UNITIA 神託の使徒×終焉の女神 -BEYOND THAT- 作:トブト
17
ジェイニー捜索から数日が経った頃。
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「アリア、おかわりお願いします」
「あ、私にもお願いします~」
「はーい♪」
街中を隈なく探し回った調査団一行であったが、結果は言わずもがな、姿を見た者どころか影すら捉えられない状況となっている。
「もう!どこにいるのよジェイニーは!!」
進展しない状況に耐えかねたとばかりにぶつけどころのない怒りを口にする青髪制服様。
なお、スタイルはこの数日で元に戻っている。(服は伸びた)。
「なんでこんなに調べても何も出てこないのよ!?いくら追われる身だからって少しくらいの痕跡や目撃情報があってもおかしくないでしょ!?私たちみんな総出で探してるのに!!」
「マキアはほとんどジム通いだったでしょ」
「んぐっ…」
純白ワンピースのごもっともな言葉にマキアは借りてきた猫のように大人しくなる。
「でも確かにおかしいよ…。みんなでこれだけ調べても何も出てこないなんて…。この街には来てないのかな?」
その傍で今朝取った新聞を見ながら疑問を口にする赤ポニテ。
「それはどうだろう」
赤ポニテの横で短髪団長が被りを振る。
「ジェイニーの目的を考えるとこういう人の多い街には必ず訪れるはずなんだ。標的もここにいることがあるはずだし、情報も集まりやすい」
「さすが、『鉄の男』の言うことは違うわね」
「それはもうやめて…」
先日、何の因果でかフルアーマーで街で暴れていた巨大ロボと対峙したリアン。
その後会見でまさかの発言に一躍街の英雄として有名となってしまっていた。その影響で連日連夜報道陣による付きまといが起こり、リアンもまたマキア同様満足に捜査活動に参加できていなかった訳で。
「いっそ、あれを着てジェイニーを探してみる?」
「あっ、それ面白そう!」
リオノーラの悪戯な提案に割と乗り気な赤ポニテ。
「本当勘弁してください…」
報道陣からの逃走劇で相当な目に遭ったのか、時の人リアンは自身の顔を手で覆いつくすのだった。
「ま、冗談はさておいて」
と、青髪制服が軌道の修正に入る。
「なんにせよここでの調査は一度打ち切るべきね。他のところで情報収集に当たりましょう」
「そうだね……でもそうなると次はどこに行こうか…」
「うーん…」
もはや雲をつかむ所業に近い相手の所在を探る調査団一行の雲行きもいよいよ暗雲が立ち込め始める。
「みなさーん。ここは一度休憩にしてティータイムに入りませんか?」
そこに重い空気を打ち破るように透き通るような優しい声が広間に響く。
現れたのはごく薄い黄色に毛先がピンクのロングヘア―に整った顔立ち。長身を思わせる体躯に肩と胸元を露出させ、身に着けているドレスは宇宙を思わせるような素材を使っており、聖人と賢人を兼ね備えた雰囲気を醸し出す女性。
「アリア、これは?」
「シフォンケーキです♪」
アリア。
グモモの中に存在する『グモトピア』に住み着く自称管理人。
テラとは旧知の関係らしいが未だに謎多き人物。
調査団にはお茶や料理でもてなし、寮母のような立ち位置になりつつある。
しかしその行動にはいくつかの制限を抱えており、そのひとつとしてグモトピアより外に出れないという一面もある。
また、グモモとは視界を共有することができ、外界の様子を窺い知ることも出来る。
「わー!すごく美味しそうですよマキアさん!さっそくいただきましょ~!」
「シフォンケーキはケーキの中でもカロリーが低いものとされる…さらに熱も加えられているし形も○だから実質カロリーz」
「すごーい!ふわふわですごく美味しいー!」
「アリア、おかわりありますか?」
「えっ!?もう食べちゃったの!?テラ!?」
それまでの重い空気とは打って変わって和気あいあいとしたものに変わる。
その様子を見て和やかに微笑むアリアへ短髪団長が話しかける。
「いつもありがとうございます。アリアさん。おかげでみんなの顔が明るいものに変わりました」
「いえいえ♪いつもグモモがお世話になっておりますのでこれくらいは。何かお力になれましたのなら幸いです♪」
リアンにも微笑みを振りまくと、そこでミステリアスな聖女は何かを思い出したかのようにハッ、とした顔つきになる。
「そういえば…お客様がお越しになられていますよ?今グモモと遊んでくれていますが…。なんでもお届け物だとかで」
「届け物?」