シンフォギア VS ウルトラ怪獣   作:Mak

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息抜きに手一杯な作者がいるらしい。

それはそうと、夢を叶えるって尊いけれど、同時に難しいですよね。

>6.29 追記
並び替えをして1話目に移動しました。


サ・ヨ・ナ・ラ地球   複合怪獣リガトロン登場

宇宙に生息する邪悪な生命体が地球を襲う!

次々と奪われていくエネルギー資源!

宇宙怪獣の鋭い爪が装者たちに迫る!

地球が危ない!

次回 サ・ヨ・ナ・ラ地球   お楽しみに

 

 

「はぁっ」

 

S.O.N.G本部内、装者待機室にて雪音クリスはため息をつく。彼女の席のそばには大量の資料が山積みにされていた。 その資料はすべて、クリスが風鳴弦十郎に頼んで集めたもらった、とある宇宙探査船についてであった。

 

貰った資料を一通り読み終わったころ、待機室に響と翼が入室する。

 

「あれ~?クリスちゃんどうしたの?そのたくさんの紙の山は? 課題のやり忘れてたとか?」

「立花。 雪音がそんな下手を打つわけはずが無いだろう?  話は司令から聞いている。例の有人の宇宙船についての資料だろう?」

「... ああ。木星探査に向かったまま行方を絶って、2ヵ月も経過しちまった、ジュピター3号についてだ。」

 

ジュピター3号とは国連が開発、運用している木星探査を目的とした有人の宇宙探査船の一つである。 地球からの迅速な支援が望めない木星圏での過酷な環境でも探査を可能とするため、現代科学の粋を集めて製作されたその機体は堅牢、たった3人の乗員のみで地球と木星間を往復できるほどの堅実な設計がなされているはずの機体である。

 

事実、ジュピター2号は既に木星への往復実験を複数回も成功させている。改良型である3号は2号に探査機器を追加しただけの改造に留まっており、理論上事故はありえないとされるほどであった。

 

「危険な仕事なんですね、宇宙飛行士って。 でもいきなりどうしたの?クリスちゃんの夢って宇宙飛行士になることだったけ?」

「ちげーよ。 今朝の新聞にこの話が載っててな。 記事によれば、あと数日以内に無事を確認できなかった場合はMIA判定になるんだと。 それで色々気になっておっさんに頼んで資料を集めてもらっただけだ。」

「それは心配だな。 私たちも月へは行ったことはあるが流石に木星までは現状不可能だからな。それで、暗い顔してるが何か解ったことはあったのか?」

「いや、 なんて言うか、知らなければよかったとていう情報もあって、あのおっさんに頼んだのを後悔してる。 とくにあの船のリーダーがエザキっていう博士が日本人だからなのか、やたらと詳しく書いてあってだな、....... 家族構成とか現在の関係性まで書いてあったんだ。 博士は娘とは喧嘩別れ中らしい。」

 

頼んだ資料には膨大かつ詳細な情報が載っており、小学生時代の作文から、更には搭乗員たちの家族との写真まで集められていた。

その量と質は弦十郎の公安時代の経験が生きた証でもあるのだが、頼んだクリスにとっては過剰な情報量であり、頭を悩ませる要因になってしまった。

そこにはエザキ博士が幼少の頃からどれほど今回の(プロジェクト)に力を注いでいたか、それに対する家族の反応まで報告されていた。 資料によればエザキ博士の娘は父が危険なミッションに参加することに特に反対し、最終的には家を出たとのことだった。

それを知ってしまったクリスはその胸中に複雑な想いを抱いてしまっていた。 壮大な夢を叶えるために遠くへ行ってしまった親と置いて行かれた子が、まるで自分を見ているかのようで。

 

「........そうか。 無事に帰ってきてくれることを願うしかないな。 それとすまない。このことは私から司令に言っておくからあまり責めないであげてくれ。叔父様も悪気があったわけではないのだろう。」

「早く無事に帰ってくるといいですね。」

 

