ガールズ&レイバー   作:恵美押勝

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ど〜も恵美押勝です。今回は完全オリジナルストーリーです。4話でみほとナカジマが知り合ってる描写がありましたよね?気になってた方も多かったはず。あとは言わなくてもわかると思うので本編どうぞ!


こちら大洗女学園自動車部part1

 突然だけど私の名前はナカジマ、大洗女学園自動車部3年生だ。自動車部と言うからには自動車をいじる部活だと誰もが思うだろう、私だって入部する前はそう思っていたし入部してこの2年も自動車をいじってたので信じて疑わなかった。あの時までは…

西住みほが転校する2週間前、生徒会に呼ばれ生徒会室に来ていた。ノックして入室すると相変わらず薄暗い部屋に唯一の後輩であるツチヤがいた。全員が揃うのを確認した杏は椅子をこちらに向けて口を開く

「やぁやぁ自動車部の諸君、いきなり呼び出してごめんね」

「それは構いませんけど、どのようなご用件で?理事長の車を改造して欲しいとかそんなんじゃないでしょ?」とナカジマが答える

「うん、今日呼び出したのは他でもない。来週からこの学校特車道を復活させる事になったのよ」

「…特車道ですか」

「しかしそれが私達自動車部と何の関係が?」

「それが大アリなんだよね、君らには再来週から特車道に関するサポートを頼みたいんだ。」

「お言葉ですが私達は自動車が専門でレイバーの知識は多少ありますが触ったことは一度もありません」

「…斯波シゲル」

斯波シゲルと言うのは自動車部の顧問のことである

「私達の顧問が何か?」

「斯波シゲル先生はあの特車二課の整備班班長を務めた斯波シゲオの息子なんだよ、つまりレイバーの専門家ってワケ。事情はシゲル先生にはもう話してあるからさ。この2週間でレイバーの整備に関するイロハを叩き込んでもらってね、てな訳でよろしく〜」

そう言うと椅子を回転させ背中を向けた、質問などする間も無く桃に追い出されたのであった。生徒会室を追い出されしばらく歩くとツチヤが尋ねてきた

「ナカジマ先輩どうする?」

「ん〜生徒会長の命令じゃ逆らう訳にもいかないしね、それに報酬も弾むみたいだし」

ナカジマが手に持ってた紙をツチヤに見せる。そこには『特車道の物理的支援をしてる間は貴部活動の経費などは生徒会で支払う』と書かれてあった

「んじゃつまりレイバーいじってる間は車とかは弄り放題だと」

「そう言うこと、まぁまずはホシノ達にも話さなきゃいけないんだけどさ」

そして彼女達はレイバーが収納してあるハンガーの隣のハンガーに到着する、中にはホシノ、スズキがいた。

「お〜いホシノ〜」ナカジマは呼びながらホシノの元へと駆け寄る

「なんだナカジ…いや言いたいことは分かった。特車道のことでしょ」

「凄い、よく分かったね」

「既にシゲル先生から話は聞いたからな」

「んでシゲル先生は?」

「すぐ戻るってどっかに行った」

噂をすればなんとやら、ハンガーの裏口からシゲルがやってくる

「よっ!ナカジマ達!」

ナカジマはシゲルの姿を見て驚いた何時ものオレンジのつなぎではなく薄い水色のような服を着ていた。

「シゲル先生どうしたんですかその格好」

「ん、これな俺が特車二課で働いていた時の制服、いや〜久しぶりにレイバー弄れるって杏から聞いたからもう嬉しくなっちゃってさ、つい家から持ってきちゃったのよ」

「じゃあ本当にレイバーを整備するんですか?」とホシノが聞く

「そうそう、んまぁそんな心配しなさんな。レイバーなんて自動車にちょいと毛が生えた程度だからさ、2週間これから毎日みっちり教えてやる。それじゃ早速始めようか。」

こうして2週間に渡りレイバーに関する構造や整備方法果ては特車二課での経験などを叩き込まれたのであった

最終日の帰り道ナカジマ達はツチヤに誘われてファミレスに寄っていた

それぞれが注文し終わるとツチヤが口を開く

「ねぇナカジマ先輩、明日からレイバー弄る訳だけどさ自信ある?」

「んまぁそれなりの自信はあるよね、本体に関してだけどさ。コンピューター関係はイマイチ自信がないや」そうため息を吐くとホシノも続いて話す

「シゲル先生『レイバーは車に毛が生えた程度』とか言ってたけど全然違ったわ…初期のレイバーはまだ自動車の知識でなんとかなるけどイングラムとかが出始めた辺りのレイバーは理解するのにめっちゃ時間かかった…」

