それでは本編どうぞ!
雲一つない晴天の日、トレビの泉を模した泉の周辺に女子高生が集まっていた。ここはアンツィオ高校
泉の近くには階段があり階段の上には3人の生徒、下には大多数の生徒がいる。ツインテールでマントを羽織った生徒が前に出てキリッとした表情で下を見下ろす、そして手に持った鞭を前に出して喋り始めた
「…きっと奴らは言ってる『アンツィオはノリと勢いだけはある、調子に乗られると手強い』とな」
「強いって、なんか照れるな」
「だけどドゥーチェ、“だけ”って何すか?引っかかるなぁ」
ドゥーチェと呼ばれた生徒の発言に様々な反応をしてくる生徒、その反応を待ってましたと言わんばかりに不敵な笑みを浮かべ話を続ける
「つまりだ、裏を返せば『調子に乗ることしか能がない、そこさえ崩せばこっちのもん』と言う訳だ」
「何だって!?」
「舐めやがって!レイバーでカチコミ行きましょうよ!」
最初に笑ったと思えば今度は怒りコロコロ感情が変わる生徒たちである、いきりたった群集を上にいる二人の生徒がたしなめる
「みんな落ち着いて、これは想像の話だから」
「そうだ、あくまでもドゥーチェによる冷静な考察だ」
黄色の髪の生徒と
「ありがとうカルパッチョ、ペパロニ。そうだ、今の話は私の想像だ、だがもしそんな輩がいるのなら言わせたい奴には言わせておけばいい。何もノリは悪いことではないのだから。
お前らちょっと思い出してほしい私達はあのマジノ女学園に勝ったんだぞ」
「結構苦戦しましたどね…」
「それでも勝ちは勝ちだ」
「そう、私達は決して弱くない。次の相手は西住流がいる大洗女子学園だが一度乗ったノリを崩すのはそう容易いことではない。たが決して忘れるなよ、ノリと勢いと言うのは普段の練習に反映されると言うことを」
「そうは言っても西住流ってめちゃくちゃ強いんですよね?勝てますかねぇ?」
生徒の不安げな疑問にドゥーチェと呼ばれる生徒がドヤ顔を決めながら答える
「心配するな…いやちょっとはしろよ?何のために1日3回のおやつを一回に減らしてコツコツ貯金してきたと思う?」
「そういや何ででしたっけ?」
「レイバーと新兵器を買うためだよ!」
咳払いをし再度鞭を前に出した、それが合図なのか横のいるカルパッチョとペパロニが生徒達の後ろに行く、その動きに釣られ生徒たちが後ろを振り向くとそこには大きな物体がシーツをかけられて存在している
「ドゥーチェこれなんですか?」
「見て驚け!これがアンツィオの必殺秘密兵器だ!」
いよいよシーツが剥がされその全貌が明らかになろうとしたその時、昼休みを告げるチャイムが鳴った。それを聞いた生徒達は一斉に食堂の方へ走り出す
「おいお前ら、秘密兵器だぞ!?見ろよ!」
「今の時間食堂めっちゃ混むんで!」
「練習の時に見させて貰います!
あっという間3人だけが取り残されドゥーチェことアンチョビは途方にくれて肩を落とした
「んまぁ…自分の気持ちに素直が子が多いのはこの学校のいいところなんだけどさ。」
そして深くため息をつきこうこぼした
「…新しいレイバー見て欲しかったなぁ」
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大洗女子学園 生徒会室
いつもは人がいても薄暗いことが多い生徒会室だが今日は明かりを全部つけていた。何故ら今日はアンツィオ戦の作戦会議と言うことであんこうチームを招いたからだ
「…さて次の相手はアンツィオ高校だ」
「質問!アンツィオ高校ってどんなところですか!?」
「アンツィオはイタリア人が理事長でねぇ、イタリア一色の学校だよ。あそこの鉄板ナポリタンは美味いよ?でも鉄板ナポリタンって名古屋名物なんだけどさ」
「そんな学校だから使ってるレイバーもイタリア産のが多い、前回の試合では“ナディ”、“ガンバルギーニ”が確認されている」
「ナディですか、私大好きです。小さくてコロコロしててお花を生ける花器にしたいくらい」
「いや花器にしては大きいよ華…ラフレシアでもいけるの?」
「しかしそいつらってスポーツタイプのレイバーだろ?どう戦ったんだ?」
「どうやら購入した22mmチェーンガンを装備させたらしい、先のマジノ戦ではナディやガンバルギーニを使いフラッグ車をあぶり出しハンニバルを使用して叩いたそうだ」
