それでは本編をお楽しみ下さい!
____まるでこの子を磨いたのが昨日ことみたいだ、みほはそう思いエコノミーを見上げる。また土汚れまみれになり爪先に泥のようなものがこびり付いてる、日は流れとうとう試合前日となった。今は最後の練習が終わったところである
(…とうとう明日は試合か、カバさん達はもう1500mから当てるのが得意になったしナディやガンバルギーニの動きも練習でみんな分かったはず。後は…試合でそれが生かせるかどうか。いけない、試合の前でそんな弱気のなっちゃダメだよね。取り敢えずまたこの子を磨こう、ナカジマさん達は例のレイバー達の修理で忙しいし…)
体を清掃道具入れの方へと向ける、そして歩こうとしたその時後ろから声をかけられた
「みーぽりん、何してんの?」
沙織達だ
「沙織さん」
「なになに何しようとしてたのよ」
「ちょっとエコノミーを磨いてあげようかなって」
「エコノミーを?何で?」
みほは初日で磨こうと思った理由を言おうと思った、だが理由が恥ずかしいものに感じられ咄嗟に嘘をつく事にした
「明日試合なのに泥だらけのレイバーで出場なんてカッコ悪いなぁって思って…」
「あっ、そう言うことだったの」
「でも私は多少の泥がついたレイバーの方がいいと思いますよ?ウェザリングは機体をカッコ良く魅せますからね」
「それはプラモの話だろ秋山さん」
「機体が綺麗だと心も綺麗になって試合の時落ち着いて試合出来そうだから私は磨くのいいと思いますよ?」
「成る程、華の意見は一理あるね。それじゃ皆んなでレイバー綺麗にしようっか!」
こうして全員でレイバーの清掃が始まった。みほと麻子はエコノミーを、優花里と沙織と華はラーダーを当たる
「こうして見るとやっぱ結構汚れてるね〜」
「それだけ私達が練習した証拠と言うことでしょうか」
「こんだけ練習したら明日の試合だっていけるでしょ!」
「慢心はいけませんよ沙織さん」
「慢心も実力のうちってね」
「そう言う事はもっと長い年月経ってから言えるセリフだと思いますよ武部殿…」
小一時間ぐらい達ようやく清掃が終わった
「やっと終わったな、…お腹すいた」
「何か食べに行きましょうか、折角だからイタリア料理でどうでしょう?」
「相手がアンツィオだから?」
「はい、いい願掛けになるかなと思いまして」
「じゃあたまにはウチで食べない?皆んなで作ってさ」
「沙織さんの家でかぁ、いいね」
「それじゃ何作ろうか、イタリア料理って言っても色々あるし…」
「確か秋山さんの映像に“ペパロニ”っていたよな」
「それじゃペパロニを使った料理…今からピザは時間がかかるからピザトーストは?」
「いいですね、確か相手の隊長は“アンチョビ”ってお方ですからそれを使った料理はどうでしょうか?」
「あ、そう言えばそんな名前だったね。う〜んそれじゃアンチョビを使ったパスタでも作ろうか」
「となれば“カルパッチョ”って名前の人も居そうですね」
「じゃカルパッチョもってことで!じゃあ早速買い物に行こう!」
「あの〜武部殿、私も付いてって言っても宜しいでしょうか?」
「ん?言いに決まってるじゃない!ゆかりんも大切な友達なんだから!」
「ありがとうございます武部殿!」
一同は買い物へと繰り出す、材料はそんな多くはないので早めに終わった。レジ袋をぶら下げ沙織の部屋へと入る
「…相変わらず沙織の部屋は綺麗だな、女の子っぽくて」
「私女だよ!…麻子何寝ようとしてんの!」
「無理に朝起きたつけが夜に回ってくるんだ、私はダメだ。ご飯が出来たら起こしてくれ…」
「今寝たら変な時間に起きて余計辛いよ、タダでさえ生活リズム狂ってんだからこれ以上狂わせないの。さあさあ起きた起きた!」
そう言いながら沙織は麻子の体を揺らす
「揺らすな沙織、分かった起きるから…!」
しぶしぶ麻子が起き上がり台所へとおぼつかない足取りで向かう、それを苦笑いしながら優花里が見ていた。
普段料理はあまりせず増してイタリア料理なんてしたことがないみほ達であったが沙織の指示の元で作ることによってなんとか出来上がった、部屋一面に美味しい匂いがする
「「「「「いただきます!!」」」」」
しばらく食べ進めるとみほが喋りだす
