家の影から山賊が出てくると、どこで知ったのか俺の情報を喋った。
というか、「風の妖精」はやめてほしい。妖精って言えばやっぱり女の子のイメージがあるから恥ずかしいんだよな。
「そういうアンタは?明らかに今までの奴らとは違うみたいだけど?」
「当たり前だ。あいつらに戦い方や忍術なんかを教えたのは俺だからな!」
やっぱりそういう事か。なら、こいつが親玉ってことか?
「じゃあアンタはあいつらの親玉で、忍術を教えたってことは元忍びなのか?」
「ああ、そうだ。俺は元々は岩隠れの上忍だった。戦争も経験し山程人も殺してる。まあ、味方も殺しすぎて処罰されさそうになったから抜けてきたがな」
岩隠れで上忍にまで上り詰めた抜け忍か。しかも、味方も殺してるとなると残虐性もある感じか。
後ろの家族を庇いながら戦うのはリスクがありそうだな。
そう考えた俺は山賊も減ってきた事もあり後ろの家族を避難させることにした。
「影分身の術!」
俺は影分身を作り出し影分身に家族の護衛も頼み家族を避難させることにした。
その間山賊の長はただ見ているだけだった。一応妨害の可能性も考えて警戒もしていたんだけどな。
俺は何も仕掛けてこなかった事を疑問に思い聞いてみた。
「何か仕掛けてくるかと思ってたんだけどな?」
すると、山賊の長はニヤケながら答えた。
「戦ってみたいのさ。たった5歳で戦争に出て、風の妖精という異名まで付くほど戦争で活躍した規格外とな!」
どうやらこいつは戦闘狂の部類らしい。こういう奴が1番厄介だったりするんだよな。
「さあ!始めようぜ!まずは景気づけに!」
山賊の長はそう言うと印を組み始めた。
「土遁・岩鉄砲の術!」
そう言うと山賊の長は口から石を放った。放たれたその石は徐々に大きくなってきて人の頭よりも大きくなってきた。
「風遁・窮風斬!」
俺はその岩を縦に切り裂いた。岩は二つに割れたがその先に山賊の長はいなかった。
それをわかっている俺は上に飛んだ。すると、俺のいた場所から手が出てきた。
「ハッ!!」
俺は出てきた手に対して窮風斬で風の斬撃を飛ばした。
すると、山賊の長はすぐに出てくると後方に下がった。
「俺の土遁・心中斬首の術を見抜くとはさすがだな」
土遁・心中斬首の術とは地面に潜り敵の足を掴み敵を地面に顔を出した状態で埋めると言う忍術だ。
それに対して俺は風読みで地面に潜る事は分かっていたので何があってもいいようにジャンプして上に逃げたという訳だ。
「悪いが俺はお前のように戦闘を楽しんだりはしない。なので最初から全力でいく!影分身の術!」
俺は影分身を2体出す事で時間を稼いだ。
「面白い!風の妖精の本気とやらを見せてみろ!」
山賊の長が影分身の相手をしている間に俺は風を身体の一つ一つの細胞に浸透させていった。
俺の本気といえば答えは一つ。
「空遁・風神モード!」
空遁・風神モードを使うことにより俺の髪は緑色になった。
「それがお前の本気か!」
俺の影分身の相手をしながら山賊の長は笑顔で喜んだ。
「なら俺も本気で行こう!土遁・
土遁・
「いくぞ伊賀崎タンバ!」
そう言うと山賊の長は
ドオオオオン!!
「ガハッ⁉︎」
ドン!!
「風神モードなら上忍クラスでも余裕があるな」
さて、地面に倒れたのは山賊の長の方だった。俺は
山賊の長は突如自身の頭上に現れた俺に対処ができず螺旋丸をもろに喰らって地面に叩きつけられ気絶した。
「どうやら向こうも完全に終わったみたいだな」
風読みでサクモ先生のほうを確認するとこちらに向かっているところだった。おそらく
サクモ先生たちがこちらに向かっているようなので俺は風神モードを解きこの場で待つことにした。
すると、すぐにサクモ先生たちがやってきた。
しかしフガクとノエミの表情が暗い。ミスでもしたのかな?
「タンバお疲れ様。正直心配はしてなかったが無事でよかったよ」
「それはいいんだけど、フガクとノエミはどうしたの?なんか暗いけど?」
俺がそう聞くとサクモ先生は何でもないかのように答えた。
「ああ、これはアカデミーから上がったばかりの下忍あるあるだよ」
詳しく聞くと村人の死体や山賊の所業などの凄惨な現場を目の当たりにして本来の実力が出せず死にかけたらしい。まあ、もちろんそこはサクモ先生が助けたそうだけど。
だが、途中からは本来の実力を出せるようになり山賊を倒せるようになったらしい。
本人たちは最初に動けなかったことを気にしているようだが途中からでも戦えたんならそれでいいと思うんだけどな?
という感じでサクモ班の初任務は終わった。