「自衛隊のレイバーも所有してるのか…イタリア産のレイバーだけだど思った」
「イタリア産のレイバーは少ないからね、他の国のレイバーに頼らなきゃいけないのも仕方ないよ。聖グロだって使ってたのは国産レイバーばかりだったしね」
「そう言えば西住、あそこは新型レイバーを購入したらしいがそれについての情報はあるか?」
「まだ分からないですね…」
「一回戦では出てなかったからね」
「奴さんにとっては秘密兵器みたいなもんだからね、まぁいいや。ウチにはジェームズボンドがいるし」
「…ジェームズボンド?」
みほ達が首を傾げてるとバンと勢いよく扉が開かれる
「どうも!ただいま戻りました秋山優花里です!」
「おっ帰り〜ボンド君」
「…ボンド君ってスパイ映画じゃないんですから会長」
「…ん?ゆかりんその格好はひょっとして?」
優花里の格好は何時ぞやかのコンビニの制服を着ていた、これが意味を表すことはただ一つ
「優花里さん、ひょっとするとまた?」
「はい!偵察任務に行ってまいりました!」
「そ、私が秋山ちゃんに頼んだんだよ」
「あの時携帯を弄ってたのはそう言うことだったんですか」
「まぁね、んじゃ秋山ちゃん。ブツを出しちゃって、再生機器準備するから」
取り出したSDカードを再生機器にセットし、画面に映像が映り始めた
_____
「はい、私は今アンツィオ高に潜入してます。今回も安全信頼のコンビニ船を利用してやって来ました!それにしても凄く賑やかですねぇ、今日は文化祭とかの日なんでしょうか?」
当たり一面に所狭しと出店が並んでおり大洗の方では文化祭以外まず見かけない光景だった。優花里はその辺にいた生徒に話を聞くことにする
「すいません、私転校してきたばかりであんまり詳しくないのですが今日は何かの日ですか?」
「んにゃ、今日は普通の日だよ」
「普通の日でこの賑わいようですか!?」
「部活とか委員会とかが主催して出店やってんだよ、んでここで稼いだ金を予算に当てるってわけ。ここでの売り上げ結構バカにならないんだよ」
「成る程…オススメの店とかありますか?」
「あぁ、あの店だよ」
生徒が指差した先にはレイバーと思われる形をした看板がある店だった
「あそこの鉄板ナポリタンはマジで美味いよ、あれ食いに来る一般客もいるからな」
「分かりました!それじゃ食べてみますね!ありがとうございました!」
生徒と別れ店を映した後優花里はカメラを自身へと向ける
「あれの看板のモデルはガンバルギーニですね確か1回戦で出たことのあるレイバーの筈です、ひょっとしたらあそこに特車道関係の生徒が居るかもしれません!」
優花里は店へと赴き取り敢えず注文することにした
「すいません、鉄板ナポリタン並一つお願いします」
「あいよ!ん?オメェ見ない顔だな?」
「転校してきたばかりなんですよ、クランシーって言います」
クランシーと言うのは彼女がカバさんチームから付けてもらった渾名である
「ふ〜んクランシーか、アタシはペパロニってんだ。よろしくな」
そう言ってる合間に鉄板ナポリタンは出来上がってた
「何時もは300万リラだけど今日は初回と言うことでサービスしてやる!250万リラだ!」
「250万ですか!?いつの時代のレートですか…!」
「いや250円な?」
「多分そのネタ通じるの大阪の人だけなような気がします…」
「マジか、ウチらじゃ鉄板ジョークなんだけどな。鉄板ナポリタンだけに」
オヤジギャグに優花里は苦笑いする事しか出来ず商品を受け取る
「そう言えば私特車道に興味があって、最近新しいレイバーを購入したって聞いたんですけど…」
と言った瞬間急にペパロニの顔が険しくなる。しまった聞くのが早すぎたか、優花里は一瞬焦るがそれは杞憂であった
「オメェ通だねぇ!そうそう新しいレイバー買ったんだよ!警察用レイバー買ったんだよ!聞いて驚け!えぇと…イングラム…」
「イングラム買ったんですか!?あの大会仕様でも高額なレイバーを!?」
「いや確かイングラムって前になんか名前がついた気がする…プロ野球じゃなくてプロ…プロレス…」
「プロトタイプイングラムですか!」