そう話すと注文した料理が届く。食べ終わり暫くの沈黙の後ツチヤが手を叩いた

「そういや先輩達知ってます?2年生に転校生来たんすけどどうやらその転校生あの“西住流”の妹さんらしいんすよ」

そう言うとスズキが納得したようにポンと手を叩く

「成る程、それで会長は特車道を復活させようとしたのか。ウチの学校なんもないからな〜随分前はバレー部がぶいぶい言わせてたらしいけど今じゃ廃部だしね、せめて特車道で有名になればって魂胆かな」

「何れにせよ明日からレイバーを大量に弄る事になるんだし今日は早めにお開きにするってことで」

この日はいつもより早めに解散し帰路についた

 

翌日 午後 ハンガー内

ナカジマ達がいつものようにハンガー内で自動車を整備してると桃からレイバーを発見したので回収するようにとの電話が来た。4人は手分けしてキャリアで回収に向かった。作業は夕方までかかった、キャリアからレイバーを下ろすと早速整備に入る。まずはモーターなどで動くタイプのレイバーの電源を入れる、電源が立ち上がりペダルを踏み軽く足踏みする。これでオートバランスとアクチューターがイカれてないことを確かめる、油圧式で動くレイバーは動かす前に油をさし同様に確認する。他にも火器コントロールの調整、通信系統の感度などを確認したがここでは割愛させてもらう。全ての作業が終わる頃には夜9時になっていた、最終チェックとしてシゲルが確認する。全てのレイバーの確認を終えるとシゲルは全員を集めた

「今日はご苦労、どうだ初めてレイバーを弄った感想は」

「物凄く難しかったんですけど…最初に自動車を整備した時に感じた興奮を思い出しました」とナカジマは答える

「2週間の詰め込み特訓とはいえお前らはよくやったよ、あんなボロボロだったレイバーが新品の様になってら。やっぱりお前達は天才だよ」

そう褒められると思わず口がにやける

「時代が時代なら特車二課にスカウトしたかったよ全く…さてと、可愛い教え子達が初陣でこんなにもいい仕事をしてくれたんだしこれはご褒美が必要だわな」

「え、え、ご褒美って何先生!?」

「今日は晩飯ご馳走してやる!いい中華料理の店があんだよそこに連れってやるわ!」

それを聞くと4人は飛び上がって喜んだ、こうして彼女らは遠慮なくご馳走になり後から「財布がペッラペラ」とぶつくさ言うシゲルに睨まれるのは言うまでもなかった

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翌朝、西住達が模擬戦を行うのをしっかりと彼女達は見届けた、無論整備が完璧だったか確認する為でもあるがレイバー同士の戦いを見たいと言うのが本音である。試合中ナカジマは双眼鏡でエコノミーに目をやる

「あのエコノミー動きいいね、整備した甲斐があるってもんだよ」

「先輩、あれ西住先輩が乗ってるやつです」

「やっぱ経験者は強いな〜あんな追いつめられた状況からよく立て直せるもんだわ。ん、凄いな連続で何機も倒しちゃった」

感心してるとあっという間に試合が終わった。と同時にシゲルから電話が入る

『よ〜し、今から回収するぞ。回収時に車長にデータの保存をするためにディスケットをもらうと言っておいてくれ』

『分かりました』

こうして動けなくなったレイバーを回収してハンガー内に置く。まずはペイント弾を落とす作業から入る、それからバッテリーを外し充電する。関節系統はそこまで使用してないので今回はなし。データの保存はコンピューターに比較的強いスズキに任せることにした。作業が終わりナカジマはエコノミーの前に立ち見上げていた。この巨大な機械をあんな大人しそうな子が巧みに動かしてるそのギャップを噛み締めていたのだ、整備士としてこのレイバーがあの子と一緒ならどこまでいけるかが今からでも楽しみだと思ったそこにみほがやって来る