その時、 緊急事態を知らせるサイレンが艦内に響き渡る。 待機室に居た3人はすぐさま気持ちを切り替え詳細を確認するため司令室に向かった。

 

「情報は!?」

「今確認中だ。」

 

はやる装者たちを宥め、風鳴弦十郎が答える。

 

すぐさま、藤尭朔也、友里あおい、エルフナインが求められている答えを導き出す。

「司令! 謎の飛行物体が高度2万メートルからマッハ4のスピードで急降下中!航空機にしては大きすぎます!」

「正体の特定はあとだ! 落下予測地点はどこだ!」

「計算完了しました! このままだと鹿島灘付近と思われます!」

「たしかそこには次世代型の恒星間ロケット用に開発中の高純度エネルギーの備蓄基地があったはずです!」

 

「よし!S.O.N.G出動ッ! 君たちはすぐ現場に急行してくれ!追ってマリア君、暁君、月読君もそちらに向かわせる!」

 

「「「了解ッ!」」」

 

 

 

ヴァー! ヴァー! 

 

備蓄基地に危険を知らせる警報が鳴り響く。  謎の飛行物体は基地すぐそばの湾内に猛スピードで落下! その凄まじい運動エネルギーにより高く打ち上げられた波しぶきの中から怪獣が現れた!

 

騒然となる備蓄基地。

怪獣は落下によるダメージなど初めから無かったかのように悠然と備蓄基地内のエネルギー貯蔵タンクに向かって歩きはじめた。

 

ちょうど怪獣が岸に上がろうとした時、先行して出動していた響、翼、クリスの三名を乗せた輸送ヘリが現場上空に到着した。

 

「師匠!飛行物体は怪獣だったみたいです!」

「こちらでも確認した! いいか!怪獣の前方から一斉攻撃だ!やつをこれ以上基地には入れさせるな!」

「「「了解ッ!」」」

 

三人は上空を飛ぶヘリから飛び出しそれぞれの聖なる(うた)を口ずさむ。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

「Imyuteus amenohabakiri tron」

「Killter Ichaival tron」

 

各自がシンフォギアを身に纏い終わると翼が二人に指示を飛ばす。

 

「よし!立花は辺りを巡回して逃げ遅れた人々がいないか確認と救助を!まずは私と雪音で攻撃を仕掛ける!行くぞ!」

「任せてください!」

「でかい的だ! 外すなよ先輩!!」

 

クリスは手始めにアームドギアを2丁のボウガンに変形させエネルギーの矢を放ち攻撃を開始する。 負けじと翼もアームドギアを巨大な剣に変化させ得意のエネルギー斬撃を放つ。

 

だが、怪獣の装甲は堅く二人の猛攻を物ともせず基地内に入りこみ近くの備蓄タンクを破壊し、中の高純度エネルギーを奪うため鋭利な爪をタンク内の中枢部に差しこみ爪の先から高純度エネルギーを奪い始めた。

 

基地の職員たちもただ指をくわえてその様子を見ては居なかった。 すぐさま防衛コントロールシステムであるDCSを起動させ、タンク周辺に建てられたポールから紫電が走り、怪獣の動きを封じることに成功する。 

しかし突如、怪獣の目と思われる先端の丸い器官からまるでストロボのようなフラッシュが放たれた瞬間、 怪獣を封じ込めていた紫電が消えたその隙をついてまた一つタンクを破壊されてしまう。

 

「こぉんのぉ!」 

 

辺りを巡回し、一通りの安否確認と救助を終わらせた響が攻撃に参加。怪獣の側頭部に全身を使ったパンチをお見舞いし、怪獣は一瞬だけたじろぐ。

 

「これならどうだ!!」

 

エネルギー攻撃では埒が明かないと判断したクリスはミサイルによる物理攻撃を選択し小型ミサイルによる波状攻撃 「MEGA DETH PARTY」 を繰り出す。 

さすがの怪獣もたて続けでの攻撃を受けたことによりエネルギーを奪うことを中止。 鋭い爪をまるで航空機の主翼のように展開して更に腰部からジェット噴射!一瞬のうちに空の彼方へと消えてしまった。

