ありふれない解放者は世界どこでも最凶   作:マイティージャック

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移動と激突

 

【メルジーネ海底遺跡】を無事?攻略した侑李は再びエリセンの街に滞在していた。どっちかと言うとさせられていた、が正解である。理由は簡単で誘拐グループを片っ端から壊滅させていき、ゴロツキやマナーの悪い冒険者なども悉く、海水浴させた(海に沈めた)ためエリセンの街ではすっかり英雄として祭り上げられていた。侑李自身、前世もそうだが、あまりこう言うのは、好きではなかったので、わずわらしく思い始めた。そして、今侑李は服屋の前にいた。

 

 

「いらっしゃいませ。ユーリ様でしたか。本日はどのような御用で」

 

 

「………服を何着かと、雪原の方に行くから、防寒用のコートを買いに」

 

 

「かしこまりました。コートのは、どのように致しましょう?」

 

 

「防寒性の高いものであれば、何でも構わない。金はある」

 

 

「かしこまりました。ただいま、お持ち致します。お持ちまでの間は服をご覧に?」

 

 

「あぁ」

 

 

「かしこまりました」

 

 

そう、店の者と会話を済ませ、侑李は服を物色する

 

 

「さて、どうするか」

 

 

一時間程、物色した結果

 

 

「やはり、これが落ち着く」

 

 

選んだのは、上が着物で下が袴形、着物の上から羽織を着た和装スタイルで、前世と同じくスタイルにした。後は柄違いや色違いの物を三着ずつと、膝にスパイクの付いたレザーパンツと、肩出しのジャケットに、ウェスタン風のブーツに、肩幅ある大きなファーに手袋と一風変わった世紀末風スタイルで、予備含め三着ずつ購入する。後半の服は、侑李として生まれた時、よく着ていたスタイルである。

 

 

「ユーリ様、お待たせ致しました。此方なんかは、よろしいかと思います」

 

 

そう言われて渡されたコートは、地球で言うモッズコートに酷似したものであった。着てみたが、肩が若干キツい。

 

 

「肩が少しキツい。もうワンサイズ大きいものはあるか?」

 

 

「申し訳ございません。今お召になっているものが最大サイズとなっております。ですがご安心を。肩幅の調整なら可能でございます。少々失礼。」

 

 

そう言って店員は、侑李の肩幅を測る。

 

 

「失礼致しました。何着ご購入されますか?」

 

 

「予備を含め三着、お願いしたい。それからどれくらい時間はかかる?」

 

 

そう聞くも店員は指を二本立てた

 

 

「(二時間か。まぁ妥当だろう)………なら、それで頼む」

 

 

「かしこまりました。一旦ご会計の方を」

 

 

そう言われ、会計を済まし店員が

 

 

「少々お待ちくださいませ。直ぐに取り掛からせますので」

 

 

「ん?二時間かかるのではないのか?」

 

 

「高々、肩幅の調整程度で二時間もかける二流職人など、当店にはおりません」

 

 

「そ、そうか。ではお願いする」

 

 

「かしこまりました」

 

 

店員はコート持って仕立て室に入る。それから本当に二十分ぴったしに店員がコートを入れた袋を持って出てきた。

 

 

「大変お待たせ致しました。こちらにございます」

 

 

「ありがとう。機会があれば、また来る」

 

 

「では、その時までお待ちしております」

 

 

店を出た侑李は、空間魔法で作った収納スペースに荷物をいれ、別の店に向かった。十分程歩き目的の場所に着いた。そこは酒屋さんであった。先日ここである物を購入し、それを受け取りに来たのである。そのある物とは

 

 

「ユーリさん!お待ちしてました!こちらが先日ご購入して頂いたもの全てでございます」

 

 

侑李の前にあるのは、大量の酒樽である。中身はトータス版日本酒で侑李は前世頃から飲み続けている、一品物である。八百年経ってるので廃れている可能性も考えていたが、細々だか続いており、先日大量に頼んだのだ。酒樽(40L)が三十個、2L瓢箪(満タン)が五個と結構な数を頼んだはずだが………

 

 

「よく、たった一日で全部揃えられたな」

 

 

「街全体で頑張りました!」

 

 

笑顔で言っているがいいのかそれで?何となくご都合主義やしないか?と思ったが、揃っていることには変わらないので良しとした。

 

 

「また、頼む可能性もあるから……」

 

 

「毎日仕入れておきます!」

 

 

「頼んだぞ」

 

 

「しかし、どうやって運ぶんですか?」

 

 

「仕事の帰りに遺跡を見つけてな。そこでアイテムが無限のように収納出来る物を手に入れたんだ」

 

 

「う、羨ましいです!」

 

 

空間魔法のことは避けつつ、適当な理由をでっち上げた。そして店主はあっさりと信じた。その後、酒を全て収納し店を出る。宿に戻り、食事をすませ、部屋に戻る。

 

 

「(次に挑むのは【神山】。その後は【氷雪洞窟】に挑む。防寒具は買ったし、酒も全部間に合った。恐らく【神山】には十中八九あの使徒(ポンコツ)共がいるだろう。今更、敵でもないが、油断は禁物だろうな。俺との戦闘経験は織り込み済みと、考えていた方がこちらも、対処ができる)」

 

 

あの使徒(ポンコツ)共は、自分以外の個体が手にした情報を、自分のものとして情報を手に入れる事ができる。だから、一度殺した方法は二度通じない。まぁ、侑李は手が触れさえすれば、そんなものお構い無しであるのだが。でなければ、あれを一万も相手など出来ない。侑李と殺り合うなら、前提条件として体内の水分を零ないし、それに近づけなければならないが、幾ら使徒(ポンコツ)とはいえ、水分なしは、先ず活動すらできない。それだけ、水分は生きていく上で、生物として成り立つのに、水分は必要なものである。だから、使徒(ポンコツ)共が幾ら対策を取ろうが体内に水分がある限り、侑李は絶対的アドバンテージが取れるのである。考えがある程度纏まった侑李は

