シンフォギア VS ウルトラ怪獣   作:Mak

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3か月振りの更新です。
次回予告とは違う話を投稿しますがどうかご容赦ください。

そしておかしいですね。10月31日に投稿したのに表記がバグっております。

みなさんの心のなかでこの話の投稿日は10月31日の64時40分だと修正して頂けると幸いです。


ハロウィンの夜に   異次元人ギランボ登場

ハロウィンの夜に

 

ハロウィンに集まる子どもたちの夢を吸い取る魔女

異次元人ギランボの魔の手が忍び寄る!

次回戦姫絶唱シンフォギア 「ハロウィンの夜に」 お楽しみに

 

10月31日 ハロウィンの夜

S.O.N.G本部では正体不明の現象を感知していた。

 

「こんな強い磁場初めては初めてです! ただの気象現象とは思えません!!」

 

「怪獣の仕業かもしれんな、直ちに装者たちを招集してくれ!」

 

 

そして本部内で待機していた装者6名+小日向未来は直ぐに指令室に集まりブリーフィングが始まる。

 

 

「K19地区に強力な磁場が発生した。すぐに現場に向かってくれ」

 

「待ってください司令。 ご命令に背くつもりはありません。しかし、怪獣が出現したならともかく調査なら私たち装者でなくてもよろしいのではないでしょうか? 折角のハロウィンです。 できれば皆には待機の間だけでもハロウィンを楽しんでもらいたいと思っています。 調査なら私だけにして頂けませんでしょうか?」

 

「マリア君の気持ちはよく分かる。 だが、今回は怪獣よりもノイズが出現するパターンと酷似している。 錬金術師たちが使役するアルカノイズではなく、消滅したはずの、異次元から現れるノイズの方だ。 出来れば念には念を入れたい」

 

「・・・そういうことでしたら仕方ありませんね」

 

「すまない。 その代わりと言ってはなんだが、君たちにある特別な装備を用意した。 好きな装備を選んで調査に行ってくれたまえ」

 

「特殊な装備、ですか?」

 

一行を代表して聞き返すマリアに対し、風鳴弦十郎は朗らかな顔で笑い返した。

 

 

 

 

 

「がぉ~~~!!」

 

「うわぁ!! いや~翼さんノリノリですね!」

 

「うん、それにフランケンシュタインの恰好! とってもお似合い(?)ですよ?」

 

 

秋の夜長、満月が怪しく照らす夜道を車2台が走っていた。

そのうちの一台、緒川慎次が運転する車の中では立花響、小日向未来、風鳴翼、雪音クリスがハロウィンの仮装のメイクをしながら楽しそうに準備をしていた。

 

 

「そうか! 実は前々からやってみたかったのだ! 西洋妖怪の恰好で百鬼夜行を!」

 

「その恰好でしたら有名人の翼さんだって分かりませんもんね~」

 

「二人も似合っているぞ! 立花はドラキュラ、小日向は魔女か! 特に雪音のその恰好! それも魔女か? とっても似合っているぞ!」

 

「あ、ありがとうございます。 ・・・しかしハロウィンつっても、あたしは良い大人が街に集まってバカ騒ぎするイメージしかねーんだが・・・。 調査に行く場所は大丈夫なのか?」

 

 

翼は知らないがクリスは怪傑☆うたずきんの恰好をしていた。

そして恥ずかしそうにしながら無理やり話題を変え始める。

 

そんな心配をするクリスの疑問に答えたのは運転を担当し、NINJAの恰好ではなく、ご丁寧に鼻と犬の耳を付け、オオカミ男に扮した緒川慎次だった。

 

余談だがハロウィンの本場のアメリカではNINJAは定番の仮装であり、なぜかプラスチック製のヌンチャクがセットで売られているため毎年一人はするほどの人気を博すほどである。

 

 

「大丈夫ですよ。いまから調査に行くところは由緒正しく、町内会が運営し、米国式の様に子どもたちが家々を訪ね歩き、お菓子を貰いに行くタイプのハロウィンを推奨している町ですから」

 

「ハロウィンが日本に上陸したのは半世紀前と最近のことらしい。今でこそマナーやルール化され落ち着いたが、叔父様が言うには当時は凄かったらしいぞ」

 