「それだそれ!いやぁウチらそれを気が遠くなるほど貯金してさようやく買えたんだよ!アンチョビ姐さん…あぁウチの隊長が一番喜んじゃって一日中コロッセオで動き回ってんだよ、バッテリーの電気代もヤベェのにな」
「隊長さんは今日もコロッセオにいますかね?」
「多分居ると思うぜ、興味あるなら見ていけよ」
「そうしましょうかね」
聞きたい情報も聞けたと同時にナポリタンも食べ終わったので長居は無用だ、さっさとずらかりコロッセオへ向かい現物を拝むことにする
「ご馳走様でした!」
「ほいよ、んじゃ楽しんでこいよ〜!」
コロッセオには既に人で一杯だった、上を見上げると確かにプロトタイプイングラムが立っていた。周辺の生徒が写真を撮りまくりそれに応えるかのようにポーズを決める、一しきり終わった後外部スピーカーの電源が入る音がした
『これがアンツィオの秘密兵器プロトタイプイングラムだ!これがあれば大洗は軽く一捻りだが念には念をだ!新しい武器も手に入れた!出よガンバルギーニ!』
そして高級車に手足を付けたようなレイバー、ガンバルギーニが出てきた。だが一つだけ違うのは車体の先端に何やら砲の様なものが付属してる事だ
『新しい武器とは…それは107mmカノン砲だ!コイツは強力なビーム兵器で当たればどんなレイバーもイチコロだぞ!想像してみろ早さで負けを知らないガンバルギーニが颯爽と戦場を駆け巡りカノン砲をぶっ放しながら敵をバッタバッタと華麗に敵を撃ち抜いてく姿を!』
この啖呵に周りの生徒が一気に湧き上がる
「ドゥーチェ最高です!」
「よっ!隊長!」
そしてプロトタイプ、ガンバルギーニが決めポーズを取ると熱狂は最高点の達しドゥーチェと叫ぶコールが始まった。
「凄い熱狂ですね…!以上秋山優花里がお送りしました!」
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映像が終わり干し芋を食べながら杏が呟く
「こりゃ2回戦も手強い相手だねぇ」
「手強いなんてもんじゃありませんよ会長!」
「プロトタイプイングラムって要はイングラムとほぼ同性能の機体って事でしょ?めっちゃ強そう…」
「それも手強いですが問題はガンバルギーニです、1回戦まではチェーンガンしか装備しておりそれもかなりの強さを誇るものでしたがそれにカノン砲が加わったことで更に脅威が増しました」
「これで分かったのは2回戦は相手は機動力を生かした戦法を取ってくる可能性が高いということ、それについての練習をしなきゃいけないけど…」
「けどどうしたんすか西住殿?」
「プロトタイプイングラムとかガンバルギーニなんかは初めて見たの、特に後者は特車道の試合で用いられるなんて思いもしなかったから…」
「こりゃもう少し作戦練らなきゃいけないなぁ…あ、そうだ。西住ちゃん」
「?」
「蛇の道は蛇って言葉知ってるかな?」
その意味自体は知ってるがここで使う意味が彼女には分からなかった。ただ分かるのは杏がまた何かを企んでそうな笑顔をしてると言うだけだ
翌日、みほは地図を頼るにとある場所へと向かって行った。そして目的地周辺へとたどり着いたのだが確信が持てず当たりを一面キョロキョロする
「…ここかなぁ?」
目の前に見えたのは江戸時代辺りにでもありそうな瓦屋根の家であった、表札を見ると「エルヴィン、カエサル、おりょう、左衛門佐」と書かれてる
(カバさんチームのみんなこんな所でもソウルネームなんだ)
徹底ぶりに感心し門を潜る
「こんにちは〜」
「お、西住さんか。いらっしゃい」
「こんにちはカエサルさん。…そこにあるのは?」
みほは球体の物体に目が止まった
「あぁ、これね。これはすんごい昔ゲームセンターに『パトレイバー』ってリアルシュミレーションゲームがあってね。その台さ」
「ゲームを買ったんですか?」
「う〜んと言うより練習の為だね、このゲームは物凄くレイバーの操縦席を再現しててさ、んまぁサムソン用に少し手は加えてあんだけど。操縦練習にはもってこいの代物なんだ」
「成る程、それにしてもこんな大きいの何処で…?」