「やっぱり沙織さんが教えてくれると一味も二味も違うね」
「本当に武部殿は料理が上手で羨ましいでありますな」
「にへへ、そんなに褒められると照れるなぁ」
「そりゃ沙織は女子力上げるのに必死だからな、モテたいその一心でここまでの腕前になるなんて羨ましいもんだ」
「う、うるさいよ!」
沙織の発言に全員が笑い部屋全体が朗らかな雰囲気に包まれる、また食べ進めるとみほが急に箸の手を止めた。一同は思わずみほの方を見る
「みぽりんどうしたの?もうお腹いっぱい?」
「ううん、ちょっと明日の試合について考え事しててね」
「もしかして緊張してる?」
「…本音を言えばね、勿論皆んなことは信用してるし最初から負けるだなんて思ってないよ。でもなんとなく心の奥底で不安がってるんだ…“大丈夫”かなって…矛盾してるよね、信じてるのに疑ってるなんて」
「でも何か気持ち分かる気がする、テスト勉強必死にやって自信がついても試験前日になると不安になるってことあるよね、あんな感じ?」
「例えがチープすぎじゃないかそれ…」
「成る程みほさんの気持ちが分かったような気がします。…でもそんなに思い悩む事はないと思いますよ?」
「え…?」
「慢心と言う言葉があるように大事な日の前で己の力を過信してしまうのは良くない事なんです。ですから最後まで仲間を信じて疑いぬく、これは決して悪いことではないと私は思うんです。」
「……。」
「それで仲間や己を信じるのは土壇場で良いんです、みほさんがこの間の試合で私に狙撃手の撃退を受け入れてくれたように」
…乱暴な言い方をしてしまえば開き直りに近い華の理論ではあったが間違ったことは言ってない、みほはそれによって幾らか心が軽くなった気がした
「華さん…ありがとう、気持ちが楽になった気がするよ」
「みほさんは前に沙織さんに言われてましたが一人で背負い込みすぎなんですよ」
「そうですよ、西住殿には我々が付いてます!」
「無理に一人で壁を乗り越えようとするな、私達が足場になってやるから」
「私達友達でしょ!」
みんなの優しさが心に染みる、こう言った事はここに来て何度もある事だがやはりいいものである
「みんなありがとう…!」
そう言うと沙織達はニッコリと微笑んでくれた
「さぁさぁみぽりんじゃんじゃん食べて食べて!」
言われるがままに食べたピザトーストは何処か優しい味がした
試合当日
AM9:00 選手待機ゾーン
この日はカラッと晴れた晴天だった、日差しが容赦なく全員に襲う
選手全員がみほの前に集められ試合前最後のブリーフィングが行われている
「暑いねぇ西住ちゃん…それで何だっけ?」
「はい、今回の試合からライアットガンを使用します。大抵のレイバーに通用する武装ですが出来ればナディに対して使用して欲しいんです」
「どうしてですか隊長?」と梓が聞く
「ライアットガン…つまりショットガンは集団で攻められた時こそ本領を発揮します。ナディは単体ではこず集団で襲いかかる戦法を向こうは一回戦でやっていることが分かってます」
「成る程、つまり集団で襲いかかってきたところをこれで一網打尽と言うわけですね」
「その通りです梓ちゃん。…では次に」
と話を続けようとした矢先突然クラクションの音が響いた、何事かと思い全員が音の方に目線をやるとジープに2人乗ってこちらに向かってるのが見えた。
「あれは何ですかね会長?」
「あぁ、チョビ子だな」
「チョビ子ぉ!?」
「アンチョビだからチョビ子、言いネーミングセンスでしょ」
お世辞にもいいとは言えないあだ名にみほは苦笑いで答える
そうしてる間にジープはみほ達の手前で止まった
「たのもー!」
とアンチョビが飛び降りこちらへと向かう
「やぁやぁチョビ子、おひさ」
「チョビ子じゃないアンチョビ!…お前本当に特車道やってたんだな」
「まぁまぁその話はおいおいやるとしてだね、何の用かな?」
「試合前の挨拶に決まってるだろ!」
ゴホン、と咳払いをしてアンチョビは胸を張った
「私はアンツィオ高校のドゥーチェ“アンチョビ”だ、そっちの隊長は!?お前か杏!?」
とアンチョビは杏を指差す
「いやいやまさか、私じゃないよ。お〜い西住ちゃん」
呼ばれてみほはアンチョビの前へと誘われる、アンチョビはみほを一瞥した後得意げな顔になった
