とりあえず格闘家で戦いたいと思います。 作:アズライルン
イズさんの工房に訪れたのは一人の男性とクラスメイトの本条楓こと、メイプルだった。
「クロム、どうしてその子を連れてきたの?」
「あぁ、大盾装備の新入りを見つけてな…衝動的に連れてきた」
「クロム、衝動的に連れて来たの?通報した方がいいかしら?」
冗談で運営に通報するイズさんに対して大慌てするクロムと言われた男性。確かに普通に考えりゃ通報されても可笑しくない言い回しだわな。
「ふふっ…分かってるわよ。冗談よ、冗談」
「はー……心臓に悪いから止めてくれ」
「貴女もムサシ丸君も怪しい人にそんなに簡単についていっちゃ駄目よ?」
「俺は怪しくねぇよ!?」
「いや、危機感のある人なら警戒すると思いますが?」
メイプルは警戒心と言う物が全くない。NWOに限らず悪質な輩はどこにでもいる。クロムと言う男は善意でイズさんのお店を紹介したから良かったものの、悪質プレイヤーだったら酷い目に遭っていただろう。
俺だったら怪しいと判断したらその場で殴るか蹴るか投げ飛ばすか関節技を決めるかのどれかの行動をしていただろう。
「メイプルちゃんは大盾を選んだのは何でかしら?」
「痛いのは嫌だったので、防御力を上げようと思ったんです」
痛みに対して多少我慢できる俺は特に気にはしていないがメイプルは痛いのは本当に嫌なようで防御力に特化した大盾を選んだようだ。
「なるほど、なるほど。じゃあVIT特化装備が良さそうね…後、聞きそびれたんだけど、ムサシ丸君はどうして格闘家を選んだの?」
「俺の場合、リアルで格闘技をしていたので武器を持つことに抵抗感がありました。最初は魔法使いを選ぼうとしていたのですがそれ以上にぴったりな装備を見つけて今に至ります」
「なるほど。一応訊くが……もし、魔法使いで近づかれたらどうするつもりだったんだ?」
「殴るか蹴ります」
遠距離を主体で攻撃して近づかれたら殴ればいいと思っていたところに格闘家があったからそれを選んだ。
その質問に答える俺を見たクロムさんは引いた表情をしていた。脳筋な答えであるとは自覚している。
「そう言えば、ムサシ丸君は総合格闘技で三回も世界チャンピオンなったんだよね?」
「まぁな。けどその話は中学までの話で交通事故がなけりゃ今でも続けていたんだがな。まぁ、過ぎた事を悔やんでも仕方がない。それに此処でなら好きなだけ戦えるから」
交通事故がなければ今でも格闘技に没頭している。元々ゲームの類は暇な時間に駅前のゲーセンでUFOキャッチャーか太●の達人ぐらいしかない。故にNWOに関してはリアルで培った格闘技をベースに応戦しているのが現状である。
尤も、筋トレやランニングは毎日欠かさずやっているけどな。
「へぇ……総合格闘技で三連覇か。格闘家が不遇装備なのはムサシ丸みたいなプレイヤーが少なかったからなのか?」
「その可能性があるわね。話がそれちゃったわ。メイプルちゃんの装備だと最低でも100万ゴールドくらいいるけど」
「所持金は幾らだ?」
「うぅ、う…まだ3000くらいです」
「ふふっ…それじゃあ足りないわね」
フル装備で100万超える金額になるのか。装備によるかもしれないが手甲だけでも所持金の大半を持っていかれたから納得できるな。
「狩ったモンスターの素材を換金するのも手だ。昨日レベル上げついでに素材を集めて換金すれば増えるぞ」
そのために片っ端からモンスターをなぎ倒していたからな。
「そう言う事。まぁ、気付いた時には貯まっている物だから気にしなくていいわ」
「うぐぐ……暫くオシャレはお預けだなぁ」
がっくりと肩を落とすメイプル。
オシャレとか気にしていないが初心者装備から抜け出したい気持ちは分からなくもない。
「それともう一つの手としてダンジョンに潜る手もあるわよ。ちょっとモンスターは強いけどダンジョンにはお宝もいっぱいあるの。金を貯めるのも兼ねて、一度行ってみたら?まあ、強力な大盾があるかは分からないけどね」
ダンジョンか……行ってみたいが今のレベルだと厳しいからもう少し上げてから挑もうと思っているからな。
「ムサシ丸君、装備できたわよ」
「ありがとうございます!」
イズさんに渡されたのはアイアンナックルと言う金属製の手甲だった。さっそく手甲を装着して具合を確かめると違和感はなかった。
アイアンナックル
《STR+20》
《VIT+10》
STRが20、VITが10追加されるとは俺としてはとてもありがたい装備だ。
「すごいです、イズさん。しっくりきます」
「ありがとう。格闘家なんて私が知っている中でムサシ丸君しかいなかったからとても参考になったわ」
「寧ろ、その状態で武具を作れるイズさんが凄すぎます」
初見で要望同じ物を作れるイズさんの能力ははっきり言って異常だ。でも、そのおかげで良い装備は手に入ったのだから別にいいか。
「良いな、ムサシ丸君…」
物欲しそうに見ているメイプルに俺は苦笑いしか湧いてこなかった。
「そう言うがメイプル、新調したのは武器だけでそれ以外は初期装備のままだぞ。多勢やトッププレイヤー相手だと簡単にやられるからな?」
今のHPは620あるけど少なくとも中堅プレイヤーが相手でも簡単に削られる数値だ。だからこそ、レベル上げついでに狩ったモンスターの素材を換金して装備を整える必要がある。
その後、俺メイプルは何時でも連絡が取れるようにとイズさんとクロムさんとフレンド登録をした。登録し終えるとポーションをいくつか買ってレベル上げのために再び西の森へ向かった。
掲示板
241名前:名無しの大盾使い
大盾の少女に遭遇したというかフレンド登録したw
242名前:名無しの槍使い
は?
