戦いでの死神側への転機を
作ったと聞く。
「どうして貴様がここにいる?」
「いや~、今までのことがあって死神を追放されたからこっち来たら雇ってくれへんかと思うてな。」
「生憎、貴様の座る椅子も立つ段位も無い。」
実質、そんな座を与える暇もない。
「え、そうなん?じゃあ僕は現世暮らし確定やね~。」
残念やわ~と言うが本当に残念かどうかは一切分からない。茶を再び口に含んだ瞬間、それを狙い澄ましたかのように話を振ってきた。
「あ、そうそう!聞いたで~君、あの隆宇治くんに尻揉まれたんやって?」
「ぶふっ?!?!?」
思わず吹きかけた、いや少し吹いてはしまったがなんとか止まり驚愕した。何故それをこいつが知ってるのかを・・・紅茶を飲み込み急いで問い詰めた。
「何処で聞いたッ!!・・・」
「ん~、どこやったっけなぁ?」
しかしこの狐は手を顎につけ考えるような仕草をして茶化す。
「くっ!貴様!!」
刀に手を伸ばしそうになったがなんとかその動きを止め、冷静に睨んだ。
「にしてもよく隆宇治くんはビンタですんだなぁ~君もよっぽど丸くなったもんやねぇ~」
「・・・私も周りも疲弊していた。ただそれだけだ。」
「本当にそれだけやったか?」
狐の細めが少しだけ見開いた。
「前やったら僕が肩を軽くポンとするだけでもその手首を切ろうとしてたのにそれがさっきは全くなかった・・・ってことは男に慣れた、=隆宇治くんの一件で何かが変わったってこと。そう考えれるしかあらへんやろ?」
「・・・・・・・・それは・・・」
確かにあの隆宇治と呼ばれたあの死神はどこまでも眩しすぎて、それでいて近くにいて優しい光のようだった。自分でも雄が全てを奪っていくだけの生き物じゃないってことを無意識の内に理解したのかもしれない。
「ま、そんな初々しいハリベルちゃんにちょっとした宿題やでぇ~。」
と、飄々としながら何かの手帳を渡してきた。中身を軽くパラパラと捲る。頁数は六頁程度、そして内容を見てみるとそこには『合コン』と書かれた紙があった。
「ごうこん?・・・・・」
そこから合コンの意味が知りたく手帳の紙を読んでいき、
「ッ?!───────」
内容を理解したためあの男へと文句を言おうとしたが、既にどこにも居ない。そしてあの戦いの時と同等な叫び声を上げた。
「市丸ギィィィン!!!
貴様ァァァァァァァァァア!!!」
顔は紅潮し、心と体は熱くなんだか妙に焦りを感じる。これが・・・・『羞恥心』なのか?
『PS.もしこの合コン行かんかったら隆宇治くんの件はあることないことも織り交ぜて現世と霊戸界に広めるで~』
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「それが自分がここに来ることになった理由だ・・・・」
「ホント、俺が大変申し訳無いことしました・・・・」
土下座、綺麗に土下座を一瞬、躊躇なく決めた。
「お客様・・・あの、店内での土下座は止めてください・・・」
「あ、スミマセン。」
あれからと言う物、酒が入ると皆徐々にエンジンが暖まったのかテンションが上がり、話もまぁまぁ盛り上がった。
「ホントあの最悪メガネ色男!!ハリベル様も誑かしやがって!!」
と言ってもアパッチを筆答に死神、虚関係なく愚痴の言い合いだが。
「あぁ、貴様の言う通りだ。あれほど奴をこの手で殴り続けたくて仕方がないのは生まれて初めてだッ・・・」
朽木隊長もキャラが崩壊しまくっている。
「でも嘘とは言え良いところあったんだよねぇ~だけど・・・」
「本性が屑なら今までの行いは全てパーだパーッ!!」
「ホントそれですわね・・・後、貴様も藍染と同罪ですわぁぁぁ!!」
するとなんの流れかスンスンが何故か俺に向かってビシーッと指を向けた。
「えぇ?!俺?!俺何かしました───────」
「しらばっくれても無駄ですわ!」
「貴様は無断でハリベル様の下に挟まり!あろう事か揉んだと聞くじゃないか!!」
「「ブフッ!!ど、何処で聞いたぁ?!?!」」
ハリベルと同時に飲み物を軽く吹きかけ、いや少し吹いたが気にせず三人を問い詰めた。
「あぁ?市丸ってやつだよ。」
「「あんの野郎ォォォォォォォ!!」」
えぇ、ここで一言。
次回は評価のバーの色がワンランク上がる、もしくは感想の数、もしくはアンケートのどれか二つが百超えたら書いて投稿しようと思います(※炎上覚悟)
mission・合コンを盛り上げろ!
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《この面子なら王様ゲェムだ!
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《この面子なら飲み明かしだ!
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《この面子なら愚痴ぶちまけだ!
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《この面子なら誰か酔わせろ!
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《この面子ならサイレントに飲もう