ありふれない解放者は世界どこでも最凶   作:マイティージャック

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メルジーネ海底遺跡編。メイルの口調がいまいち分からんティーや


七大迷宮【メルジーネ海底遺跡】後編

 

侑李がいる場所は砂浜のような場所でそれ以外は特に何も見当たらない場所だ。

巨大クリオネから戦力的撤退を図った侑李。

彼が落ちた場所は巨大な球体状の空間で、何十箇所にも穴が空いており、その全てから凄まじい勢いで海流が噴き出し、あるいは流れ込んでいて、まるで嵐のような滅茶苦茶な潮流となっている場所だった。

そのまま激流にさらされ、一つの穴に吸い込まれるように流されていた。そして水流が弱まったところで光が見えて浮上し、今に至る。

 

 

「ゲホッゲホ……………何処だ?」

 

 

呼吸が落ち着いて、思考がクリアになると考えを巡らせていた。

 

 

「(メイル(ドS)めェ。あのクリオネもどきに、再生魔法を付与しやがった!)」

 

 

内心でそう文句を垂れ流しながら歩みを進めていくと、周囲の風景がぐにゃりと歪み始める。驚いて足を止めた侑李は何事かと周囲を見渡すが、そうしている間にも風景の歪みは一層激しくなり─────気がつけば戦場へと変わっていた。

人間族や魔人族がそれぞれ武器や魔法を使って雄叫びを上げながら戦う光景。

突然、戦場に放り込まれたように驚くが、混乱しそうな精神を落ち着かせて周囲の様子を見渡す。

 

 

「これは幻覚か……?」

 

 

その光景に見てそう呟く。

 

 

『神の御心のままにぃ!』

 

 

一人の兵士と思われる男性が侑李に襲いかかる。しかし、侑李は構えずそのまま立っていると男性をすり抜けた。

 

 

「…………成程な」

 

 

今度は剣が振り下ろされそうになるも。

 

 

「断空閃」

 

 

空間魔法の斬撃で男を空間ごと両断する。すると淡い光となって霧散した。

 

 

「やはり魔力を纏った攻撃なら通用するみたいだな」

 

 

対処法を見出し、‶魔力操作〟で拳に魔力を流して襲ってくる兵士を迎撃する侑李、その表情は優れない。

 

 

『全てはエヒト様の為に!!』

 

 

『異教徒めがぁ! 死ねぇ!』

 

 

『エヒト様! 万歳!』

 

 

侑李が体験しているこの戦場にいる者全てに共通していることは、誰もが神の為に戦っているということだ。その瞳に狂気を宿して自らの命を顧みず、神敵を殺そうとしている。こちらの気まで狂いそうになる。

 

 

「……」

 

 

侑李には理解出来なかった。

どうしてそこまでして神の為に戦えるのか?身命を捧げられるのか? 命を捨てられるその信仰心がわからなかった。

 

 

「…………はぁ」

 

 

侑李は空高く跳躍すると魔力を混ぜた大型の砂嵐を大量発生させる。狂気に彩られた兵士達を一掃して殲滅させる。殲滅には便利な攻撃方法。その力を使って一瞬で戦争を終わらせた侑李は再び、周囲の景色がぐにゃりと歪み、気がつけば元いた場所に戻っていた。

そして先に進むと全長三百メートル以上はある巨大帆船で荘厳な装飾が施されている豪華客船だ。侑李は、その豪華客船の最上部にあるテラスへと降り立つと案の定、周囲の空間が歪み始める。

今度は海上に浮かぶ豪華客船の上にいた。時刻は夜で、満月が夜天に輝いている。甲板には様々な飾りつけと立食式の料理が所狭しと並んでいて、多くの人々が豪華な料理や酒を片手に楽しげに談笑していた。

 

 

「パーティー………………か?」

 

 

先ほどの凄惨な光景とは程遠く肩透かしを喰ったような気になる侑李。そして甲板には人間族だけではなく魔人族や亜人族も多くいる。その誰もが、種族の区別なく談笑をしていた。