「クランシー…いや秋山さんに操縦の練習にいい方法はないかって聞いたられいゔぁ〜倶楽部って店にそれがあるから使ってみたらどうだって言われてさ。やってみたらそれがよくってね、何回もやるうちに店の人から『お嬢ちゃんそんなに気に入ったんだら買ってみるかい?月3000円12ヶ月ローンでいいよ』って言われたから思い切って買うことにしたんだ」
「そんな安くて良かったんですか!?」
「うん、店の人曰く古いゲームでもうやる人も少ないし最近調子悪くてそろそろ新しい中古品を買おうかなって…さて立ち話もなんだし入って入って冷たいの何か出すから」
家に入るとおりょうが冷たいお茶を持ってこてくれた。全員がテーブルに座ったところでエルヴィンが話し出す
「会長から話は聞いてる、イタリア系レイバーの性能を知りたいんだって?」
「はい、学校の図書館にはレイバーの図鑑はあっても解説本みたいのはないけど歴史好きなカバさんチームの人達ならばうってつけの資料が持ってるって会長が」
「蛇の道は蛇かぁ、面白いこと言ってくれるなあの会長」
「てな訳でイタリア系のレイバーのカタログを持ってきた、こんぐらいしかないけどね」
とカエサルが床に置いてあった本の束を机の上に乗ってる
「こんなに沢山…でも全部イタリア語ですね、辞書でも持ってくるんだった」
「なぁに心配ない、私はラテン語とイタリア語は読めるからな」
「え、カエサルってそんな言葉喋れたんぜよ!?」
「そのくらい常識だろ」
「常識じゃないぞ…なぁエルヴィン」
「確かに私はラテン語は話せないがドイツ語ならば…!」
「張り合うとこなんですかそこ!?」
とみほのツッコミが炸裂する中カエサルは黙々とカタログを和訳していた
「…よし、とりまこんなもんかな」
「凄いもう終わっちゃったんですか」
「カタログスペックを書き抜くだけだから簡単簡単、まぁ友達がアンツィオに居るからそっちに聞いた方が早いっちゃ早いんだけどさ」
「そんな友達いたぜよ?」
「初耳だな、聞いてしまえば良かったものを」
「いや、友達だからこそこう言うのは聞かないでおきたいんだ。質問するのは容易いことだけどまるで利用してるようだしさ」
「成る程、友達は友達、ライバルはライバルということでござるか」
「そんなとこかな、試合で出来れば一戦交えたいなぁ。難しいとは思うけどさ」
「そう言えば西住隊長、プロトタイプイングラムの方は大丈夫なのか?」
「それに関しては昨日優花里さんから資料を頂いたので大丈夫です」
「クランシーからか、あいつ私達よりレイバーに詳しいからな
…じゃあ資料は明日学校で渡すよ」
「はい、それじゃお手数をお掛けしましが宜しくお願いします!」
みほが資料集めに行ってる時生徒会は生徒会でとある活動をしていた。
発見した96式改を割り振る為にとある場所に行っていた
「…それで会長さん、今日はどう言う用件ですか?」
「うん、今日から園ちゃん、金春ちゃん、後藤ちゃんには特車道に参加してもらって96式改ってレイバーに乗って欲しいんだ」
「えぇっ!私達がレイバーに!?」
「君達3人組で仲がいいから特車道にピッタリだと思ってね」
「それだけの理由で…せっかくのお話ですが私達も何かと…」
「参加してくれたら風紀委員の予算15%増やすよ」
この時一緒にいた柚子は「相変わらずこの人はお金で揺さぶりかけてる」と内心苦笑してたという
予算増額というメリットはあるとは言えいきなりの提案にそう簡単に肯けるものではない。両者の間に暫し沈黙が流れる
「んまぁそう簡単に結論は出ないよね、もし参加してくれると言うならいつでもハンガーに来てよ。レイバー磨いて待ってるからさ」
さてと、と言い杏達は部屋から出る。
次に彼女達はまたとある場所へと向かった、発見したレイバーの回収作業を確認する為である。発見した場所から少しずれた場所、搬入口へと到着するとアトラスに似た背格好の作業用レイバー“ヘラクレス21”がワイヤーらしきものを引っ張ってるのが見えた。その傍らには既に灰色のレイバー“レーア”が横たわっていた。杏達は穴を覗き回収作業中のナカジマを見つけ声をかけた
「お〜いナカジマちゃ〜ん!!」
「あ、会長!どうしたんです!?」
「いや進捗状況聞きに来たんだよ、見た感じ結構早く進んでる感じだねぇ」
「これも彼女達のおかげですよ!」
