とりあえず格闘家で戦いたいと思います。   作:アズライルン

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第二十話

 黒騎士との激しい戦闘を終え、新たなスキルを入手したムサシ丸はかなりの疲労を感じて横穴を見つけて眠った。

 三日目の朝。横穴から出てきたムサシ丸はラジオ体操で体をほぐす。

 

「あぁ~昨日の戦闘は本当に疲れた。そう言えば、ステータス画面を見てなかったな」

 

 貫通攻撃スキルの感覚を掴むのに精を出していたためすっかりおざなりにしていた。最後に確認したのが第一回イベントの時だったのでそれから時間が経っている。改めてレベルが5上がっておりスキルポイントも溜まっている。

 

「さっきの戦いで力不足を感じたからなSTRは上げておきたい。後はAGIかVITか悩ましい所だな」

 

 黒騎士戦で感じたSTR不足であると感じたためSTRの上げるのは必須ではあるが残りのポイントをどれかに振ろうかと悩んでいる。

 暫し考えた後、STRを重視に残りはAGIとVITに振った。

 

ムサシ丸

 

 

 

 Lv34

 

 

 

 HP 640/640

 

 

 

 MP 110/110

 

 

 

 【STR 100<+30>】

 

 

 

 【VIT 30<+40>】

 

 

 

 【AGI 85】

 

 

 

 【DEX 5<+10>】

 

 

 

 【INT 12】

 

 

 

「DEXとINTは戦闘ではあまり使わないし獲得したヒールだって応急処置だしな。俺は物理攻撃が基本だしな」

 

 サリー曰くINTは魔法攻撃に必要なので自分の戦闘スタイルでは高くなくても問題はないがDEXに関しては別の方面で役立つとの事で高いに越したことはない程度の認識で良いかもしれない。

 

「さてと、移動するか。……その前にこの断崖絶壁を昇らなきゃいかん訳だが」

 

 朝からの重労働に辟易しつつもロッククライミングを始めるムサシ丸であった。登り終わるとメモを見て次の行先を決める。

 

「とりあえずは南に向かってみるか」

 

 図書館から抜粋した内容を元に岩山を抜けて南の方角へ歩を進めた。

 南に進むと草原地帯になっておりゴブリンや兎型のモンスターが跋扈している。ムサシ丸はモンスターを倒しながら目星を付けた場所に向かっていると可笑しな場所を見つけた。

 

「(あそこだけ変に盛り上がっているな)」

 

 気になったムサシ丸は草原にある盛り上がりに手を触れると波紋が広がっていき、人工物の多い空間が出現した。そこには色とりどりの光に囲まれている大きな杖を持ちフードを被った人物がいた。

 

『おやおや、珍しい客だね。此処は精霊達の遊び場で様々な精霊が遊びに来ているのだよ。中でも水源から水を引いて噴水を完成する遊びが精霊達のお気に入りだ』

 

 その人物が指差す場所を見ると一つの水源と三つの噴水、そして様々な形をした水路の部品の数々が置かれていた。

 

「これは…パズルか?」

 

『私も魔法を使って彼らと遊んでいたがもう歳でね、魔法で浮かせて運べなくなってしまってな。悪いが私の代わりに君が精霊達と遊んでくれないか?』

 

 話を聞く限り、時間内に一つの水源から水路を繋げて三つの噴水を完成させよと言うのだ。試しに水路の一部を持ち上げると見た目相応の重さを感じた。

 

「意外と重いな」

 

 持てなくはないがこれを持ちあげながらパズルを解いて行くのは中々の重労働である。

 

「よし、やるか」

 

 水路のパーツを手に取ってパズルに挑んだ。

 

 

 

 

運営サイド――――――

 

「ムサシ丸が精霊の遊び場に挑戦しているようです」

 

「あれか。『銀翼』と『海皇』と同じ攻略に成功すると『幻獣の卵』が貰える使用だ。まぁ…銀翼はメイプル達に攻略されたが」

 

「まぁまぁ、あの二つと違う点はボスを倒すのではなく水源から水を引いて噴水を完成させる。ただし、噴水までの繋ぐ水路はSTRが100以上じゃないと持ち上げられない仕様だからな。仮にメイプルとサリーが挑んでも攻略出来ないだろう」

 

 戦闘以外で幻獣の卵が貰えるのがこの精霊の遊び場と言う場所。図書館のような1000ピース以上のミルクパズルを完成させるようなものではないため比較的に簡単そうに見えるが水路のパーツを移動させるのにSTRが100以上ないと動かせない仕組みになっているため防御力に極振りしているメイプルはおろかAGI重視であまりSTRに振っていないサリーでも動かせないのだ。