243名前:名無しの弓使い
どうやって?
244名前:名無しの大盾使い
ログインしてきた時にめっちゃキョロキョロしてて一瞬目が合ったと思ったら走ってきて話しかけられたw
245名前:名無しの大剣使い
大盾少女コミュ力たけーなおい
246名前:名無しの魔法使い
>244
んでその後は?
247名前:名無しの大盾使い
格好良い大盾って言われて俺が生産職の人紹介するからついてこいっていったら後ろついてきた。AGI低すぎて俺についてくるのもしんどそうだったな途中何度か止まってあげたし
その後に生産職の人の店で大盾少女のリアル知人である格闘家の少年に出会ってそいつともフレンド登録した。
248名前:名無しの槍使い
>247
格闘家って不遇装備ダントツトップの?
249名前:名無しの大盾使い
まあ待て今まとめる
いくぞ
大盾少女の名前はメイプル
パーティーは組んでいない
大盾を選んだ理由は攻撃を受けて痛いのは嫌だから防御力を上げたかったとのこと
超素直で活発系少女
総評
めっちゃ良い子
あー見守ってあげてー
格闘家の少年の名前はムサシ丸。パーティーは組んでいない
メイプルとはリアルでクラスメイトの間柄。三白眼で一見悪そうだが礼儀正しいのか悪い印象はなく寧ろ、好感が持てる。
格闘家を選んだ理由はリアルで格闘技を習ってからでもし、格闘家がなかったら魔法使いを選んでいたようだ。
総評
この少年も良い子
因みにムサシ丸はリアルにて総合格闘技で三年連続世界チャンピオンなったそうだ。交通事故によって今は引退しているとのことだ
250名前:名無しの槍使い
情報サンクス
しかし、総合格闘技の世界チャンピオンか……
251名前:名無しの魔法使い
格闘家を選ぶのも納得だな。
しかし、交通事故で選手生命を断たれるというのは中々ヘビーだよな
252名前:名無しの大盾使い
ムサシ丸本人はショックから立ち直っているものの多少なりとも未練はあるらしい。
253名前:名無しの大剣使い
そりゃそうだよな。
話が変わるがお前のAGIっていくつよ?メイプルちゃんがお前についてくるのもしんどそうだったって言っていたから気になった
254名前:名無しの大盾使い
俺のAGIは20な
後お前らとはメイプルちゃんに関する情報を交換していきたいと思ってるから俺の情報晒すわ
取り敢えず俺はクロムって名前でやってる
お前らとはフレンド登録しときてーから明日これる奴は22時頃に広場の噴水前に来てくれると嬉しい。
255名前:名無しの槍使い
サンクスっていうかお前クロムかよ!
バリッバリのトッププレイヤーじゃねーか!
256名前:名無しの魔法使い
有名人過ぎてビビったわw
257名前:名無しの弓使い
よっしゃその時間行けるわw
つーかAGI20に置いていかれるとかメイプルちゃん本当にVIT極振りかもしれん
258名前:名無しの大剣使い
ムサシ丸のステータスも気になるが……本人が言わないから保留だな。
これからもメイプルちゃんを暖かく見守っていく方向でいいかなー?
259名前:名無しの槍使い
いいともー!
260名前:名無しの弓使い
いいともー!
261名前:名無しの魔法使い
いいともー!
262名前:名無しの大盾使い
いいともー!
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