例のサメ事件の一件で脅かしたお銀達は処罰と言うことでこの回収作業に強制的に参加させられていたのだ、彼女達は船舶科の生徒、比較的操作が難しい水中用レイバーを操縦してる彼女らにとって作業用レイバーはどうってことない物だった
「でも回収しても直ぐには使えませんよ〜!めっちゃくちゃ壊れてるんで!」
「なに〜!?お前ら徹夜で修理しろ〜!」
「そりゃ無理ってもんですよ、レーアはまだ簡単そうだけどこのガネーシャはじっくり手をかけてやらないと。相当問題児ですよこの子は」
「だってさ、かーしま諦めな。自動車部がああ言ってるんだ」
「会長〜!一つお願いがあるんですけど!」
「な〜に〜!?」
「この子直したら私達を乗せてくださいよ、こりゃ私達みたいにレイバーに熟知してないと無理な代物です!」
「あいよ、分かった。んじゃ引き続き宜しくね〜」
するべきことを終え杏達は生徒会室に戻っていた
「…さ〜てこれで3両のレイバーの内2輌は捌けたね」
「しかし会長残り1輌はどうしますか?」
「それはもうこれから入ってくる物好きにかけるしかないね、もう頼れるツテはないしお金で揺さぶろうにももうその金もないしねぇ」
「また会長そんな事言って…私知ってるんですよ?会長がお金の話を出すのは自身が認めた人だけだって」
「小山…気付いてたのか。そりゃそうさ、金をチラつかせれば大抵の人は参加はしてくれるだろうさ。だからって誰でも良いわけじゃない、私はlight staff を求めてるんだ、自動車部は持ち前の知識、技術。風紀委員は3人のコンビーネーション力、光る原石なんだよ彼女達は」
後日 9時 校庭
校庭に置かれたテーブルの上にみほやカエサルが集めた資料が置かれている、杏はそれらを一読し話し始めた
「…という訳で西住ちゃん、相手のレイバーも分かったことだしどう練習する?」
「そうですね…私達のレイバーをプロトタイプやガンバルギーニに見立ててそれで練習したいとおもいます。」
「ふ〜ん、何使うの?」
「性能的に判断するとプロトタイプがエコノミー、ガンバルギーニがラーダー、ナディが97式指揮車と言った所でしょうか。」
「プロトタイプの相手は誰がいい?パイソンとか?」
「う〜ん、プロトタイプの装甲は基本的にどのレイバーでも貫通出来ますが…安全を考えるなら相手の射程外から攻撃可能なサムソンが良いかと」
「それじゃあんこうのエコノミー、ラーダー、アヒルさんチームの指揮車を使って練習しようか、西住ちゃん宜しくね〜」
ハンガーからレイバーを出し例の3輌が先行しその内ラーダーが爆速で集合ポイントと違う場所へ向かう、そして残りが後ろに付くと言う形で練習場まで向かった、道中優花里から通信が入る
『西住殿どんな作戦でいきますか?』
『エコノミーに近づいてくるレイバーを97式指揮車が妨害しラーダーのところまで誘導、そこをズドンと言う感じかな』
『成る程、1回戦のアンツィオの展開を再現すると言うわけですね』
『そうだね、あの時はハンニバルがトドメを刺したけど恐らく今回は新兵器を搭載したガンバルギーニを使って来るだろうから』
『分かりました!』
通信を切ると麻子が話しかけてくる
「私はとにかく逃げればいいってことか」
「うん、場合によっては迎撃して良いけど基本的には足だけ動かして」
「ほ〜い」
『西住殿、こちら配置完了です!』
『分かりました』
返事をしてチャンネルを沙織に変える
『じゃあ沙織さん作戦開始の合図をお願いします』
『オッケー!…じゃあこれから練習始めるからアヒルさんチームは逃げる私達を追いかけてくるレイバーを妨害宜しく〜』
『了解!』
その掛け声を合図に練習が始まった、指揮車がアトラスに向かって捜索時に使ったライオットガンを当てる、指揮車には武装がないので挑発するにはこれしか方法がないのだ
「佐々木ちゃんこんなので良いのかな?」
「乗ってるのは怒りっぽい河嶋先輩だから多分これで追っかけてくるはずだよ」
あけびの予想通りアトラスは97式指揮者目掛けて進路を変えた、その際攻撃するも当たることはなかった
「河嶋先輩指揮者の方に向かったよ!どうする梓ちゃん!?」と香里奈が聞く
「私達はそのままあんこうを追うよ、あゆみ達もそのつもりで!」
『了解!』
