考えすぎて自滅した後。
タッグトーナメントについての問題は解決したため、相手が決まるまでは英気を養った。まあいつも通りということだ。
それまでの間、のほほんさんの機嫌が日に日に悪くなっていってしまっていたが何故なのか分からないのでそっとしておくことにした。
女性の機嫌が悪いときは不用意に首を突っ込んでは行けない。これは生まれた時から変わらない真理だ。
タッグ申請の締め切り日が過ぎ。
手には一枚の紙。
織斑先生が渡しに来てくれたこの紙にパートナーの名前が書かれている。
どこか遠い目をしていたが、中身を見てすぐに納得できた。
ラウラ・ボーデウィッヒ。
作為的なものとしか感じられなかった。問題児を詰め込みました、と言っているような気がする。
まあ、これを決めた人には感謝しよう。
大当たりだ。
私一人でやる。貴様は邪魔にならないようにただ見ておけ。
ダッグトーナメントでどのような方針をとるか話し合おうとしたらボーデウィッヒからはこんな言葉。
当然のことだ。
軍人と言うからには訓練を積んできているということだ。競技用の対等な勝負を目的としたものではなく、ひたすらに勝つためのものを。
その中には1対多の戦闘も含まれていることだろう。
しかし、絶対にやらない訓練が存在する。その重要性は計り知れないものだが、ISがISであるが故に意味をなさないものだ。
ISは世界に500足らずしか存在しない。
ISのコアは産みの親の篠ノ之束しか作れず、この人は現在逃走中だからだ。
ゆえにISというものは数がきかない。
その結果、ISを扱う人は自然と精鋭揃いになる。ならざるを得ない。素人に使わせるほど余っているわけではないのだから。
この事から一つの事実が見えてくる。
錬度があまりに低い味方との共闘を軍は想定していない。
この一点において、高慢ともとれてしまうボーデウィッヒの言葉は正当性を帯びてくる。
わざわざ連携をとるよりも、一人で戦ったほうが勝率は高い。
そういうことが言いたいのだろう。
その言葉に賛成したら、ボーデウィッヒは去り際に
動いても良いが、もし邪魔をしたら撃ち抜く
そう言った。
素晴らしいな。ラウラ・ボーデヴィッヒ。実に俺好みのことを言ってくれる。
本当に、大当たりだ。
トーナメントの日。
その頃にはのほほんさんの機嫌の悪さも鳴りを潜めてきた。
一緒に観ようと約束し、応援していると言い合いトーナメント表を見る。
そういえば小声で仕方ないかと言っていたがなんのことだったのだろうか。
トーナメント表を見た俺は思わず目を覆った。
第一試合。しかも対戦相手は一人目と自称男。
もしランダムに決めたとしてもやり直しておけよ。クライマックスには早すぎるだろ。
TIPS:一人目は織斑一夏である