UNITIA 神託の使徒×終焉の女神 -BEYOND THAT-   作:トブト

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ここから本格的に物語が始まります。


〜balmnasbt laKarmara〜 前兆 その1

 

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 [ここまでのあらすじ]

 

 

 情報局に対抗するために情報を集めていた虹の調査団。

 しかし調査は難航、途方に暮れていたところで元情報局の一員のジェイニーへと目を付けるもその居所が分からずじまいであった。

 そんな折、「誰がどこにいてもその居場所を言い当てられる」という人物の噂を聞き、その人物の行動から共通する調査団がよく知る者の名前へと思い立ったのだった。

 

 

 

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 そして、虹の調査団は今。

 王都キルシュバウム王国にいた。

 

 

 

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 「ちょっと!なんで入れないのよ!?」

 

 王都キルシュバウム王国。

 

 ミストレアいちの大国である通称バウム王国は二世界がひとつとなる前から存在しており、その歴史も古い。

 由緒正しい伝統と文化を重んじ、また女王と民を守る王国騎士団は脅威から守る盾にも敵を攻める矛にもなり、国にとって誇りでもある。

 また、諸外国との交流も盛んに行っており、近年ではネオラントとも交易をする商会もしばしば見られている。

 

 「なんであたしたちは入れないのよ!?」

 

 バウム王国・関所前。

 

 王都キルシュバウム王国はその国柄敵も数多く存在する。

 今はダストという共通の敵が現れたために表面上は停戦をしてはいるがその水面下では国家間の争いが続いている。

 そのためバウム王国の出入り口とも言える場所に関所を構え、危険物または人物が国に脅威を及ぼさないように見張りを立てている。

 その検問所にて、青髪制服様は憤りを隠せない様子で門番である騎士に食い掛かっていた。

 

 「ちょ、ちょっとマキア…」

 

 そんな青髪制服を宥めながらリオノーラは門番の騎士を真っすぐに見据える。

 

 「あ、あの…あたしたち虹の調査団です。ここには調査のために訪れたんだけど中に入れてもらえませんか……?」

 

 おずおずとした調子で涙で滲ませた瞳で訴えかける。

 

 「申し訳ありませんが如何なる理由であってもネオラントの者は通さないようにと申しつけられていますので」

 

 しかし、その身に纏う堅牢な鎧の如く頑なな意思でもっての対応が返されるばかりで事態は一向に進展しないのであった。

 

 「一体どういうことなんだろ……?」

 

 一方、その様子を遠くから見ていたリュインとリアンにテラ、グモモは難なく通過出来た。

 ミストレアでは一般の者でも自衛という名目で剣の帯刀が許されている。それはバウム王国内でも同じで、ネオラントでは剣を腰に差さずにいたリアンもミストレアにいる時は帯刀するようにしている。

 だが、そのリアンは問題ないというのに剣はおろか手ぶらでいるマキアやリオノーラが問答無用で止められるというのは妙な話であった。

 しかも理由がネオラント人というのだからなおさらだ。

 ちなみにテラの検問は門番も少し悩んだ末に通した。

 

 「なんでよ!?前は普通に通してくれたじゃない!?なんで今回はダメなのよ!!」

 

 もはや一種のクレーマーと化しつつある青髪制服に対しても門番の騎士は頑なな姿勢を崩さなかった。

 

 「現在、厳戒態勢を敷かれておりますので」

 「だからってなんでネオラント人だけが入れなくなるのよ!?」

 「それに関しましては申し上げることは出来ません」

 「…………!!!」

 

 先ほどからの馬耳東風な対応にフラストレーションが募っていく青髪制服様の我慢の限界は近かった。

 今にも門番に殴り掛かりそうな勢いのマキアを見て短髪団長は暴れてもすぐに取り押さえられるようにと仲間に目線で伝える。

 

 「何事ですか?」

 

 一触即発な状況の中、ひとつの張りのある声が突き通る。

 

 クリーム色のボブヘアーに気品あるカチューシャを着け、どこか高貴さを出しつつも幼さも残る端正な顔立ちに一見似合わないような蒼玉色の鎧の上にドレスを身に着けたような力強さと可憐さも兼ね備えた出で立ちをししつつもどこか芯の通っている女性騎士。

 

 「トリストラ!」

 

 トリストラはバウム王国守護騎士団の分隊長を務める中堅株で、その主な役回りは団員の指導役や各分隊長のまとめ役など組織の要を担っている。

 虹の調査団とは当初はそれぞれの思惑から衝突することもあったが、今では共に肩を並べて戦い、且つ騎士として以外の世界に触れてみたいと意欲的に協力する関係を築いている。

 

 「虹の調査団……」

 

 しかし、この日の彼女はどこか重苦しい雰囲気をまとっていた。

 バツが悪いというか、今顔を合わせるのはマズいような空気。

 

 この感じはまるで初めて会った時のような──。

 

 「………?」

 

 その表情はすぐになりを潜め、いつもの毅然とした顔になるも短髪団長だけは見逃さないのであった。

 そのままドレスの騎士はリアンたちを通り過ぎ、揉めているマキアたちの元へ向かう。

 

 「あっ!ちょっと!トリストラ!あたしたち王国内に用があるんだけどこの人がネオラント人だから通さないって言うのよ!なんとか言ってよ!」

 

 「マキア……」

 

 知り合いを見つけて水を得た魚のように得意気になる青髪モンスター。

 そんなふたりの間に立つようにトリストラが割って入ると。

 

 「申し訳ないですが現在バウム王国内にネオラント人を入れることは出来ません。お引き取りを」

 

 と、言い放った。

 

 「え……?」

 

 さすがにそう言われるとは予想しておらず、青髪制服も一瞬呆けたような顔をする。

 

 「な、なんで」

 「この者たちを丁重にお送りしろ」

 「はっ」

 

 有無を言わさない勢いでドレスの騎士はそれだけ言うと、短髪団長たちの方へと振り返る。

 

 「ついてきて」

 「え?」

 

 一瞬、聞き間違いとも思えるような小声が聞こえるも、当の本人はそのまま何事もなかったかのように検問所から出てしまったため短髪団長と赤ポニテは互いの顔を見合わせながらもその言葉を信じて言われた通りにその後を追いかけるのだった。

 

 「ちょっと待ちなさいよ!ちょっとーーーーーーっっ!!」

 

 後ろで騎士たちに引きずられながら喚く青髪制服の姿を捉えて。 

 その叫びは自然豊かなミストレアの風に乗って、遠く、響き渡る。

 

 

 

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