ありふれない解放者は世界どこでも最凶 作:マイティージャック
少し前に【グリューエン大火山】の後編のナイズの最後のセリフを加筆しております。
それではどうぞ!
二人は【氷雪洞窟】を攻略後、寄り道の後、エリセンに戻り休息を取り、次の【ハルツィナ樹海】の為の準備をしていた。しばらくの買い物をしていた二人は宿に戻りある実験をしていた。
「じゃあ、いくぞ」
侑李はそう言って男の魔人族の死体に手を当てて変成魔法を自身に発動する。すると侑李の体は輝きだし肉体を新たに構築していく。時間にして一分ほどで輝きは終わり、そこには肌が浅黒くなり、耳は長く尖り、彫りが深い三十代前半の顔つきで170cmくらいのドレッドヘアーのスラッとした体型の男がいた。
『まぁ、こんなもんだな。どうだ?普段の俺とはだいぶイメージの違う感じにしてみたんだが』(声はス●ーク声である)
「そうね。次は私もやってみるわ!」
ミフネも女の魔人族の死体に手を当て、変成魔法を自身に使う。そこには肌の浅黒くさや耳の尖りは同じで、顔つきは十代後半で150cmくらいのミディアムヘアーの全体的にスレンダーな体型をしたミフネがいた。
『どお?だいぶ違うでしょ?』
その場で一回転し、笑顔をみせるミフネ。(因みに声はいろはすです)
『元のイメージでは考えてつかないな。……あと問題があるとすれば口調と身振りか』
『あなたもね。私は………ほら〜、こんな感じで話せば問題ないんですよ!(≧∇≦)
ユーリはどうするんですか〜?』
元々声は少しあざとっぽかったが、ミフネが声に合わせて口調と身振りをそれっぽく変えたら、余計あざとさが増した。それから、侑李は五分ほど考えて、納得いく口調と身振りを完成させた。それは
『フフフフフフゥ〜。こんな感じでどうだァ?』
オーバーアクション気味の身振り手振りに、人を小馬鹿にした口調で話す感じであった。(某地球外生命体のスペースコブラのイメージ)
練習でしばらくは、このスタイルで二人話していく。お互いに程よくなれ、程よくストレスが溜まった所でミフネから
『ねぇ?そろそろ、名前決めませんか〜?(○´▽︎`○)』
『今の姿のか?ある事に越したことはないが、候補はあるのかァ?』
『そうですねぇ。ん〜(*'へ'*) 』
ミフネがしばらく、ん〜、あ〜、う〜、と悩んでいるのを眺めながら、侑李も名前を考えていた。
『(ヴラド、エリーク、ネロ、ティーチ………………)』
侑李も色々と名前を考え込んでいるとミフネが
『決めました!この姿の時の私の名前は………リリス、と呼んでください!( * ॑꒳ ॑*)⸝⋆。✧♡』
『リリス、か。いい名前だァ。ついでに俺も決まったぞ』
『お〜(*´꒳`ノノ゙☆パチパチパチパチ』
『俺の名は…………イザークだ。よろしく頼むよ、リ〜リ〜ス』
『\(・∀・)/は〜い。よろしくです〜、イザ──』
イザークの名前を言おうとしたリリスは途中で言い淀み、考え込んだ。イザークが声をかけようとした瞬間
『これだ!(。 ・`ω・´) キュピーン』
『ッ!……どうした?急に大声出して?』
突然の大声でびっくりしたイザークは、リリスに聞く。リリスは自身の可愛さとあざとさ全開の笑みで
『改めてよろしくです!イザーク先・輩(๑•ω-๑)♡』
リリスのウインク付きの先輩呼びに、イザークはため息をつきながら、好きにしろ、と言う。予想とは違うリアクションをされた為か、頬を膨らませ、若干不機嫌のリリス。変成魔法を解除し、元の姿に戻った二人は今後の予定を話していく。
「次は何処に挑むの?」
「次は【ハルツィナ樹海】だ」
「大丈夫なの?」
