それでは本編をどうぞ!
電柱にぶつけた額を摩りながら歩くこと10分、みほが通う学校「大洗女学園」の校門が見えた。時間に余裕がある登校だ、少し眠いし教室に入ってから寝ようそう思いながら自分の教室へと入っていった。教室には既に数人がいた、しかし彼女らはみほの存在に気づかず彼女自身も声をかけることが出来なかった。
__西住みほは転校生である、諸事情により熊本からここに来た。転校生と言うものは最初こそチヤホヤされるがある程度時間が経つと「転校生」と言うラベルの効果が無くなってしまうのだ。良くも悪くも特徴がない彼女はそのラベルの効果がある間に自ら声をかけたり友達を作ろうとしなかった...いや出来なかったのである、人と話すのが極度に苦手な彼女は他人の受け答えが精一杯なのだ、ましてや自ら声をかけようなんてとてもじゃないが出来やしなかった.
ともかく彼女は1人も気づかれることなくホームルームの時間まで寝ていた、目が覚めたのはホームルームを告げるチャイムが鳴ってからだった。眠気も取れ彼女はこれから始まる授業に身構える。授業が始まりノートにカリカリと書き、黒板を見てまたノートにカリカリと書く。こんなことを何十回してる内にあっと言うまに時間は流れもう昼休みの時間である。回りの人達は既に食堂に大急ぎで行っている、急がなければ食堂で待ちぼうけしてしまうそう思い急いで椅子から立ち上がろうとしたがこれがいけなかった。前にも言ったが彼女は「超」が付くほどのうっかり屋である膝が机の下にぶつかりその反動で上に置いていたペンが落ちてしまった、慌てて拾おうとするが不運は重なるもので今度は頭をぶつけペンケースが派手な音を立てて中身をぶち撒けた。『もう嫌になっちゃうよ....』彼女は心の中で呟きながら一つずつ拾った、全て拾いこれから食堂に行こうとした時突然何処からか声がした
「ヘイ彼女!お昼一緒にどう?」
辺りをキョロキョロと見回すとそこに淡い茶色の少女と黒い長髪の少女が立っていた。みほは信じられなかった、彼女の名前は知ってる「武部沙織」と「五十鈴華」だ。だがどうして彼女らは自分なんかに声をかけたのだろうか、今まで面識らしいものは無かった筈だ。そう思考がグルグル回転し声にならない声が出たところで華が口を開けた
「ほら沙織さん、西住さんびっくりしてるじゃないですか」
「あぁ、いきなり声をかけてごめんね西住さん」
「改めて私たちと一緒にお昼どうですか?」
何故だ、何故自分なんかと昼ごはんを食べたいのか。その考えが思わず声に出てしまう
「あの...私なんかとですか..,!?」
震えながら出した声に彼女らは優しく微笑みながら頷いてくれた。
大洗女学園 食堂
幸いにして食堂はそこまで混んでおらず食券を買い並んだ、その間に沙織が「ナンパしちゃった」と笑いながら言った。
「私達一度西住さんとお話ししてみたかったんです」
「え、そうなんですか?」
「なんか西住さんいつもあわあわしてて面白いんだもん」
....「面白い」初めてこの地で受けた人からの評価が「面白い」とは....みほは困惑したがなんだかおかしな気分になり笑った
沙織はハッとしたような顔で自己紹介したが生憎彼女は2人の名前、誕生日を知っていた。こんなことがあろうかと入学前に名簿を全て暗記していたのだ。しかしまさか役に立つときが来るとは彼女自身予想できなかった、その話を聞くと沙織は「やっぱり西住さんは面白いよね」と言いこう付け加えた
「そうだ、いつまでも西住さんではアレですし名前で呼んでいいかな?」
「『みほ』って」
この地に来てから初めて名前を呼ばれた、今まで友達に縁がなかった自分が名前で呼ばれた。まるで友達が出来たかのようだ、彼女は歓喜し目の前に配膳されたサバ味噌に定食をまるでバレエを踊るが如く運ぼうとしてこけそうになった。やはり彼女のうっかり屋は死んでも治りそうにない
適当なテーブルに付きご飯を食べ始める
「良かった、友達が出来て。私大洗には1人で来たから」とみほは言うそれに対してすかさず沙織が
「ま、人生色々あるよね〜三角関係とか泥沼の争いとか恋人に振られるとか」
何故か恋愛の話ばかりであるがみほは苦笑いしてスルーした
今度は華が
「ご家族に不幸とか?骨肉の争いとか遺産相続とか」
ドラマの見過ぎである、彼女の家はややこしいが決してそんなヤクザな家系ではない
「そう言うわけでもないんだけどね」
そう言いお茶を濁すと沙織が親の転勤関係かと聞いてきた。
親...その単語を聞いた瞬間みほは急に黙り込んでしまった。一気に空気が重くなる。
しまった、触れてはいけないワードに触れてしまった。そう察した沙織達はは話題を変え空気を戻した
_______生徒会室
みほ達が昼食を済ませてる間電気が消されて太陽の光しかない薄暗い部屋に3人居た。ここは生徒会室、そして彼女らは生徒会員である。ここでの生徒会の権力は恐ろしいまで強力で学園艦の形式上のトップで理事長よりも強いとの噂が絶えない。そんな生徒会のトップ、生徒会長である角谷杏は副会長の小山柚子から怪訝の声で質問を受けていた
「それは一瞬の情報操作なのでは…」
「大丈夫大丈夫」と杏は呑気な声で答える。
それに対して広報の河嶋桃は直ぐに取り掛かると答えた。
彼女らは早速生徒会室から出て目標の地へと向かった。
生徒会室は静寂に包まれた
みほの教室
昼飯を食べ終わり彼女らは雑談していた。沙織がモテて困ってると言うこと(華曰くそれはないと言うことである)そんな風にモテるのは沙織がフレンドリーだからだとみほは本心で褒めた。沙織は彼女とはまるで真逆のような人物だと思ったからである、そうやって話してく内に昼休みの終わりが近づいてきた。名残惜しいが一旦これにてお開き…と思った矢先に自分を呼ぶ声が聞こえた
「やぁ西住ちゃん」
入り口を見ると3人組の少女が見えた。真ん中にいるツインテールの少女が自分の事を呼んだのだろうかこのツインテールの少女は誰だ?何故自分を知ってる?困惑してる彼女に沙織が彼女らは生徒会で呼んだのは生徒会長であると耳打ちしてくれた
その生徒会長が自分の席に近づきこう言ってきた
「必修選択科目なんだけどさ、特車道取ってね。んじゃ宜しく」
特車道…みほはビクビクと震え冷や汗を流し震えながら訪ねた
「この学校には特車道はないはずじゃ…私特車道が嫌でこの学校に転校して来たんですけど…」
すると桃が今年から復活したと残酷な真実を告げた。
「必修選択科目は自由の筈じゃ…」そんな彼女の悲痛な声を遮るように杏はとにかく頼んだわと言ってそのまま帰ってしまった。
はい!今回は杏がみほに選択科目を迫るところでお終いとさせて頂きます!次回は特車道についての本格的な説明、そしてみほがレイバーを見つける所まで進めたいと思います。それではご視聴ありがとうございました!