 

「まるでロケットみたい。」

「ちくしょうッ!なんて恐ろしいヤロウだ!」

「逃げられたか。司令、怪獣の行方は?」

「ダメだ。あまりのスピードでこちらの追跡を振り切った。 一旦帰投だ、本部で対策を練る。」

 

 

 

しばらくして、S.O.N.G司令室にて怪獣の対策として情報部所属である緒川慎次が得た情報を共有するための会議がなされた。

 

「ところで、戦闘記録を見させてもらったけど、途中で基地施設から出た紫色の電流はなんだったの?」

「そういえばなんか出てましたね。 すぐに消えちゃいましたけど。」

「緒川さん、何か聞いてはいませんか?」

「はい翼さん。 あれはあの基地に配備された基地防衛システムの一部のようです。 ですが、そのシステムを管理するDCSというシステムが外部からのアクセスを受けて停止してしまったとのことです。」

「恐らくですがあの怪獣が発した光がシステムハッキングのコマンドだったと思われます。」

「エルフナインちゃんの言う通りです。 システムのログによれば停止コマンドを受け付けたのはあの発光のすぐ直後になってます。」

「それよりも気になることがひとつあります。」

「ん?藤尭、何か気が付いたか?」

「はい司令。 DCS自体にも外部からのハッキングに対しての対応策が盛り込まれてします。しかしそれらの全てが作動した経歴がありません。 最初から構成を知ってなければこのような回避はありえません。それこそ開発者でなければ。」

「緒川、システムの開発者と行方ははわかるか?その人物を洗い出す必要があるやもしれん」

「開発者の名前は判明してありますが、その人物の行方を掴むのは不可能です。」

「めずらしい。 優秀なニンジャである緒川さんが無理なんていうなんて。」

「デスデス。一体全体どんな人物デス!」

「簡単な話ですよ。 開発者はエザキ博士。 既にジュピター3号と共に行方不明中の。」

 

指令室には沈黙が流れた。

 

 

 

怪獣の襲撃から数日後、国連所属の宇宙開発局、そこのD機関より恐るべき情報がS.O.N.Gにもたらされた。 なんと行方不明中のジュピター3号の乗組員がここ数日間、家族のもとへ姿を現したとのことだった。

ある者は病院にて寝たきりの祖母のそばに寄り添い、ある者はグランドで幼い息子とサッカーで遊んだとのことだった。 

 

いずれにしても、直接接触できたのは一部の家族のみで、調査員が確認のため訪れた時にはすでに姿を眩ませていた。

ジュピター3号が秘密裏に地球に帰還することは考えらず、また例のDCSへのハッキングに関しても容疑が掛けられているなどもあり、D機関による搭乗員たちの家族周辺の監視が強化されたとの報告がなされていた。 

 

風鳴弦十郎はこの件について情報制限を掛け、このことを知るのは情報部および上位オペレーターなどの限られた人間に留め、装者たちへは伝えないようにした。

だが、どういった経路かは不明だがこのことを知ったクリスは怒り、司令室に怒鳴り込んできた。

 

「おいおっさん! 宇宙開発局の連中がジュピター3号の搭乗員たちの家族を嗅ぎまわっているのはどういうことだ!!まさか本当に、あの怪獣がジュピター3号と深い関わりがあるんじゃあねーだろうな!!!」

「ジュピター3号の件は宇宙開発局の管轄だ。残念だが、詳しい情報は我々にも入ってきてはいない。」

「なら直接問いただしてきてやる!」

「待ちたまえ!!我々には我々の、彼らには彼らのやり方がある!互いの領分を踏み越えることは絶対にできないルールなのだ!」

「そんなこと!納得できるか!!あいつらがやっているのは家族を心配する気持ちを土足で踏みにじることだ!思いやりとか優しさとか!人としてのあったけー気持ちはないのかよ!」