「何がだ?」
「亜人族の集落があるって噂だし、樹海の中も相当迷うって、言われてるのよ」
「ミフネの心配も最もだが、亜人族を刺激するつもりはないし、見聞色がある以上、迷うこともねぇ」
侑李の見聞色を忘れていたミフネは、それもそうね、と言う。
「明日も早いさっさと寝るぞ」
「えぇ。おやすみユーリ」
二人そう言って就寝した。
翌朝、早々に宿を出てミフネを担いで【ハルツィナ樹海】に向かう。道中には、覇気のレクチャーをする。【ハルツィナ樹海】で基本は出来るようにしてもらいたいと、侑李は思う。でなければこの先の戦いにミフネが着いていけず足手まといになってしまうからだ。気づけば日が暮れ始め、侑李は【ハルツィナ樹海】に近い町"ブルック"に寄ることにした。宿を取り部屋に着いた侑李はミフネにある提案をする。
「覇気を、手っ取り早く覚えられる方法があるんだが、試すか?」
「えっ?!でも移動中に覇気は長い修練か過酷な戦闘を繰り返す事で覚醒するって言ってたわよね?」
「王道はそれだ。だが例外もある。俺の覇気をミフネの体に流して、ミフネの覇気を強引に目覚めさせる方法だ。………ただ」
「ただ?」
「強引に目覚めさせるから、ミフネが自身の覇気に耐えられない可能性だ」
それを言われたミフネは考えるが直ぐに答えを出した。それは………
「お願いするわ。必ずものにしてみせる」
侑李は頷き、ミフネの手を取り集中する。そしてゆっくりと覇気をミフネの体に流す。しばらくすると、ミフネは体に違和感が出てきたのか、苦悶の声が聞こえ始め、呼吸が乱れる。やがて違和感はなくなったのか呼吸が落ち着き出してきたので、侑李はミフネに声をかける。
「どうだ?覇気は感じられたか?」
「体の奥から湧いてくる感じするの………これが覇気なのね。なんだか心地いいわ」
「……取り敢えず第一段階クリアってところか。次に入るぞ」
「確か得意な"色"を明確にするんだっけ?」
「あぁ。今ミフネが感じている覇気は、まだ漠然とし過ぎてるからな」
そう言って再びミフネの手を取る侑李。そして今度は覇気を流さず、自身に留める。それから
「ゆっくり深呼吸しながら、目を閉じろ。己の覇気と向き合え。そうすれば自ずと得意な"色"がわかる」
侑李の言葉に頷きながら、実践するミフネ。そして、結果は直ぐに現れた。
「何これ……気配が……見える!?」
「落ち着け。ゆっくり深呼吸をするんだ。………どうだ?落ち着いたか?」
「えぇ。ありがとう」
「ミフネは"見る"に重きを置いた見聞色が得意なようだな」
「"見る"?他にあるの?」
侑李は説明していく。
「おさらいを兼ねて説明するぞ。見聞色とは、相手の"気配"をより強く感じる力だ。これを高めていけば、視界に入らない敵の位置、その数、更には次の瞬間相手が何をしようとしているかを読み取れる。そして見聞色は大雑把に"見る"者と"聞く"者に別れる。"見る"者はミフネのように人の気配や感情を形として視覚化する者だ。次に"聞く"者は相手の心の声、つまり悲しみや叫び、喜びなどの感情を聞く者のことだ。俺みたいに限界を超えて極めていくと数秒先の未来を見ることだって出来る」
ミフネは改めて、見聞色をレクチャーして貰いながら、知識を更に深めていく。
「見聞色は、常に冷静でなければ、正しく発動出来ない。何があっても動揺や焦りや怒りなど、心を乱す行為は禁物だ。敵に付け入る隙を与えてる」
「……改めて凄いわね」
「ミフネ。腕に覇気を集中させて見せろ」
「えぇ。わかったわ」
ミフネは言われた通りに、集中させるが上手くいかず、五分ほど経過してしまう。そこから更に五分ほど経過して、ようやく武装硬化が完了する。
