侑ちゃんハーレム   作:水甲

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18 しずくちゃんとキスしたい

「演劇の練習に付き合ってほしい?」

 

ある日のこと、私はしずくちゃんに頼まれ事をされていた。

 

「はい。お願いできませんか?」

 

「でも私で練習になるかな?」

 

演技とか出来ないし……私じゃなくて他の人に頼めば……

 

「いえ、これは先輩にしか頼めません。台詞はなく、ただ立っているだけでいいんです」

 

それだけなら……いいかな?

 

「いいよ。何処でやる?部室?講堂?」

 

「そこの空き教室でやりましょう」

 

指差した教室は……確か昨日璃奈ちゃんとキスした……

 

 

 

 

 

 

 

 

空き教室で練習が始まった。

 

『どうして……貴方は私の気持ちに気づいてくれないのですか?』

 

こうして近くで見ると本当にしずくちゃんは凄い……ただ立ってるだけでこんなに演技に引き込まれる

 

『私は貴方の事が好き……好きです。だから……お願い……私の気持ちに気づいてください』

 

涙を流すしずくちゃん。私は咄嗟に駆け寄ろうとしたけど、これは演技だと気づいて止めた。するとしずくちゃんは私の方を見た。

 

『私は……貴方が大好きです……私は貴方の恋人になれますか?』

 

「あ……」

 

私も好きと答えそうになった……でもこれは……

 

「貴方が好きです。貴方の気持ち……教えてくれなくてもいいです。ただ……私の想いがこもった……」

 

しずくちゃんは私に近寄り、そっとキスをしてきた。

 

一瞬演技かと思ったけど……しずくちゃんの持つ台本は……白紙だった。

 

「ありがとうございます。先輩。練習に付き合ってくれて」

 

「練習……じゃないよね……その台本……白紙だし……」

 

「バレてましたか。昨日、通りかかった際に璃奈さんとキスをしていたのが見えたので……私にもしてもらえないかと思い……」

 

「それで……こんな形で」

 

「すみません。正直に話すのが恥ずかしいので…………」

 

しずくちゃんは顔を赤らめていた。だからってこんな演技の練習なんて手を使ったのか……

 

「こんな私でも先輩の恋人に…………理想の恋人になれますか?」

 

しずくちゃんの問いかけに私は…………

 

「もう充分……理想の恋人だよ……」

 

そう言ってキスをするのであった。

 

「私……こんな風にキスされたら……先輩の事……もっと好きになって……先輩の前だと……普段の通り出来なそうです……」

 

「いいんだよ。私の前では私の事が好きなしずくちゃんを見せてほしい」

 

「私……アドリブ……苦手ですから……はっきりと好きだって……愛してほしいと言いますよ」

 

「うん、言って……私も言うから」

 

「みんなと同じように愛してくれますか?」

 

「愛するよ」

 

「先輩……大好きです」

 

恋人(ヒロイン)




次回は一年生編のラスト、かすみちゃんです

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