「納得できる出来ないの話ではない! 君の気持は分かるがまずは我々の権威内でできることからを全力でやっている。 話をつけるのはそのあとからでも遅くはない。 頼む、時期が来るまで耐えてくれ。」

 

先ほどやり取りの後、装者待機室で待機していたクリスのもとに響が彼女の分のジュースを持って現れた。

 

「はい、クリスちゃん! ジュース!わたしのおごり!」

「お、おう。 珍しいじゃねーか。おまえが奢ってくれるなんて。」

「さっき師匠とやりあったって話を聞いてね。 嬉しかったんだ。わたしも似たような経験したから、まるで私のために怒ってくれたみたいでさ。」

「・・・・そうか。」

「本当。早く無事だって分かって、無関係だって教えてあげたいね。

「・・・そうだな。」

 

 

 

「回収された怪獣の破片を分析した結果、ジュピター3号の外壁の一部が発見されました。」

 

怪獣の弱点を発見するため分析を進めていたエルフナインより発せられた事実に司令室は重たい空気に包まれてしまう。

 

「じ、じゃあジュピター3号の搭乗員たちは・・・」

「あの怪獣に襲われたか、あるいはそれ以前に不慮な事故に遭遇したか。・・・いずれにせよ、三人の生還は絶望的と言わざるを得んな。」

「そんなぁっ。」

「司令!朗報です。 D機関に押収され、データを抹消されていたエザキ博士のプライベートコンピューターのコピーから博士のメッセージのサルベージが成功しました!」

「お、緒川さん! 一体どうしたんですか?」

「エザキ博士ほどの人物なら何かメッセージを残しててもおかしくはないと思ってな、だがどうもD機関はジュピター3号についての情報を隠蔽するよう行動してるように思えてな、緒川に命じて秘密裏にデータの回収とサルベージをして貰ったという寸法だ。」

「いいのかよ~、おっさん♪ 互いの領分を踏み越えるのはいけないんじゃあなかったか?」

「なぁに。踏み越えたことがバレなければ問題は無いさ!」

「流石!師匠に緒川さん!!イョっ!頼りになる!」

 

 

 

サルベージされたエザキ博士からのメッセージには恐ろしい事実が隠されていた。

彼らは予定通り木星の衛星軌道に乗った時にジュピター3号の動力エネルギーを目的にやってきた謎の発光体に襲われ、抵抗も虚しく、探査船諸共取り込まれてしまった。 

その発光体は感情も実態も持たない未知のエネルギー体でありながら、人の感情を読み取り、彼らの恐怖の感情から探査船を怪獣化し、次のエネルギーを求めて地球にやって来た。 

知識も能力も思うままに操られてしまい、人間として覚醒していられる時間もほとんどなく、最後に、地球が彼らが壊滅するような悲劇が起こらないことを切に願い、メッセージはそこで終了する。

 

「これで色々合点がいきましたね。 やはりD機関は、いや、宇宙開発局自体が、ジュピター3号と怪獣は無関係であることにしたかったでしょう。」

「それは、やはり予算確保のためかしら。」

「おそらく、そうみて間違いないでしょう。 これが知られれば、宇宙開発のスピードは更に遅くなるのは必然かと。」

「ヒドイ。・・・・・」

「でも分かる気がするデス。 あんなのがまだ宇宙に居るなんて考えたら宇宙に行きたくなくなるデス。」

「なんとかあの人たちを元に戻す方法はないんですか?」

「ざ、残念ながらあまりにも未知なことが多すぎます。ご、ごめんなさい。 僕にもっと知識があれば。」

「エルフナインちゃんのせいじゃあないわ。 宇宙にはまだまだ謎は多いもの。」

「謎といえば、なぜ怪獣の虜であるはずの彼らがどうやって姿を現したかだ。」

「きっと、 いや、絶対に、家族や肉親への純粋な気持ちを怪獣が理解できずに、逆に怪獣の能力を使って現れたんだと思う。 家族への強い気持ちがあんな怪獣に負けるもんかよ。 しかし許せね! ちくしょう!これが夢を追いかけるために必死な人達にやる仕打ちかよ!」

「このメッセージはすでに国連上層部に報告してある。まもなく返答がくるだろう。」

 

ヴァー! ヴァー! 

