ありふれない解放者は世界どこでも最凶 作:マイティージャック
この世界に来て間もない鬼灯たち全員を即戦場とはいかず、全員が戦いとは無縁の世界の住人であり、異世界人特有の潜在能力はあっても戦う術を身に付けていない事は彼らも想定済みらしく、彼らが呼び出された聖教教会の総本山【神山】の麓、ハイリヒ王国にて鬼灯達を受け入れ、訓練を施す準備が出来ているらしい。その日の夜、王城にて自分達を歓迎する宴が開かれ、訓練は明日から開始すると言う事でお開きとなった。その翌日
「よし、全員に配り終わったな?」
戦いに向けて本格的な訓練と座学が開始される前に、鬼灯達の教育を担当する事となったハイリヒ王国騎士団長メルド・ロギンスより一枚の銀色のプレートが全員に配られていた。
「このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」
(懐かしいな)
そう考えながら、説明された持ち主登録の手順に従い、針で指を軽く刺して自分の血をプレートに付ける。すると、血はプレートに吸い込まれる様に消えて、代わりに文字が浮かび上がってきた。
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天職:擬態士
筋力:374(52,050)
体力:581(87,150)
耐性:248(37,200)
敏捷:369(55,350)
魔力:156(23,400)
耐魔:165(24,750)
技能:擬態(?)・剛力・縮地・覇気[+覇王][+見聞][+武装]・魔力操作・全適正(魔)・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解
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(だいぶ下がってんな…)
そう思うのも仕方の無いことである。前世の
「全員見れたか?説明するぞ?まず、最初に〝レベル〟があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない。ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後でお前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」
(装備か……基本素手だし俺には関係ないな)
鬼灯は、前世でも現世でも素手で相手を捩じ伏せてきたので、武器の類は苦手ではないが得意でもない。メルドの話が続く。
「次に〝天職〟ってのがあるだろう? それは言うなれば〝才能〟だ。末尾にある〝技能〟と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」
見慣れない文字がいきなり識別できたのはこの《言語理解》の技能のお陰だろう。クソッタレが彼らを召喚した時点で全員に付与されたものである。
(擬態すんならやっぱり、砂だよな。応用性があって便利だし)
「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」
鬼灯の周りからは「俺火術士だったー」等、自分の天職について話しているバカ共の声が聞こえた。そんな中、天之河は真っ先にメルドさんにプレートの中身を報告する。
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天之河 光輝 17歳 男 レベル:1
天職:勇者
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・覇気(覇王・見聞・武装)・言語理解
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ここでも完璧超人は完璧超人らしく、初期の能力が凄い事になっていた。天職も勇者と来て、まさに物語の主人公さながらである。しかも覇気を持っている。メルドが覇気について説明をした。
「覇気というのは、素質のあるものにしか発現しない特殊なスキルだ。とりわけ覇王色は、王の資質を持つものにしか発現しない選ばれし特殊な覇気なんだ。過去に持ったものもいて、歴代の保有者も何らかの王となっている。」
それを聞いた天之河は更に顔を緩ませ、自信に満ちた顔をしている。
そして鬼灯が見せる番となったが、鬼灯はプレートに細工を施してメルドに見せた。その細工とは
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鬼灯 侑李 17歳 男 レベル:1
天職:擬態士
筋力:35
体力:50
耐性:21
敏捷:50
魔力:15
耐魔:16
技能:擬態(?)・剛力・言語理解
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メルドにこの世界の基準を聞いた際、そのままの状態で見せると厄介な事になりそうだったので、砂をステータスプレートのうえから被せ、擬態させた。ステータスをみたメルドは、
「擬態士か…過去にもいたが、文献や資料が少ない職業でな。俺の方でも探して見るが、まぁ、その、なんだ、頑張ってくれ」
何とも言えない表情をしていたが、鬼灯は
「わかった」
そう一言いい、下がった。その後、
その日はそれで解散となった。鬼灯はある事を調べる為にメルドに頼んで王城の図書館に案内して貰った。鬼灯が調べていたのは、神代魔法について、そして過去の自分達についてだ。3時間隈無く調べた結果、現在は彼奴らは"
「("鬼人族"の情報もそうだが
鬼灯は急速に今後のプランを纏めていく
「(どうする?大人しく
答えは、わかりきっていた。
「(せいぜい、生き延びてみせろ)」
そこからの行動は早かった。直ぐに自分に宛てがわれた部屋に戻り。荷物を纏め、夜になるまで待った。全員が寝静まった時、部屋を派手に荒らし、さも誘拐されたかのように見せて、窓から王城を
「オスカーのが確か『強力な数多の魔物との豊富な戦闘を経て経験を積むこと』で、リーダーのが『魔法が使えない状況下で、あらゆる攻撃への対応力を磨くこと』。ナイズが『過酷な状況下における集中力の阻害と奇襲への対応を磨くこと』。メイルは『狂った神がもたらすものの悲惨さを知ること』。ラウスの野郎は『神の力が作用する何らかの影響に打ち勝つこと』で、リューティリスが『仲間との絆と誘惑に打ち勝つ強さを磨くこと』。ヴァンドゥルが『負の自分自身に打ち勝つ強さを磨くこと』、だったな。」
そう声に出して確認した後、下半身を砂に変え、最初に挑む場所に向けて高速で移動している。
ーーーー2日後ーーーー
途中にあった街で、街中のゴロツキから金を巻き上げ、そこで必需品に揃え後、【グリューエン大火山】に挑む。
時は戻り王城
鬼灯が脱走した翌朝、クラスの面々が初めての訓練で若干テンションが高めの中、鬼灯の姿がなかった。問題が起きたのはその後だ。
朝食に食べ終え天之河たち幼馴染軍が鬼灯を起こそうと部屋の前に行きドアを叩いた。
「鬼灯!いい加減起きろ!訓練の時間だぞ!」
と、天之河が声を張り上げるも返事がない。何度か繰り返したものの、全く反応がなかったためドアを開けてみると視界に入ってきたのは部屋中が荒らされ、鬼灯本人とその荷物がごっそりとなくなっている光景だった。一緒に来ていた騎士団員がメルドを急いで呼びつけ部屋中を捜索するも、ろくに痕跡はなかったため、鬼灯は何者かに誘拐されたものと判断された。クラスメートにもこの事が伝えられ、一人一人とはいかないが、見張りが付くようになった。誘拐犯は魔人族が有力視されている。理由としては魔人族が何処からか勇者召喚を嗅ぎつけ情報を仕入れるため、とされた。
ゴロツキとはいえ金を巻き上げるとか、主人公のすることじゃねぇな。
次回は遂に迷宮入りです。