 

実際、日本におけるハロウィンとは大人が仮装し、公共の場で騒ぐ憂さ晴らしに近い形式が多く、2018年には渋谷での大混乱が発生し、「変態仮装行列」と問題になったほどである。 あれから四半世紀経ち、当時を知らないクリスたちの世代にもそのようなイメージが刷り込まれるほどの歴史に残る騒ぎとなったのだ。

 

 

 

 

 

オバケに仮装した子どもたちが楽しそうに閑静な住宅地の家々を回る。

家々もハロウィン仕様でデコレーションされ、中には本物のお化け屋敷ではないのかと疑いたくなるようなデコレーションもありその差は住人の意向によってさまざまである。

しかしどの家々も共通点がある。

玄関に置かれ、繰り抜かれてオバケの顔を模したオレンジ色のパンプキン、ジャックオーランタンだ。 

それが大人と子ども、ハロウィンの参加者の暗黙の了解の印である。

 

玄関前に並ぶジャックオーランタンが怪しく光りオバケたちを家に誘導し、

そして誘導されたオバケの集団は家の玄関に並ぶと一斉に脅し文句を元気に大きな声で唱えるのだ。

 

 

「トリックオアトリート!!!」

 

「まぁ! 可愛いオバケさんたち! ・・・はい! お菓子よ~」

 

すると住人が現れ、悪戯されては溜まらないとお菓子を仕方なく、実際は笑顔で配る。

 

「わ~~~い! ありがとう!!」

 

子どもたちも先ほどまでの脅迫はなんだったのか。 

礼儀正しくお礼を言い仮装の下は笑顔でいっぱいで次の標的を探しに夜の街を闊歩するのであった。

これぞケルトから米国に渡り、商業戦略な諸々な影響を受け現代まで伝わるハロウィンの作法である。

 

 

 

 

 

町の公園。 

そこは粗方の家を廻り、休憩する者、戦利品を交換、あるいは自慢するオバケたちで溢れかえっており、中には楽しそう追いかけっこをする団体もいた。

その団体の一人、ジャックオーランタンの仮面にピエロのような服を着て子どもたちと追いかけっこする怪しい人がいた。 

 

 

「オバケだぞ~~! 食べちゃうぞ~~~!」

 

「キャー! キャー!」

 

 

これだけだったら事案だと読めるだろう。

しかし実態、子どもたちは皆笑顔であり、ただ追いかけっこしているだけなのだ。

 

しかしそのジャックオーランタンは一人だけ背が抜きん出て大きかった! 

子どもの集団の中では目余計に目立つくらい大きかったのだ。

 

そしてそれを見かねたセクシー黒猫に扮した友里あおいがジャックオーランタンを止め、軽く注意をする。

 

 

「ちょっとマリアちゃん? はしゃぎすぎじゃあないかしら?」

 

「あ、あおい! 勘違いしないで! そ、そう! これは捜査なのよ! 子どもと仲良くするのも、捜査の内! 国連のエージェントである私が言うのだから間違いないわ!」

 

「ふ~ん?」

 

 

そう実はこのジャックオーランタンの正体はマリア・カデンツァヴナ・イヴだった。

翼もそうだが有名人である彼女たちだけは正体がバレて騒ぎにならないよう体形や顔がバレにくい仮装をしていたのだ。

 

現在、装者たちはそれぞれ小グループを作り、手分けして調査に当たっていた。

もう一台の車に乗っていた暁切歌、月読調、エルフナインの三人も来ており、その三人は現在グループで調査しつつ、家々を廻ってハロウィンを楽しんでいた。

そして、大人二人組は公園を中心に捜査していたのだが、この通りである。

 

 

「ねえ見てあおい! おいしそうなロリポップ! どこでもらったの?」

 

 

冷やかな目をするあおいの追求から逃れるべく、マリアは絵にかいたようなペロペロキャンディを舐めながら歩いてきた可愛らしいオバケたちに貰った場所を聞く。

 

「私も貰ってくるわ♬」

 

「ちょ、ちょっと? それも捜査の内なの?」

 