S.O.N.Gにあの怪獣が鶴ケ崎発電所近くに現れたとの報告が入る! と、同時に、国連からの怪獣の討伐という冷酷な命令が下され、司令である弦十郎はそれを承諾した。

 

「おっさん!! あたし達は、 あの人達と戦えっていうのかよ!!」

「師匠!?」

「我々が戦うのは・・・・・、 あくまで地球の平和を脅かす未知の宇宙怪獣だ!!」

「そんな・・・・・・」

「司令! 鶴ケ崎発電所は関東一円の消費電力の60%を賄う所です。ここが破壊されれば、都市機能は完全にマヒしてしまいます!」

「私は行きます。立花、雪音、他にも戦えない者がいるなら無理して戦わなくても良い。たとえどんな相手であろうとも、私は防人として大勢の無辜の人のために戦う。」

「待って翼!私も行くわ。切歌、調、貴女たちも無理に従う必要はないわ。戦う覚悟のある者だけついてきなさい。」

「「マリアっ!?」」

「先輩!? 相手は、相手は人間なんだぞ?!」

「理解している。 だがこのままでは被害を増やすだけだ。そんな被害を彼らは望んでいない。彼らのためにも、私たちで止めなくては。」

「翼さん・・・」

「・・・・・分かった。 あたしも戦う。 これ以上あの人達を苦しめるわけはいかねえ。」

「クリスちゃん。 本当に良いの?」

「ああ。あたしは装者として、自分の任務を全うする。」

 

その言葉に装者全員の気持ちが一つになり、結果全員で怪獣討伐のため出撃した。

 

 

 

「マリア!怪獣を発見デス! 発電所からだいたい10キロぐらいの地点デス。」

「ええ、みんな聞こえたわね?発電所の方向を背にして怪獣に攻撃!行くわよ!」

「分かった!・・・」

「任せてください!」

 

初戦での経験により、下手な攻撃では効果がないことは判明しているため、各装者は最初からそれぞれのギアが放てる大型ノイズ向きの技を繰り出す。

響はアームドギアでもあるガントレットを最大限まで引きのばしパンチを繰り出し、

クリスは初戦で効果のあったミサイル攻撃よりも強力な 「MEGA DETH FUGA」 を、

翼は「天ノ逆鱗」による質量攻撃を、

マリアは「HORIZON†CANNON」による強力無比な砲撃を、

切歌は「切・呪りeッTぉ」による斬撃を、

調は「α式・百輪廻」による広範囲斬撃による攻撃を行った。

 

だが、これら装者6人による一斉攻撃でさえも殆どの攻撃が弾かれてしまい、怪獣を怯ませることしか出来なかった。

 

「そんな!なんて硬さなの!」

「ならその装甲をぶち破るまで続けるだけだ!食らいやがれっ!」

「雪音! 落ち着け!深入りすぎだ!」

 

気負うクリスに対して、怪獣も脅威に感じ始めたのか、爪の先端を合わせ青色の光線を発射し、初めて反撃の意を示した。

今まで抵抗らしい抵抗を見せてこなかった怪獣の思わぬ攻撃にクリスは直撃こそ免れたが着弾の衝撃で吹っ飛ばされてしまいギアが解除された状態で気を失ってしまった。

 

「クリスちゃん!!!」

「「クリス先輩!!」」

「3人とも落ち着いて! 切歌と調はクリスを救出に向かいなさい!立花響!あなたは私と翼と一緒にあの怪獣の気をあの子から逸らすことに集中なさい!」

「「わ、分かった(デス)」」

「二人とも!お願い!! 私が絶対に守るから!!」

「その意気だ立花!行くぞ!」

 

