とりあえず格闘家で戦いたいと思います。 作:アズライルン
二日目の早朝。ムサシ丸は図書館でダンジョンに関する情報を見つけ出して個人的に気になった部分をリストアップして行先の順序を決める。
「必要な情報は手に入った。後は行動するのみ」
既に攻略されている場所もあるかもしれないがそれでも何かしらの収穫はあると立ち上がり寝ているカナデに感謝の書置きを残してその場を去った。
古びた図書館を出たムサシ丸はメモを見ながら今の場所から一番近い場所を目指す。
「『これはある騎士の物語。かの騎士は武勇に秀で王にも部下にも慕われていた。しかし、そんな彼を良く思わない同僚がいた。嫉妬に狂った同僚は彼を深い、深い谷底へと落とされた。目の上のたん瘤が消えたその同僚は着々と出世を重ね、やがて騎士団長へと上り詰めた。そんな中、谷底から尽きぬ怨嗟を纏った呻きが聞こえると言う噂が流れる。それはまるで己が不幸の元凶の悉くを滅さんとする黒い意志が秘められたかのように』……谷か。となると岩山に行ってみるか」
物語の一部を抜粋した内容を鑑みて岩山辺りに目星を付けてその方角に歩みを進めた。
「(内容からしてゾンビとかゴーストの類か?物理攻撃無効なら『破壊者の流儀』で対処できると思うが怨嗟ってのが個人的に気になるな…後、悉くを滅ぼさんって言う行も。範囲攻撃があると思って行動した)」
辿り着くまでに色々と考察を立てている。勿論、その道中に襲ってきたモンスターやプレイヤーを倒すのと銀のメダルを探すのは欠かせていない。
漸く、目的の岩山に到着した。
「この岩山だと思うがこれだけ大きいと探すのは骨だな」
岩山の規模から例の谷を見つけるのは骨が折れるがこれだけの広さだと探すのには手間取るが逆に他のプレイヤーもピンポイントでは見つけるのは困難である。ムサシ丸は岩山に存在するいくつかの谷を見つけては降りて魔法陣の有無を調べ、無かったら登ってまた谷を探すの繰り返しだ。
「(まさかロッククライミングをする事になるとはな…)」
普通なら安全を考慮し様々な準備をして臨むものだがムサシ丸はゲーム内で安全性皆無のロッククライミングをしている。
「此処で最後か……」
一日かけて最後の谷を見つけ出してその最深部を目指す。出っ張っている部分に足を引掛けて慎重に降りていく。
谷底に到着すると空中に浮遊している魔法陣を見つけた。
「こいつは当たりだ」
漸く見つけて出した魔法陣に触れると魔法陣からどす黒い瘴気が噴き出すと同時に黒い甲冑に身を包んだ騎士の形になった。
「いきなりボスとの戦いか」
戦闘態勢を取ったムサシ丸を見て黒騎士が襲い掛かって来た。
「(攻撃手段は剣か。今のところ剣だけの攻撃だが変化するかもしれないから今は観察しながら攻略の糸口を見つけるか)」
攻撃パターンを把握しながら攻撃をかわしつつジャブにストレート、卍蹴りで対応する。今まで戦ってきたボス達よりVIT高いのか与えられたダメージは大きくない。それでもムサシ丸がノーダメージなのは今までの格闘技の経験によって培ってきた産物である。
「そんな大振り、不発に終われば地獄だぜ」
振り下ろされた剣を紙一重で避けて連続で人体の急所と言える部分に攻撃を当てる。人間相手なら昏倒しても可笑しくない連撃なのだがこのボスは倒れなかった。
HPが半分になった事でボスに何かしらの変化があると思って一端距離を置くムサシ丸。黒騎士が剣を天に掲げると谷の上から黒い翼を生やした女神が出現した。その女神が黒騎士を包み込むと黒騎士の体が徐々に肥大化し鎧が部分的に砕けてしまった。最終的には兜が割れると皮膚が裂け、肉の部分が丸出しになっている顔が露わになった。
「おいおい、ホラーゲームじゃあるまいし。ホラーに耐性のない奴だったら泣くぞ」
脳裏にそのホラーに耐性がない知り合いが浮かんだが今はそれどころではない。暴獣拳を使って一気に片付けようと構えたが途端に悪寒が走った。
「(この悪寒は覚えがある。総合格闘技の試合で相手の術中に嵌りそうになった時に感じた物と同じだ!)危ねぇ、危ねぇ。引っかかる所だった」
以前に体感した感覚に委ねた結果、暴獣拳を使わずにドロップキックで攻撃した。
「こいつ相手に暴獣拳を使うのは危険だな。とてつもない反撃を食らいそうだな(ボスだけしない事を踏まえるとアクティビティスキル使った瞬間、面倒な事が起こりそうだな…)ならスキル無しで戦ってやるよ、暴獣の時みたいにな」
不敵な笑みを浮かべながらボスと対峙する。
果たしてムサシ丸が感じた悪寒の正体とは果たして?
黒騎士の第二形態のモデルはバイ○ハザードのネメシス
ムサシ丸のテイムモンスターは
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メカっぽいオルトロス
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悪魔チックなTレックス
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空飛ぶ鯨
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その他