そして、指さした方向に人だかりが出来たのを確認すると、もはや取り繕う素振りも見せず、ハロウィンを楽しんでいるマリアは呆れるあおいを置いて人だかりへと突貫するのであった。

 

 

 

「夢がある子は集まっておいで!夢をいっぱい持っている子には褒美に美味しいキャンディをあげよう!」

 

軽快なテンポで流れる民謡とは不釣り合いなやたらとリアルな老婆の方の魔女の仮装をした女性がワーゴン一杯に詰め込まれているキャンディを配っていた。

 

「一本頂戴!」

 

子どもたちに交じり被り物を被り直したマリアがキャンディを強請る。しかし、

 

「大人にはあげないよ!」

 

「えええ? そうなの? ショック・・・・あら?」

 

若干大人であることにガッカリしながら諦めてあおいの所へ戻ろうと踵を返したマリアであったが、ふと違和感から再度魔女の方へ、魔女の向こうにおいてある仮装者が衣装の確認するために町内会が置いた安い鏡を見た。

 

(鏡に魔女が映ってない?)

 

なんとその鏡には魔女の姿が映っていなかった。

自分の目の前にはちゃんと存在するはずの魔女が、周りにいる子どもたちもちゃんと認識し、もう一つキャンディを貰おうと子どもと話し合っている魔女が鏡には映っていなかった。

 

 

「さあ、今日店じまいだ! 退いた!」

 

警戒するマリア。

そのマリアの警戒心に気が付いたのか魔女は態度を豹変させカートを押し闇の中へと消えて行ってしまう。

マリアはすぐさまその魔女を追いかけ始めた。

あおいは突然走り出したマリアに驚き、声を掛けようとするがそれは小さな男の子に邪魔されてしまう。

 

「お姉ちゃん僕、二つ貰ったから一つあげるよ!」

 

「あらいいの?」

 

「僕の弟が夢をいっぱい持っているって言ったら二つくれたんだ!」

 

「弟くんに怒られない?」」

 

「お姉ちゃん美人だから!」

 

「あら~! この正直者~~!」

 

 

子どもと言えど他人から美人だと言われれば気が良くなるものである。 

あおいは男の子からキャンディを貰うと少し乱暴に頭を撫で繰り回す。

 

そして気が付いたらマリアの姿は消えていた。

 

 

「そんなにキャンディが欲しかったのかしら?・・・でもこれ本当に美味しそう。・・・・・ちょっとぐらい良いわよね?」

 

 

だれに言い訳をしたのか、あおいはキャンディを嬉しそうに食べたのであった。

 

 

 

 

 

「AHAHAHAHHAHHAHAHHAHA」

 

暗闇の中を魔女が高笑いしながら走る。 

シンフォギアを纏っていないとはいえ、カートを押しながら生身の状態のマリアが追い付けないスピードで走る。

マリアは微かに聞こえる魔女の声とカートの音を頼りに必死に追いかけた。

 

しばらくして完全に魔女を見失ったマリアは空き地が目立つ一画へとたどり着く。

すると突如、着いたときにはなかった古びた洋館が突如空き地に現れたのだ。

他に手掛かりの無いマリアはその洋館の扉を開けると、追いかけていたあの魔女の声が微かに聞こえた。

 

仮装の内に仕込んでいた女性用拳銃を握り閉め、声がする方向を頼りに進むマリア。

半開きの状態で光が漏れている扉を蹴って開け銃を向けるがそこは真っ白な光で溢れ、部屋の中が見えない状態であった。

 

埒が明かないと意を決したマリアが扉を通ると何故か昼間の公園に出ており、

振り向くと、先ほどまであったはずの扉はいつの間にか消滅していた。

とりあえず危険はないと判断し銃をしまいながら辺りを見渡すと、公園の砂場で元気なく座り込んでいる子どもたちを発見する。

 

 

「お~い! 僕たち?」

 

 

心配と現状把握のためマリアは子どもたちに声を掛ける。

すると子どもたちは一斉にマリアの方へ顔を向けたのだが・・・

 

 

「ッ!?」

 

 