響、翼、マリアの3人はクリスのいる場所と発電所の方向とは別の方向へ移動しつつ怪獣の意識自分たちに向かわせるため攻撃を開始する。 

怪獣の方も無視できるほどの相手ではないと認識を改めたためか、陽動はなんなくと成功するが先ほどの青色の光線のほか、頭部の目をスパークさせ彼女たちの居た付近に爆発を発生させた。

 

「く、強い! 唯でさえ攻撃が通りづらいというのに!」

「なんとあの攻撃を防ぐ方法を考えねばっ!」

「そうだ、 怪獣を転ばせましょう!地面に貼り付けにすればあの攻撃も防げるし時間も稼げます!」

「悪くない考えね、それで行きましよう!」

 

 

「「クリス先輩!!大丈夫です(デス)か!?」」

「お、おまえたち、 怪獣はどうなってる?」

「マリアたちが今作戦を決行中だそうデス!」

「今は自分のことを優先してください。ここでは危険です。移動したらキズの手当をしますのでそれまで我慢してください。」

「あ、ああ、すまねぇ。」

 

 

「準備はいいな?まずは私から仕掛けるぞ!」

 

まずは翼が高く跳躍し大量の剣を具現化させ投射する「千ノ落涙」による目くらましを仕掛ける!

 

「次は私よ!この程度の重量!気合で何とかしてみせる!」

 

マリアはその隙をついて怪獣の背後に回り、アームドギアを蛇腹剣に変形させる「EMPRESS†REBELLION」で怪獣の足を拘束し、バランスを崩す。

 

「たぉれろ!!」

 

同じく隙をついて怪獣の背後に回った響はガントレットを怪獣用に巨大化させその後頭部に強力な一撃を放つと怪獣は地面に突っ伏してしまう。

 

「念には念をだ! 怪獣用に開発したこの影縫いでしばらく寝ててもらおう!」

 

そう言って翼は「天ノ逆鱗」で使用される巨大な剣を「影縫い」の要領で怪獣の影に差し、怪獣の動きを封じた。

 

「今です! S2CAトライバーストで決着をつけましょう!」

「承知!」

「サポートは任せて!」

 

3人は手をつなぎ、パワーを限界まで溜めるために絶唱を歌い始める。

 

「「「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl 

Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl」」」

 

絶唱による強大なパワーの奔流は少し離れたクリスたちがいる場所からも見えていた。

 

「これは、S2CAトライバーストを使うのか!」

「やっぱり綺麗。・・・」

「これで決まって欲しいのデス!」

 

「スパーブソング!!」 「コンビネーションアーツッ!!」 「セット!ハーモニックス!!」

 

3人分の絶唱エネルギーが響1人に集結し、彼女が身に纏うギアは、彼女たちの望みを叶えるべく相応しい形状に変化させる。 すべての工程を経て準備が完了した響は戦いを終わらせるべく、藻掻く怪獣に対して一撃必殺の技を放とうとした次の瞬間! 

怪獣は空を飛んだ際に使用したジェット噴射により響と怪獣を固定していた巨大な剣を力づくで吹き飛ばし、自由を取り戻してしまった!

 

「無事か立花!」

「いててて、 な、なんとかへいき、ヘッチャラですっ!」

「S2CAのエネルギーはまだ残っているわね、 私と翼で援護するから隙をついてなんとか攻撃してちょうだい!」

 

だが、怪獣は翼とマリアへの攻撃を無視するかのように最大の脅威である響に対して執拗に攻撃を仕掛け、響は隙をつくどころではなかった。

 

 

「な、なんてやつですか!?あのトンデモは!」

「まるで難攻不落の要塞。 私たちが何百人掛かって外側から攻撃したってビクともしないっ!」

「おまえら!弱気になるんじゃっ・・・ 待てよ? 外側から? そうか!!」

 

