UNITIA 神託の使徒×終焉の女神 -BEYOND THAT- 作:トブト
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しかし話はここで終わらない。
またも進展なしと落ち込むふたり。その落ち込み様に小さな郵便屋は自責の念に駆られるように話しかける。
「す、すみません……ご期待に沿えず……」
申し訳なさそうに謝るメルメルを見て短髪団長はその頭に手を置いて朗らかに笑う。
「いやこっちこそごめん。変に期待しちゃって。メルメルが一生懸命に誰よりも頑張っているのは僕たちはもちろんみんな知ってるよ。だからそんな顔しないで」
そのままくしゃくしゃと頭を撫でると小さな郵便屋の暗い顔は徐々に晴れやかなものへと変わっていく。
それを見て内心安堵するもリアンは思案する。
「しかしジェイニー…居場所か……一体どこにいるんだろ」
「はい……さすがにボクも行ったことのない場所や知らない場所となると…」
と、頭を撫でられてなにやらもじもじと顔を赤らめていたメルメルであったがそこで何かを思い出したかのような顔つきになる。
「そ、そういえば……配達の途中で聞いた話なんですけど……なんでも誰がどこにいてもその人の居場所を当てられちゃうすごい人がいると」
「そ、それ本当!?詳しく!!」
「ふにゃぁ!?」
小さな郵便屋の口から発せられた情報に短髪団長は藁にもすがるような勢いで食いつく。
頭を撫でる速さも変わる。
それの影響なのか小さな郵便屋の目がとろんとし始める。
「はにゃ……は、はぃぃい………。た、ただボク…も……あっ……う、うわさ程度……のもの……なんです……はわぁ……けどぉ……!」
頭を撫でられながらもメルメルが言うには。
その人物が言うことは全て当たる。
その人物は前触れのなく現れて唐突に消える。
その人物は全てを知っている。
と言ったなんとも曖昧な情報ばかりであった。
「噂…ね。ねぇ、メルメル。それってどこで聞いた話なの?」
生還を果たし、落ち着きを取り戻した青髪制服は噂の出所を探ろうとする。
「はうぅぅう……そ、それなんですが…あ、ダメ……この話を聞く時はいつも……はにゃにゃあ……ミストレアに……も、もうダメ……配達に行った時でして……あうぅぅう」
「……ねぇ、リーダー。一度撫でるの止めたら?」
「え、そんな…」
そう言われて軽くヘヴン状態に達しつつあったメルメルの頭から短髪団長は名残惜しそうに手を離す。
「リアン、頭を撫でたいのでしたら私の頭をどうぞ」
テラが代役を打って出てくれたがそろそろ周囲の視線が厳しいものに変わっていたのでやんわりと断った。
「ミストレアか……噂が本当ならばその人物はよほど情報収集能力に長けているのかそれともなんらかの手段を用いて情報を集めているのか……いずれにせよ気になるところね。ねぇ、他に情報とかってないの?」
「え、えっと…」
乱れた髪を整えつつも頬を赤に染めるメルメルはしばし考え込む。
「あっ、そういえばその方はよく星空を眺めていたそうです」
「星空?」
「星が好きなのでしょうか?」
「たしかに星空って見ているとキレイですよね~。わたしもよくブルーバードの上から夜の空を眺めてたりしてますよ~」
「なんで上からなの…?」
話の方向性が若干脱線しかけるも青髪制服の咳払いひとつですぐさま軌道を修正する。
「はい…なんでも『星が教えてくれる』んだそうです。………すみませんこれくらいしか情報を持ってなくて」
「いいえ。十分すぎるわメルメル。ありがとうね。またこういう噂とか聞いたら教えてもらえると助かるわ」
再び沈んだ表情を浮かべる小さな郵便屋であったが青髪制服の言葉を聞いて弾けるような笑顔に変わり。
「はい!ハッピーデリバリーメルメル!あなたの幸せを届けるため!いつでもどこでもハッピーをお届けします!それではボクはこれにて!また会いましょう!虹の調査団のみなさん!」
ひと通り謳い文句を述べるとそのまま笑顔を振りまいて小さな郵便屋はグモトピアから外へ出るのだった。
メルメルを見送った後。
「ねぇ、リュイン、リーダー。メルメルが言っていた噂ってミストレアでは有名なものなの?」
マキアに問われ、ふたりはしばらく考え込むも。
「うーん…ちょっと聞いたことはない……かな?リアンは?」
「……僕も聞いたことない。……星か」
互いに被りを振る。
「そう……やっぱり噂でしかないのかしら。まぁ、そんな都合よくはないわよね」
言うや青髪制服がため息を吐くと沈黙が生まれる。
「ま、しょうがないわよ。ここは地道にジェイニーを探していきましょ」
純白ワンピースが切り替えるように手を叩く。
「……それもそうね。それじゃあ次の行き先だけど…」
と、次の調査場所を決めるためにそのまま話を進めようとする。
「待って」
そこにリアンの制止の声が掛かる。
「………?どうしたの?リアン?」
訝しむ女性陣を集め、短髪団長は考え込むようにして口を開く。
「……噂について心当たりがある」
「え?」
突如語られる言葉に皆一様にリアンの言葉に耳を傾ける。
「噂の内容だけだとピンと来なかったけど…その人が星を見るって聞いて思い出したことがあるんだ」
「そ、それって?」
いつもとは違う真剣な雰囲気にその場の全員が呑まれていく。
「言ったことは全部が当たる…まるで全てを知っているかのよう…これって占いのことなんじゃないか?」
「占い?」
ひとつひとつを整理するように短髪団長は順当に話し、ある結論へと導いていく。
「占いをする人物…そして星が教えてくれる…このふたつに関して僕たちはそれをよく知る人物を知っている」
「え」
「あ」
「あー!」
やがて、その場の全員の頭にある人物が浮かび上がる。
そして、それは調査団の物語を大きく動かすこととなる。
「「「「シャルミラ!!」」」」「骨董品店のおばぁちゃん!」
「待って。今ひとり違うこと言ってなかった?」
「シャルミラです」
しかしそれに気づく者はまだ誰もいない。