マリアが驚くのも仕方がなかった。

子どもたちは全員、白人であるマリア以上に白い顔と虚ろな目をしていたのだ。 

ゆっくりと人形の様に近づいてくる子どもたち。

しかしある程度近づくと途端に踵を返し、方々へと歩きさってしまう。

 

どうしたのだろうと疑問に思うマリアは後方から影が掛かるのを感じ振り向くとそこには今まで見たことの無いタイプの、この世界の生物とは思えない形状の怪獣が立っていた。

 

 

 

 

 

「嫌な予感がしますね」

 

「どうした藤尭?」

「昨年までの地場のデータを集めていたのですが、毎年ハロウィンの日に発生し、発生した場所で子どもたちが大量に行方不明になっているんです」

 

「大量にかぁ、 ・・・ん? こちら本部。 どうした緒川?」

 

『ご報告致します。磁場の中心地を調べてみたのですが、怪しいものは何も見つかりませんでした。』

 

 

緒川慎次を始めとした5人はマリアが入り込んだ洋館があったはずの空き地に来ていた。

しかし洋館は消えてなくなっており、念のため地下深くもスキャンしたがやはり何も見つけることが出来なかった。

 

 

「報告ご苦労。・・・友里聞こえるか? 子どもたちは無事か?」

 

『子どもたちですか? みんな楽しそうですよ?』

 

「なら良い。 念のため子どもたちが無事家に帰れるまで周辺を警戒してくれ。 装者たちも協力を頼む」

 

 

 

「マリアちゃんたらどうしたのかしら? 一斉通信だから聞いているとは思うけどどこに・・・ッ!?」

 

気配を感じ後ろ振り向くとそこにはジャックオーランタン(ランタン持ちの男)ジャックオーが突っ立っていた。

 

 

「もう! マリアちゃん! 脅かさないでよ! さて、遊びはもう終わりよ。 仕事に戻りましょ?」

 

 

そういうとあおいは先ほどまで楽しんでいたキャンディを隠しながら歩きだすのであった。

そしてジャックオーランタン(ランタン持ちの男)も無言でついて行くのであった。

 

 

 

 

 

(・・・ん? ここはどこぉ? ってちょおっと!? なんで下着姿なのよ!? 服は!? 無い! どこに!? いいえ、落ち着きなさいわたし。 まずは現状把握よ。 それにしても狭いわね! なによこの透明な筒は!? 牢屋のつもり?)

 

 

寝覚めの衝撃が凄かったのか、マリアは逆に冷静になり自分の状況を把握し始める。

そしてゆっくりと自分が収められている謎の筒のような牢屋が置かれている部屋を見渡すと、

民謡「テン・リトル・インディアンズ」の音楽に合わせて木馬で遊ぶ男の子がいた。

そして、そのまま視線を手前に合わせると、マーブル柄のテーブルに銃とアガートラームのギアペンダントが置かれていた。

 

しまったな、とマリアがガッカリしていると突如何もない空間から扉だけ現れ、中からあの魔女が入室してくる。

 

 

「おい! おまえは誰だ ここは何処なの! 答えなさい」

 

 

しかし魔女はマリアの言葉を無視し、木馬に乗っている子どもに触れられる距離まで近づくが、子どもは一心不乱に木馬で遊んでいるだけであり、魔女も、下着姿のマリアにも気が付いている様子ではなかった。

そして魔女は子どもの顔を掴み、自分の口元へと近づけさせる。

 

 

「やめろ! 子どもに触るな!!」

 

 

マリアの警告も虚しく、魔女はその醜い魔女のマスクを持ち上げると子どもの耳から虹色の何かが漏れ出し、なんと魔女はその何かを吸い取ってしまったのだ!

そして、先ほどまで元気だった子どもの顔はどんどん白くなってゆき、最後は木馬に持たれるように倒れてしまったのだ!