 

「パズルが得意だけじゃダメ、力だけあってもダメなカラクリだしな。と言うかあれは本来なら一人で挑んだら駄目な所だし」

 

 本来なら二人か三人で挑む方が簡単に終わる仕様で一人が高い場所に登って指示を出し、STRの高いプレイヤーがそれに従って行動すれば余裕でクリアできるのだ。

 

「ムサシ丸の頭脳面が試されるな」

 

 戦闘になると急激にIQが高くなるムサシ丸だがそれ以外の事になるとどうなるか楽しみな気持ちと脅威になるのではないかと言う気持ち半々で見ていた。

 

 

 

 

 ムサシ丸は水路のパーツを持ち上げて水源に繋げて噴水を完成させるために四苦八苦している。

 

「(記憶力はそれなりに自信あるけど、時間内に終わるかはちょっと自信がないな)」

 

 パズルの内容としてはカナデの方がかなり難しいのだが繋げる水路が大きくて重いため設置に一苦労している。

 

「こりゃ試行錯誤しながら攻略するしかないな」

 

 ムサシ丸はあれやこれやと繋げてはその部分が駄目ならその部分を外してまた繋げるを数回、数十回と繰り返して残り時間が1秒と言うところで三つの噴水が水源と繋がって完成した。

 

「つ、疲れた……これだけ頭を使うのは始めてだ」

 

 考えながら行動するのは今に始まった事ではないが頭を使うのは始めてであったため余計に疲労を感じた。

 パズルを完成するとフードを被った人物が現れた。

 

『悪いね。お詫びにこれをやろう』

 

 大きな杖を振るうと灰色、紫色、藍色の卵が出現した。

 

『さぁ、好きな物を取ると良い』

 

「(卵?これって何かのアイテムか?)とりあえず好きな色の藍色で」

 

 卵がどういった場面で使うのか分からないので自分の好きな色である藍色の卵を貰った。

 

『モンスターの卵:温めると孵化する』

 

「(情報量が少ないな…孵化させれば何か分かるのか?)」

 

 調べてみたが情報があまりにも少ない。こればっかりは孵化するまで待つしかないので踵を返してその場を去った。

 

 

 

 

運営サイド――――――――――

 

「攻略されましたね…」

 

「ああ。でも初見とはいえ、制限時間ギリギリでの成功だからこちらから何も言う事はない」

 

「プレイスタイルの関係でSTRは高いし時間内に何回もトライ&エラーしているからむしろ、よく頑張った」

 

 ムサシ丸が精霊の遊び場の攻略に成功したものの制限時間ギリギリだったため特に問題はなかった。

 

「遊び場の報酬にしていた『幻獣の卵』は何だっけ?」

 

「『サイ』、『ワニ』、『クジラ』ですね。DEXやVITはちょっと低いですがSTRやINTの高く設定してます」

 

「攻撃に富んだ奴らだな。まぁ、内容が内容だけにそうなるか」

 

 なんせ、精霊達の遊び場は()が必要なパズル(・・・)のためSTRやINTの高いモンスターが選ばれている。

 

「ムサシ丸が選んだのは?」

 

「藍色の卵だったので高いHPと高威力かつ範囲攻撃で攻めるクジラですね」

 

「範囲攻撃がないムサシ丸にとっては心強い相棒だな」

 

 高いSTRと流れるような動作で複数の敵を倒すムサシ丸だが大勢の敵を一気に倒せるスキルは持っていない。

 そのため運営側でムサシ丸と組ませてはいけないプレイヤーの話になるとメイプルの他に強力な炎系の魔法を操るミィの名が挙がっている。前者は予測できない動きで運営を悩ませるが後者は単純に二人の相性が良すぎて強いのだ。前衛でムサシ丸が暴れている間にミィの高火力の範囲魔法で攻める。しかも、ミィの攻撃が外れてもマジックリフレクターを持っているムサシ丸が敵の動きに合わせて反射するから敵側したらたまったもんじゃない。

 

「今後のムサシ丸の行動次第だけど化けるだろうな」

 

 運営の一人の呟きに全員が納得すると同時にその予想が当たるのは恐らく時間の問題だろうと少しだけ頭を抱えるのであった。

ムサシ丸のテイムモンスターは

  • メカっぽいオルトロス
  • 悪魔チックなTレックス
  • 空飛ぶ鯨
  • その他
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