ありふれない解放者は世界どこでも最凶   作:マイティージャック

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急いで書いたので何時も以上に駄文です

2020/9/3 ナイズのセリフ加筆


七大迷宮【グリューエン大火山】後編

 

─────【グリューエン大火山】五十層

 

階段を降り終え、視界に映ったのは一つの空間として見れば、この迷宮で一度たりとも見た事がないような広間。少なくとも直径三キロメートル以上はあるような広間、そこにはマグマの海が広がっているが階段を降りてすぐそこには大きな足場があり、他にも所々に岩石が飛び出していて僅かばかりの足場が見える。

広間の岩壁へと視線を巡らせば、大きく壁が迫り出している部分もあれば逆に削られて引っ込んだ部分もある。

空中にはやはり当たり前のように無数のマグマの川が流れており、それらのほとんどは最終的にマグマの海へと注ぎ込んでいる。

そして、そんなマグマの海の中心にあるものへと目を惹かれる。

 

 

「彼処がゴールか」

 

 

マグマの海の中央にポツンと小さいが岩石の足場よりかは広い島。十メートルはある岩石の島、それだけならばただ大きめな足場でしかないが、しかし目を惹く理由は別にある。その小島の上にマグマのドームが覆っている

さながら小型の太陽か、球体のマグマが島の中央に存在している様は誰だって目を惹いて仕方がない。

すなわちあの島が目的地、神代魔法がある場所なのだろう、と当たりをつけて、荷物袋を後方の階段へと放り投げる。

ここが最深部であるならば、ボスがいるはずであり、間違いなく戦闘は熾烈を極める。そうなれば荷物袋が壊れマグマの海に消えるという可能性を考えて安全地帯へと置いておく。もしかすればマグマの海の水位が上がる可能性もあるが。

 

 

「さて、どうくるか」

 

 

そう言って、足場を少し前へと進んで、直後、その警戒に答えるように空中を流れているマグマの川からマグマそのものが弾丸として鬼灯へと放たれた。

故に鬼灯は構えて、そのままに砂嵐を放つことで飛んできたマグマの弾丸を吹き飛ばし回避する。そして、それを皮切りに鬼灯は疾走し、足場から勢いよく前方の岩石の足場へと跳躍した。それに一瞬、遅れて先程までいた場所へと空中の川だけでなくマグマの海からも無数の炎弾が放たれていった。

運がいい事に荷物が置いてある辺りの階段へは炎弾による被害は出ていないようだが、着弾した地面は僅かに溶解しており、もしもあの場に居たら間違いなく大変なことになっていたであろう事が伺える。

 

 

「マグマの中か」

 

 

既に炎弾はマグマの海にある岩石の足場を跳んでいく鬼灯を追うように縦横無尽に飛び交い始めていた。

その様はゲームを思わせる程の空間を埋め尽くさんばかりの炎弾であるがしかし、恐らく威力重視なのだろうその速度は例え近場からのそれであっても鬼灯の反応が速く、鬼灯がいた場所を一拍か、数拍置いて通っていくというものだった。

 

 

「……見聞色も……効かないようだな」

 

 

マグマの海に潜んでいる敵を炙り出そうと見聞色で気配感知を行うがしかし、どうやらここのマグマは上層のマグマと違い気配感知をするのも難しいのか、それともこのマグマそのものが大きなエネルギーとしてある為にその中の魔物を感知出来ないのか。

現状、見聞色は使い物にならなかった。

ならば、どうするか。

思考を回していき、鬼灯は弾幕が止んだ瞬間に空中で大型の砂嵐を放つ。放たれた大型の砂嵐はそのままマグマの海や空中の川へと叩き込まれて、何かが割れたような音が聴こえた。

 

 

「……これは」

 

 

いったい何が割れたのか、と思考する間もなく視線を巡らせば、周囲のマグマの海から全身にマグマを纏った巨大な大蛇が合計で二十体その姿を現した。

それを見て、鬼灯はこの迷宮のボスは数で攻めてくると理解し納得した。この下手をすれば足を滑らせて即死であろうマグマの海、この迷宮の環境と奇襲による集中力などを阻害させるような構造や魔物、それらを踏まえて今まで以上にいつ出てくるか分からないマグマ大蛇の群れに対処するそれが試練なのだ、と。