 

 

「なにしたの! 子どもに何をしたの!」

 

「夢を全部吸い取ってあげた。 子どもたちの夢が私の食糧なのさ!」

 

「そんな馬鹿な・・。 返せ、返しなさい!! お前が吸い取った夢は全部その子のものだ!! お前が勝手に盗んでいいものじゃない!」

 

「子どもに夢は要らない。 どうせ大人になるまでに、人形やおもちゃの様に全部捨ててしまうのだ!」

 

 

吠えるマリア。 だが魔女はそれを嘲笑うかのように何をしたのか説明し、手をかざすと子どもを消し去ってしまった。

 

 

「! 子どもをどこにやったの!?」

 

「夢の墓場に捨ててやったのさ。 くぇへへへへっへ!」

 

「夢の墓場? さっきの公園のことか?」

 

「大人の夢はいらない。 大人の腐った欲望を吸っても、腹を壊すだけだ。 あはははは!! だからお前はそこで寝てな!」

 

 

そう言い残すと魔女は入ってきた扉の中に入り、扉ごと何処へと消えてしまう。

そして、マリアが入っていた透明な牢屋にガスが噴出され、たちまち牢屋はガスに包まれてしまった。

 

「ケホケホ! なんとかしなくちゃ! せめてギアさえあれば・・・・」

 

机に置いてあるギアを見つめるながらマリアはまた意識を手放してしまう。

 

 

 

 

 

「テン・リトル・インディアンズ」の音楽が流れる。

その音楽を背景に一人、また一人とハロウィンを満喫し、夢の中の住人と化していた子どもたちは目を覚まし、ベッドから静かに抜け出し街を徘徊し始める。

仮装こそしていないがその様相は不気味な光景であった。

 

 

 

一方その頃、S.O.N.G本部では朔也が自販機の前にいた。

今日の当直は彼とあおいの両名であったが、現場に出たあおいを気遣い仮眠を取らせたため、こうやって自販機で暖かい缶コーヒーを買いに来ていたのだ。

お目当ての商品を買い、指令室に戻ろうとすると、廊下を下着姿で歩いているあおいを見つけたのだ。

 

 

「あ~? 友里さん? どうしたんだ? 基地内でそんな恰好、っておい! どうした!? 友里さん!?」

 

 

なるべく直視しないようにしながらあおいに声を掛け、反応が乏しかったため肩を揺らすとあおいは糸が切れた人形のように力が抜け、倒れてしまいそうになった。

幸い朔也が体を支えたため事なきを得たがこの異常に疑問を抱いた彼はすぐさま司令に連絡し、装者を含め緊急招集をかけたのだった。

 

 

 

 

 

「キャンディだと?」

 

「はい。 魔女の恰好をしたおばあさんが子どもたち配っていました」

 

「で、君もそれを食べたのか?」

 

「・・・はい」

 

 

数十分後、夜中にも関わらず本部指令室には装者たちと騒動の原因となったあおいやその他メンバーが集結していた。

 

 

「もしキャンディが夢遊病の原因だとすると、子どもたちも友里さんみたいに夢遊病になっているのかもしれません・・・」

 

「藤尭ッ! 至急付近のパトロールに通達をしてくれッ!」

 

「そういえば、マリアちゃんがその魔女のおばあさんの事を調べていたはず・・・」

 

「・・・マリア君はどうした?」

 

 

あたりを見渡すがマリアの姿はなかった。 予定では今日は本部の個室に泊まっているはずなので切歌と調の二人が迎えに行ったのだが・・・

 

「大変デスッ! マリアが部屋にいないデスッ!」

 

「部屋はもぬけの空。 マスクしかなかった。 一緒に帰ってきたはずなのにッ!」

 

「大変ですッ!磁場の中心源で空間が異常に歪んでいますッ! まるでブラックホールみたいだッ!」

 

「よしッ! S.O.N.G出動だッ! おそらくマリア君も現場にいるはずだッ! 皆心して掛かって欲しい! 友里くん! 君も同行したまえ!」

 

「! 了解です司令!」

 

 

 

 

 

空き地から巨大なジャックオーランタンが現れる。

そしてまるで家にお菓子を貰いに行くみたいに子どもたちを次々にジャックオーランタンに吸い込んでいく。

違うのは今回のTreatは子ども自身であることだ。

 

 

「さあみんな! パンプキンに乗って夢の国にいこう!」

 

 

魔女がパンプキンの上に現れ子どもたちを次々にかどわかしていく。

だが、それを黙って見過ごさない人たちがいた。

 

「みんな目を覚まして!」

 