「あの…」

「ん、西住さんか。どうしたの」

「あと、えっと…」

「あぁ自己紹介が遅れたね、私はナカジマ。自動車部の部長をやらせてもらってるよ」

「ナカジマさんですか、整備ありがとうございます」

「い〜のい〜の趣味の発展みたいなもんだし、それで何か用?」

「え〜とエコノミーの中にちょっと忘れ物しちゃって…」

そう言うとみほは駆け足で階段を上がりエコノミーのハッチへと向かう、3分すると戻ってきた。二人はハンガーから出て鍵をかける。ナカジマはみほという少女に興味があった、それ故に声をかける

「西住さんに聞きたいんだけどさ、西住さんにとって特車道ってどんな感じなの?」

このような質問をしたのには理由がある。講習中に西住流と言う名前を何回も聞きどのような流派なのか具体的に知りたくネット検索すると第62回特車道全国大会をまとめたサイトに出会った。そこでナカジマは知ったのだ黒森峰と言う強豪校の副隊長西住みほと言う選手がレイバーから川に飛び込み救助活動を行なった事を。そのサイトを見てナカジマは疑問を抱いたのだ、西住流と言う看板を背負い「試合に犠牲はつきもの」と言う西住流の教えに反した結果負けてしまう、試合の後様々な辛い目に合わされたのはナカジマでも容易に想像できた。それで特車道がないウチに転校してくるのも納得出来る、しかし分からないのは彼女が再び特車道を始めた事だ。トラウマを負いながら何故またトラウマの原因である特車道に帰ったのかがいくら考えても分からない。ひょっとして嫌々やらされてるのではないかと言う悪い予想も浮かぶ、もしそうならそのような感情で機械に触れられるのはナカジマにとっては御免被りたいことだった。負のエネルギーによって動かされる機械が不憫でならない、そう思った。故にナカジマは聞きたかったのだ西住みほと言う少女がどのような思いをしてレイバーを動かしているのかを。

 

「…難しい質問ですね私にとって特車道は人生と言うべきか、なんの取り柄もない私が唯一誇れるもの、私を私でいたらしめてるものそれが特車道なんです。でもそこから私は逃げ出した、自分と言う存在を消したかったんだと思います。」

「逃げ出したのにまた続けたのはなんで?また自分と言うものを手に入れたかったから?」

「いいえそう言うのでは無いんです…守らなきゃいけないものが出来たんです。」

「守りたいもの、その為に戦うって感じかな?なんかヒーローみたいだね」

「ヒーローと呼ばれると少し恥ずかしいですけど私は自分自身の存在価値を見せ自分を守る為にレイバーを動かしていたけど今は違うんです。守りたい人の為にレイバーを動かす、今も私にとって特車道はそう言うものなんです」

ナカジマはみほの答えを聞きハッとした、嫌々やらされてるのではないかと思った自分が恥ずかしくなったきた。嫌々だって?とんでもないこの子は自分の意思でレイバーに乗って戦っている。その小柄な身体に収まりきらないほどの熱意がそこにあるのを感じた、この子ならどんな機械でも100%の性能を出せる。機械を動かすのは本人の技術だが一番大切なのは機械自身に愛されることだ、この子は機械に愛される人間だとそう直感で見抜いた。

そう思考にふけり黙っているとみほが自分が出過ぎた事を言ったのではないかと謝ってきた。それに自分は精一杯の笑顔で答える

「謝る必要なんかないよ。西住さん、私このエコノミーを精一杯整備して100%以上の力を出せるようにするからさ西住さんはガンガン使って守りたいものの為に戦ってよ。そのための整備班なんだからさ」

「ナカジマさん…ありがとうございます!」

人の決意には決意を持って答えなければならない。ナカジマは今この場でみほが目指す特車道の為に己の持てる技術を全て使い支援する事を心の中で誓ったのであった。

 

 

 

 

 




さて、今回はここまで。この話は次回で終わりにし再び話は本編の時間軸に戻したいと思います
それではありがとうございました!
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