堕落した人のIS生活   作:番号26

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第10話

最初の試合ということで急いで装備を取りに行った後。

 

ボーデヴィッヒと共に控え室で最後の準備をしていた。

彼女は一人目と戦いたいようだ。俺に武装を公開した後、絶対に邪魔をするなと念押しして一人でどう戦おうか考えている。

こちらに干渉してこないため、思う存分頭を働かせることができた。

 

まず、戦力の確認。

 

相手の機体はどちらも専用機。名称は白式とラファール・リヴァイヴ・カスタム。

白式は一撃刀での接近戦のみ。ラファールの方はよく分からないが、ラファールの名の通り多彩な武装を売りとしているのだろう。

 

こちらの機体はシュヴァルツェア・レーゲンと打鉄。

レーゲンはワイヤーブレードと手刀、それに大口径レールカノン。そして停止結界。

停止結界は一人にしか対象をとれないし、集中力が要るといったことから横やりが入れば解除されてしまうものなのだろう。

打鉄は固くて遅い。他三機の動きには基本的についていくことは出来ない。

 

総評。とんでもなく分が悪い。

一番厄介なのがラファールだ。武装が多いということは全距離で牽制出来て火力も出せるということだ。集中を必要とするレーゲンの停止結界とは完全に相性が悪い。

白式も厄介だ。対抗策は用意しているが、やはり一撃で全てが終わってしまえるというのは脅威以外の何者でもない。接近戦のみなゆえにしっかり対処すれば問題ないが、意識を向けざるを得ない。囮として最優と言っていいだろう。

 

ラファールに意識を向ければ白式が一撃を決めに来る。

白式に意識を向ければラファールが十全に生きてくる。

本当に面倒なタッグだ。

 

なお、こちらに機体のシナジーは無い。

レーゲンの敵を捕まえてからの大火力というコンセプトを補助できる武装が無いせいだ。レーゲンが一機で完結しているとも言う。

 

次に、戦術。

もし相手がこちらの情報を知らなかったら停止結界ですぐに片がつくので知っていることを前提にしよう。

脅威となるのはレーゲンのみ。打鉄は白式の一撃ですぐに倒せるしラファールだけで戦っても負けることは無い。

 

ならば選択肢は二つ。打鉄を最初に倒すか、レーゲンを最初に倒すか。これを明確に決めてくる。臨機応変に対処しながら両方をを削っていくという戦法は意味が薄いから。

前者だったら白式がこちらにかっとんでくる。後者だったらラファールはこちらをあしらいつつ白式の援護に回る。

これは二つに絞った時点で要は決まるだろうからどっちでもいい。

 

敵を集中して倒す時に重要なのは速攻だ。他者が邪魔をしてくる前に終わらせないと泥沼になってしまう。

一撃刀というおあつらえむきのモノが有るなら、なおさら速攻で終わらせようとしてくるだろう。

 

この事から、相手の初動が浮かんでくる。

 

白式による突撃とそれに追従したラファールの援護。

 

初動さえ分かれば十分だ。後は十分に役割を果たすとしよう。

 

 

 

 

 

開始時間になり、アリーナ内へ。

既に向こうは居て、一人目がボーデヴィッヒを指差し何か言っている。ボーデウィッヒの方は律儀に答え、両方から怒りの感情が振り撒かれる。一体何を言いあっているのやら。関係の無いことだからどうでもいいが、公衆の面前だということを忘れてないだろうか。

 

何とか一段落ついて、それぞれが戦闘準備に入る。

ボーデヴィッヒと自称男は無手で一人目は刀。

ボーデヴィッヒはまだ分かるが自称男も無手なのか。状況に応じて武装を呼び出そうとしているのだろうか。

銃を構えてボーデウィッヒの少し斜め後ろに下がり、開始を待つ。

 

 

開始の合図が鳴った瞬間、一人目が全力で突撃してくる。対象はボーデヴィッヒ。後ろからは目立たないように自称男が来る。

対してボーデヴィッヒは待ち構えている。停止結界で動きを止めるつもりだろう。

 

ああ、予想通りだ。予想以上に予想通りだ。もう後は考えていたように動けば良い。

 

 

俺は銃を捨ててブースターを全開にし、頭から突っ込んでいく。人間魚雷のような形だ。勿論目標は一人目。

ハイパーセンサーによって明後日の方向に行くこと無く、一人目と衝突する。お互いのSEが衝撃によって大きく減少する。

そのまま一人目の足を抱え込む。

 

途端、後ろから猛烈な殺気。そして放たれるレールカノン。

俺に向けて放たれたそれは、目的通りに着弾する。一人目をも巻き込んで。

俺が耐えられる訳がなく、SEが尽きる。一人目は残念ながら撃墜とまではいかないが寸前までSEが削れていることだろう。

 

ほぼ計算通りだ。後はボーデヴィッヒ一人で勝てるだろう。

 

今後どうなるかはその時考えるとして、俺は邪魔にならないように無茶な行動のおかげで痛む体を引きずりながら端まで行って座り込んだ。




TIPS:ISを装着していても大怪我をする可能性はある。この事を主人公は把握済みだ。
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