「だめだ!そっちに行っちゃいけないッ!」

 

「騙されちゃだめ! あれは悪い人なのよッ!」

 

マリアを除くギアを装者6名に慎次とあおいが子どもたちを必死に引き止める。

 

 

「ほれみろ! 大人は敵だ! 大人はいつでも子どもの邪魔をする。夢も自由も全部、大人は子どもから全部奪っていく!」

 

「こんの! 絶対に許さないわッ!」

 

あおいが拳銃で魔女を撃つ。 

すると弾丸は魔女に命中するが致命傷にはならず、パンプキンの中への消えて行ってしまう。

そのかわりなのか、先ほどまで魔女のいうことを信じ、抵抗していた子どもたちが正気に戻ったのだ。

 

だが、安心したのも束の間だった。

ジャックオーランタンの眼が怪しく点滅したと思うと地面が揺れしながら沈み始める。

 

「逃げろ! さあみんな! 早くここから逃げて!!」

その合図を皮切りに翼は子どもたちを空き地の入り口まで先導し、装者たちは腰を抜かし歩けなくなった子どもたちを抱きかかえるなどサポートしながら安全な場所まで誘導するのであった。

 

 

 

 

「けほけほ! 一体どうなっているの?」

 

 

パンプキンが沈むその衝撃でマリアを閉じ込めていた牢屋が開く。 

絶好のチャンスであったが、長時間ガスを浴びていたためかマリアの意識は朦朧としていたため冷たい床に倒れこんでしまう。

 

 

 

『本部より緊急連絡! パンプキンは次元を移動しようとしています』 

 

「野郎! 逃がして堪るか!」

 

「よせ雪音!まだ子どもたちが居るんだ!」

 

「しかしこのままじゃッ!?」

 

 

クリスはアームドギアをライフルに変化させ撃とうとするが、翼が止める。

歯がゆい思いをする二人。

 

その頃マリアは必死に机に置かれたギアに手を伸ばしていた。

なんとかギアを首に掛ける際のチェーンに手が届き、心の種火としてあの魔女に対する怒りを燃やして聖なる歌を謳い上げる。

 

 

「Seilien coffin airget-lamh tron」

 

 

 

 

 

パンプキンの沈みが収まる。 そして上部が破裂し、中から一筋の光線がハロウィンの夜空に線を描くと共に白銀のギアを纏ったマリアが飛び出した。

 

 

 

「「マリア!(デス!)」」

 

「マリアちゃん! 大丈夫だった!?」

 

「ええ。 調、切歌。 そしてあおい。 心配かけてごめんなさい。 みんな力を貸して! あの魔女は子どもたちの夢を食べる恐ろしい魔物よ! そんな奴を野放しにできないわ!」

 

 

マリアの言葉に全員が心を一つにし、魔女を倒さんと獲物を構える。

 

 

「おのれよくも! ならばお前たちを倒し、貴様以外のそいつらの夢を喰ってやる!」

 

 

そういうと魔女はこの世の生物とは思えない形状へと変化させ、異次元人ギランボへと姿を現す。

更に巨大化することによりアドバンテージを得ようとするがそんなことで怯むシンフォギア装者ではなかった。

 

 

 

ギランボはその巨体を生かし、装者たちを踏みつけようとするが装者たちはバラバラに散会し、的を絞らせないようにしながら各個攻撃を開始する。

 

まずは機動力の高い響と調が囮となり回避に専念すると、クリスが遠距離攻撃を仕掛ける。 

それを煩わしく思ったギランボも光線など放ち反撃するがそれを未来が纏う神獣鏡のギアが精製する魔よけの鏡で反射させることで身を守り、その隙を翼、切歌の近接コンビが切り刻んでいくという見事な連係プレイでギランボを追いこんでいく。

 

マリアは装者全員に細かい指示を飛ばしながら攻撃に参加していく。 

戦いは優勢に進んでいくがここでギランボが新しい動きを見せる。

 

「ここだ!・・・なに!?」

 

「き、消えたデスよ!?」

 

「ちくしょう! どこへ行きやがった!?」

 

「・・・マリアさん後ろ!!」

 