そう考えた鬼灯はその場から別の足場へと跳んでいきながら、近場のマグマ大蛇の首へと砂の斬撃を放つ。

 

 

「……再生するのか」

 

 

首を切り落としたがしかし、その首は直ぐに再生した。

どういう理屈か、そう思考すればすぐさまマグマが飛んでくる。次は水分を奪おうと三日月形砂丘(バルハン)を放つ。水分は奪えたが再生した。ここで鬼灯はある仮定が頭に浮かんだ。

 

 

「此奴ら、もしかしなくても再生魔法が付与されてんのか?だったら相当厄介だぞ!」

 

 

再生魔法とは神代魔法の一つで、有機物・無機物問わず、あらゆるものの損壊を修復することが出来る。神代魔法の中でも反則級の強さを持つ。

 

 

「(どうする?幾ら水分を奪おうが、斬り刻もうが、砂嵐で吹き飛ばそうが、その全てを再生してくるのは厄介だし、マジでどうする??)」

 

 

鬼灯が打開策を捻り出そうとしているも、そんな事はお構い無しと言わんばかりに、マグマ大蛇たちは鬼灯に向けて攻撃を敢行する。

 

 

「執拗い!砂漠の金剛宝刀(デザート・ラ スパーダ)

 

 

マグマ大蛇たちに砂の斧で迎撃すると三匹は傷を再生したが最後の一匹は再生することなく崩れ落ちた。その瞬間をみた鬼灯にあるものが見えた。

 

 

「(あれは魔石か?………………成程な。彼奴らが再生する理由が何となくわかった気がする)」

 

 

鬼灯は新たに浮かんだ仮説を実証させるために、マグマ大蛇に向けて見聞色を発動させる。体のある部分から強い波動を感知した。鬼灯はそこ目掛けて斬撃を放つ。そうするとマグマ大蛇は今までろくな回避を見せなかったのに対し、そこだけはダメだ、と言わんばかりに回避をする。

これで仮説は実証され、確信へと変わる。此奴らは強い波動、詰まるところ魔石を核としている魔物だ。だったら話はそう難しくはない。後はそこを避けられないように、攻撃を叩き込めばいいのだから。

 

 

─────それから三時間後────

 

 

「ラスト!」

 

斬撃を放ち、核となっている魔石を両断する。それにより最後のマグマ大蛇が消滅し、終わりを迎えた。

 

 

「………予想以上に手こずったな」

 

 

五匹目までは順調だったのだが、こっちが核となっている魔石だけを狙ってると気づくと、マグマ大蛇は魔物の癖に連携を行い、倒すのに相当な時間がかかった。

だが頭を振り意識を目の前の建造物へと変え、鬼灯が建造物の前へと進めば恐らく魔法が施されていたのか、スっと音もなく壁の一部が横にスライドした。

部屋の中への入れ、と言わんばかりのそれに意を決して鬼灯は足を踏み入れる。

鬼灯が中へ入ると同時にすぐに扉は先程のようにスっと音もなく閉まり、鬼灯は部屋内に視線を巡らす。

解放者の住居と言っても中には特にこれといっためぼしいものなど何も無く、いやめぼしいものどころか部屋の中にある神代魔法の魔法陣以外に何も無い殺風景極まりない内装だ。

彼奴らしい、と考えながら鬼灯は、精緻で複雑な魔法陣の上へと足を運ぶと魔法陣は輝き、脳裏にまるで走馬灯か何かのように【グリューエン大火山】での出来事が過ぎっていき────

 

 

「……グッ」

 

 

あまりにも唐突な頭痛に変な声が漏れた鬼灯はズキズキとする痛みに耐えると光は止み、神代魔法が与えられた事を理解する。

 

 

「先ずは一つか……」

 

 

