せつ菜side
「料理を教えてほしい?」
「はい‼」
「せっつーからそんな頼み事めっずらしいね~」
「実は言うと…………侑さんにクッキーを作ってきて食べてもらったのですが…………」
数日前のこと、私は侑さんにクッキーを食べてもらったけど…………
「どうですか?愛を込めて作りました‼」
「……お、おいしい……よ」
何故か微妙な顔をしていた。これは…………
「と言ってもらったのですが…………」
「侑ちゃん、気を遣ってたんだね」
「せっつーの料理、何て言うか独創的だからね」
「レシピ通りに作れば…………」
「侑さんのあの顔…………私の愛が足りなかったからあんな顔をしたんですね‼」
侑さんへの愛が足りなく、あんな微妙な顔をしていたはず‼なので……
「私に愛がこもった料理の作り方を教えてください‼」
「えっと……」
「それぐらいなら………」
侑side
家に帰ると歩夢の家からいい匂いがしてきた。
何だろう?何か作ってるのかな?ちょっとお邪魔してみよう
私は呼び鈴を鳴らすと、エプロン姿の歩夢が出迎えてくれた
「あれ?どうしたの?」
「何だかいい匂いがして…………」
「ふは、貴方らしいね。出来たら呼ぼうと思ってたの。折角だから入って」
「うん♪」
私は家に上がり、リビングに通された。すると台所には……エプロン姿の愛さんとエプロン姿の…………せつ菜ちゃん!?
「やっほー侑。どうしたの?」
「侑ちゃん、匂いにつられてきたの」
「そうなんだ~」
「って歩夢さん!?何で上げたんですか!?」
「う~ん、何となく?」
「うぅ……出来てから食べてもらおうと思ったのに…………でも来た以上は‼」
せつ菜ちゃんは気合いが入ってるけど…………なんと言うか……せつ菜ちゃんの料理は……独創的な味付けなんだよね…………
「待っててください‼侑さんが大喜びする料理を作りますから‼」
「う、うん」
だ、大丈夫だよね…………歩夢と愛さんの二人がいるから……きっと…………
「せつ菜ちゃん!?待って!?何入れようとしてるの!?」
「えっ?私の愛情が伝わりやすいように……」
「せっつー、レシピ通りで大丈夫だから……」
本当に……大丈夫だよね…………
少ししてから完成したのか私の前に出されたのたまご焼きだった
「食べてみてください‼自信作です」
見た目は普通…………私は歩夢たち二人を見て、二人は頷いた。
信じるよ、二人とも‼
意を決して一切れ食べると…………
「ふわ…おいしい……」
「ほ、本当ですか!?」
「うん、歩夢の卵焼きと同じくらいおいしいよ」
「あ、ありがとうございます」
「せっつー良かったね」
「頑張ったもんね」
「これもお二人のお陰です‼ありがとうございます‼」
せつ菜ちゃんは本当に嬉しそうにしていた。でもこれ、本当においしいけど…………
「何か特別なものでも入れてるの?」
「う~ん、内緒かな?」
「内緒内緒」
「内緒です‼」
「えぇ~三人だけの秘密ずるい~」
せつ菜side
教えてほしそうにしている侑さん。特別な調味料は入っています。それは…………
『食べてもらう人のことを想いながら作るとね。すっごく美味しくなるんだよ』
『料理は愛情‼それだけで十分だからね~』
私は侑さんのことを想いながら作りました…………侑さんの美味しそうに食べている姿を見ているだけで……私は満足です‼
折角だから明日も作ってこよう‼
侑side
次の日のお昼、部室でミーティングするためにみんなとお昼を食べていると
「侑さん、今日も作ってきました‼どうぞ‼」
「いいの?ありがとう~」
「せっつー、昨日頑張ったもんね~」
「かすみんもせつ菜先輩の卵焼き食べてみたいです~先輩、あ~んしてください」
かすみちゃんは食べたそうにしていたから私が食べる前にかすみちゃんにあ~んすると…………
「……………………」
かすみちゃんが止まった
「か、かすみさん?」
「せつ菜ちゃん、レシピ通りだよね?」
「はい‼でももっと愛情を込めてアレンジを込めました‼」
これ、まずアレンジをするのをやめさせた方が早いのでは?