弱気を見せる後輩2人に注意をしようとしたクリスはすぐさまS.O.N.G本部に連絡をする。

 

「こちら本部。クリス君どうした?」

「おっさん!すぐにジュピター3号の、特に家族の写真を中心に、関連資料をジュピター3号のコンピューターに送信してくれ!データなら手元に腐るほどあんだろう!?」

「なるほどそういうことか!すぐに送信する!」

 

すぐさまデータは怪獣と共に取り込まれていたジュピター3号内のコンピューターに送信され、その効果はすぐに表れた。

怪獣は攻撃をやめ、体中から火花を散らし苦しみ始めたのだ。

 

「どうしたのだろう?怪獣の様子がおかしい。」

「クリス先輩の賭けが当たったらしいのデス!」

「眠っていた3人の意識が覚醒したんだ。 おっさん!こっちの端末にも送ってくれ!」

 

装者全員の端末に搭乗員たちの思い出の写真が次々を映し出されていく。それはまるで走馬灯のように。それに連動するかのように怪獣の体中からより火花を放ち暴れまわる。

 

「もう一度、もう一度人間として生きてくれ!エネルギーを奪うんだ!やつが蓄えてるエネルギーを逆に利用して怪獣を倒すんだ! 人間の底力を! 夢を叶えることがどれだけ凄いことなのか、あたしに見せてくれ!!!」

 

クリスが叫ぶ。 同じく壮大な夢を叶えるために歩き始めた後輩として、壮大な夢を叶え、より大きな夢を目指す先輩に対してエールを送る。

 

「頑張れ!!!負けないでくれ!!」

 

その想いに応えるかのように、遂に怪獣は自らの攻撃で自慢の鋭利な爪を破損させ、体から3つの光が空に飛び立つと怪獣は完全に沈黙した。

 

「今だ!S2CAトライバースト!!」

この隙に響は溜め込んでいた絶唱エネルギーを開放し強大な力の奔流を怪獣に解き放った!

「これがわたしたちの!! 絶唱だぁぁっぁあ!!!」

 

見事、攻撃は命中し、怪獣はバラバラに弾け飛んだ!

 

「やったぁっ!」

「奇跡なのデス!」

「いや、奇跡なんかじゃねーよ。 人間としての誇りと、尊厳を取り戻したあの人たちが、もう一度命を懸けて世界を守ってくれたんだ。」

 

 

戦闘の後始末を終え、帰りの輸送機待つ装者たちは、黄昏の空に3つの光が宇宙へ飛んでいくの発見する。

 

「あれは?」

「あんなところに星なんかあったかしら?」

「ジュピター3号の搭乗員たちだよ、絶対に!」

「もしかすると、人間を超えた光の生命体になったのかもしれんな。」

「一体どこに行くんデスかね?」

「空さ。あの人たちが目指す場所は、無限に続く宇宙なんだよ。」

 




ウルトラマンティガ第4話よりリガトロンとの対決でした。
作者が好きなティガのエピソードの中でもトップ5に入るほど好きな話です。
怪獣の造形もすきなのですが、公式はおろか、ティガの2次作品ですらこの怪獣だす方は知る限り見たことないので出せてうれしいです。

個人的には平成版のジャミラに近い怪獣だと思ってるので若干ジャミラテイストを加味しつつ、クリスちゃんに夢を叶える難しさと尊さを語ってもらいました。
どうもクリスちゃんはシンジョウ隊員と相性が良いみたいでセリフは殆ど変えずに済んで楽でした。

作者としての課題は戦闘シーンです。見本を見ながらとは言え、初の本格戦闘シーンなのでうまいこと描写できたか少し心配です。

コメントでこうすればよかった、ここが良かったと言って頂ければ励みになります。

困ったことが一つ、 エザキ博士関連のエピソードはもう一つあるんですよね。 
どうしよう。。。。。

そろそろ、平行世界での話を検討中。 どれを先に読みたいですか?

  • 奏の世界 vs モズイ
  • セレナの世界 vs ザランガ
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