「あんたが西住流か」
「西住みほと言います」
「ほ〜ん、まぁ相手が西住流だろうが島田流だとろうが私達は負けんぞ…じゃなくて勝つ!」
そう言うとアンチョビはみほに手を差し出してきた
「今日は正々堂々と宜しく頼む、お互い楽しい試合にしような」
「こちらこそよろしくお願いします!」
この人はケイさんと同じタイプの人なんだなと思いながらみほは手を握り返す
さて、そんな光景をほんの少しから離れてたカエサル、握手が済んだのでいよいよレイバーに乗り込もうとした瞬間彼女は懐かしい声を聞いた
「たかちゃ〜ん!」
そう言いながら自分の方へと向かって行ってるの黄色の髪の少女、間違いない。彼女だ
「ひなちゃん!」
久しぶりの再会に思わずいつもと違うトーンの声が出る
「ひなちゃん久しぶり!」
「たかちゃんこそ!本当に特車道始めたんだね!」
「うん、まだ日は浅いけどね」
「ねぇ、どのレイバーに乗ってるの?」
「え〜?ひなちゃんが教えてくれたら教えるよ」
「それじゃ無理だね、私も秘密だもの〜」
「今日はお互い精一杯頑張ろうね」
「うん!もし交えることがあったらその時は…」
「相手がひなちゃんでも全力で挑ませてもらうよ!」
「だね、…それじゃ私もう行くね。試合が終わったらゆっくり話そう!じゃあね!」
「バイバイひなちゃん」
2人の会話をジーッと見ていたカバさんのメンバーは親友の変わりように驚きが隠せなかった
「たかちゃん…ってカエサルのことだったでござるか」
「キャラが全然違うぜよ」
「お〜いたかちゃん!」
とエルヴィンがからかって呼ぶとカエサルは照れた顔を真っ赤にしながら「カエサルだ!」と怒ってきた
3人が逃げるフリをしたその時試合開始10分前を告げるアナウンスが鳴った。全員に緊張が走る、さぁお遊びはここまでだ
「全員集合しましたね!では全員搭乗!」
___
みほが自機のキャリア前に行くと沙織達が集合していた
「みんな…」
「行くぞ西住さん」
「楽しい試合にしましょう西住殿!」
「今が土壇場ですよみほさん」
「背負いすぎず遠慮なく私達を頼ってね!」
「…ありがとう皆んな、それじゃ行こうか!」
_____真剣に、楽しく、巨大な機械を動かす場所へと
コクピットに入り電源のコックをひねる、ブンと音が鳴り小刻みに揺れる。インカムに手をやりキャリア担当のナカジマにデッキアップの指示をする。
ゴウンゴウンと仰向けになってた機体が垂直へとなる、その間喋る人はいない、機械の音がするだけだ。みほはデッキアップが終わるまでのこの静寂な好きだ、目を瞑って呼吸を整えると頭からアドレナリンが出てくるのを感じた思考がどんどんクリアになってくる、レバーを握る手がジワリと滲む。デッキが上がった瞬間そこにいたのは天然少女としての「西住みほ」ではない、大洗女子学園隊長としての「西住みほ」である
キャリアから降りて全機一列に並ぶ。全員がまだかまだかまだかとアナウンスを待つ、そして20秒後…待ち望んでいた声が聞こえる
『試合開始!!』
戦いが始まった、みほはすっと息を吸いインカムのボタンを押しこう言う
「レイバー・フォー!!」
今回の試合会場は山岳地帯、動きにくい場所ではあるが機体を隠しながら行動するのにはピッタリの場である。そんな場所を1両の指揮車が颯爽と走っていく
『先行しているアヒルさんチームの指揮車、状況を教えてください』
『十字路まで残り1kmです』
『十分注意して前進しつつ状況を逐一報告をお願いします、開けた場所に出ないようスピードは早すぎず遅すぎずで』
『了解!』
そして数分もしないうちに指揮車は十字路手前へと到着する
あけびはエンジンを切りレシーバーを手に取り報告を、索敵は妙子に任せることにした
『目標地点に到着しました、これより索敵を開始します』
と報告を終えレシーバーを切ろうとした時肩を叩かれたのに気づいた
「どうしたの妙子ちゃん?」
そう聞くと黙って双眼鏡を渡してきた、何が何やら分からないまま受け取り覗いてみるとそこには信じられない光景が広がっていた
「…!あのサムソンに似てるのと小さいのハンニバルとナディだ!」
「佐々木ちゃん隊長に報告しなきゃ!」
慌ててレシーバーを手に取り電源を入れる