 

 

「明日は早いし、寝るか」

 

 

そう言って、侑李は寝に入った。

 

 

 

 

翌朝

 

 

 

 

 

チェクアウトを済ませ、エリセンの街を朝一番で出発した。砂の流動体で移動しながら、頭の中では使徒(ポンコツ)共との、戦いを思いだし、脳内戦闘に只管続ける。気付けば幾つもの街を過ぎ、王国との中間地点まで来ていた。ノンストップで流石に疲れたのか、侑李は木陰の傍で長めの休憩をとる。王国を通って【神山】に向かうので、万が一にクラスの面々にバレないように、顔は布で目元以外は隠して声もキーを一つ下げた感じで話すようにする。

 

 

「このペースだと、一度宿を取る必要があるッ!!!」

 

 

休憩は唐突に終わりを告げた。とてつもない魔力量を感知したからだ。場所を探ると上空に奴がいたからだ。奴が口を開く。

 

 

「そこの貴方。我が主のためにも、一緒に来ていただきます」

 

 

「いきなりだな。そんな礼儀知らずに、ホイホイと着いていく馬鹿は、いないと思うぞ」

 

 

「貴方の意思は関係ありません。抵抗するなら、どうぞお好きに」

 

 

「ほざけ。てめぇ程度に負けるかよ。使徒(ポンコツ)

 

 

使徒(ポンコツ)は大剣を二振りだし、侑李は拳を構える。だが、二人が戦うことはなかった。何故なら─────

 

 

「なんですか?今新たに贄の候……………………わかりました。直ぐに戻ります。命拾いしましたね。貴方程度より優先順位が高いものがあるので、これにて失礼します」

 

 

何があったか知らんが、奴は銀翼をはためかせ、王国の方に飛んで行った。

 

 

「ふぅ〜。手の内を晒さず済んだな。だが、よりにもよって王国に、行きやがったか。少々面倒だな」

 

 

奴単体ならいいのだが、複数いた場合一回で纏めて殺らねばならんので、少々とは言ったが、だいぶ面倒臭い。

 

 

「それは移動しながら考えるか……さっさと移動しねぇとマジで日が暮れる」

 

 

侑李は荷物を持って、再び移動を再開した。

 

 

二時間後。何とか日が暮れる前に、王都に入る門まで着いた。

 

 

「止まれ!ステータスプレートを見せろ。後、ここに訪れた目的はなんだ?」

 

 

「……勇者様が現れたと聞いたので、顔を拝見しにやってきた」

 

 

「…そうか。救世主様の顔を見に来たのか。滞在日数は?」

 

 

「……金銭的に五日が限界だ」

 

 

「丁度いい。予定では四日目に救世主様が帰還させる。上手くいけば顔を拝見できるやも知れん。」

 

 

「……教えてくれて、ありがとう。助かった」

 

 

「これくらいならな。………通ってよし!」

 

 

門番とのちょっとしたやり取りをし、五日分の滞在費を払い王都に入る侑李。適当な宿をとり、夜に備えた準備をする。

 

 

「(四日後か…それ迄に【神山】をクリアする必要がある。奴の事もあるが、今日行くのが正解だな)」

 

 

そして、夜になり、殆どの人が寝静まった。侑李は【神山】に赴く。迷宮への入口を探しつつ、見聞色である者を探っていた。

 

 

「(奴の波動が一つ、同じような波動はなし、か。奴しかいないって事は、処理は楽になるし、無駄(・・)もない)」

 

 

侑李は迷宮への入口を見つからなかったので、神殿への入口に足を運ぶ。道中見張りにバレないように移動し、どうにか神殿最奥部まで辿り着く。ここからどうするか、考えていると背後から殺気が飛んできた。

 

 

「ここに何の用ですか?」

 

 

「殺気を飛ばしながら聞く、質問じゃねぇな。そんな馬鹿でかい殺気飛ばしてたら、神殿騎士が飛んで来るぞ?」

 

 

「ご安心を。ここら一帯を空間ごと切り離しているので、万が一にでも、彼等に気付かれる事はないでしょう。もう一度聞きます。ここへには何をしに?」

 

 

侑李はその問いかけに対して

 

 

「ここにしかないものを貰いに、な」

 

 

「………成程。何処でそれを知ったかは、問いません。どうせ死ぬのですから」

 

 

「殺れるものなら…………………殺ってみやがれ!」

 

 

奴はどうやってか、修道服から一瞬で鎧に着替え、こちらに迫ってくる。侑李は拳を構え、同じく距離を詰める。黒く成った(・・・・・)大剣と武装硬化した拳が激突した瞬間、赤黒い稲津が辺り一帯に飛び散った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────その頃の奈落─────────

 

 

魔王、爪熊にリベンジ成功!次の階層を目指して、せっせと準備中。今日の献立はメインは熊肉、前菜が狼肉に兎肉、ドリンクが神水だよ!ハジメは食べながら、ある事を思い出していた。

 

 

「(そういやぁ、最後の方に腕が黒く成った(・・・・・)な。なんだったんだ?一体?)」

 

 

魔王、無意識に覇気に目覚める。




みんな大好き覇王色の衝突。あれ、いいよね。
原作主人公は覇気全部覚えさせる予定です。予定の理由は瞬光とはあるし、見聞色いらねぇんじゃね?と思っている作者がいるからです。それでは次回!
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