「初めてだから、今日はだいぶ多めに見てやるが、最低でも1秒までは縮めて貰うぞ。でなければ、永眠することになる」
「……自分でも流石にこれはないと思うわ。移動中に練習するわ」
今日は、覇気の扱いに疲れたのか、食事も取らずそのまま寝てしまったミフネ。侑李も荷物をまとめ後、就寝するのであった。
翌朝、食事を済ませ、急ぎ足で【ハルツィナ樹海】に向けて移動する。1時間程で【ハルツィナ樹海】に着き、樹海に入る。見聞色で、樹海の最奥を目指し進む。道中ミフネの武装硬化の練習をしつつ、亜人族の、見回り部隊に見つからないよう、遠回りしながら進む。三十分後、ついに最奥に着く。すると最奥に一本の大樹が見えた。最奥にある大樹を見たミフネは
「見事に枯れてるわね」
そこにあったのは、青々と葉が生い茂っている大樹ではなく、葉が一枚も見当たらない枯れ木だった。一応、幹は見た限りおよそ直径50mほどとかなりの太さがあるが、予想していた大樹とは大きく違っていた。侑李が、辺りを見回すと、大樹の近くに石板が建てられていた。
「これは…?」
「朽ちてなかったようだな」
そこには、七つの紋章が七角形のそれぞれの頂点に刻まれていた。
「確かこの辺に……」
侑李は石板の周辺を調べいく。裏側を見たところビンゴだったようで表側の七つの紋様に対応するように小さなくぼみがあった。
「あとは………」
【グリューエン大火山】のペンダント、【メルジーネ海底遺跡】のコイン、【神山】のイヤリング、【氷雪洞窟】のブローチをはめ込んだ。すると、石板が淡く光りだし、文章が浮かび上がってきた。そこに書かれていたのは
“四つの証”
“再生の力”
“紡がれた絆の道標”
“全てを有する者に新たな試練の道は開かれるだろう”
そして、手持ちの攻略の証をはめ込んだ直後、その輝きが解き放たれたように地面を這って大樹に向かい、今度は大樹そのものを盛大に輝かせた。見てみると、大樹にも七角形の紋様が浮かび上がっていた。侑李は紋様に手を当てて再生魔法を使った。
直後、今までの比じゃないほどの光が大樹を包み込み、巨大な光の柱をかたどった。光に包まれた大樹は光を隅々に行き渡らせながら、徐々に瑞々しさを取り戻していく。
「凄い、葉が・・・」
ミフネの呟きに視線を上げると、たしかに大樹の枝に次々と葉が生い茂っていった。
まるで命の誕生を見るような光景に目を奪われながらも周囲を観察していると、大樹は周囲に葉鳴りを響かせ、途端に正面が左右に割れて、大きな洞が出来上がった。二人は顔を見合わせて頷き、躊躇なく洞の中に足を踏み入れた。侑李は洞の中を見回したが、ドーム状になっているだけで道も扉もなかった。
「行き止まりなの?」
「いや………下だ!」
ミフネの呟きに、侑李は否定で返す。次の瞬間、洞の入り口が完全に閉じて、地面に魔法陣が出現して光を放ち始めた。
「なになに!なんなのっ!」
「落ち着け、転移系の魔法陣だ!転移先で呆けるなよ!」
動揺するミフネを侑李が叱咤したと同時に、二人の視界は光に塗りつぶされ、直後に暗転した。
タグのライダー要素がようやく意味を為した。………多分。
変成魔法で、魔人族の死体取り込んで変身したのは、作者が作った勝手な設定です。原作とは違います。
ミフネのリリスモードの会話は、基本顔文字付けます。鬱陶しいと思うかもしれないですが、御容赦ください<(_ _)>
ミフネの覇気の習得方法も、同じく勝手な捏造です。元ネタはHUNTER × HUNTERのゴンとキルアが念を目覚めるシーンのオマージュです。
それでは次回!