「ッ!? また消えたッ!? みんな! 一か所に纏まってッ!」

 

 

なんとギランボはテレポートを繰り返し、装者たちの背後を取り始めたのだ。

あの巨体でありながら気配も足音も無く忍び寄るギランボに対しマリアは互いに背を合わせ、死角を失くすプランに変更せざるを得なかった。

 

「・・・次は何処から現れるのッ!?」

 

「響! みんな! 見て!?」

 

 

なんとギランボは10人に分身し、装者たちを囲むように現れたのだ。

数の上でも有利を取られてしまい装者7名は攻撃する余裕がなくひたすら回避を強いられてしまいじり貧となってしまう。

 

 

「そんな! どうすればいいの?」

 

「友里さん落ち着いてください。 こういう時こそ、僕たちが翼さんたちをサポートしなければ!」

 

『こちらエルフナインです! 過去の敵の行動パターンを見るに、恐らく夜間しか活動できないと思われます。 なので強力な光を当てれば、敵を弱体化が出来るかもしれません!』

 

「光!? 緒川くん何か光を放てる物持ってる!?」

 

「目くらまし用のフラッシュグレネードならいくつか!」

 

「OK! 未来ちゃん! 合図したら鏡を大量に怪獣ごと包むように展開して! みんなは目を閉じて耳を塞いで衝撃に備えて!」

 

『それしかなさそうね! 分かったはいつでもやって頂戴!』

 

「緒川くん準備は良いわね! 3・・・2・・・1・・・今!」

 

 

合図共に大量の鏡が装者たちと怪獣ごと包むようの現れ、緒川が投げたフラッシュグレネードが乱反射され強力な光が辺りを覆いつくす。

 

 

そして光が晴れると先ほどまでいたギランボの分身体は本体を残し全て消滅した。

その隙を逃す装者たちではなかった!

 

 

「今だ! S2CAセプタゴンバージョンッ!!」

「食らいなさい魔女よ! わたしの夢を侮辱した罪、贖ってもらうわよッ!」

 

小日向未来を入れたヘキサゴンを超えるセプタゴンの音階の絶唱が鳴り響き強力なエネルギーが生まれ、魔鏡によって増幅されたフラッシュグレネードの威力から立ち直れないギランボは成す術もなくそのエネルギーを受け消滅したのだ。

 

ギランボの撃破と共に朝日が昇り始める。 

10月も終わりを迎え、11月最初の朝日があたりを照らし始めると子どもたちを飲み込んでいたパンプキンが光と供に消滅、 夢の墓場連れ去られていた子どもが解放され、白かった顔には精気が戻り、皆悪夢から醒めたように喜びを分かち合っていた。

 

 

 

 

 

「子どもたちが無事でよかったですね!」

 

「そうね! 危うく地球の宝物が盗まれるところだわ!」

 

「確かにな。 これからの地球の未来を作っていくのは、子どもたちの夢だからな」

 

「子どもたちの夢が地球の宝物か!」

 

「ならあたしたちもさっさと帰って寝るデス! そしてたっぷり夢でも見るデス!」

 

『ザンネンだがそうはいかない。 今日は平日だ。 午前は良いが、午後からはちゃんと学校に行けよ! 社会人も同様だ! 山ほど任務が待っているぞ!』

 

「そんな~私たちは夢を見ることも出来ないんですか?」

 

『夢を実現させるには、まず現実にぶち当たらないとな!』

 

「「「えええええ~?」」」

 

「ところでマリア?」

 

「どうしたの調?」

 

「さっき言っていたマリアの夢ってなんなの?」

 

「えッ!? ・・・・秘密♡」

(言えない。 私の夢は可愛いお嫁さんになって普通の家庭を築きたいなんて!)

 




感想、評価、御気に入り登録、その他心待ちにして頂いた方々、本当にお待たせいたしました。
そしてザムシャーを期待していた方々申し訳ございません。 もうしばらくお待ちください。
そして今回より次回予告を廃止いたします。なので次回もどのような話になるか不明です。

もしかしたらクリスマス回になるかもしれませんが寛大な心でお待ちいただけますよう、心からお願い申し上げます。

それではよいハロウィンであったことをお祈り申し上げます
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