残りの六つかと考えを巡らせていたら、唐突にガコンっと音を立てながら壁の一部が動き、そして正面の壁に光り輝く文字が浮かび上がった。

 

 

「"人の未来が 自由な意思のもとにあらんことを 切に願う"

 "ナイズ・グリューエン"…………彼奴らしい、文だな。約束する。クソッタレは俺が必ず撃滅する。だからそっちで皆と見守っててくれ。」

 

本来であればこれで終わるはずだったが、先程まで自分が立っていた魔法陣が光り出す。そこに現れたのはナイズだった。

 

 

『これが起動したと言うことは、ユリウス本人ないしその魂を受け継いだ者が来たわけだな。そして、これは飽く迄も記録映像だ。俺たち(・・・)が一方的に話すだけだ。』

 

 

鬼灯は久しぶりに聞いた、ナイズの印象はやはり

 

 

「(素っ気ない野郎だ)」

 

 

『どうせ、素っ気ない野郎だ、と思ってるんだろうが無視して続けるぞ。先ずはあの時、お前に殿を押し付けるような形で、申し訳なかった。許してくれとは言わん。ただ謝罪をさせて欲しい』

 

 

『お前が、何処まで攻略したかは知らぬが、残りの迷宮も攻略できると俺は思ってる。押し付けるようで悪いが、今後こそ奴を倒して欲しい。』

 

 

その後も、俺が死んでリーダーが泣いていただとか、世界が前以上に奴の玩具と化しているか等と色々と話してくれた。そして

 

 

『そろそろ時間か。最後に、お前のこれからに自由の意思と、大空と風の加護があらんことを、切に願う。…………今度は全員で酒でも酌み交わそう』

 

 

最後にそう言い残し、映像は途絶えた。

 

 

「ほんとに言いたい事だけいいやがって。……改めて誓おう。ユリウス・ヴァレットそして鬼灯侑李の名に誓って今度こそ奴を撃滅する、と」

 

 

 

目尻を軽く潤ませながら誓い、目を開いて先程の音がした壁へと視線を向ければ、そこにはサークル状のペンダントがあり、どうやら迷宮攻略の証らしい。

それを手にして一先ず首にかけた鬼灯はそのまま外へ出る。

 

 

「さて、どう出るかだが………これか?」

 

 

用も済み、あとは迷宮から出るだけ。

また、迷宮を逆走するのか?と考えていたが鬼灯はふと、建造物の傍らで地面から数センチほど浮かんでいる円盤があるのを見つけた。

 

 

「成程。こうか?」

 

 

鬼灯は先程手に入れたペンダントを指で持ち上げると、それが正解であったかのように天井から物々しい音が生じ、何事かと見上げれば天井に円形の穴が開かれており微かだが青空が見えた。

そして、鬼灯は円盤を見下ろして使い方を理解し円盤へと乗る。それにより、円盤は動き始めて徐々にそれなりのスピードで浮かび上がっていく。

鬼灯の記憶ではここは大火山の麓ら辺、そして入口は頂上。三千メートルは円盤の上である。

それなりのスピードではあるもののやはり三千メートルというのはどう考えたって時間はかかる。

暇なので空間魔法の使い方を深めるべく、鬼灯は鍛錬を始めつつ、次に挑む迷宮の事を考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時を同じくして【オルクス大迷宮】に挑んでいたクラスの面々は一人の少年を犠牲に脱出をしていた。




これにて【グリューエン大火山】編終了です。
犠牲になった少年とはいったい〇雲ハ〇メなんだ?!(すっとぼけ)
彼は基本原作通りですが、原作よりハードモードです。何とは言いませんが。何とは、ね?
後、今更ですがユリウス・ヴァレットの姿イメージはダグラス・バレットで鬼灯侑李の姿のイメージは身長を185cmくらいになったカタクリです。
えっ?なに?カタクリがイメージなら餅を使え?馬鹿言え!トータスに餅がある訳ねぇだろ!
……………………………………………多分。
米があるからワンチャンあるのかな?
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