『隊長、十字路の北にハンニバル2輌、ナディが4輌います!』
『それならば南から回り込んで叩けばいいだろ、勢いに乗られる前に叩け!』と桃が通信を入れた
『でも全周警戒の可能性があります、もう少し警戒した方が…』
『相手はアンツィオだぞ!?そんな高度な戦術を取るわけがない!突貫だ!』
…正直多少の不安は残るがここでああだこうだと議論してもしょうがない、リスキーだが突っ込んで仕掛けるのもまた一つの手だろう、だがこのまま馬鹿正直に全車輌を突っ込ませる気はさらさらない。可能な限りリスクは避けておきたいものだ
『分かりました、では十字路へ移動します。ただし全員は南には行かずこのままのルートで、ウサギさんチームだけ南へ先行してください。何かあったら必ず報告するように』
『了解です!』と梓が言う
そして勢いよく本隊と離れ十字路南へと向かう、みほはそれを見届けると通信機に手を伸ばした
『アヒルさんチーム、何か変化はありましたか?』
『いえ、全くないです。駆動音すら聞こえません』
『分かりました、では引き続き待機をお願いします。本隊がそちらに向かいますので』
一方、その頃ウサギさんチームはラーダーがかなり先行しておりパイソンがそれを追いかける形になっていた
山岳地帯と言うガタガタ地形にも関わらずラーダーは平地を走るが如く駆ける
「凄い沙希ちゃん、めちゃくちゃ操縦上手くなってるじゃん」とあゆみが褒めると沙希は何も言わずただ親指だけを立てた
「もっと飛ばして飛ばして〜」と優希が言うとそれに応えるようにアクセルを踏んだ。
『出過ぎ出過ぎ!もう街道に出るよ!』
梓の忠告に我に帰った沙希はブレーキを踏むも時すでに遅し、ラーダーは道のど真ん中で静止してしまった
「あ、あそこ敵いるじゃん!」
「マジか!沙希、後退後退!」
慌てて機体を引っ込めるが恐らくバレてしまっただろう、引っ込めると同時にパイソンがようやく追いついてきた
『何やってんのアンタ達!』
『ごめん、調子乗りすぎた…』
『私達の任務はあくまで偵察なんだからね?操縦技術が上がったのは喜ばしいことだけど…』
とぶつくさ言いながら梓が通信を入れる
『西住隊長、南に敵を発見しました。…しかし見られた可能性が』
『発砲は!?』
『今のところは…』
『くれぐれも交戦は避けてください』
通信を切るとみほは麻子に話しかけられる
「この短時間で要所を制圧か、さすが機動力重視のアンツィオだな」
「南と北を制圧か…わざと私達を中央突破させて包囲して一気に殲滅、なんて作戦かもしれないね」
「“ノリと勢い”が自慢の学校にしては随分お堅い戦法をとってくるじゃないか、私はてっきり1回戦のように挑発しておびき出す作戦かと思ったぞ」
「相手も相手でしっかりと対戦相手ごとに作戦を練ってるんだよ」
「作戦ってのはアンツィオの校風には似合わなそうだな」
「いや、寧ろノリと勢いに乗せるために作戦を組んでるんだよ、向こうの隊長…アンチョビさんか…仲間の個性を生かして戦う戦法、私も見習わなきゃな」
ケイさんと似ていたあの人は私にまた新しい道を開かせてくれるような気がした、だからなのかあの人のことが気になってつい考え事をしてしまう。思考にふけっていると
「試合中の考え事はほどほどにしとけよ」
と麻子が現実の世界へと戻してくれる
(いけない、まずはこの試合に集中しなきゃ)
とみほは自分の頬を叩く
『ウサギさん、相手の正確な編成を教えてください』
『ハンニバル3輌、ミディが7輌です』
『あれ、確かレギュレーションでは15輌じゃなかったけゆかりん?』
『ええ、これでは合計16輌、そこにいないプロトタイプ、ガンバルギーニを合わせたら18輌になっちゃいます』
『インチキなのでは?』
『いや、華さん、向こうの隊長さんに限ってそんな事はありえないと思うよ』
…そう、絶対に有り得ないのだ。握手の時にみたアンチョビさんのあの目、あれはケイさんと同じ試合自体を純粋に楽しんで人が持つ目であることを私は知っている。だけど数が合わないと言う現実、これが分からない以上アンチョビさんがインチキを使用したと認めざるを得なくなる。そんなのごめんだ、考えろ…考えるんだ私
ふと、みほはほんの少し前の会話を思い出す