 

 

「和平でも結ばれたのか………だが、あのクソッタレのことだ」

 

 

侑李は、檀上に登った初老の男性の演説を聞いて呆れた。

 

 

「───こうして和平条約を結び終え、一年経って思うのだ。……実に、愚かだったと……………」

 

 

「…………」

 

 

その言葉に多くの人が聞き間違いだと己の耳を疑う。

 

 

「そう、実に愚かだった。獣風情と杯を交わすことも、異教徒共と未来を語ることも……愚かの極みだった。分かるかね、諸君。そう、君達のことだ」

 

 

「い、いったい、何を言っているのだ、アレイストよ!いったい、どうしたと言う───がはっ!?」

 

 

国王アレイストの豹変に、一人の魔人族が動揺したような声音で前に進み出たが、その結果は胸から剣を生やすことになった。

崩れ落ちる魔人族に場が騒然とする。

 

 

「さて、諸君。最初に言った通り、私は、諸君が一堂に会してくれて本当に嬉しい。我が神から見放された悪しき種族如きが国を作り、我ら人間と対等のつもりでいるという耐え難い状況も、創世神にして唯一神たる‶エヒト様〟に背を向け、下らぬ異教の神を崇める愚か者共を放置せねばならぬ苦痛も、今日この一日に終わる!全てを滅ぼす以外に平和など有り得んのだ!それ故に、各国の重鎮が一度に片付けられる今日この日が、私は、堪らなく嬉しいのだよ!さぁ、神の忠実な下僕達よ!獣共と異教徒共に捌きの鉄槌を下せぇ!ああ、エヒト様!見ておられますかぁ!!」

 

 

膝を突き、天を仰いで哄笑を上げるアレイスト王。彼が合図すると同時に、パーティー会場である甲板を完全包囲する形で船員に扮した兵士達が現れた。

それから数分もしないうちに甲板は一瞬で血の海に様変わり、海に飛び込んだ者もすぐに殺されて海が鮮血に染まる。

 

 

「………やっぱりな。胸糞悪ぃり」

 

 

侑李はアレイスト王の近くにいるフードを付けた修道服の人物を見た。

 

 

「(あれは間違いなく、使徒(ポンコツ)だな……)」

 

 

既に一万という数の使徒をその目で見ている為に見間違えるはずようない。つまりこの惨劇を生み出したのは予想通り、エヒトの仕業である。予想していたとしてもこれは気持ち悪い。見ているだけで吐き気がする。

その怒りを抱かえたまま、侑李は大迷宮攻略の為に先へ進む。

【メルジーネ海底遺跡】でクソッタレがもたらす悲惨さを知り、怒りを抱かえながらも、その力を発揮している。

 

 

「失せろ」

 

 

霧に包まれながら魔力を纏わせた鋭い拳が怪奇現象を撃破していく。それだけでは止まらず、並の技量ではない騎士や拳士達も葬っていく。

怒りで動きが多少単調になってはいるが、確実に眼前の敵を屠っていく分には問題ない。そして擬態(餅)が次なるステージへと進んだ。

 

 

「無双ドーナツ」

 

 

地面から輪っかが二つ出現し、穴から大型の武装角モチが現れる。

 

 

「力餅!」

 

 

オーラを纏った右の拳をそのまま振るうと、右の無双ドーナツが連動して拳を亡霊共に叩き込まれる。左の拳も同じように振るい、怪奇現象も亡霊も次々殴り飛ばしていく。この無双ドーナツ、消耗が激しいが相当便利だった。

 

 

「終わりだ」

 

 

最後に残された一体を倒すと奥にある魔法陣が輝き出した。侑李は躊躇うことなく魔法陣に足を踏み入れると、転移した先の空間には、中央に神殿のような建造物があり、四本の巨大な支柱に支えられていた。支柱の間には壁がなく、吹き抜けになっている。神殿の中央の祭壇らしき場所には精緻で複雑な魔法陣が描かれていた。