一同は緩やかな坂が連続して続く凸凹道ゾーンへと入る、アップダウンの繰り返しでレイバーの操縦が思ったように上手くいかない。だがあんこうはお構いないと言うようにそのままの勢いで逃げ続ける
「麻子さんこんなコースも更地と変わらずに走れるんだ、やっぱり凄いや」
「なぁに要は足の力の入れ方よ、そこさえ理解すればどんな道も簡単に走れる。これ終わったらアイツらに教えないとな…」
「麻子さん、次の下り坂の途中でしゃがんで一時停止して下さい」
「あいよ」
こう早々と先行されたからには後ろの方はたまったものではない
「エルヴィン、あんこう見失ったぞ」
「落ち着け、次の上り坂の頂上で一時停止して探せばいい」
だが、この判断は間違っていた。坂を上り切り一時停止して探そうとしたその瞬間目の前の視界がエコノミーでいっぱいになり回避する間もなく撃たれてしまった。
「まさかいきなり目の前に現れるとは…」
『カエサル、坂道の頂上で一時停止するのは狙ってくれと言うようなものだ、捜索する場合はしゃがんで出来る限り相手に見つからないようにしろ』
『分かった』
一方、指揮車を追いかけていたアトラスは見事誘導に引っかかりラーダーのチェーンガンで蜂の巣にされたと言う
『…これで模擬戦は終わりかな?西住ちゃん』
『そうですね。では、一度最初の場所に戻って射撃訓練をしましょう、カバさんチームは練習内容が違うのでこのままあんこうについて来てください』
最初のポイントにつき殆どのレイバーはいつもの射撃場で練習をする、あんこうとカバはそこからほんの少し離れた場所にいた
「サムソンはその武器の特性上待ち伏せやアウトレンジ攻撃が得意なレイバーですからそのように戦うのが一番良いですね」
「どのくらいなら安全距離なんだ?」
「1500mですね」
「1500m…ってどのくらいだ?」
「それじゃさっそく目で見て分かってもらいましょう」
そう言いエコノミーは前進する、おおよそ3分後みほは通信を入れた
『今いる場所がだいたい1500mです!』
『エコノミーが豆粒ぐらいにしか見えんぞ!』
『この距離で当ててくださ〜い!』
「どうだカエサル、やれそうか?」
「やってみるしかあるまい」
「だな、方向転換!目標イングラムエコノミー!」
方向転換し機体をエコノミーに向けると同時に発砲する、だが弾道は目標より大きく上に反れ当たらない
『機体を転換させるとほんの少しですがブレが生じます、ですので機体全体で転換させるのではなく足回りだけで転換する様に心がけてください』
『心得た!』
言われた通りカエサルは足回りだけで機体を転換させ発砲した、これも当たりはしなかったもののエコノミーの足元に着弾した
「やったなカエサル!」
「ほんの少しの操作でここまで変わるものなんだな、やはりレイバーの操縦は侮れない…」
二人がそう感心してると乾いた音が鳴りサムソンに衝撃を走らせる
「…当たったなこれ」
『撃った後は立ち止まらず速やかに移動してください、弾着で場所が割り出せてしまうので』
『…りょ、了解。模擬弾とは言え結構効くなぁ…」
その後、サムソンは10回目の射撃でとうとう当てる事ができた。模擬弾の弾が尽きるギリギリの所で成し遂げたことであった。
夕方になり練習が終わった、レイバーをハンガーに戻しコクピットから出る。土の匂いがみほの鼻腔をくすぐる。今日はいつもいる自動車部の人達は居ない、まだ回収作業を続けてるためだ。ふとエコノミーを見ると土煙を被りあちこちが汚れていた、どうやら先ほどの匂いの正体は自分のレイバーだったみたいだ。
(たまには自分で磨こうかな。いつも自動車部の人達に任せちゃ悪いしそれにこの子が居たから今の私が居るんだもの、嫌いになった特車道から逃げたのに皮肉にもその嫌いな特車道から大切な物、守りたいものが出来た。この子のおかげで私はいろんな事を学べた…ありがとうね)
そう思いながら掃除道具を取りに向かうのであった
さて、次回からいよいよ試合に入りますよ〜筆者が一番死にそうになる戦闘シーンだ!どうぞご期待を!
それではここまでありがとうございました!
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