『アヒルさんチーム、何か変化はありましたか?』
『いえ、全く。“駆動音”すら聞こえません』
みほはこの会話に違和感を覚えた
どうして電源を落としてるんだろう…?進路を塞ぎ中央突破させる作戦ならば直ちに動けるように電源を入れとく必要があるはず、車と違いレイバーは電源を入れてから稼働状態になるまで5秒程度かかる…試合では1秒が惜しいものなのに何故電源を切るんだろう?それで初動が遅れてしまったら作戦が台無しなのに…
_____その時みほはまたある出来事を思い出す、ほんの少し前…あの捜索した時のことを、その瞬間完全に分かった。この数字の謎が、そしてやはりアンチョビはインチキをしていないと言うことを
「そうか、サメだ!」みほは急いで通信を入れる
『ウサギさん、アヒルさん。退路を確保しつつウサギさんは斉射、アヒルさんはクラクションを鳴らしてこちらの存在を向こうにわざと気づかせるようにしてください、反撃されたら直ちに退却を』
『『了解しました!』』
指示通りにラーダーが後退しながらチェーンガンで斉射し相手に命中させた。するとパタン、と軽い音を立てて前方にあるレイバーが倒れる。指揮車はクラクションを鳴らすも反応は一切なくただそこに突っ立っていた
「…倒れても白旗判定は出ないし音が軽すぎし背面が木材…」
「かなり鳴らしたのに一切の反応がない…」
「「つまりあれは看板!と言うことは偽物だぁ!!」」
報告を受けてみほは内心安堵と共に心の中でガッツポーズをした
やはりアンチョビさんはインチキなどやっていなかったのだ、信じて正解だった。と、みほは試合に勝った訳では無いのにホッとしてることに気付き首を横に降り雑念を払う
「欺瞞作戦か、中々面白い作戦だったが詰めが甘かったな」
「でもそれがなきゃ私達今頃どうなってたか…」
「今頃相手はこちらを十字路の中心におびき寄せて包囲しようとしてるだろうな」
「持ち前の機動力だから出来る作戦だね…なら、回り込むならこちらも回り込みましょうか」
みほはドーファンをF20〜24地点に行かせて裏を取るように命じた、現在位置ならば指揮車よりドーファンがいる位置の方が早く回れるし本格的な戦闘をしないといけないからである、次にウサギさんをA18〜25地点へと向かわせる。
(これがどう出るか…神のみぞ知るって訳か、なんか会長が言いそうなセリフだなぁ)
ウサギさんチームは命令を受けて直ちに動き出す、今度はパイソンの速度に合わせて走り出した。平地を駆けていると山岳にハンニバルが居るのがあやには見えた
『またハリボテ発見!撃ちます!』
『ちょっと待ってあや!ハリボテなら撃つ必要は…!』
時すでに遅し、銃口から光が弾け光の矢がハンニバルへと向かい命中した
…ゴン、と言う重い音と共に
「ゴン…?」
音が表す意味に気づく暇もなくハリボテだと思ったものが撃ってくる、相手も同じチェーンガンだ。
「コイツは本物だ!」
「だから言ったのに…!」
梓が頭を掻きながらインカムに手をやる
『A23地点でハンニバル発見!勝手に攻撃してすみません、今交戦中です!』
『大丈夫、おかげで敵の作戦が分かりました。ハンニバルとは付かず離れず攻撃して下さい。西に移動したらそれは合流を意味し敵の作戦にハマってしまいます、なのでなんとしてでも阻止して下さい』
『分かりました、任せてください!』
『こちらもF24地点東でミディの大群を発見しました!』
『了解、ではあんこう、カバ、カメはこのまま前進し包囲される前にフラッグ車を叩きます、当然こちらのフラッグ車であるアトラスを危険に晒す事になりますが…』
『つまり私達が餌になればいい訳だね西住ちゃん』
『そういうことです』
『あいよ、んで今回の作戦名は?前回無かったしさ』
『そうですね…引き離したりくっ付けたりする磁石のような作戦なので…“マグマグ作戦”でどうでしょうか?』
『いいんじゃ無い?相変わらず可愛いネーミングだねぇ、俄然やる気が出るよ』
『それではこれよりマグマグ作戦を行います!』
さて、次回はバリバリ戦闘シーンです!今回はpart3で収まるかなぁ?
感想などどしどし送ってください!めちゃくちゃ作者が喜ぶので
それではご視聴ありがとうございました!