 

 

「間違いなければ恐らくここが……」

 

 

【メルジーネ海底遺跡】の最奥。つまり、大迷宮を攻略した者が踏み入れる場所に侑李は辿り着いたのだ。

侑李は魔法陣の元まで足を運び、上に立つと魔法陣が輝きだし、脳に広がる痛みと今回の攻略でも出来事。

 

 

「………グッ」

 

 

痛みが引き、無事に神代魔法を手に入れた侑李の前に、魔法陣の輝きが薄くなっていくと同時に床から直方体がせり出して小さな祭壇になり、更に光が人型の形になる。そこにはかつて解放者と呼ばれた一人、メイル・メルジーネが攻略者に向けてメッセージを残していた。

彼女は最後に。

 

 

「………どうか、神に縋らないで。頼らないで。与えられることに慣れないで。掴み取る為に足掻いて。己の意思で決めて、己の足で前へ進んで。どんな難題でも、答えは常に貴方の中にある。貴方の中にしかない。神が魅せる甘い答えに惑わされないで。自由に意志の元にこそ、幸福はある。貴方に、幸福の雨が降り注ぐことを祈っています」

 

 

そう締め括り、メイル・メルジーネは淡い光となって霧散した。

その直後、魔法陣が再び輝き、人型を形成するとメイルが出てきた。

 

 

『これが再生させたと言うことはそう言うことなのね。お久しぶりね、ユリウス。これは記録映像よ。質問は受け付けてないわ。ごめんなさいね♡』

 

 

「…………はぁ」

 

 

『今、溜息ついたでしょう?そう言うところよ?ホントにね。時間が無いからパパっといくわ!先ずは、今まで色々とごめんなさい。貴方が弄りやすかったから、遂やり過ぎてしまったわ。でも、弄っていて楽しかったのは事実よ。そこに関しては全く後悔してないわ!』

 

 

侑李は迷宮で見せられた光景以上に怒りが募っていた。許されるなら、今すぐその横っ面に一発叩き込みたいほどに。

 

 

『次に、殿を押し付けるような形でなってしまったのも、ごめんなさい。こんな事は言いたくは無いのだけれど、本当に助かったわ。本当に感謝しているわ。そしてお願い、あいつを倒して。私達でなし得なかった、だけど貴方ならそれが出来ると私達は信じているわ。あいつを倒して、貴方がこっちにきたら一緒に飲みましょう。私のお酌つきよ♡

それとあの子の事ちゃんと幸せにしてあげてね?お姉さんとの約束♡

最後に、貴方に自由の意思と、幸福の雨があらんことを祈っています』

 

 

最後に微笑みながら言い残し、記録は終わった。

 

 

「………………俺たちの悲願は必ず達成させる。だからナイズにも言ったが見守っててくれ、メイル」

 

 

直後、彼女が座っていた場所に小さな魔法陣が浮き出て輝き、その光が収まると、そこにはメルジーネの紋章が彫られたコインが置かれていた。

これで侑李は樹海の大迷宮【ハルツィナ樹海】に挑戦する条件を一つ満たし、【神山】に関してはこれで挑戦できることになる。そして、証をしまった途端、神殿が鳴動を始めて周囲の海水がいきなり水位を上げ始めた。

 

 

「強制排出。しかもこれって……」

 

 

途中から渦を巻くようになり、その中心を見ると穴が空いていた。まるで便所のように。その意図に気付いた侑李は

 

 

「………………あんのドSがぁぁぁああ!!」

 

 

侑李は流されながら滅多にないキレ芸をし、流される瞬間、見慣れたドヤ顔と高笑いの声が、頭に浮かんだとか、無いとか。

 

 

 

────────その頃の奈落─────────

 

 

 

魔王覚醒。神水マジ神だわァ〜。こんにちは!死ね!!状態である。そろそろ爪熊に挑む。リベンジなるか!?

 




酷い急展開だ。やっぱ文才ねぇな!俺!
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